「しおかぜ (列車)」の版間の差分
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'''しおかぜ'''は、[[四国旅客鉄道]](JR四国)および[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)が[[岡山駅]] - [[伊予西条駅]]・[[松山駅 (愛媛県)|松山駅]]を[[宇野線]]・[[本四備讃線]]・[[予讃線]]経由で運行している[[特別急行列車]]である。 |
'''しおかぜ'''は、[[四国旅客鉄道]](JR四国)および[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)が[[岡山駅]] - [[伊予西条駅]]・[[松山駅 (愛媛県)|松山駅]]を[[宇野線]]・[[本四備讃線]]・[[予讃線]]経由で運行している[[特別急行列車]]である。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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[[山陽新幹線]]に接続して、岡山市と[[香川県]]の[[西讃]]・[[愛媛県]]の各都市を結ぶJR四国の主力列車である。 |
[[山陽新幹線]]に接続して、岡山市と[[香川県]]の[[西讃]]・[[愛媛県]]の各都市を結ぶJR四国の主力列車である。 |
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[[1988年]][[4月10日]]に[[本四備讃線]]([[瀬戸大橋線]])が開通に伴って岡山駅発着に変更され、引き続き高松駅を発着する列車は「[[いしづち (列車)|いしづち]]」として運転されるようになった。 |
[[1988年]][[4月10日]]に[[本四備讃線]]([[瀬戸大橋線]])が開通に伴って岡山駅発着に変更され、引き続き高松駅を発着する列車は「[[いしづち (列車)|いしづち]]」として運転されるようになった。 |
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=== 列車名の由来 === |
=== 列車名の由来 === |
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[[瀬戸内海]]の「海から吹く塩気を含んだ風」である[[潮風]]を[[平仮名]]表記にしたものである。「しおかぜ」の名称は、[[1965年]]から[[1968年]]まで、[[新大阪駅]] - [[広島駅]]間を運行する特急の名称として使用された(「[[山陽本線優等列車沿革]]」を参照)。また、[[房総]]地区の[[臨時列車]]にも漢字は異なるが「[[さざなみ (列車)|汐風]]」が存在していた。 |
[[瀬戸内海]]の「海から吹く塩気を含んだ風」である[[潮風]]を[[平仮名]]表記にしたものである。「しおかぜ」の名称は、[[1965年]]から[[1968年]]まで、[[新大阪駅]] - [[広島駅]]間を運行する特急の名称として使用された(「[[山陽本線優等列車沿革]]」を参照)。また、[[房総]]地区の[[臨時列車]]にも漢字は異なるが「[[さざなみ (列車)|汐風]]」が存在していた。 |
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== 平成期からの運行概況 == |
== 平成期からの運行概況 == |
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岡山駅 - 松山駅間で下り15本・上り14本、伊予西条駅 - 岡山駅間で上り1本が運転されている。 |
岡山駅 - 松山駅間で下り15本・上り14本、伊予西条駅 - 岡山駅間で上り1本が運転されている。 |
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[[岡山駅]] - [[児島駅]] - [[宇多津駅]] - [[丸亀駅]] - [[多度津駅]] - ([[詫間駅]]) - ([[高瀬駅 (香川県)|高瀬駅]]) - [[観音寺駅 (香川県)|観音寺駅]] - [[川之江駅]] - [[伊予三島駅]] - [[新居浜駅]] - [[伊予西条駅]] - [[壬生川駅]] - [[今治駅]] - ([[伊予北条駅]]) - [[松山駅 (愛媛県)|松山駅]] |
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* ( )は一部列車のみ停車。 |
* ( )は一部列車のみ停車。 |
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** 詫間駅 |
** 詫間駅:1-3・8・23・25・27・29・30号が停車。 |
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** 高瀬駅 |
