「階級 (生物学)」の版間の差分
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{{Biological classification}} |
{{Biological classification}} |
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[[生物学]]・[[分類学]]において'''階級'''(かいきゅう、{{lang-en-short|rank, category}}、{{lang-la-short|categoria}})は、[[門 (分類学)|門]]・[[綱 (分類学)|綱]]・[[目 (分類学)|目]]・[[科 (分類学)|科]]・[[属 (分類学)|属]]・[[種 (分類学)|種]]などの、分類の階層 |
[[生物学]]・[[分類学]]において'''階級'''(かいきゅう、{{lang-en-short|rank, category}}、{{lang-la-short|categoria}})は、[[リンネ式階層分類]]において、[[界 (分類学)|界]]・[[門 (分類学)|門]]・[[綱 (分類学)|綱]]・[[目 (分類学)|目]]・[[科 (分類学)|科]]・[[属 (分類学)|属]]・[[種 (分類学)|種]]などの、タクソン([[分類群]])の階層的位置を表す{{Sfn|『岩波生物学辞典 第5版』|2013|p=179a}}。'''分類階級'''(ぶんるいかいきゅう)とも言う{{Sfn|『岩波生物学辞典 第5版』|2013|p=179a}}。[[国際動物命名規約]]では、「階級 {{lang|en|rank}}」は「命名法の目的にとっては,分類の階級構造においてあるタクソンが占める,高低関係から見た位置」とされる{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "rank"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "階級"}}。つまり、例えば「科」の階級にあるタクソンは全て上科と亜科の間にあり、相対的に同じ階層位置にあるということである。 |
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下位の階級の分類群は上位の階級の分類群に含まれる。 |
下位の階級の分類群は上位の階級の分類群に順次含まれる{{Sfn|『岩波生物学辞典 第5版』|2013|p=179a}}。分類体系によってはタクソンの階級が大きく移動することもある(多くの場合学名の語尾も変化する)。たとえば、[[舌形動物]]はかつて[[門 (分類学)|門]]の階級に置かれていたが、現在は[[節足動物]]門[[甲殻亜門]][[貧甲殻上綱]][[ウオヤドリエビ綱]]の下位の亜綱に置かれ、舌形亜綱とする。同様に、[[ユムシ動物]]や[[星口動物]]、[[有髭動物]]もかつては門の階級に置かれていたが、分子系統解析により全て[[環形動物門]]に内包され、そのうち[[定在類]]の下位に置かれる。植物では[[マツバラン類]]は[[マツバラン門]]として門に置かれたが{{Sfn|ギフォード・フォスター|2002|p=29}}、現在は他の[[大葉シダ綱]][[ハナヤスリ亜綱]]に含められる[[マツバラン目]]が最も上位の分類である{{Sfn|PPG I|2016|pp=563-603}}。 |
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また、[[分岐学]](分岐分類学)で生物を分類した場合、リンネ式 |
また、[[分岐学]](分岐分類学)で生物を分類した場合、階級を置かない多様な[[クレード]]が増え、リンネ式階層分類が当てはめにくい場合がある{{Sfn|冨田ほか|2020|p=23-35}}。例えば、[[APG植物分類体系]]([[APG IV]])では、目より上の分類階級を置かず、それぞれの[[クレード]]([[単系統]]群)に学名を置かない{{Sfn|APG IV|2016|pp=1–20}}。 |
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== 分類階級の一覧 == |
== 分類階級の一覧 == |
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命名規約で定められる階級は[[藻類]]([[藍藻]]を含む)・[[菌類]]・[[植物]]、[[動物]]、[[原核生物]]でそれぞれ差異があり、同一ではない。 |
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=== 接頭辞を持たないもの === |
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命名規約で定められる階級は[[藻類]]・[[菌類]]・[[植物]]、[[動物]]、[[原核生物]]でそれぞれ差異があり、同一ではない。以下は藻類・菌類・植物の例を示す<ref>Turland, N. J., Wiersema, J. H., Barrie, F. R., Greuter, W., Hawksworth, D. L., Herendeen, P. S., Knapp, S., Kusber, W.-H., Li, D.-Z., Marhold, K., May, T. W., McNeill, J., Monro, A. M., Prado, J., Price, M. J. & Smith, G. F. (eds.) 2018: ''International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants (Shenzhen Code) adopted by the Nineteenth International Botanical Congress Shenzhen, China, July 2017''. Regnum Vegetabile 159. Glashütten: Koeltz Botanical Books. DOI https://doi.org/10.12705/Code.2018.</ref>。 |
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=== 国際藻類・菌類・植物命名規約 === |
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[[国際藻類・菌類・植物命名規約]] (ICN)では、基本的な分類階級を'''{{Vanchor|一次ランク}}'''(いちじランク、{{lang|en|principal ranks}})と呼び、[[界 (分類学)|界]]、[[門 (分類学)|門]]、[[綱 (分類学)|綱]]、[[目 (分類学)|目]]、[[科 (分類学)|科]]、[[属 (分類学)|属]]、[[種 (分類学)|種]]の7つがある{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 3.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第3.1条}}。これに加え、科と属の間に[[連 (分類学)|連]]、属と種の間に[[節 (分類学)|節]]、その下に[[列 (分類学)|列]]、種より下に[[変種]]と[[品種 (分類学)| ]]を置き、これらを'''{{Vanchor|二次ランク}}'''(にじランク、{{lang|en|secondary ranks}})と呼ぶ{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 4.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第4.1条}}。これら一次ランク、二次ランクに[[接頭辞]]「亜-({{lang|la|sub-}})」をつけてその一つ下の補助的なランクを作ることができる{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 4.2}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第4.2条}}。それでも足りない場合は混乱や誤りのないという条件の下、さらにランクを追加することができる{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 4.3}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第4.3条}}。例えば、Kenrick とCrane (1997)における植物の分類体系では、亜界と門の間に「下界 {{lang|en|infrakingdom}}」および「上門 {{lang|en|superdivision}}」を、亜門と綱の間に「上区 {{lang|en|supercohort}}」や「区 {{lang|en|cohort}}」、「亜区 {{lang|en|subcohort}}」、「下区 {{lang|en|infracohort}}」および「上綱 {{lang|en|superclass}}」を置いたが{{Sfn|Kenrick & Crane|1997|P=228-229}}、これは国際藻類・菌類・植物命名規約 第4.3条のもと認められる。それぞれの階級を略記 ({{lang|en|abbreviation}})したい場合、{{lang|la|cl.}}(綱)、{{lang|la|ord.}}(目)、{{lang|la|fam.}}(科)、{{lang|la|tr.}}(連)、{{lang|la|gen.}}(属)、{{lang|la|sect.}}(節)、{{lang|la|ser.}}(列)、{{lang|la|sp.}}(種)、{{lang|la|var.}}(変種)、{{lang|la|f.}}(品種)と表記し、補助的なランクでは、「亜種」であれば {{lang|la|subsp.}} のようにそれぞれに「{{lang|la|sub-}}」をつけて示す{{Sfn|ICN|2018|loc=Recommendation 5A.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=勧告5A.1}}。ただし、亜属のみ {{lang|la|subg.}} であって {{lang|la|subgen.}} は誤りである{{Sfn|ICN|2018|loc=Recommendation 5A.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=勧告5A.1}}。 |
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以下に規約中で示されるすべての階級を示す{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 4.2}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第4.2条}}。上記の通り、これ以外の階級も認められる。 |
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{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
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|colspan="3" align="center" bgcolor="#C1CDC1" | '''藻類・菌類・植物 |
|colspan="3" align="center" bgcolor="#C1CDC1" | '''国際藻類・菌類・植物命名規約における分類階級'''<br />('''太字'''が一次ランク、普通の字体が二次ランクおよび補助的なランク) |
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|align="center" style="min-width:160px;" bgcolor="#E0EEE0" | 日本語 |
|align="center" style="min-width:160px;" bgcolor="#E0EEE0" | 日本語 |
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|align="center" style="min-width:160px;" bgcolor="#E0EEE0" | 英語 |
|align="center" style="min-width:160px;" bgcolor="#E0EEE0" | 英語 |
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| [[界 (分類学)|界]] |
| '''[[界 (分類学)|界]]''' |
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| regnum |
| {{lang|la|regnum}} |
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| kingdom |
| {{lang|en|kingdom}} |
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| 亜界 |
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| [[門 (分類学)|門]] |
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| {{lang|la|subregnum}} |
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| phylum または divisio |
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| {{lang|en|subkingdom}} |
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| phylum または division |
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| [[ |
| '''[[門 (分類学)|門]]''' |
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| {{lang|la|phylum}} {{small|または}} {{lang|la|divisio}} |
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| classis |
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| {{lang|en|phylum}} {{small|または}} {{lang|en|division}} |
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| class |
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|- |
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| 亜門 |
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| [[目 (分類学)|目]] |
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| {{lang|la|subphylum}} {{small|または}} {{lang|la|subdivisio}} |
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| ordo |
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| {{lang|en|subphylum}} {{small|または}} {{lang|en|subdivision}} |
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| order |
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| [[ |
| '''[[綱 (分類学)|綱]]''' |
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| {{lang|la|classis}} |
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| familia |
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| {{lang|en|class}} |
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| family |
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| 亜綱 |
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| [[族 (分類学)|連]](動物では族) |
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| {{lang|la|subclassis}} |
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| tribus |
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| {{lang|en|subclass}} |
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| tribe |
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|- |
|- |
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| [[ |
| '''[[目 (分類学)|目]]''' |
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| {{lang|la|ordo}} |
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| genus |
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| {{lang|en|order}} |
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| genus |
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| 亜目 |
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| {{lang|la|subordo}} |
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| {{lang|en|suborder}} |
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|- |
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| '''[[科 (分類学)|科]]''' |
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| {{lang|la|familia}} |
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| {{lang|en|family}} |
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| 亜科 |
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| {{lang|la|subfamilia}} |
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| {{lang|en|subfamily}} |
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| [[族 (分類学)|連]] |
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| {{lang|la|tribus}} |
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| {{lang|en|tribe}} |
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| 亜連 |
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| {{lang|la|subtribus}} |
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| {{lang|en|subtribe}} |
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| '''[[属 (分類学)|属]]''' |
