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「ドロップキック」の版間の差分

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=== 概要 ===
=== 概要 ===
1948年に[[アントニオ・ロッカ]]が開発して披露。日本では[[国際プロレス]]に来日した[[エドワード・カーペンティア]]が初公開した後(『[[週刊プロレス]]』ビデオ増刊号のレトロ編1に収録されている)、1975年には[[全日本プロレス]]に来日した[[リッキー・ギブソン]]([[ロックンロール・エクスプレス]]の[[ロバート・ギブソン (プロレスラー)|ロバート・ギブソン]]の実兄)が公開して話題となった<ref>『全日本プロレス 来日外国人選手 PERFECTカタログ』P56([[日本スポーツ出版社]]、2002年)</ref>。テネシー地区でギブソンのライバルだった[[ココ・B・ウェア]]も得意技としている。日本では、この技をギブソンに受けた[[ジャンボ鶴田]]が<ref name=wp1784b/>、'''ウルトラC・ドロップキック'''、'''ジャンボ・ミサイルキック'''の名称で若手時代の切り札にしていた。[[ダイナマイト・キッド]]や[[ジョニー・スミス]]は、着地した後にヘッド・スプリングの要領で、すっと立ち上がるスタイルを取った。[[高野拳磁]]は2メートルの巨体から、この技を繰り出して「人間バズーカ」の異名をとった。また、[[森嶋猛]]のミサイルキックは'''スカッド・ミサイルキック'''と呼ばれた(この技を喰らった[[丸藤正道]]が、その威力の凄まじさから実在の[[スカッド|ミサイル兵器]]をイメージして命名<ref name=wp1784b/>)。そのほかに[[高田延彦]]も使用<ref name=wp1784b/>。
1948年に[[アントニオ・ロッカ]]が開発して披露。日本では[[国際プロレス]]に来日した[[エドワード・カーペンティア]]が初公開した後(『[[週刊プロレス]]』ビデオ増刊号のレトロ編1に収録されている)、1975年には[[全日本プロレス]]に来日した[[リッキー・ギブソン]]([[ロックンロール・エクスプレス]]の[[ロバート・ギブソン (プロレスラー)|ロバート・ギブソン]]の実兄)が公開して話題となった<ref>『全日本プロレス 来日外国人選手 PERFECTカタログ』P56([[日本スポーツ出版社]]、2002年)</ref>。テネシー地区でギブソンのライバルだった[[ココ・B・ウェア]]も得意技としている。日本では、この技をギブソンに受けた[[ジャンボ鶴田]]が<ref name=wp1784b/>、'''ウルトラC・ドロップキック'''、'''ジャンボ・ミサイルキック'''の名称で若手時代の切り札にしていた。[[ダイナマイト・キッド]]や[[ジョニー・スミス]]は、着地した後にヘッド・スプリングの要領で、すっと立ち上がるスタイルを取った。[[高野拳磁]]は2メートルの巨体から、この技を繰り出して「人間バズーカ」の異名をとった。また、[[森嶋猛]]のミサイルキックは'''スカッド・ミサイルキック'''と呼ばれた(この技を喰らった[[丸藤正道]]が、その威力の凄まじさから実在の[[スカッド|ミサイル兵器]]をイメージして命名<ref name=wp1784b/>)。そのほかに[[髙田延彦|高田延彦]]も使用<ref name=wp1784b/>。


=== 種類 ===
=== 種類 ===

2020年12月23日 (水) 04:33時点における版

ジェフ・ハーディーによるドロップキック。

ドロップキックDropkick)は、プロレス技の基本技であり、蹴り技および飛び技に分類される。メキシコではパターダ・ボラドーラと呼ばれている。ドロップキックはあまたあるプロレス技の中であっても、基本中の基本の技であり、少しでも目が肥えれば見ただけでレスラーの技量がハッキリわかると言われるほどの基本技である。