** 高瀬駅:2・4・6・23・25・27・29・30号が停車。 |
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** 伊予北条駅 |
** 伊予北条駅:1・4・6・8・10・12・13・26・28 -30号が停車。 |
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修学旅行・団体利用により、停車駅でない駅に停車することもある。 |
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* 停車駅の詳細は以下の表を参照(2020年3月現在)。 |
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**{{Maru|■}}:全列車停車 |
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**{{Maru|●}}:大部分停車、一部の列車が通過。 |
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**{{Maru|○}}:大部分通過、一部の列車が停車。 |
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** -:通過 |
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!運行時間帯\駅名 |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[岡山駅]] |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[高瀬駅 (香川県)|高瀬駅]] |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[観音寺駅 (香川県)|観音寺駅]] |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[伊予西条駅]] |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[壬生川駅]] |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[今治駅]] |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[伊予北条駅]] |
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!style="width:1em; line-height:1.2em;"|[[松山駅 (愛媛県)|松山駅]] |
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!備考 |
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|style="text-align:left; "|下りの朝1便のみ詫間に停車。 |
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!朝・夕方・夜 |
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|style="text-align:left; "|夕方便、および上りの午前中一部は詫間・高瀬通過。朝の上下1往復は詫間停車、高瀬通過。 |
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=== 使用車両・編成 === |
=== 使用車両・編成 === |
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* 全車禁煙 |
* 全車禁煙 |
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* 座席種別・編成を変更する場合がある。 |
* 座席種別・編成を変更する場合がある。 |
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* 9・10・21・22号はアンパンマン列車で運転。 |
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; 凡例 |
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: {{bgcolor|#cf9|G}}=[[グリーン車]][[座席指定席|指定席]] |
: {{bgcolor|#cf9|G}}=[[グリーン車]][[座席指定席|指定席]] |
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沿線一部[[地方公共団体|自治体]]が、「しおかぜ」の[[軌間可変電車|フリーゲージトレイン]]化による[[新大阪駅]]直通列車運行を要望しており、実際にフリーゲージトレイン試作車による試験運転が行われている。すでに電化されているため、「南風」よりも実現性が高いものの、沿線自治体の姿勢が一貫していない上に、どの自治体も財政が厳しく、強く推進されていないのが現状である。 |