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| {{lang|la|genus}} |
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| {{lang|en|genus}} |
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| 亜属 |
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| {{lang|la|subgenus}} |
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| {{lang|en|subgenus}} |
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| [[節 (分類学)|節]] |
| [[節 (分類学)|節]] |
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| sectio |
| {{lang|la|sectio}} |
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| section |
| {{lang|en|section}} |
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| 亜節 |
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| [[列 (分類学)|列]]、[[系 (分類学)|系]] |
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| {{lang|la|subsectio}} |
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| series |
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| {{lang|en|subsection}} |
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| series |
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| [[ |
| [[列 (分類学)|列]] |
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| {{lang|la|series}} |
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| species |
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| {{lang|en|series}} |
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| species |
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| 亜列 |
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| {{lang|la|subseries}} |
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| {{lang|en|subseries}} |
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| '''[[種 (分類学)|種]]''' |
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| {{lang|la|species}} |
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| {{lang|en|species}} |
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| 亜種 |
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| {{lang|la|subspecies}} |
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| {{lang|en|subspecies}} |
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| [[変種]] |
| [[変種]] |
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| varietas |
| {{lang|la|varietas}} |
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| variety |
| {{lang|en|variety}} |
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| 亜変種 |
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| [[品種 (分類学)|品種]]、型 |
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| {{lang|la|subvarietas}} |
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| forma |
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| {{lang|en|subvariety}} |
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| form |
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| [[品種 (分類学)|品種]] |
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| {{lang|la|forma}} |
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| {{lang|en|form}} |
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| 亜品種 |
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| {{lang|la|subforma}} |
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| {{lang|en|subform}} |
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|} |
|} |
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=== 国際動物命名規約 === |
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国際動物命名規約では、亜種より下位の階級は定められておらず、属の区分として節などの階級で提唱された分類名は亜属として扱われる<ref>動物命名法国際審議会『国際動物命名規約 第4版 日本語版 [追補]』日本動物分類学関連学会連合、2005年。</ref>。一方で動物学では、綱と目の間に[[団 (分類学)|団]] (legion) および[[区 (分類学)|区]] (cohort) の階級を用いる分類体系もある<ref>日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会「[https://doi.org/10.11238/mammalianscience.43.127 哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について]」『哺乳類科学』第43巻 2号、日本哺乳類学会、2003年、127-134頁。</ref>。 |
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[[国際動物命名規約]] (ICZN Code)において規制される階級は「科階級群」、「属階級群」および「種階級群」の3つのみである{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 1.2.2}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条1.2.2}}。'''{{Vanchor|科階級群}}'''(かかいきゅうぐん、{{lang-en-short|family group}}、{{lang-fr-short|niveau famille}}、旧訳は「科グループ」)とは「上科,科,亜科,族,その他上科よりも低く属階級群よりも高い,必要に応じた任意の階級(たとえば亜族)に位置するタクソン」{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "family group"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "科階級群"}}、'''{{Vanchor|属階級群}}'''(ぞくかいきゅうぐん、{{lang-en-short|genus group}}、{{lang-fr-short|niveau genre}}、旧訳は「属グループ」)とは「'''属'''・'''亜属'''の階級にあるタクソン」の集合{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "genus group"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "属階級群"}}、'''{{Vanchor|種階級群}}'''(しゅかいきゅうぐん、{{lang|en|species group}}、旧訳は「種グループ」)とは「種および亜種の階級にあるすべてのタクソン」を表す{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "species group"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "種階級群"}}。 |
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[[寄集群]](きしゅうぐん、{{lang|en|collective group}})や属階級群を表す[[生痕化石タクソン]]は属階級群名として用いられる{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "genus group"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "属階級群"}}。 |
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界より上位の階級として[[ドメイン (分類学)|ドメイン]] (domain) を置く説もある<ref name="shimano2010">島野智之「[https://doi.org/10.19004/taxa.29.0_31 界, ドメイン, そしてスーパーグループ:真核生物の高次分類に関する新しい概念]」『タクサ:日本動物分類学会誌』29号、日本動物分類学会、2010年、31-49頁。</ref>。[[真核生物]]の高次分類群としては[[スーパーグループ (分類学)|スーパーグループ]] (supergroup) が提唱されている<ref name="shimano2010" />。 |
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また種の前後に、'''[[種集群]]'''および'''[[亜種集群]]'''を挿入することができる(それぞれ種小名、亜種小名として扱われる){{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 6.2}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条6.2}}{{Sfn|大久保|2006|pp=34-35}}。'''[[集群]]'''(しゅうぐん、{{lang|en|aggregate}})とは、属内の種の集合のうち亜属以外のもの、または亜属内の種のなんらかの集合、種内の亜種のなんらかの集合を指す{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "aggregate"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "集群"}}。集群を丸括弧にいれた種階級群名によって表示してもよいとされ、亜属より下位で種より上位、種より下位で亜種より上位の学名を表示することができる{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "集群"}}{{Sfn|大久保|2006|pp=34-35}}。種集群の指す階級は著者が示すことができ、例えば種集群名に「'''[[上種]]''' superspecies」を、亜種集群名に{{lang|en|exerge}} をというように、命名規約上定められていない階級の意味を与えることができる{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 6.2 Example}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条6.2 例}}{{Sfn|ICZN|1985|Article 6 (b) Examples}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|p=5|loc=条6.2 例の注釈}}{{Sfn|大久保|2006|pp=34-35}}。 |
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また、現在の規約(第4版)においては、国際藻類・菌類・植物命名規約とは違い、亜種より下位の'''[[変種]]'''(へんしゅ、{{lang-en-short|variety}}, {{lang-la-short|varietas}})および植物の品種にあたる'''型'''(かた、{{lang-en-short|form}}, {{lang-la-short|forma}})は、両階級とも[[1960年]]よりも後に公表されたものであれば、亜種よりも低い階級を示すと見なされるため'''認められず'''、1961年よりも前に公表されたもので亜種より下位に置かれていないならば(型の代わりに)亜種とみなされる{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 45.6.4}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条45.6.4}}{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "form"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "型"}}{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "variety"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "変種"}}。 |
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これを整理すると、以下のようになる{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "科階級群"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "属階級群"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "種階級群"}}。なお、科階級群には任意の階級を置くことができるため、族の上、亜科の下に上族 {{lang|en|supertribe}}を置くことができるが、規約中にこの用語はないため{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "科階級群"}}、下表では表示しない。 |
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{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
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|colspan="3" align="center" bgcolor="#D3D3A4" | '''国際動物命名規約に認められる分類階級''' |
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|- style="position:sticky; top:0" |
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| style="text-align:center; min-width:160px; background-color:#E9E9D1" | 群 group |
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| style="text-align:center; min-width:160px; background-color:#E9E9D1" | 日本語 |
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| style="text-align:center; min-width:160px; background-color:#E9E9D1" | 英語 |
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|- |
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|rowspan="6"|科階級群<br />{{lang|en|family group}} |
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|- |
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|上科 |
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|{{lang|en|superfamily}} |
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|- |
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|科 |
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|{{lang|en|family}} |
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|- |
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|亜科 |
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|{{lang|en|subfamily}} |
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|- |
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|族 |
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|{{lang|en|tribe}} |
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|- |
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|亜族 |
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|{{lang|en|subtribe}} |
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|- |
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|rowspan="3"|属階級群<br />{{lang|en|genus group}} |
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|- |
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|属 |
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|{{lang|en|genus}} |