かけ方

郡司歩によるドロップキック。

両膝を折り畳むようにジャンプして鋭く突き出した両足の裏で相手の胸板を蹴り飛ばす。

  • 技を出すタイミングの例
    • 立っている相手に対して、その場で跳び上がって蹴る。
    • 立っている相手に向かって走って、その勢いで蹴る。
    • 走ってくる相手に対してカウンターで蹴る。
    • コーナー最上段から跳びかかってくる相手を蹴る。
    • コーナー最上段に登ろうとしている相手を蹴る。
    • エプロンサイドに立った相手をロープ越しに蹴る。

派生技

遠藤幸吉によるドロップキック。
正面飛び式ドロップキック
仰向けに飛び上がり、ヒット後は、そのまま後ろ受け身をとる。ドロップキックの原型といえる形であり、吉村道明が、このタイプを使用[1]力道山の時代は、これが主流であった。
スクリュー式ドロップキック
正面飛び式を改良したもので捻り式とも言う。両足で相手を蹴り付けた後に空中でうつ伏せになるように体勢を変えて前受け身をとる。着地から素早く立ち上がり連発で放つことが可能。現在は、この形が主流になっている。
1回転式ドロップキック
新による回転式ドロップキック。
相手にキックを当てた後、後方に1回転して前受け身を取る。跳躍力と身軽さをアピールするのに絶好の技。旋回式とも呼ばれるダグ・ファーナスがバク宙するような縦回転式三沢光晴横回転式を得意技としている[2]
低空式ドロップキック
【使用者】元祖は渕正信横飛び式)、この技を有名にしたのは武藤敬司で(正面飛び式)彼の得意とする足殺しや、そこからの足4の字固めシャイニング・ウィザードに持っていくまでのつなぎ技となっている。
立っている相手の下半身や四つんばいになっている相手の顔面を狙うドロップキック。
コーナー・串刺し式ランニング・ドロップキック
コーナーにもたれかかっている相手に走って勢いをつけて放つ。
32文人間ロケット砲
ジャイアント馬場の繰り出すスクリュー式ドロップキック。全盛期でも1年に1度くらいしか披露しなかったが、1968年6月27日に日本プロレスの蔵前国技館大会で行われたインターナショナル・ヘビー級選手権試合の対ボボ・ブラジル戦では三連発で放ち、フォール勝ちで王座を奪回(1つの試合で複数回放ったのは、この時と1970年12月3日の対ジン・キニスキー戦で2回放ったのみ)。名称は馬場のカウンターキックを16文キックと呼ぶところから来ている。また、馬場は全日本プロレス中継の解説時にドロップキックという言葉は使わず「飛び蹴り」と表現していた。馬場は体重があるため受け身が痛く、客受けはするがあまり出さなかったようである。
カンガルーキック
背後から羽交い締めを繰り出してきた相手などに対して体を前転させながらジャンプして両足を揃えて蹴る変型の正面飛びドロップキック。派生技にチャパリータASARIのコーナーに振った相手に対しロンダートで近づいた後にカンガルーキックを見舞うロンダート・カンガルーキックがある。また、アントニオ猪木アンドレ・ザ・ジャイアントサーフボード・ストレッチで捕えられた際に、この技で脱出する場面が度々見られた。
コーナートップの相手へのドロップキック
打ち上げ式ドロップキック雪崩式ドロップキックとも呼ばれるが正式名称はない。コーナートップに座らせた(登った)相手に対して、その場跳びでドロップキックを放って場外へ転落させる。
ジョン・ウー
【使用者】SUWAジョン・ウーの名称で使用、神田裕之フィン・ベイラーオカダ・カズチカ高橋ヒロムゼウス石森太二
正面飛び式低空ドロップキック
三角飛びドロップキック
【使用者】クリス・ジェリコ
相手がエプロンに居るとき、セカンドロープ・コーナーを利用して三角飛びの体勢でジャンプしドロップキックを放ちリングアウトさせる。ロイヤルランブルでもよく使用する技。
ミッキーブーメラン
【使用者】MIKAMI(ロープ近くに長座した相手に放つ原型)、レイ・ミステリオ(セカンドロープにもたれた相手に放つタイプを619の名称で使用)。
トップロープとセカンドロープを掴み回転して反転。相手の顔面にドロップキックを放つ。