沿線一部[[地方公共団体|自治体]]が、「しおかぜ」の[[軌間可変電車|フリーゲージトレイン]]化による[[新大阪駅]]直通列車運行を要望しており、実際にフリーゲージトレイン試作車による試験運転が行われている。すでに電化されているため、「南風」よりも実現性が高いものの、沿線自治体の姿勢が一貫していない上に、どの自治体も財政が厳しく、強く推進されていないのが現状である。 |
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JR四国は2006年に[[国土交通省]]交通政策審議会・交通体系分科会の地域公共交通部会に提出した資料の中で、長期的に望まれる投資として瀬戸大橋線を介したフリーゲージトレインによる新幹線直通列車を挙げている<ref>{{Cite web|url=http://www.mlit.go.jp/singikai/koutusin/koutu/chiiki/3/images/04.pdf|format=PDF|title=四国地域における鉄道等の活性化について 第3回地域公共交通部会資料|publisher=[[四国旅客鉄道]]・[[国土交通省]]|page= |date=2006-11-14|accessdate=2014-11-08|archiveurl= |archivedate= }}</ref>。これとあわせて予讃線の伊予市 - 宇和島間の電化や伊予西条 - 松山間の短絡線([[高縄半島]]の付け根を結ぶ)も挙げられており、フリーゲージトレインが具体化した場合にはこれらの投資の必要性を考えているとみられる。 |
JR四国は2006年に[[国土交通省]]交通政策審議会・交通体系分科会の地域公共交通部会に提出した資料の中で、長期的に望まれる投資として瀬戸大橋線を介したフリーゲージトレインによる新幹線直通列車を挙げている<ref>{{Cite web|url=http://www.mlit.go.jp/singikai/koutusin/koutu/chiiki/3/images/04.pdf|format=PDF|title=四国地域における鉄道等の活性化について 第3回地域公共交通部会資料|publisher=[[四国旅客鉄道]]・[[国土交通省]]|page= |date=2006-11-14|accessdate=2014-11-08|archiveurl= |archivedate= }}</ref>。これとあわせて予讃線の伊予市 - 宇和島間の電化や伊予西条 - 松山間の短絡線([[高縄半島]]の付け根を結ぶ)も挙げられており、フリーゲージトレインが具体化した場合にはこれらの投資の必要性を考えているとみられる。松田清宏も2008年の雑誌の対談記事でそうした主旨の発言をおこなっている{{refnest|group=注釈|ただし、この出典記事では財政的な側面については、フリーゲージ車両の製造にかかる1両5億円といわれる費用について「どういう財政スキームが用意できるかという課題」にのみ言及しており、他の設備投資の財政的課題には触れられていない<ref>{{Cite journal|和書|author= |coauthors= |editor=松田清宏・今城光英|year=2008|month=04|title=JR四国の20年を語る|journal=[[鉄道ピクトリアル]]|publisher=[[電気車研究会|鉄道図書刊行会]]|issue=802|pages=10-18|id= |isbn= }}</ref>。}}。 |
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2010年には、松田 |
2010年には、松田や[[泉雅文]]が、高縄半島の付け根の短絡線による予讃線の時間短縮について相次いで言及した<ref>{{Cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/ehime/101209/ehm1012090210002-n1.htm|title=西条−松山の鉄道高速化を提案 JR四国会長 愛媛|newspaper=[[産経新聞]]([[MSN]]産経ニュース)|publisher=[[産業経済新聞社]]|date=2010-12-09|accessdate=2010-12-09|archiveurl=https://web.archive.org/web/20101212201923/http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/ehime/101209/ehm1012090210002-n1.htm|archivedate=2010年12月12日|deadlinkdate=2018年3月}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000001009250002|title=活路開くか特急高速化--JR四国|newspaper=[[朝日新聞]]高知版([[朝日新聞デジタル]])|publisher=[[朝日新聞社]]|date=2010-09-25|accessdate=2010-09-25|archiveurl= |archivedate= }}{{リンク切れ|date=2014年11月}}</ref>。泉社長はこれを含めた高速化(土讃線・高徳線を含む)の費用を1500億円と述べ、国の支援を求めているとしている。 |