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|- |
|||
|亜属 |
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|{{lang|en|subgenus}} |
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|- |
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|rowspan="5"|種階級群<br />{{lang|en|species group}} |
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|- |
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|種集群 |
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|{{lang|en|aggregate of species}} |
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|- |
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|種 |
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|{{lang|en|species}} |
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|- |
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|亜種集群 |
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|{{lang|en|aggregate of subspecies}} |
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|- |
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|亜種 |
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|{{lang|en|subspecies}} |
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|} |
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現在有効な国際動物命名規約第4版ではこれより上位の学名は定められず、任意の階級を置くことになる。動物学では、綱と目の間に'''[[団 (分類学)|団]]''' ({{lang|en|legion}}) および'''[[区 (分類学)|区]]''' ({{lang|en|cohort}}) の階級を用いる分類体系もある{{Sfn|日本哺乳類学会|2003|pp=127-134}}。ただし、命名規約における区 {{lang|en|division}}は「分類階級のひとつ.ある属または亜属を分割するものとして使用される場合には,命名法の目的において,亜属という階級と見なされるもの」とされる{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "区"}}。植物における門と同じ英名であり、命名法上亜属と同義の階級とみなされ、この場合の区とは異なる。また、目の前後には巨目 {{lang|en|magnorder}}、上目 {{lang|en|superorder}}、大目 {{lang|en|grandorder}}、中目 {{lang|en|mirorder}}、目 {{lang|en|order}}、亜目 {{lang|en|suborder}}、下目 {{lang|en|infraorder}}、小目 {{lang|en|parvorder}}のように「亜- {{lang|la|sub-}}」および「上 {{lang|la|super-}}」だけでなく、「巨- {{lang|la|magn-}}」、「大- {{lang|la|grand-}}」、「中- {{lang|la|mir-}}」、「下- {{lang|la|infra-}}」、「小- {{lang|la|parv-}}」という[[接頭辞]]をつけ、挿入されるこのもある{{Sfn|『岩波生物学辞典 第5版』|2013|p=1512}}{{Sfn|日本哺乳類学会|2003|pp=127-134}}。 |
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以下に、『岩波生物学辞典 第5版』(2013)による分類階級の例を示す{{Sfn|『岩波生物学辞典 第5版』|2013|p=1512}}。昆虫など特定の分類群では、これに加え、節 {{lang|en|section}}、枝 {{lang|en|branch}}、群 {{lang|en|group}}、集団 {{lang|en|phalanx}}、系列 {{lang|en|series}}を置くこともあるが、どこの階層に置かれるかは研究者により一貫していない{{Sfn|『岩波生物学辞典 第5版』|2013|p=1512}}。 |
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{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
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|colspan="2" align="center" bgcolor="#D3D3A4" | '''動物学において用いられる主な分類階級'''<br />(基本階級を'''太字'''、補助階級を普通の字体で示す) |
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|- style="position:sticky; top:0" |
|||
| style="text-align:center; min-width:160px; background-color:#E9E9D1" | 日本語 |
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| style="text-align:center; min-width:160px; background-color:#E9E9D1" | 英語 |
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|- |
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| '''[[界 (分類学)|界]]''' |
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| {{lang|en|kingdom}} |
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|- |
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| 亜界 |
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| {{lang|en|subkingdom}} |
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| '''[[門 (分類学)|門]]''' |
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| {{lang|en|phylum}} |
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|- |
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| 亜門 |
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| {{lang|en|subphylum}} |
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|- |
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| 上綱 |
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| {{lang|en|superclass}} |
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|- |
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| '''[[綱 (分類学)|綱]]''' |
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| {{lang|en|class}} |
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|- |
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| 亜綱 |
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| {{lang|en|subclass}} |
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|- |
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| 下綱 |
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| {{lang|en|infraclass}} |
|||
|- |
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| 上団 |
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| {{lang|en|superlegion}} |
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|- |
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| 団 |
|||
| {{lang|en|legion}} |
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|- |
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| 亜団 |
|||
| {{lang|en|sublegion}} |
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|- |
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| 下団 |
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| {{lang|en|infralegion}} |
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|- |
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| 上区 |
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| {{lang|en|supercohort}} |
|||
|- |
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| 区(コホート) |
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| {{lang|en|cohort}} |
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| 亜区 |
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| {{lang|en|subcohort}} |
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| 巨目 |
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| {{lang|en|magnorder}} |
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|- |
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| 上目 |
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| {{lang|en|superorder}} |
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|- |
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| 大目 |
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| {{lang|en|grandorder}} |
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|- |
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| 中目 |
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| {{lang|en|mirorder}} |
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|- |
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| '''[[目 (分類学)|目]]''' |
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| {{lang|en|order}} |
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|- |
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| 亜目 |
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| {{lang|en|suborder}} |
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|- |
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| 下目 |
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| {{lang|en|infraorder}} |
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|- |
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| 小目 |
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| {{lang|en|parvorder}} |
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|- |
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| 上科 |
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| {{lang|en|superfamily}} |
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|- |
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| '''[[科 (分類学)|科]]''' |
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| {{lang|en|family}} |
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|- |
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| 亜科 |
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| {{lang|en|subfamily}} |
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|- |
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| 上族 |
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| {{lang|en|supertribe}} |
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|- |
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| [[族 (分類学)|族]] |
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| {{lang|en|tribe}} |
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|- |
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| 亜族 |
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| {{lang|en|subtribe}} |
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|- |
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| '''[[属 (分類学)|属]]''' |
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| {{lang|en|genus}} |
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|- |
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| 亜属 |
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| {{lang|en|subgenus}} |
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|- |
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| '''[[種 (分類学)|種]]''' |
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| {{lang|en|species}} |
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| 亜種 |
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| {{lang|en|subspecies}} |
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|} |
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=== 国際原核生物命名規約 === |
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[[国際原核生物命名規約]] (ICNP)では、種を含む分類階級が昇順で示され、それぞれ種、(亜属)、属、(亜連)、(亜連)、(亜科)、科、(亜目)、目、(亜綱)、綱となっている{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 5b}}。種は「亜種 {{lang|la|subspecies}}に分けられ、規約上で扱われる{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 5c}}。「変種 {{lang|en|variety}}」は「亜種」の異名として扱われるが、混乱を招くため使用は推奨されず、2008年改正版の規約「Prokaryotic Code (2008 Revision)」の発効後は「変種」は命名上の意味をなさない {{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 5c}}。亜種より下の階級 ({{lang|en|infrasubspecific subdivisions}})は規約で扱われない{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 5d}}。 |