ランニング・シングルレッグ・ドロップキック

シック・キック
【使用者】ロデリック・ストロング
ランニング・シングルレッグ・ドロップキックとも呼ばれる。
座り込んでいる相手に、走りこんで顔面へ放つ強力な片足ドロップキック。ROHではケンカキックとも呼ばれる。

旧名:ストロング・キック

クレイモア
【使用者】ドリュー・マッキンタイア
ランニング・シングルレッグ・ドロップキック。WWE復帰後のフィニッシャー。
ランニングしながらジャンプと同時に片足で相手の顔面を打ち抜くシングル・ドロップ・キック。高々とジャンプするのではなく、自身がランニングの勢いを着けて体重を掛けて相手の顔面を蹴りつけるため、破壊力は抜群。
2013年3月、ライバックとの試合中、ビッグブートを放つ際に革パンツを履いていたことで誤って軸足も上がって後ろに倒れてしまった際に誕生するきっかけになる。ブラッシュアップして現在の形に近づけ、TNA時代に至るまで得意技の一つとして使用していた。

串刺し式ドロップキック

使用者KANTAルーシュは、ブルズホーンズの技名で使用。ドラゴン・リー
ブルズホーンズ
コーナーに座り込んだ相手に対して、対角線のコーナーから助走を付けて相手の顔面を蹴りつける。
KANTAの場合は、串刺し式ランニング・フロント・ハイキックのコンビネーションで相手をコーナーにダウンさせて、対角線のコーナーから助走を付けて座り込んだ相手の顔面に目掛けて、ドロップキックで相手の顔面を蹴りつける技を使用する。

ミサイルキック

郡司歩によるミサイルキック。

ミサイルキックMissilekick)は、コーナー最上段からジャンプして放つドロップキック。ミサイル・ドロップキックMissile Dropkick)とも呼ばれる。

概要

1948年にアントニオ・ロッカが開発して披露。日本では国際プロレスに来日したエドワード・カーペンティアが初公開した後(『週刊プロレス』ビデオ増刊号のレトロ編1に収録されている)、1975年には全日本プロレスに来日したリッキー・ギブソンロックンロール・エクスプレスロバート・ギブソンの実兄)が公開して話題となった[3]。テネシー地区でギブソンのライバルだったココ・B・ウェアも得意技としている。日本では、この技をギブソンに受けたジャンボ鶴田[2]ウルトラC・ドロップキックジャンボ・ミサイルキックの名称で若手時代の切り札にしていた。ダイナマイト・キッドジョニー・スミスは、着地した後にヘッド・スプリングの要領で、すっと立ち上がるスタイルを取った。高野拳磁は2メートルの巨体から、この技を繰り出して「人間バズーカ」の異名をとった。また、森嶋猛のミサイルキックはスカッド・ミサイルキックと呼ばれた(この技を喰らった丸藤正道が、その威力の凄まじさから実在のミサイル兵器をイメージして命名[2])。そのほかに高田延彦も使用[2]

種類

スワンダイブ式
トップロープの反動を利用してロープの上に飛び上がった後に相手めがけて放つドロップキック。主な使用者は大谷晋二郎[2]
急降下式
コーナーポストから膝などの下半身を狙って蹴る低空ミサイルキック。主な使用者は武藤敬司(セカンドロープから放つ場合もある)。
長滞空式
相手にヒットするまでの滞空時間が長いミサイルキック。主な使用者は吉野正人中嶋勝彦[2]
ハーディヤック・アレスト
【使用者】ジェフ・ハーディー
コーナーに寄りかかった相手をコーナーの下に座り込ませ、コーナーから伸びる1本のトップロープを両手で掴む。そのあとセカンドロープに片足を乗せて両足を後ろに振り上げるようにジャンプし、ロープから腕を離しながら振り下ろした両足で相手の顔面へ打ち下ろし気味の低空式ドロップキックを叩き込む。相手の顔の前に折り畳んだラダーを立てかけて技を放つこともある。
コーナーミサイル
内藤哲也のオリジナル技。
コーナーにもたれ掛かる相手を片足で蹴り上げながらエプロンサイドに着地し、相手の足を払って尻餅をつかせた後、サードロープを踏み台にジャンプした反動を利用して、座っている相手に串刺し低空ドロップキックを放つ。2013年に右膝前十字靭帯断裂の怪我から復帰した時期より使用しており、内藤のオリジナルムーブとして認知されている。最近[いつ?]では、ドロップキックを打つ時に1度着地し、相手が油断した隙にその場で放つことがある。