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== 沿革 == |
== 沿革 == |
2021年1月6日 (水) 07:20時点における版
しおかぜ | |
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8000系電車による特急「しおかぜ」[注釈 1] | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 岡山県・香川県・愛媛県 |
前身 | 急行「いよ」 |
運行開始 | 1972年3月15日 |
運営者 |
四国旅客鉄道(JR四国) 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
旧運営者 | 日本国有鉄道(国鉄) |
路線 | |
起点 | 岡山駅 |
終点 | 伊予西条駅・松山駅 |
営業距離 | 134.3 km (83.5 mi) (岡山 - 伊予西条間) 214.4 km (133.2 mi) (岡山 - 松山間) |
運行間隔 | 15往復 |
列車番号 | M+号数 |
使用路線 |
JR西日本:宇野線・本四備讃線(瀬戸大橋線) JR四国:本四備讃線(瀬戸大橋線)・予讃線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車・普通車 |
座席 |
グリーン車指定席:1号車(半室) 普通車指定席: 1 - 3号車 普通車自由席: 4・5号車 |
技術 | |
車両 |
8000系電車(JR四国松山運転所) 8600系電車(JR四国松山運転所) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500V |
最高速度 | 最高130 km/h (81 mph) |
しおかぜは、四国旅客鉄道(JR四国)および西日本旅客鉄道(JR西日本)が岡山駅 - 伊予西条駅・松山駅を宇野線・本四備讃線・予讃線経由で運行している特別急行列車である。
概要
山陽新幹線に接続して、岡山市と香川県の西讃・愛媛県の各都市を結ぶJR四国の主力列車である。
1972年3月15日に、それまで運転されていた急行「いよ」を格上げしたことにより、高松駅 - 宇和島駅間で運転を開始した。同時期に運転を開始した「南風」とともに、四国初の特急列車であり、1986年11月1日にエル特急に指定されている。
1988年4月10日に本四備讃線(瀬戸大橋線)が開通に伴って岡山駅発着に変更され、引き続き高松駅を発着する列車は「いしづち」として運転されるようになった。
列車名の由来
瀬戸内海の「海から吹く塩気を含んだ風」である潮風を平仮名表記にしたものである。「しおかぜ」の名称は、1965年から1968年まで、新大阪駅 - 広島駅間を運行する特急の名称として使用された(「山陽本線優等列車沿革」を参照)。また、房総地区の臨時列車にも漢字は異なるが「汐風」が存在していた。
平成期からの運行概況
岡山駅 - 松山駅間で下り15本・上り14本、伊予西条駅 - 岡山駅間で上り1本が運転されている。
運行区間のほとんどが単線区間で列車の増発が困難であることから、伊予西条駅始発の1本を除き、宇多津駅・多度津駅 - 松山駅間で高松駅発着の「いしづち」を併結している。ただし、多客期(大型連休・お盆・年末年始)は一部列車を除いて宇多津駅または多度津駅での増解結作業を行わず、全編成が岡山駅発着の「しおかぜ」として運転される。この場合、高松駅 - 宇多津駅・多度津駅間に接続列車として臨時「いしづち」が運転され、宇多津駅 - 多度津駅間の各停車駅で乗り換えとなる。また、団体客が乗車する場合も同様で、時刻表に載らない場合が多い。逆に、瀬戸大橋が強風で運転を見合わせ、予讃線のみ運行可能な場合は、宇多津での切り離しはせず、全列車全編成とも高松駅発着となる。
1990年に2000系の量産車が予讃線に投入された頃から岡山駅 - 宇和島駅間を結ぶ直通列車は宇和島発が朝の上り3本、宇和島着が夜の下り2本のみとなり偏った状態だった。予讃線の電化完成当初は、岡山駅 - 宇和島駅間を結ぶ直通列車は宇和島発が朝の上りと宇和島着が夜の下り各1本のみ残されたが、松山駅で2000系同士の乗り換えが1日1回発生し、乗り換え利用時と直通利用時とで特急料金が異なる[注釈 2]ことが利用客から問題視され、一時的に2往復とされた。2011年3月12日からは、再度宇和島発が朝の上りと宇和島着が夜の下り各1本のみに変更された。
2016年3月26日のダイヤ改正で、8600系の「しおかぜ」への新規投入により、使用車両がすべて電車に統一され、特急列車は松山駅で完全に系統分離された。