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規約上は、以下の分類階級が定められる{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 5b}}{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 5c}}。 |
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{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
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|- |
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|colspan="3" align="center" bgcolor="#F3E0E0" | '''国際原核生物命名規約で定められる分類階級'''<br />(基本的な階級を'''太字'''、任意の階級を普通の字体で示す) |
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|- |
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|align="center" style="min-width:160px;" bgcolor="#FFF2F2" | 日本語 |
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|align="center" style="min-width:160px;" bgcolor="#FFF2F2" | ラテン語 |
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|align="center" style="min-width:160px;" bgcolor="#FFF2F2" | 英語 |
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|- |
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| '''[[綱 (分類学)|綱]]''' |
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| {{lang|la|''classis''}} |
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| {{lang|en|class}} |
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|- |
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| 亜綱 |
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| {{lang|la|''subclassis''}} |
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| {{lang|en|subclass}} |
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|- |
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| '''[[目 (分類学)|目]]''' |
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| {{lang|la|''ordo''}} |
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| {{lang|en|order}} |
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|- |
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| 亜目 |
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| {{lang|la|''subordo''}} |
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| {{lang|en|suborder}} |
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|- |
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| '''[[科 (分類学)|科]]''' |
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| {{lang|la|''familia''}} |
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| {{lang|en|family}} |
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|- |
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| 亜科 |
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| {{lang|la|''subfamilia''}} |
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| {{lang|en|subfamily}} |
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|- |
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| [[族 (分類学)|連]] |
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| {{lang|la|''tribus''}} |
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| {{lang|en|tribe}} |
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|- |
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| 亜連 |
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| {{lang|la|''subtribus''}} |
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| {{lang|en|subtribe}} |
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|- |
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| '''[[属 (分類学)|属]]''' |
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| {{lang|la|''genus''}} |
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| {{lang|en|genus}} |
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|- |
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| 亜属 |
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| {{lang|la|''subgenus''}} |
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| {{lang|en|subgenus}} |
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|- |
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| '''[[種 (分類学)|種]]''' |
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| {{lang|la|''species''}} |
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| {{lang|en|species}} |
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|- |
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| 亜種 |
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| {{lang|la|''subspecies''}} |
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| {{lang|en|subspecies}} |
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|} |
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=== より高次の階級 === |
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国際動物命名規約では、[[界 (分類学)|界]]({{lang-en-short|kingdom}},{{lang-fr-short|règne}})を分類の階級構造における最高位の階級としている{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "界"}}。国際動物命名規約旧版では、[[動物界]] {{sname||Animalia}}を唯一の界とした{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "界"}}。しかし、界より上位の階級として'''[[ドメイン (分類学)|ドメイン]]''' (domain) を置く説もある<ref name="shimano2010">島野智之「[https://doi.org/10.19004/taxa.29.0_31 界, ドメイン, そしてスーパーグループ:真核生物の高次分類に関する新しい概念]」『タクサ:日本動物分類学会誌』29号、日本動物分類学会、2010年、31-49頁。</ref>。[[真核生物]]の高次分類群としては'''[[スーパーグループ (分類学)|スーパーグループ]]''' (supergroup) が提唱されている<ref name="shimano2010" />。これらのスーパーグループを[[動物界]]や[[菌界]]の上位の分類群である「[[オピストコンタ]]上界」などと「'''上界''' {{lang|en|superkingdom}}」、または[[クロミスタ界]]の下の「[[ハロサ亜界]]」や「[[アルベオラータ]]下界」など「'''亜界''' {{sname||subkingdom}}」「'''下界''' {{sname||infrakingdom}}」として既存の階級に当てはめる場合もある{{Sfn|『岩波生物学辞典 第5版』|2013|p=1532}}。 |
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== 階級と学名 == |
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階級によって[[学名]]の表示の方法は異なっている。国際藻類・菌類・植物命名規約および国際原核生物命名規約で扱われる学名は必ず[[ラテン語]]として扱われるが{{Sfn|ICN|2018|loc=Principle V1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=原則 V}}{{Sfn|ICNP|2019|loc=Principle 3}}、それぞれの階級に応じて文法上の制限([[品詞]]、[[性 (文法)|性]]、[[数 (文法)|数]]、[[格]])が定められている。国際動物命名規約では、学名はラテン語、[[ギリシア語]]あるいはその他の言語でよいが{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 11.3}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条11.3}}、[[ラテン文字|ラテン語アルファベット]]を必ず使用する必要があり{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 11.2}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条11.2}}、学名の要素の最後の綴りがラテン語およびギリシア語であるとき、著者が命名時に否定していなければそれらの言語と見なされ{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 26}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条26}}、同様に階級に応じて文法上の制約が課される。 |
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=== 属名・種名 === |
|||
国際藻類・菌類・植物命名規約において、'''属名'''は単数主格の名詞で[[大文字]] ({{lang|en|Capital}})で書き始める{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 20.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第20.1条}}。'''種名'''は「属名 + '''種形容語'''」(二語名)で示し、種形容語(および種内分類群の形容語 {{lang|en|infraspecific epithet}})は形容詞、名詞の属格または同格であり、[[小文字]] ({{lang|en|lower case}})で書き始められるべきである{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 23.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第23.1条}}{{Sfn|ICN|2018|loc=Recommendation 60F.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=勧告60F.1}}。種内分類群の形容語(たとえば亜種名や変種名)は種名の後に続け、そのランクを表す用語をつけて表される{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 24.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第24.1条}}。例えば、[[ユキノシタ属]]の1亜品種は{{snamei|Saxifraga aizoon ''subf.'' surculosa}} {{AU|Engl.}} & {{AU|Irmsch}}または{{snamei|Saxifraga aizoon ''var.'' aizoon ''subvar.'' brevifolia ''f.'' multicaulis ''subf.'' surculosa}} {{AU|Engl.}} & {{AU|Irmsch}}のように表示される{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 24.1 Ex. 1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第24.1条 実例1}}。「学名をよりはっきりと表示するために,学名の一部をなす word elements はイタリックで表示されるが、印刷形式は編集のスタイルと伝統の問題であって命名法上の問題ではないので,本『規約』はこの点に関しては他を拘束する標準ではない。」としており、規約には定められていないが、普通イタリックで表示される{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=''序文'' 『規約』で使用されている体裁と基準}}。 |
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国際動物命名規約においても、種名は必ず「属名 + '''種小名'''」(二語名)で示さなければならず、これを'''二語名法の原理''' ({{lang|en|Principle of Binominal Nomenclature}})という{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 5.1}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条5.1}}。属名は主格単数形の名詞として扱い大文字で書き始め、種小名(種階級群名)は小文字で書き始めなければならない{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 5.1}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条5.1}}{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 11.8}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条11.8}}{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 28}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条28}}。なお、亜種名はそれに小文字で書き始める亜種小名を加え、「属名 + 種小名 + 亜種小名」の'''三語名'''で表示する{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条5.2}}。種階級群名(種小名および亜種小名)は[[主格]]単数形の[[形容詞]]または[[分詞]]、属名と同格の主格単数形名詞、[[属格]]の名詞、および[[共生]]する生物([[宿主]])の種小名に由来する属格の[[実名詞]] ({{lang|en|substantive}})として使用される形容詞のいずれかとして扱わなければならない{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 11.9.1}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条11.9.1}}。また、亜属名を挿入する場合、大文字で書き始め、「属名 + (亜属名) + 種小名」と丸括弧にくるんで挿入しなければならず、これを三語名とは数えない(挿入名 {{lang|en|Interpolated name}}){{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 6}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条6}}。種階級群名を書くときはつねに属名(もしくはその略記)に続けるべきである{{Sfn|ICZN|2000|loc=Appendix B General Recommendations 6}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=付録B 一般勧告 6}}。印刷形式は拘束しないとする国際藻類・菌類・植物命名規約とは異なり、種名は「地の文と違う字体」(普通、'''斜体''' ''{{lang|en|italics}}'')で印刷するべきであるとされる{{Sfn|ICZN|2000|loc=Appendix B General Recommendations 6}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=付録B 一般勧告 6}}。 |
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国際原核生物命名規約では、属名は必ず単数形の実名詞または実名詞として使われた形容詞で、実名詞として扱われる{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 10a}}。種名は「属名 + 種形容語」の2語の組み合わせ ({{lang|en|''' binary combination'''}})である{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 12a}}。種形容語は属名と性が一致する形容詞、主格で属名と同格の実名詞、属格の実名詞の何れかでなければならない{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 10c}}。主格の亜属名も属名と同様に扱われ、亜属名を種名に含める場合、属名と種形容語の間に "{{lang|la|subgen.}}" とともに括弧内に入れる{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 10a}}{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 10c}}。また、規約ではなく提案として、学名の表記について、その国の言語、関連する雑誌や出版社に適した慣例を用いなければならず、学名を他の文章と区別するために、イタリックなどの異なる書体で表示することが望ましいと示されている{{Sfn|ICNP|2019|loc=A. Suggestions for Authors and Publishers}}。 |