派生技

ライダーキック
特撮テレビドラマ『仮面ライダー』のライダーキックから着想された片足でのミサイルキック。主な使用者はスーパーライダーザ・グレート・サスケは、この技をリング外に向けて放っていたが受け身に失敗して負傷して以来、封印している。他にもアキバプロレスで「仮面ライダーの主役オーディションを七回受けた」と語った美月凛音など何人かの使用者がいる。
福岡晶が使用していた同名の技は相手の後頭部へ放つ前方一回宙返り式ミサイルキックである。紫雷イオが福岡から直接指導を受けて、この技を受け継いでいる。
コーナー・トゥー・コーナー・ドロップキック
相手をコーナーに宙づり状態にして固定して自分は反対側のコーナーに立ち、主に相手の頭部を狙って放つミサイルキック。元祖はロブ・ヴァン・ダムヴァン・ターミネーターCIMAトカレフの名称で使用。非レスラーであるシェイン・マクマホンはポスト下で座っている相手にブリキのゴミ箱を持たせてのコーナー・トゥ・コーナーをコースト・トゥ・コーストの名称で使用。丸藤正道スワンダイブ式によるfrom コーナー to コーナーの名称ので使用[2]

名手

  • 1930年代に活躍したアメリカ人レスラーのジョー・サボルディが元祖である。その後、ペドロ・モラレスパット・オコーナーアントニオ・ロッカがドロップキック3人男として名手と呼ばれていた。
  • 日本では遠藤幸吉吉村道明が名手として名をあげて藤波辰爾もジュニアヘビー級時代に連発式で繰り出していた[1]木戸修も、かつては名手として評価されていた1人である。
  • 三沢光晴は1回転ドロップキックをヘビー級選手で本格的に使用した第一人者である。現在では田口隆祐がこだわりを持って使用していてドロップキックの空中姿勢に定評があったことから「ドロップキックマスター」という異名を付与されて、この技のみで獣神サンダー・ライガーを秒殺したことがある。また、オカダ・カズチカも高い打点で繰り出す他、鈴木みのるは50歳を超えた2019年現在でも綺麗なフォームでこの技を繰り出す。チェンジ・オブ・ペースの1つとして用いられる。
  • 女子レスラーでは豊田真奈美正面飛び式を得意技としており、相手が起き上がったところで間髪入れずに打ち込んで2度3度とぶっとばして2ndコーナー(ときにはトップコーナー)からのミサイルキックへと繋ぐムーブメントをみせていた。また、相手に組み付かれて上に投げられた反動を利用して至近距離からの一撃も披露している。豊田から、お墨付きを受けている藤本つかさと、つくしのタッグチームは「ドロップ・キッカーズ」と呼ばれている[4]。主な使用者はAJスタイルズエッジランディ・オートンハードコア・ホーリーマーク・ジンドラック

エピソード

参考文献

  • 週刊プロレス』2015年4月1日号(通刊1784号)pp63 - 70掲載「21世紀の技解説ワイド版 ドロップキック」
主な使用者やフォームの種類などの確認に使用。

脚注

  1. ^ a b 週刊プロレス』2015-4-1 pp68
  2. ^ a b c d e f g 『週刊プロレス』2015-4-1 pp69
  3. ^ 『全日本プロレス 来日外国人選手 PERFECTカタログ』P56(日本スポーツ出版社、2002年)
  4. ^ 『週刊プロレス』2015-4-1 pp66 - 67

関連項目