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「ホモ・エレクトス」の版間の差分

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2021年3月1日 (月) 05:29時点における版

ホモ・エレクトス 絶滅 (EX)
生息年代: 1.9–0.07 Ma
更新世前期–更新世中期
Homo erectus tautavelensis
地質時代
更新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目(サル目Primates
亜目 : 真猿亜目 Haplorhini
下目 : 狭鼻下目 Catarrhini
上科 : ヒト上科 Hominoidae
: ヒト科 Hominidae
亜科 : ヒト亜科 Homininae
: ヒト族 Hominini
亜族 : ヒト亜族Hominina
: ヒト属 Homo
: ホモ・エレクトス
H. erectus
学名
Homo erectus
Dubois, 1892


ホモ・エレクトスHomo erectus)またはホモ・エレクトゥスは、更新世に生きていたヒト科の一種である。かつてはピテカントロプス・エレクトスと呼ばれていたが、現在はホモ属(ヒト属)に含められている。

特徴

形態的特徴として、身長は成人男性で140cm~160cm、体重は同50kg~60kgと現代人よりかなり小柄でがっちりしているが、頑丈型と華奢型が存在していた。体毛は濃く、背中までびっしり体毛が生えていたと思われる。体色は黒色、体毛も黒色と考えられている。

頭部はホモ・ハビリス種に比べ額の傾斜がゆるく、大きな頭蓋の容量を持つ。脳容量は950ミリリットルから1100ミリリットルで、現生人類の75%程度。また、歯はより小さく、現代人に近い。行動面では、それ以前の人類よりも精巧な石器を作り、使用していた。[要出典]

ホモ属に含められる前はピテカントロプス・エレクトス(Pithecanthropus erectus)と呼ばれていた。この学名はジャワ原人発見の際に作られた。ピテカントロプスはギリシャ語のピテコス(pitekos 猿)、アントロポス(anthropos 人類)の合成語であり、猿人を意味した。現在はピテカントロプス属は廃止され、ジャワ原人の現在の学名はホモ・エレクトス・エレクトス(Homo erectus erectus)であり、ホモ・エレクトスの亜種である。

分布域

2015年7月現在化石として見つかっている地域はインドインドネシア中国北部、シリアイラクなどで、いずれも当時の沿岸部から20km以内の地域である。そのため、約50万年前にアフリカを出発してから主に海岸を通って分布域を拡大したと思われる。

アフリカを出た理由は当時の地球寒冷化による故地の乾燥化が主な原因で、氷河期の海退でスンダランドとなったジャワ島まで到達している。これらから推測される最大の分布域は東アフリカから地中海沿岸の中東、ペルシャ湾岸からインド、インドシナ、インドネシア、中国の遼東半島までの沿岸部と思われる。

彼らは約20万年前には中東地域でホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)との生存競争に敗れて絶滅し、約7万年前にはホモ・サピエンスとの生存競争に敗れて他の地域でも絶滅したと考えられている。

現生人類とのかかわり

ホモ・エレクトゥスの1亜種、あるいは近縁種ともされているホモ・エルガステルの仲間からホモ・サピエンスがアフリカにおいて進化したと考えられ、その他のエレクトゥスは全て現生人類とは別の進化経路を辿っているというのが現在の進化論の主流である。

ホモ・サピエンスとホモ・エレクトゥスは数万年同時に同地域に暮らしていたと考えられるが、彼らの遭遇は極めてまれであったと考えられる。ともにハンターとして獲物を追ってアフリカを出たが、約9万年前当時の人口は、たとえば広いインド全体でもサピエンス数百人、エレクトゥス数千人と考えられる。(この数値は公式な発表では存在せず、あくまでも数人の研究者の推測である為、時代により相当な誤差が生じる可能性は否定できない)。これは、たとえば北海道の山奥で希少種である雷鳥に遭遇する程度の可能性と言える。しかし、獲物が競合するホモ・サピエンスとホモ・エレクトゥスは、互いに争うことはなくても、狩猟技術の進んでいたホモ・サピエンスが圧倒的に生存に有利であったため、数万年をかけて両者の地位は逆転し、やがて、各地でホモ・エレクトゥスは主に飢餓により絶滅に向かっていったと考えられる。

また、1960年代まで有力な人類進化説として考えられていた多地域進化説は現在では否定されているが、ホモ・サピエンスとの混血は、種の分化が50万年前であるため、可能性は残っている。

種分類の異論

近年では、かつてホモ・エレクトゥスに含められていた以下の化石を別種とすることが多いが、亜種とすることもある。

ホモ・エルガステル(ホモ・エルガスター H. ergaster
トゥルカナ・ボーイを始めとするアフリカの化石
ホモ・ハイデルベルゲンシス (H. heiderbergensis)
ハイデルベルク人
ホモ・アンテセッサー (ホモ・アンテセッソール H. antecessor)
ハイデルベルク人に近いが時代が古い。

研究史

脚注

  1. ^ "In 1894, Dubois named the species Pithecanthropus erectus..."Homo erectus”. Smithsonian Institution. 2015年12月19日閲覧。
  2. ^ Robinson, John Talbot (1953). “The nature of Telanthropus capensis”. Nature 171: 33-33. doi:10.1038/171033a0. 
  3. ^ Broom, Robert, and John T. Robinson (1949). “A new type of fossil man”. Nature 164: 322-323. doi:10.1038/164322a0. 
  4. ^ Joordens, Josephine CA, et al. (2015). “Homo erectus at Trinil on Java used shells for tool production and engraving” (PDF). Nature 518 (7538): 228-231. http://hesp.irmacs.sfu.ca/sites/hesp.irmacs.sfu.ca/files/joordens_et_al._2014_homo_erectus_at_trinil_used_shell_for_tool_production_and_engraving.pdf 2015年12月19日閲覧。. 

関連項目

外部リンク