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=== 属より上の階級名 === |
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国際藻類・菌類・植物命名規約において、科以上のタクソンは複数形の名詞であり、大文字で書き始めなければならない{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第16.1条}}。国際動物命名規約において、種階級群よりも高い[[タクソン]]の学名は一語よりなり(一語名)、大文字で書き始めなければならない{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条4.1}}。また、国際動物命名規約において、高位のタクソンの学名には'''斜体を用いるべきではない'''{{Sfn|ICZN|2000|loc=Appendix B General Recommendations 6}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=付録B 一般勧告 6}}。それに対し、国際藻類・菌類・植物命名規約においては、本規約中で学名はどのランクであれイタリックで印刷されており、種名や属名と同様にイタリックで表示されるが、上記のように規約上は「印刷形式は編集のスタイルと伝統の問題であって命名法上の問題ではないので,本『規約』はこの点に関しては他を拘束する標準ではない。」というスタンスであり{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=''序文'' 『規約』で使用されている体裁と基準}}、普通、立体で書かれる{{Efn2|例えば、ほとんどの研究者により合意がなされている[[被子植物]]の分類体系である[[APG IV]]や[[シダ植物]]の分類体系である[[PPG I]]でも、属名より上の分類階級は立体で表記されている{{Sfn|APG IV|2016|pp=1–20}}{{Sfn|PPG I|2016|pp=563-603}}。}}。 |
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国際原核生物命名規約では(規約で規制される)目以上の各タクソンの学名は、ラテン語またはラテン語化された単語である{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 8}}。綱の学名は中性複数で、亜綱の学名は女性複数で、どちらも頭文字は大文字 ({{lang|en|capital letter}})で書かれる{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 8}}。 |
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=== 接尾辞 === |
=== 接尾辞 === |
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各命名規約において、特定の階級では特定の'''[[接尾辞]]'''(せつびじ、{{lang|en|suffix}}){{Efn2|国際動物命名規約における用語{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "suffix"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "接尾辞"}}。}}、または'''語尾'''(ごび、{{lang|en|termination}}){{Efn2|国際植物・菌類・藻類命名規約における用語{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=命名法用語集}}。特に、「属より上のランク高位分類群を示す語尾 {{lang|en|termination of rank for higher taxa above genus}}」と呼ぶ{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=命名法用語集}}。}}を語幹に付加する。 |
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{{更新|date=2020年12月|section=1}} |
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属より上位の分類名については、[[国際藻類・菌類・植物命名規約]](植物・藻類・菌類)及び[[国際動物命名規約]](動物・原生動物)、[[国際細菌命名規約]](細菌・古細菌)に基づき規則的な接尾辞が付けられている<ref>溝田浩二「[https://doi.org/10.1271/kagakutoseibutsu1962.42.99 門外漢のための「学名」のはなし]」『化学と生物』42巻 2号、 日本農芸化学会、2004年、99-103頁。</ref>。 |
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国際植物・菌類・藻類命名規約では、科の学名はその科に含まれる属([[タイプ属]])の学名の属格単数形の[[屈折語尾]]{{Efn2|ラテン語の{{lang|la|-ae,-i,-us,-is}} 、[[翻字]]されたギリシア語の{{lang|grc-Latn|-ou,-os,-es,-as,-ous}}、およびそれに相当する{{lang|grc-Latn|-eos}}{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 18.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第18.1条}}}}を'''語尾 {{lang|la|-aceae}} '''に置き換えて作られる{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 18.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第18.1条}}古典語由来でない属名の場合、古典語との類似性が単数主格を決定するのに不十分なときは、{{lang|la|-aceae}} がそのままの属名に加えられる{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 18.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第18.1条}}。同様に、亜科には{{lang|la|‑oideae}}、族には{{lang|la|‑eae}}、亜族には{{lang|la|‑inae}} をつける{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 19.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第19.1条}}{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 19.3}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第19.3条}}。 |
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国際植物・菌類・藻類命名規約において、科より上のランクには'''自動的にタイプ指定される学名''' ({{lang|en|automatically typified names}})と'''特徴名''' ({{lang|en|descriptive names}})がある{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第16.1条}}。前者は科名と同様に、属名から適切なランクを表す'''語尾'''(下表参照{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.3}}{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 17.1}})を加えて作られるが、後者では異なる階級でもそのまま使用できる{{Sfn|ICN|2018loc=Article 16.1}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第16.1条}}。また前者では、亜門の学名は門、亜綱の学名は綱、亜目の学名は目と、対応する上のランクと同じ属名から形成される{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.2}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第16.2条}}。目より上のランクでは、属名に含まれる2番目の単数主格の語幹である語要素{{lang|la|-clad-}}{{Efn2|ギリシア語 {{lang|grc|κλάδος}} "{{lang|grc-Latn|kládos}}" 「枝」}}、{{lang|la|-cocc-}}{{Efn2|近代ラテン語 {{lang|la|coccus}} 「[[球菌]]」← ギリシア語 {{lang|grc|κόκκος}} "kókkos" 「[[種子]]」}}、{{lang|la|-cyst-}}{{Efn2|後期ラテン語名詞 {{lang|la|cystis}} 「[[嚢]]」←ギリシア語 {{lang|grc|κύστις}} "{{lang|grc-Latn|kústis}}"「[[膀胱]]」}}、{{lang|la|-monad-}}{{Efn2|ラテン語名詞 {{lang|la|monas}}←ギリシア語 {{lang|grc|μονάς}}「1」に由来する。「[[単細胞]]」を含意する。}}、{{lang|la|-mycet-}}{{Efn2|ギリシア語名詞属格 {{lang|grc|μύκητος}} "{{lang|grc-Latn|múkētos}}"←主格 {{lang|grc|μύκης}} 「[[菌]]」}}、{{lang|la|-nemat-}}{{Efn2|ギリシア語名詞属格 {{lang|grc|νήματος}} "{{lang|grc-Latn|nêmatos}}"←主格 {{lang|grc|νῆμα}}「[[糸]]」}}、{{lang|la|-phyt-}}{{Efn2|ギリシア語複数名詞 {{lang|grc|φυτά}} "{{lang|grc-Latn|phutá}}"←単数形 {{lang|grc|φυτόν}} 「[[植物]]」}}は、ランクを表す語尾の前に省略でき、由来が明らかな場合は自動的にタイプ指定される{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.4}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第16.4条}}。ラテン語の語尾で終わりながら、以下の表の語尾以外を持つ自動的にタイプ指定された学名は,著者名または発行日を変更せずに修正される{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.3}}{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=第16.3条}}。 |
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国際動物命名規約では'''接尾辞''' ({{lang-en-short|suffix}})は2つの意味を持ち、科階級群の接尾辞('''{{lang-fr-short|terminaison standard}}''')では、科階級名においてある単語の語幹に付加するものを指す{{Sfn|ICZN|2000|loc=Glossary "suffix"}}{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "接尾辞"}}。上科、科名、亜科、族、亜族に用い、各接尾辞は科階級群の他の階級に用いてはならないとされる{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条29.2}}。ただし、科階級群内のこれら以外の階級におけるタクソンの学名の接尾辞は規定されず、科階級群名の接尾辞と同じ綴りの語尾を有する属階級群および種階級群における学名は影響されない{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条29.2}}。また、属階級群の接尾辞('''{{lang-fr-short|suffixe}}''')では、{{lang|la|-ella}} あるいは{{lang|la|-istes}}といった[[ラテン語]]の接尾辞を構成するものを指す{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=用語集 "接尾辞"}}。条30の下、接尾辞に基づいてラテン語の性の決定がなされる{{Sfn|ICZN 日本語版追補|2005|loc=条30}}。そのため、本節で述べる「接尾辞」とは異なる。 |
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国際原核生物命名規約では、綱と属の間にある目、亜目、科、亜科、族、亜族の階級につけられるタクソン名は、[[タイプ属]]の[[語幹]]に適切な語尾を加えることで形成される{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 9}}。また、綱の名前は、その綱のタイプ目のタイプ属の名前の語幹に接尾辞 {{lang|la|-ia}} を加えて形成され、亜綱名は亜綱のタイプ目のタイプ属の学名の語幹に接尾辞 {{lang|la|-idae}}を付加して形成される{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 8}}。 |
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以下に各規約で定められている、各階級における接尾辞(語尾)を示す。その他、現在有効な規約中で定められていないがよく使われる接尾辞(語尾)として、植物(菌類・藻類)の上目名 {{lang|la|-anae}}、下目名 {{lang|la|-aria}}、上科名 {{lang|la|-acea}}、動物では目名 {{lang|la|-iformes, -ida}}、下科名 {{lang|la|-odd}}、下科名 {{lang|la|-ad, -iti}} がある。 |
|||
{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
||
|+ |
|+ 学名の接尾辞(語尾) |
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|- style="text-align:center;" |
|- style="text-align:center;" |
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|rowspan="2" colspan="2" bgcolor="#EAECF0" |'''分類階級<br />{{lang|en|rank}}''' |
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| |
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|colspan="5" bgcolor="#EAECF0" |'''接尾辞 {{lang|en|suffix}}''' / '''語尾 {{lang|en|termination}}''' |
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![[タクソン|分類群]]<br />[[w:Taxon|Taxon]] |
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|- |
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![[植物]]<br />[[w:Plant|Plants]] |
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|align="center" bgcolor="#E0EEE0" | '''[[植物]]<br />(ICN{{Efn2|門から亜綱までは第16条第3項{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.3}}、目及び亜目は第17条第1項{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 17.1}}、科は第18条第1項{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 18.1}}、亜科は第19条第1項{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 19.1}}、連および亜連は第19条第3項{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 19.3}}に記載されている。また、日本語版の命名法用語集(規約中の用語解説 Glossaryとは異なる)にまとめられている{{Sfn|ICN 日本語版|2019|loc=命名法用語集}}。}})''' |
|||
![[藻類]]<br />[[w:Alga|Algae]] |
|||
|align="center" bgcolor="#E0EEE0" | '''[[藻類]]<br />(ICN{{Efn2|植物と同様にICN中に記載。}})''' |
|||
![[菌類]]<br />[[w:Fungi|Fungi]] |
|||
|align="center" bgcolor="#E0EEE0" | '''[[菌類]]<br />(ICN{{Efn2|植物と同様にICN中に記載。}})''' |
|||
![[動物]]<br />[[w:Animal|Animals]] |
|||
|align="center" bgcolor="#E9E9D1" | '''[[動物]]<br />(ICZN{{Sfn|ICZN|2000|loc=Article 29.2}})''' |
|||
![[細菌]]・[[古細菌]]<br />Bacteria, Archaea |
|||
|align="center" bgcolor="#F3E0E0" | '''[[細菌]]・[[古細菌]]<br />(ICNP{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 8}}{{Sfn|ICNP|2019|loc=Rule 9}})''' |
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|- |
|- |
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!門 |
!門 |
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|Division/Phylum |
|{{lang|en|Division/Phylum}} |
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|align="center" colspan="2"| {{lang|la|-phyta}} |
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| -phyta |
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| {{lang|la|-mycota}} |
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| -phyta |
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| -mycota |
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!亜門 |
!亜門 |
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|Subdivision/Subphylum |
|{{lang|en|Subdivision/Subphylum}} |
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| -phytina |
|align="center" colspan="2"| {{lang|la|-phytina}} |