停車駅
岡山駅 - 児島駅 - 宇多津駅 - 丸亀駅 - 多度津駅 - (詫間駅) - (高瀬駅) - 観音寺駅 - 川之江駅 - 伊予三島駅 - 新居浜駅 - 伊予西条駅 - 壬生川駅 - 今治駅 - (伊予北条駅) - 松山駅
- ( )は一部列車のみ停車。
- 詫間駅:1-3・8・23・25・27・29・30号が停車。
- 高瀬駅:2・4・6・23・25・27・29・30号が停車。
- 伊予北条駅:1・4・6・8・10・12・13・26・28 -30号が停車。
修学旅行・団体利用により、停車駅でない駅に停車することもある。
使用車両・編成
しおかぜ | ||||||||||||
← 松山・伊予西条 岡山 →
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|
全列車が松山運転所所属の車両で運転されている。なお、宇野線・本四備讃線では振り子を含む車体傾斜機構は使用しない。
- 8000系電車
- グリーン車を連結したL編成が充当される。かつては早朝の1往復(1・2号)に「いしづち」用のS編成が充当されていたが、2011年3月のダイヤ改正でL編成に統一された。
- 8600系電車
- グリーン車を連結した3両編成と普通車のみの2両編成を併結した5両編成が充当される。
運用上の特徴として、「いしづち」編成が岡山駅・高松駅側に、「しおかぜ」編成が松山駅側に連結される。このため、松山方面行きでは「しおかぜ」が先に宇多津駅・多度津駅に入り、「いしづち」が駅手前で信号待ちを行う。1998年3月14日 - 2014年3月14日の間は、「しおかぜ」の所要時間短縮のため8000系の向きが編成ごと方向転換されていたが、2014年3月15日のダイヤ改正から元の向きに戻されている。これにより、グリーン車の位置が編成の1号車に統一された。
かつて使用されていた車両
-
2000系「しおかぜ」
(アンパンマン列車・ばいきんまん号) -
2000系「しおかぜ」
(アンパンマン列車・ドキンちゃん号)
利用状況
JR四国もシェア確保のため積極的な営業戦略を行っている。具体的には、西日本旅客鉄道(JR西日本)と協力しながら、新幹線との接続改善、特別企画乗車券である阪神往復フリーきっぷの発売、パークアンドライドサービスの実施、四国・瀬戸内海エリアでテレビコマーシャルの放送などが挙げられる。大阪府と愛媛県との間の交通機関別の輸送シェアを2000年と2005年とで比較した調査においては、鉄道のシェアはほぼ横ばいであった[1]。
施設面では2006年(平成18年)11月に、岡山駅の橋上駅舎化による乗換利便性の向上が図られたほか、宇野線の部分複線化工事が2009年(平成21年)に完成し、同年3月14日のダイヤ改正で1 - 2分所要時間が短縮された。
フリーゲージトレイン化計画
沿線一部自治体が、「しおかぜ」のフリーゲージトレイン化による新大阪駅直通列車運行を要望しており、実際にフリーゲージトレイン試作車による試験運転が行われている。すでに電化されているため、「南風」よりも実現性が高いものの、沿線自治体の姿勢が一貫していない上に、どの自治体も財政が厳しく、強く推進されていないのが現状である。
JR四国は2006年に国土交通省交通政策審議会・交通体系分科会の地域公共交通部会に提出した資料の中で、長期的に望まれる投資として瀬戸大橋線を介したフリーゲージトレインによる新幹線直通列車を挙げている[2]。これとあわせて予讃線の伊予市 - 宇和島間の電化や伊予西条 - 松山間の短絡線(高縄半島の付け根を結ぶ)も挙げられており、フリーゲージトレインが具体化した場合にはこれらの投資の必要性を考えているとみられる。松田清宏も2008年の雑誌の対談記事でそうした主旨の発言をおこなっている[注釈 3]。
2010年には、松田や泉雅文が、高縄半島の付け根の短絡線による予讃線の時間短縮について相次いで言及した[4][5]。泉社長はこれを含めた高速化(土讃線・高徳線を含む)の費用を1500億円と述べ、国の支援を求めているとしている。
沿革
国鉄時代
- 1972年(昭和47年)3月15日:山陽新幹線開業に伴うダイヤ改正。急行「いよ」を格上げする形で、特急「しおかぜ」3往復運行開始。
- 1977年(昭和52年)3月15日:急行「うわじま」を格上げする形で、「しおかぜ」高松駅 - 宇和島駅間1往復増発。「しおかぜ」は4往復、「うわじま」7往復(このうち1往復は夜行列車)となる。
- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)
- 3月23日:高松駅 - 松山駅間高速化(最高速度110km/h)。
JR発足後
- 1988年(昭和63年)4月10日:本四備讃線(瀬戸大橋線)開業に伴うダイヤ改正。「しおかぜ」が岡山駅発着に変更され、5往復(うち岡山駅 - 宇和島駅間は下り1本/上り2本)となる。高松駅発着は「いしづち」9往復(うち高松駅 - 宇和島駅間:下り3本/上り2本)に移行。