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| {{lang|la|-mycotina}} |
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| -phytina |
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| -mycotina |
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!綱 |
!綱 |
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|Class |
|{{lang|en|Class}} |
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| -opsida |
| {{lang|la|-opsida}} |
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| -phyceae |
| {{lang|la|-phyceae}} |
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| -mycetes |
| {{lang|la|-mycetes}} |
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| {{lang|la|-ia}} |
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!亜綱 |
!亜綱 |
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|Subclass |
|{{lang|en|Subclass}} |
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| {{lang|la|-idae}}{{Efn2|ただし-viridaeではない{{Sfn|ICN|2018|loc=Article 16.3}}}} |
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| -idae |
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| -phycidae |
| {{lang|la|-phycidae}} |
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| -mycetidae |
| {{lang|la|-mycetidae}} |
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| {{lang|la|-idae}} |
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!目 |
!目 |
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|Order |
|{{lang|en|Order}} |
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|align="center" colspan="3"| {{lang|la|-ales}} |
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| -ales |
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| -ales |
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| -ales |
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| -ales |
| {{lang|la|-ales}} |
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!亜目 |
!亜目 |
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|Suborder |
|{{lang|en|Suborder}} |
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|align="center" colspan="3"| {{lang|la|-ineae}} |
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| -ineae |
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| -ineae |
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| -ineae |
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| -ineae |
| {{lang|la|-ineae}} |
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!上科 |
!上科 |
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|Superfamily |
|{{lang|en|Superfamily}} |
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| -oidea |
| {{lang|la|-oidea}} |
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!科 |
!科 |
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|Family |
|{{lang|en|Family}} |
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|align="center" colspan="3"| {{lang|la|-aceae}} |
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| -aceae |
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| {{lang|la|-idae}} |
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| -aceae |
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| -aceae |
| {{lang|la|-aceae}} |
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| -idae |
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| -aceae |
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!亜科 |
!亜科 |
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|Subfamily |
|{{lang|en|Subfamily}} |
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|align="center" colspan="3"| {{lang|la|-oideae}} |
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| -oideae |
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| {{lang|la|-inae}} |
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| -oideae |
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| -oideae |
| {{lang|la|-oideae}} |
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| -inae |
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| -oideae(現在使用されていない) |
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!族 |
!族 |
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|Tribe |
|{{lang|en|Tribe}} |
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|align="center" colspan="3"| {{lang|la|-eae}} |
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| -eae |
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| {{lang|la|-ini}} |
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| -eae |
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| -eae |
| {{lang|la|-eae}} |
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| -ini |
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| -eae(同上) |
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!亜族 |
!亜族 |
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|Subtribe |
|{{lang|en|Subtribe}} |
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|align="center" colspan="3"| {{lang|la|-inae}} |
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| -inae |
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| {{lang|la|-ina}} |
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| -inae |
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| -inae |
| {{lang|la|-inae}} |
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| -ina |
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| -inae(同上) |
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|} |
|} |
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なお、[[原生生物]]などでは分類の見直しで界レベルの変更が行われる例があり、その場合にはこのような接尾語も変更される。例えば[[ラビリンチュラ]]類は当初は菌類に扱われたためLabyrinthulomycotaの様な菌類としての名を持っていたが、現在は[[ストラメノパイル]]に属するとの判断が出ているので、これを使わないことが多い。このような場合、文献には幾通りかの名が流布することもある。 |
|||
== 国際ウイルス分類委員会による分類階級 == |
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=== 接頭辞 === |
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階級が足りなくなった場合は、接頭辞を付けて階級を増やす。太字で書いたものをまず使い、それでも足りなければ他の接頭辞を使う。 |
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*巨 Magn- |
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*'''上 Super-''' |
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*大 Grand- |
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*中 Mir- |
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*'''接頭辞なし''' |
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*'''亜 Sub-''' |
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*'''下 Infra-''' |
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*小 Parv- |
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=== 国際ウイルス分類委員会による分類階級 === |
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{{see also|ウイルスの分類}} |
{{see also|ウイルスの分類}} |
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[[ウイルス]]・[[ウイロイド]]・[[サテライトウイルス|サテライト核酸]]については、種より上位の高次分類群の階級および学名の接尾辞が[[国際ウイルス分類委員会]]の命名規約(ICTV Code)によって規定されている<ref name="ictv-code">{{Cite web |url=https://talk.ictvonline.org/information/w/ictv-information/383/ictv-code |title=ICTV Code |publisher=International Committee on Taxonomy of Viruses |date=2018-10 |accessdate=2020-12-16}}</ref>。 |
[[ウイルス]]・[[ウイロイド]]・[[サテライトウイルス|サテライト核酸]]については、種より上位の高次分類群の階級および学名の接尾辞が[[国際ウイルス分類委員会]]の命名規約(ICTV Code)によって規定されている<ref name="ictv-code">{{Cite web |url=https://talk.ictvonline.org/information/w/ictv-information/383/ictv-code |title=ICTV Code |publisher=International Committee on Taxonomy of Viruses |date=2018-10 |accessdate=2020-12-16}}</ref>。 |
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194行目: | 470行目: | ||
{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
{| class="wikitable" style="margin: 0 auto;" |
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|+ ICTV (2018) による分類群の階級と学名の接尾辞 |
|+ ICTV (2018) による分類群の階級と学名の接尾辞 |
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! <!-- 日本語名称 --> !! 分類階級<br />Taxonomic rank !! ウイルス<br />Viruses !! ウイロイド<br />Viroids !! サテライト核酸<br />Satellite nucleic acids |
! <!-- 日本語名称 --> !! 分類階級<br />{{lang|en|Taxonomic rank}} !! ウイルス<br />{{lang|en|Viruses}} !! ウイロイド<br />{{lang|en|Viroids}} !! サテライト核酸<br />{{lang|en|Satellite nucleic acids}} |
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|- |
|- |
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! <!-- 訳語なし --> |
! <!-- 訳語なし --> |
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| Realm || -''viria'' || -''viroidia'' || -''satellitia'' |
| {{lang|en|Realm}} || -''viria'' || -''viroidia'' || -''satellitia'' |
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|- |
|- |
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! <!-- 訳語なし --> |
! <!-- 訳語なし --> |
||
| Subrealm || -''vira'' || -''viroida'' || -''satellita'' |
| {{lang|en|Subrealm}} || -''vira'' || -''viroida'' || -''satellita'' |
||
|- |
|- |
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! 界 |
! 界 |
||
| Kingdom || -''virae'' || -''viroidiae'' || -''satellitiae'' |
| {{lang|en|Kingdom}} || -''virae'' || -''viroidiae'' || -''satellitiae'' |
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|- |
|- |
||
! 亜界 |
! 亜界 |
||
| Subkingdom || -''virites'' || -''viroidites'' || -''satellitites'' |
| {{lang|en|Subkingdom}} || -''virites'' || -''viroidites'' || -''satellitites'' |
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! 門 |
! 門 |
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| Phylum || -''viricota'' || -''viroidicota'' || -''satelliticota'' |
| {{lang|en|Phylum}} || -''viricota'' || -''viroidicota'' || -''satelliticota'' |
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! 亜門 |
! 亜門 |
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| Subphylum || -''viricotina'' || -''viroidicotina'' || -''satelliticotina'' |
| {{lang|en|Subphylum}} || -''viricotina'' || -''viroidicotina'' || -''satelliticotina'' |
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|- |
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! 綱 |
! 綱 |
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| Class || -''viricetes'' || -''viroidicetes'' || -''satelliticetes'' |
| {{lang|en|Class}} || -''viricetes'' || -''viroidicetes'' || -''satelliticetes'' |
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! 亜綱 |
! 亜綱 |
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| Subclass || -''viricetidae'' || -''viroidicetidea'' || -''satelliticetidea'' |
| {{lang|en|Subclass}} || -''viricetidae'' || -''viroidicetidea'' || -''satelliticetidea'' |
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! 目 |
! 目 |
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| Order || -''virales'' || -''viroidales'' || -''satellitales'' |
| {{lang|en|Order}} || -''virales'' || -''viroidales'' || -''satellitales'' |
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|- |
|- |
||
! 亜目 |
! 亜目 |
||
| Suborder || -''virineae'' || -''viroidineae'' || -''satellitineae'' |
| {{lang|en|Suborder}} || -''virineae'' || -''viroidineae'' || -''satellitineae'' |
||
|- |
|- |
||
! 科 |
! 科 |
||
| Family || -''viridae'' || -''viroidae'' || -''satellitidae'' |
| {{lang|en|Family}} || -''viridae'' || -''viroidae'' || -''satellitidae'' |
||
|- |
|- |
||
! 亜科 |
! 亜科 |
||
| Subfamily || -''virinae'' || -''viroidinae'' || -''satellitinae'' |
| {{lang|en|Subfamily}} || -''virinae'' || -''viroidinae'' || -''satellitinae'' |
||
|- |
|- |
||
! 属 |
! 属 |
||
| Genus || -''virus'' || -''viroid'' || -''satellite'' |
| {{lang|en|Genus}} || -''virus'' || -''viroid'' || -''satellite'' |
||
|- |
|- |
||
! 亜属 |
! 亜属 |
||
| Subgenus || -''virus'' || -''viroid'' || -''satellite'' |
| {{lang|en|Subgenus}} || -''virus'' || -''viroid'' || -''satellite'' |
||
|} |
|} |
||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
{{脚注ヘルプ}} |
{{脚注ヘルプ}} |
||
=== 注釈 === |
|||
{{Reflist}} |
|||
植物における規約の略称はICN、団体はIAPTで、動物における団体の略称がICZNで規約はあくまでthe Codeであるが、ここでは便宜上それぞれICN、ICZNとして引用する。 |
|||
<!-- == 参考文献 == --> |
|||
{{Notelist2}} |
|||
=== 出典 === |
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{{Reflist|3}} |
|||
== 参考文献 == |
|||
=== 命名規約 === |
|||
* {{cite book|editor=Turland, N. J., Wiersema, J. H., Barrie, F. R., Greuter, W., Hawksworth, D. L., Herendeen, P. S., Knapp, S., Kusber, W.-H., Li, D.-Z., Marhold, K., May, T. W., McNeill, J., Monro, A. M., Prado, J., Price, M. J. & Smith, G. F.|date=2018|title=International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants (Shenzhen Code) adopted by the Nineteenth International Botanical Congress Shenzhen, China, July 2017|series=Regnum Vegetabile 159|place=Glashütten|publisher=Koeltz Botanical Books|doi=10.12705/Code.2018|isbn=978-3-946583-16-5|ref={{SfnRef|ICN|2018}}}} |
|||
** オンライン版:{{cite web|url=https://www.iapt-taxon.org/nomen/main.php|editor=Turland, N.J.; ''et al.''|date=2018|title=International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants (Shenzhen Code) adopted by the Nineteenth International Botanical Congress Shenzhen, China, July 2017 (electronic ed.)|place=Glashütten|publisher=International Association for Plant Taxonomy|accessdate=2021-07-02}} |
|||
** 日本語版:{{cite book|title=国際藻類・菌類・植物命名規約 (深圳規約)|editor=日本植物分類学会・国際命名規約邦訳委員会編|publisher=北隆館|date=2019-09-10|isn=978-4-8326-1052-1|ref={{SfnRef|ICN 日本語版|2018}}}} |
|||
* {{cite book|author=the International Commission on Zoological Nomenclature (ICZN)|title=International Code on Zoological Nomenclature|edition=4|url=https://www.iczn.org/the-code/the-code-online/|publisher=The International Trust for Zoological Nomenclature|date=1999|isbn=0-85301-006-4|ref={{SfnRef|ICZN|2000}}}} ''In'': {{cite book|editor=Ride, W.D.L.;H.G. Cogger; C. Dupuis; O. Kraus; A. Minelli; F. C. Thompson; P.K. Tubbs|title=International Code of Zoological Nomenclature Fourth Editon adopted by the International Union of Biological Sciences|publisher=International Trust for Zoological Nomenclature|date=1999|place=London|pages=xxix+306 pp}} |
|||
** オンライン版:{{cite web|url=https://www.iczn.org/the-code/the-code-online/|title=The Code Online (INTERNATIONAL CODE OF ZOOLOGICAL NOMENCLATURE Fourth Edition)|publisher=International Commission on Zoological Nomenclature|accessdate=2021-07-02}} |
|||
** 日本語版:{{cite book|和書|author=動物命名法国際審議会|editor=野田泰一・西川輝昭|date=2000|title=国際動物命名規約第 4 版日本語版|pages=xviii + 133 pp|publisher=日本動物分類学関連学会連合|place=札幌}} |
|||
** 日本語版追補:{{cite book|和書|author=動物命名法国際審議会|editor=野田泰一・西川輝昭|title=国際動物命名規約 第4版 日本語版 [追補]|publisher=日本分類学会連合|place=東京|date=2005-10|isbn=4-9980895-1-X|url=http://ujssb.org/iczn/index.html|ref={{SfnRef|ICZN 日本語版追補|2005}}}} |
|||
* {{cite journal|title=International Code of Nomenclature of Prokaryotes [Prokaryotic Code (2008 Revision)]|journal=INTERNATIONAL JOURNAL OF SYSTEMATIC AND EVOLUTIONARY MICROBIOLOGY|volume=69|issue=1A|date=2019-01-11|doi=10.1099/ijsem.0.000778|ref={{SfnRef|ICNP|2019}}}} |
|||
=== その他 === |
|||
* {{Citation |author=Angiosperm Phylogeny Group |year=2016 |title=An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV |journal=[[:en:Botanical Journal of the Linnean Society|Botanical Journal of the Linnean Society]] |volume=181 |issue=1 |pages=1–20 |doi=10.1111/boj.12385|Ref={{SfnRef|APG IV|2016}}}} |
|||
* {{cite book|first1=Paul|last1=Kenrick|first2=Peter R.|last2=Crane|date=1997|title=The Origin and Early Diversification of Land Plants —A Cladistic Study|publisher=Smithonian Institution Press|isbn=1-56098-729-4|pages=228-229|ref={{SfnRef|Kenrick & Crane|1997}}}} |
|||
* {{cite journal|author=PPG I (The Pteridophyte Phylogeny Group) |date=2016|title=A community-derived classification for extant lycophytes and ferns|journal=Journal of Systematics and Evolution|publisher=Institute of Botany, Chinese Academy of Sciences|volume=56|issue=6|pages=563-603|ref={{SfnRef|PPG I|2016}}}} |
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* {{cite book|和書|author=巌佐庸・倉谷滋・[[斎藤成也]]・[[塚谷裕一]]|title=岩波生物学辞典 第5版|publisher=[[岩波書店]]|date=2013-2-26|pages=1512, 1532頁|isbn=9784000803144|ref={{SfnRef|『岩波生物学辞典 第5版』|2013}}}} |
|||
* {{cite book|和書|author=大久保憲秀|title=動物学名の仕組み 国際動物命名規約第4版の読み方|publisher=伊藤印刷出版部|isbn=4990321901|date=2006-08-31|pages=301pp|ref={{SfnRef|大久保|2006}}}} |
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* {{Cite book|和書|author=[[アーネスト M. ギフォード]]・[[エイドリアンス S. フォスター]]著、[[長谷部光泰]]・[[鈴木武]]・[[植田邦彦]]監訳|title=維管束植物の形態と進化 原著第3版|date=2002-04-10|publisher=[[文一総合出版]]|isbn=4-8299-2160-9|page=29|ref={{SfnRef|ギフォード・フォスター|2002}}}} |
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* {{cite journal|author=冨田幸光・對比地孝亘・三枝春生・池上直樹・平山廉・仲谷英夫|title=恐竜類の分岐分類におけるクレード名の和訳について|journal=化石 (Fossils)|publisher=The Palentological Society of Japan|volume=108|pages=23-35|date=2020|ref={{SfnRef|冨田ほか|2020}}}} |
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* {{cite journal|author=日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会|url=https://doi.org/10.11238/mammalianscience.43.127|title=哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について|journal=哺乳類科学|volume=43|issue=2|publisher=日本哺乳類学会|date=2003|pages=127-134|ref={{SfnRef|日本哺乳類学会|2003}}}} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[学名]] |
* [[学名]] |
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{{Normdaten}} |
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<!-- == 外部リンク == --> |
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{{DEFAULTSORT:かいきゆう}} |
{{DEFAULTSORT:かいきゆう}} |
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[[Category:分類学 (生物学)]] |
[[Category:分類学 (生物学)]] |
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[[Category:接辞]] |
[[Category:接尾辞]] |
2021年7月13日 (火) 07:56時点における版
生物学・分類学において階級(かいきゅう、英: rank, category、羅: categoria)は、リンネ式階層分類において、界・門・綱・目・科・属・種などの、タクソン(分類群)の階層的位置を表す[1]。分類階級(ぶんるいかいきゅう)とも言う[1]。国際動物命名規約では、「階級 rank」は「命名法の目的にとっては,分類の階級構造においてあるタクソンが占める,高低関係から見た位置」とされる[2][3]。つまり、例えば「科」の階級にあるタクソンは全て上科と亜科の間にあり、相対的に同じ階層位置にあるということである。
下位の階級の分類群は上位の階級の分類群に順次含まれる[1]。分類体系によってはタクソンの階級が大きく移動することもある(多くの場合学名の語尾も変化する)。たとえば、舌形動物はかつて門の階級に置かれていたが、現在は節足動物門甲殻亜門貧甲殻上綱ウオヤドリエビ綱の下位の亜綱に置かれ、舌形亜綱とする。同様に、ユムシ動物や星口動物、有髭動物もかつては門の階級に置かれていたが、分子系統解析により全て環形動物門に内包され、そのうち定在類の下位に置かれる。植物ではマツバラン類はマツバラン門として門に置かれたが[4]、現在は他の大葉シダ綱ハナヤスリ亜綱に含められるマツバラン目が最も上位の分類である[5]。
また、分岐学(分岐分類学)で生物を分類した場合、階級を置かない多様なクレードが増え、リンネ式階層分類が当てはめにくい場合がある[6]。例えば、APG植物分類体系(APG IV)では、目より上の分類階級を置かず、それぞれのクレード(単系統群)に学名を置かない[7]。
分類階級の一覧
命名規約で定められる階級は藻類(藍藻を含む)・菌類・植物、動物、原核生物でそれぞれ差異があり、同一ではない。
国際藻類・菌類・植物命名規約
国際藻類・菌類・植物命名規約 (ICN)では、基本的な分類階級を一次ランク(いちじランク、principal ranks)と呼び、界、門、綱、目、科、属、種の7つがある[8][9]。これに加え、科と属の間に連、属と種の間に節、その下に列、種より下に変種と を置き、これらを二次ランク(にじランク、secondary ranks)と呼ぶ[10][11]。これら一次ランク、二次ランクに接頭辞「亜-(sub-)」をつけてその一つ下の補助的なランクを作ることができる[12][13]。それでも足りない場合は混乱や誤りのないという条件の下、さらにランクを追加することができる[14][15]。例えば、Kenrick とCrane (1997)における植物の分類体系では、亜界と門の間に「下界 infrakingdom」および「上門 superdivision」を、亜門と綱の間に「上区 supercohort」や「区 cohort」、「亜区 subcohort」、「下区 infracohort」および「上綱 superclass」を置いたが[16]、これは国際藻類・菌類・植物命名規約 第4.3条のもと認められる。それぞれの階級を略記 (abbreviation)したい場合、cl.(綱)、ord.(目)、fam.(科)、tr.(連)、gen.(属)、sect.(節)、ser.(列)、sp.(種)、var.(変種)、f.(品種)と表記し、補助的なランクでは、「亜種」であれば subsp. のようにそれぞれに「sub-」をつけて示す[17][18]。ただし、亜属のみ subg. であって subgen. は誤りである[17][18]。
以下に規約中で示されるすべての階級を示す[12][13]。上記の通り、これ以外の階級も認められる。
国際藻類・菌類・植物命名規約における分類階級 (太字が一次ランク、普通の字体が二次ランクおよび補助的なランク) | ||
日本語 | ラテン語 | 英語 |
界 | regnum | kingdom |
亜界 | subregnum | subkingdom |
門 | phylum または divisio | phylum または division |
亜門 | subphylum または subdivisio | subphylum または subdivision |
綱 | classis | class |
亜綱 | subclassis | subclass |
目 | ordo | order |
亜目 | subordo | suborder |
科 | familia | family |
亜科 | subfamilia | subfamily |
連 | tribus | tribe |
亜連 | subtribus | subtribe |
属 | genus | genus |
亜属 | subgenus | subgenus |
節 | sectio | section |
亜節 | subsectio | subsection |
列 | series | series |
亜列 | subseries | subseries |
種 | species | species |
亜種 | subspecies | subspecies |
変種 | varietas | variety |
亜変種 | subvarietas | subvariety |
品種 | forma | form |
亜品種 | subforma | subform |
国際動物命名規約