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)11月21日:「いしづち」との併結運転を取りやめ、振り子式車両である2000系気動車を8往復中6往復(このうち岡山駅 - 宇和島駅間は2往復)で使用開始。残り2往復はキハ181系(うち岡山駅 - 宇和島駅間は上り1本)となる。
- 1992年(平成4年)8月15日:8000系電車の試作車が登場し、臨時「しおかぜ」2往復(岡山駅 - 新居浜駅間)および臨時「いしづち」2往復(51・56号:高松駅 - 新居浜駅間)で運転開始。
- 1993年(平成5年)3月18日:「しおかぜ」2往復増発され10往復に(全列車が児島駅停車)。予讃線・新居浜駅 - 今治駅間の電化完成に伴い、「しおかぜ」は以下のように変更。
- 8往復を8000系電車化。このうち3往復は多度津駅 - 松山駅間で「いしづち」と併結運転する。
- 残りの2往復は岡山駅 - 宇和島駅間1往復、岡山駅 - 松山駅間1往復で、2000系気動車での運転とする。
- 松山駅 - 宇和島駅間は、特急「宇和海」として分離される。
- 1994年(平成6年)12月3日:「しおかぜ」下り1本が増発され、下り11本/上り10本に。多度津駅 - 松山駅間で「いしづち」と併結運転する列車が下り4本/上り3本になる。
- 1997年(平成9年)11月29日:「しおかぜ」が1往復増発され、下り12本/上り11本に。2000系気動車「しおかぜ」は2往復とも岡山駅 - 宇和島駅間の運行となり、多度津駅 - 松山駅間で「いしづち」と併結運転する列車は下り10本/上り9本に増える。
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)3月13日:平日のみ運行の「しおかぜ」82号が毎日運行となり、「しおかぜ」2号となる。
2000年代の動き
- 2000年(平成12年)3月11日:「しおかぜ」が1往復増発され15往復に。多度津駅 - 松山駅間で「いしづち」と連結運転する列車は下り14本/上り13本に増える。
- 2001年(平成13年)10月1日:2000系気動車の一部(11両)が「アンパンマン列車」となる。
- 2002年(平成14年)
- 3月23日:多度津駅 - 宇多津駅で2本の特急列車が続行するダイヤを修正するため、「しおかぜ」と「いしづち」の分割併合を行う駅を多度津駅から宇多津駅に変更。
- 10月:予讃線の「アンパンマン列車」がリニューアル(2代目)。
- 2003年(平成15年)10月1日:宇多津駅 - 松山駅間で「いしづち」と連結運転する列車が下り15本/上り14本に増える。2000系の「しおかぜ」に松山駅で併結となる上り1本の「いしづち」を平日のみ宇和島発に変更した。また、車内販売が廃止される。
- 2005年(平成17年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 3月14日:宇野線の一部複線化、瀬戸大橋線の改良工事の完成により、茶屋町駅 - 児島駅間で130km/h運転を開始[9]。
- 8月1日:一部列車で丸亀駅 - 観音寺駅間において車内販売を再開。
2010年代の動き
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)3月12日:ダイヤ改正により次のように変更[14][15]。
- エル特急の指定を解除。
- 喫煙ルームを廃止し、完全禁煙になる。宇和島駅発着の1往復を再度松山駅発着に変更し、松山駅 - 宇和島駅間は「宇和海」に系統分離。通勤通学時間帯以外の「宇和海」4→3両化に合わせて、宇和島行きで残った21号も松山駅から先は3両編成での運転となる。
- 「しおかぜ」1往復(1・2号)が8000系3両編成から5両編成に変更される。これに伴い、「しおかぜ」の全列車にグリーン車が連結されることになる。
- 2012年(平成24年)8月27日 - 11月3日:予讃線の「アンパンマン列車」がリニューアル(4代目)[16][17][18][19]。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)3月15日:「しおかぜ」・「いしづち」に使用する8000系電車の編成を方向転換し、1 - 5号車を「しおかぜ」、6 - 8号車を「いしづち」に統一した[22]。
- 2016年(平成28年)3月26日:ダイヤ改正により次のように変更[23]。
- 1往復のみ残っていた宇和島駅発着(10号・21号)を松山駅発着に変更し、松山駅 - 宇和島駅間は「宇和海」に系統分離。
- 8600系が「しおかぜ」の運用を開始、2000系が「しおかぜ」・「いしづち」の運用から撤退し、すべて電車(8000系・8600系)での運転となった。
- 8000系の5両編成と3両編成の各1編成が「アンパンマン列車」として運用を開始した。
- 2018年(平成30年)3月17日:ダイヤ改正により次のように変更[24]。
- 5号・6号の使用車両を8000系から8600系に変更。
- 2019年(平成31年)3月16日:ダイヤ改正により次のように変更[25]。
- 2号の始発駅を今治駅から伊予西条駅へ変更。
- 21号の「いしづち」との分割併合を宇多津駅から多度津駅へ変更。
2020年代の動き
- 2020年(令和2年)
- 5月16日:新型コロナウイルス感染症による乗客減のため、この日から6月12日までの間、「しおかぜ・いしづち」下り7・11・15・19号と上り12・16・20・24号が運休[26]。また、「しおかぜ」下り5・9・13・17号と上り18・22・26・30号が「いしづち」との併結無しの単独運転となり、さらに「しおかぜ・いしづち」併結運転の下り3・23・27号が高松駅 ‐ 松山駅間の運転、上り4・8・28号が松山駅 ‐ 高松駅間の運転となる[27]。
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国鉄キハ181系気動車「しおかぜ」
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国鉄キハ185系気動車「しおかぜ」(1986年)
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国鉄キハ185系気動車「しおかぜ」(1987年)
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国鉄キハ185系気動車「しおかぜ」9両編成(1989年)
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8両編成中4両がキハ181形の「しおかぜ」
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JR四国8000系電車「しおかぜ」(リニューアル前)
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JR四国8000系電車「しおかぜ」「いしづち」アンパンマン列車(2016年)
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JR四国8600系電車「しおかぜ」「いしづち」(2016年)
脚注
注釈
- ^ ただし、画像のように8両編成である場合は、画像手前側3両が原則高松行特急「いしづち」となっており、8両全てが「しおかぜ」として運行されるのは繁忙期の昼間帯を走る列車や修学旅行などで一部車両が貸切となっている場合等に限る
- ^ 2004年12月に岡山駅または児島駅と内子方面を行き来する際に、松山駅で8000系電車の「しおかぜ」と2000系気動車の「宇和海」を乗り継いでも特急料金が通算される乗り継ぎ料金制度が設定された。なお、目的地が岡山駅でなく高松駅の場合は同じJR四国管内完結のため、この特例は1990年11月から存在していた
- ^ ただし、この出典記事では財政的な側面については、フリーゲージ車両の製造にかかる1両5億円といわれる費用について「どういう財政スキームが用意できるかという課題」にのみ言及しており、他の設備投資の財政的課題には触れられていない[3]。
出典
- ^ “地方空港の活性化に関する研究〜最近の地方空港の現況について” (PDF). 運輸政策研究機構 運輸政策研究所. pp. 6頁 (2008年3月5日). 2014年11月7日閲覧。
- ^ “四国地域における鉄道等の活性化について 第3回地域公共交通部会資料” (PDF). 四国旅客鉄道・国土交通省 (2006年11月14日). 2014年11月8日閲覧。
- ^ 松田清宏・今城光英(編)「JR四国の20年を語る」『鉄道ピクトリアル』第802号、鉄道図書刊行会、2008年4月、10-18頁。
- ^ “西条−松山の鉄道高速化を提案 JR四国会長 愛媛”. 産経新聞(MSN産経ニュース) (産業経済新聞社). (2010年12月9日). オリジナルの2010年12月12日時点におけるアーカイブ。 2010年12月9日閲覧。
- ^ “活路開くか特急高速化--JR四国”. 朝日新聞高知版(朝日新聞デジタル) (朝日新聞社). (2010年9月25日) 2010年9月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、24頁。
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- ^ “特急・快速・普通列車の運休(5月16日~6月12日) :JR四国”. www.jr-shikoku.co.jp. 2020年5月26日閲覧。
- ^ “お乗り換えとなる列車、運転区間が変更となる列車(5月16日~6月12日) :JR四国”. www.jr-shikoku.co.jp. 2020年5月26日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 車両情報<8000系特急電車> - 四国旅客鉄道
- 車両情報<8600系特急電車> - 四国旅客鉄道
- アンパンマン列車 - 四国旅行 JR四国ツアー(駅コミ)
- しおかぜ 8000系:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- しおかぜ 8600系:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道