国際動物命名規約 (ICZN Code)において規制される階級は「科階級群」、「属階級群」および「種階級群」の3つのみである[19][20]。科階級群(かかいきゅうぐん、英: family group、仏: niveau famille、旧訳は「科グループ」)とは「上科,科,亜科,族,その他上科よりも低く属階級群よりも高い,必要に応じた任意の階級(たとえば亜族)に位置するタクソン」[21][22]、属階級群(ぞくかいきゅうぐん、英: genus group、仏: niveau genre、旧訳は「属グループ」)とは「属・亜属の階級にあるタクソン」の集合[23][24]、種階級群(しゅかいきゅうぐん、species group、旧訳は「種グループ」)とは「種および亜種の階級にあるすべてのタクソン」を表す[25][26]。
寄集群(きしゅうぐん、collective group)や属階級群を表す生痕化石タクソンは属階級群名として用いられる[23][24]。
また種の前後に、種集群および亜種集群を挿入することができる(それぞれ種小名、亜種小名として扱われる)[27][28][29]。集群(しゅうぐん、aggregate)とは、属内の種の集合のうち亜属以外のもの、または亜属内の種のなんらかの集合、種内の亜種のなんらかの集合を指す[30][31]。集群を丸括弧にいれた種階級群名によって表示してもよいとされ、亜属より下位で種より上位、種より下位で亜種より上位の学名を表示することができる[31][29]。種集群の指す階級は著者が示すことができ、例えば種集群名に「上種 superspecies」を、亜種集群名にexerge をというように、命名規約上定められていない階級の意味を与えることができる[32][33][34][35][29]。
また、現在の規約(第4版)においては、国際藻類・菌類・植物命名規約とは違い、亜種より下位の変種(へんしゅ、英: variety, 羅: varietas)および植物の品種にあたる型(かた、英: form, 羅: forma)は、両階級とも1960年よりも後に公表されたものであれば、亜種よりも低い階級を示すと見なされるため認められず、1961年よりも前に公表されたもので亜種より下位に置かれていないならば(型の代わりに)亜種とみなされる[36][37][38][39][40][41]。
これを整理すると、以下のようになる[22][24][26]。なお、科階級群には任意の階級を置くことができるため、族の上、亜科の下に上族 supertribeを置くことができるが、規約中にこの用語はないため[22]、下表では表示しない。
国際動物命名規約に認められる分類階級 | ||
群 group | 日本語 | 英語 |
科階級群 family group | ||
上科 | superfamily | |
科 | family | |
亜科 | subfamily | |
族 | tribe | |
亜族 | subtribe | |
属階級群 genus group | ||
属 | genus | |
亜属 | subgenus | |
種階級群 species group | ||
種集群 | aggregate of species | |
種 | species | |
亜種集群 | aggregate of subspecies | |
亜種 | subspecies |
現在有効な国際動物命名規約第4版ではこれより上位の学名は定められず、任意の階級を置くことになる。動物学では、綱と目の間に団 (legion) および区 (cohort) の階級を用いる分類体系もある[42]。ただし、命名規約における区 divisionは「分類階級のひとつ.ある属または亜属を分割するものとして使用される場合には,命名法の目的において,亜属という階級と見なされるもの」とされる[43]。植物における門と同じ英名であり、命名法上亜属と同義の階級とみなされ、この場合の区とは異なる。また、目の前後には巨目 magnorder、上目 superorder、大目 grandorder、中目 mirorder、目 order、亜目 suborder、下目 infraorder、小目 parvorderのように「亜- sub-」および「上 super-」だけでなく、「巨- magn-」、「大- grand-」、「中- mir-」、「下- infra-」、「小- parv-」という接頭辞をつけ、挿入されるこのもある[44][42]。
以下に、『岩波生物学辞典 第5版』(2013)による分類階級の例を示す[44]。昆虫など特定の分類群では、これに加え、節 section、枝 branch、群 group、集団 phalanx、系列 seriesを置くこともあるが、どこの階層に置かれるかは研究者により一貫していない[44]。
動物学において用いられる主な分類階級 (基本階級を太字、補助階級を普通の字体で示す) | |
日本語 | 英語 |
界 | kingdom |
亜界 | subkingdom |
門 | phylum |
亜門 | subphylum |
上綱 | superclass |
綱 | class |
亜綱 | subclass |
下綱 | infraclass |
上団 | superlegion |
団 | legion |
亜団 | sublegion |
下団 | infralegion |
上区 | supercohort |
区(コホート) | cohort |
亜区 | subcohort |
巨目 | magnorder |
上目 | superorder |
大目 | grandorder |
中目 | mirorder |
目 | order |
亜目 | suborder |
下目 | infraorder |
小目 | parvorder |
上科 | superfamily |
科 | family |
亜科 | subfamily |
上族 | supertribe |
族 | tribe |
亜族 | subtribe |
属 | genus |
亜属 | subgenus |
種 | species |
亜種 | subspecies |
国際原核生物命名規約
国際原核生物命名規約 (ICNP)では、種を含む分類階級が昇順で示され、それぞれ種、(亜属)、属、(亜連)、(亜連)、(亜科)、科、(亜目)、目、(亜綱)、綱となっている[45]。種は「亜種 subspeciesに分けられ、規約上で扱われる[46]。「変種 variety」は「亜種」の異名として扱われるが、混乱を招くため使用は推奨されず、2008年改正版の規約「Prokaryotic Code (2008 Revision)」の発効後は「変種」は命名上の意味をなさない [46]。亜種より下の階級 (infrasubspecific subdivisions)は規約で扱われない[47]。
国際原核生物命名規約で定められる分類階級 (基本的な階級を太字、任意の階級を普通の字体で示す) | ||
日本語 | ラテン語 | 英語 |
綱 | classis | class |
亜綱 | subclassis | subclass |
目 | ordo | order |
亜目 | subordo | suborder |
科 | familia | family |
亜科 | subfamilia | subfamily |
連 | tribus | tribe |
亜連 | subtribus | subtribe |
属 | genus | genus |
亜属 | subgenus | subgenus |
種 | species | species |
亜種 | subspecies | subspecies |
より高次の階級
国際動物命名規約では、界(英: kingdom,仏: règne)を分類の階級構造における最高位の階級としている[48]。国際動物命名規約旧版では、動物界 Animaliaを唯一の界とした[48]。しかし、界より上位の階級としてドメイン (domain) を置く説もある[49]。真核生物の高次分類群としてはスーパーグループ (supergroup) が提唱されている[49]。これらのスーパーグループを動物界や菌界の上位の分類群である「オピストコンタ上界」などと「上界 superkingdom」、またはクロミスタ界の下の「ハロサ亜界」や「アルベオラータ下界」など「亜界 subkingdom」「下界 infrakingdom」として既存の階級に当てはめる場合もある[50]。
階級と学名
階級によって学名の表示の方法は異なっている。国際藻類・菌類・植物命名規約および国際原核生物命名規約で扱われる学名は必ずラテン語として扱われるが[51][52][53]、それぞれの階級に応じて文法上の制限(品詞、性、数、格)が定められている。国際動物命名規約では、学名はラテン語、ギリシア語あるいはその他の言語でよいが[54][55]、ラテン語アルファベットを必ず使用する必要があり[56][57]、学名の要素の最後の綴りがラテン語およびギリシア語であるとき、著者が命名時に否定していなければそれらの言語と見なされ[58][59]、同様に階級に応じて文法上の制約が課される。
属名・種名
国際藻類・菌類・植物命名規約において、属名は単数主格の名詞で大文字 (Capital)で書き始める[60][61]。種名は「属名 + 種形容語」(二語名)で示し、種形容語(および種内分類群の形容語 infraspecific epithet)は形容詞、名詞の属格または同格であり、小文字 (lower case)で書き始められるべきである[62][63][64][65]。種内分類群の形容語(たとえば亜種名や変種名)は種名の後に続け、そのランクを表す用語をつけて表される[66][67]。例えば、ユキノシタ属の1亜品種はSaxifraga aizoon subf. surculosa Engl. & IrmschまたはSaxifraga aizoon var. aizoon subvar. brevifolia f. multicaulis subf. surculosa Engl. & Irmschのように表示される[68][69]。「学名をよりはっきりと表示するために,学名の一部をなす word elements はイタリックで表示されるが、印刷形式は編集のスタイルと伝統の問題であって命名法上の問題ではないので,本『規約』はこの点に関しては他を拘束する標準ではない。」としており、規約には定められていないが、普通イタリックで表示される[70]。
国際動物命名規約においても、種名は必ず「属名 + 種小名」(二語名)で示さなければならず、これを二語名法の原理 (Principle of Binominal Nomenclature)という[71][72]。属名は主格単数形の名詞として扱い大文字で書き始め、種小名(種階級群名)は小文字で書き始めなければならない[71][72][73][74][75][76]。なお、亜種名はそれに小文字で書き始める亜種小名を加え、「属名 + 種小名 + 亜種小名」の三語名で表示する[77]。種階級群名(種小名および亜種小名)は主格単数形の形容詞または分詞、属名と同格の主格単数形名詞、属格の名詞、および共生する生物(宿主)の種小名に由来する属格の実名詞 (substantive)として使用される形容詞のいずれかとして扱わなければならない[78][79]。また、亜属名を挿入する場合、大文字で書き始め、「属名 + (亜属名) + 種小名」と丸括弧にくるんで挿入しなければならず、これを三語名とは数えない(挿入名 Interpolated name)[80][81]。種階級群名を書くときはつねに属名(もしくはその略記)に続けるべきである[82][83]。印刷形式は拘束しないとする国際藻類・菌類・植物命名規約とは異なり、種名は「地の文と違う字体」(普通、斜体 italics)で印刷するべきであるとされる[82][83]。
国際原核生物命名規約では、属名は必ず単数形の実名詞または実名詞として使われた形容詞で、実名詞として扱われる[84]。種名は「属名 + 種形容語」の2語の組み合わせ ( binary combination)である[85]。種形容語は属名と性が一致する形容詞、主格で属名と同格の実名詞、属格の実名詞の何れかでなければならない[86]。主格の亜属名も属名と同様に扱われ、亜属名を種名に含める場合、属名と種形容語の間に "subgen." とともに括弧内に入れる[84][86]。また、規約ではなく提案として、学名の表記について、その国の言語、関連する雑誌や出版社に適した慣例を用いなければならず、学名を他の文章と区別するために、イタリックなどの異なる書体で表示することが望ましいと示されている[87]。
属より上の階級名
国際藻類・菌類・植物命名規約において、科以上のタクソンは複数形の名詞であり、大文字で書き始めなければならない[88][89]。国際動物命名規約において、種階級群よりも高いタクソンの学名は一語よりなり(一語名)、大文字で書き始めなければならない[90]。また、国際動物命名規約において、高位のタクソンの学名には斜体を用いるべきではない[82][83]。それに対し、国際藻類・菌類・植物命名規約においては、本規約中で学名はどのランクであれイタリックで印刷されており、種名や属名と同様にイタリックで表示されるが、上記のように規約上は「印刷形式は編集のスタイルと伝統の問題であって命名法上の問題ではないので,本『規約』はこの点に関しては他を拘束する標準ではない。」というスタンスであり[70]、普通、立体で書かれる[注 1]。
国際原核生物命名規約では(規約で規制される)目以上の各タクソンの学名は、ラテン語またはラテン語化された単語である[91]。綱の学名は中性複数で、亜綱の学名は女性複数で、どちらも頭文字は大文字 (capital letter)で書かれる[91]。
接尾辞
各命名規約において、特定の階級では特定の接尾辞(せつびじ、suffix)[注 2]、または語尾(ごび、termination)[注 3]を語幹に付加する。
国際植物・菌類・藻類命名規約では、科の学名はその科に含まれる属(タイプ属)の学名の属格単数形の屈折語尾[注 4]を語尾 -aceae に置き換えて作られる[95][96]古典語由来でない属名の場合、古典語との類似性が単数主格を決定するのに不十分なときは、-aceae がそのままの属名に加えられる[95][96]。同様に、亜科には‑oideae、族には‑eae、亜族には‑inae をつける[97][98][99][100]。
国際植物・菌類・藻類命名規約において、科より上のランクには自動的にタイプ指定される学名 (automatically typified names)と特徴名 (descriptive names)がある[88][89]。前者は科名と同様に、属名から適切なランクを表す語尾(下表参照[101][102])を加えて作られるが、後者では異なる階級でもそのまま使用できる[103][89]。また前者では、亜門の学名は門、亜綱の学名は綱、亜目の学名は目と、対応する上のランクと同じ属名から形成される[104][105]。目より上のランクでは、属名に含まれる2番目の単数主格の語幹である語要素-clad-[注 5]、-cocc-[注 6]、-cyst-[注 7]、-monad-[注 8]、-mycet-[注 9]、-nemat-[注 10]、-phyt-[注 11]は、ランクを表す語尾の前に省略でき、由来が明らかな場合は自動的にタイプ指定される[106][107]。ラテン語の語尾で終わりながら、以下の表の語尾以外を持つ自動的にタイプ指定された学名は,著者名または発行日を変更せずに修正される[101][108]。
国際動物命名規約では接尾辞 (英: suffix)は2つの意味を持ち、科階級群の接尾辞(仏: terminaison standard)では、科階級名においてある単語の語幹に付加するものを指す[92][93]。上科、科名、亜科、族、亜族に用い、各接尾辞は科階級群の他の階級に用いてはならないとされる[109]。ただし、科階級群内のこれら以外の階級におけるタクソンの学名の接尾辞は規定されず、科階級群名の接尾辞と同じ綴りの語尾を有する属階級群および種階級群における学名は影響されない[109]。また、属階級群の接尾辞(仏: suffixe)では、-ella あるいは-istesといったラテン語の接尾辞を構成するものを指す[93]。条30の下、接尾辞に基づいてラテン語の性の決定がなされる[110]。そのため、本節で述べる「接尾辞」とは異なる。
国際原核生物命名規約では、綱と属の間にある目、亜目、科、亜科、族、亜族の階級につけられるタクソン名は、タイプ属の語幹に適切な語尾を加えることで形成される[111]。また、綱の名前は、その綱のタイプ目のタイプ属の名前の語幹に接尾辞 -ia を加えて形成され、亜綱名は亜綱のタイプ目のタイプ属の学名の語幹に接尾辞 -idaeを付加して形成される[91]。
以下に各規約で定められている、各階級における接尾辞(語尾)を示す。その他、現在有効な規約中で定められていないがよく使われる接尾辞(語尾)として、植物(菌類・藻類)の上目名 -anae、下目名 -aria、上科名 -acea、動物では目名 -iformes, -ida、下科名 -odd、下科名 -ad, -iti がある。
分類階級 rank |
接尾辞 suffix / 語尾 termination | |||||
植物 (ICN[注 12]) |
藻類 (ICN[注 13]) |
菌類 (ICN[注 14]) |
動物 (ICZN[112]) |
細菌・古細菌 (ICNP[91][111]) | ||
門 | Division/Phylum | -phyta | -mycota | |||
---|---|---|---|---|---|---|
亜門 | Subdivision/Subphylum | -phytina | -mycotina | |||
綱 | Class | -opsida | -phyceae | -mycetes | -ia | |
亜綱 | Subclass | -idae[注 15] | -phycidae | -mycetidae | -idae | |
目 | Order | -ales | -ales | |||
亜目 | Suborder | -ineae | -ineae | |||
上科 | Superfamily | -oidea | ||||
科 | Family | -aceae | -idae | -aceae | ||
亜科 | Subfamily | -oideae | -inae | -oideae | ||
族 | Tribe | -eae | -ini | -eae | ||
亜族 | Subtribe | -inae | -ina | -inae |
国際ウイルス分類委員会による分類階級
ウイルス・ウイロイド・サテライト核酸については、種より上位の高次分類群の階級および学名の接尾辞が国際ウイルス分類委員会の命名規約(ICTV Code)によって規定されている[113]。
分類階級 Taxonomic rank |
ウイルス Viruses |
ウイロイド Viroids |
サテライト核酸 Satellite nucleic acids | |
---|---|---|---|---|
Realm | -viria | -viroidia | -satellitia | |
Subrealm | -vira | -viroida | -satellita | |
界 | Kingdom | -virae | -viroidiae | -satellitiae |
亜界 | Subkingdom | -virites | -viroidites | -satellitites |
門 | Phylum | -viricota | -viroidicota | -satelliticota |
亜門 | Subphylum | -viricotina | -viroidicotina | -satelliticotina |
綱 | Class | -viricetes | -viroidicetes | -satelliticetes |
亜綱 | Subclass | -viricetidae | -viroidicetidea | -satelliticetidea |
目 | Order | -virales | -viroidales | -satellitales |
亜目 | Suborder | -virineae | -viroidineae | -satellitineae |
科 | Family | -viridae | -viroidae | -satellitidae |
亜科 | Subfamily | -virinae | -viroidinae | -satellitinae |
属 | Genus | -virus | -viroid | -satellite |
亜属 | Subgenus | -virus | -viroid | -satellite |
脚注
注釈
植物における規約の略称はICN、団体はIAPTで、動物における団体の略称がICZNで規約はあくまでthe Codeであるが、ここでは便宜上それぞれICN、ICZNとして引用する。
- ^ 例えば、ほとんどの研究者により合意がなされている被子植物の分類体系であるAPG IVやシダ植物の分類体系であるPPG Iでも、属名より上の分類階級は立体で表記されている[7][5]。
- ^ 国際動物命名規約における用語[92][93]。
- ^ 国際植物・菌類・藻類命名規約における用語[94]。特に、「属より上のランク高位分類群を示す語尾 termination of rank for higher taxa above genus」と呼ぶ[94]。
- ^ ラテン語の-ae,-i,-us,-is 、翻字されたギリシア語の-ou,-os,-es,-as,-ous、およびそれに相当する-eos[95][96]
- ^ ギリシア語 κλάδος "kládos" 「枝」
- ^ 近代ラテン語 coccus 「球菌」← ギリシア語 κόκκος "kókkos" 「種子」
- ^ 後期ラテン語名詞 cystis 「嚢」←ギリシア語 κύστις "kústis"「膀胱」
- ^ ラテン語名詞 monas←ギリシア語 μονάς「1」に由来する。「単細胞」を含意する。
- ^ ギリシア語名詞属格 μύκητος "múkētos"←主格 μύκης 「菌」
- ^ ギリシア語名詞属格 νήματος "nêmatos"←主格 νῆμα「糸」
- ^ ギリシア語複数名詞 φυτά "phutá"←単数形 φυτόν 「植物」
- ^ 門から亜綱までは第16条第3項[101]、目及び亜目は第17条第1項[102]、科は第18条第1項[95]、亜科は第19条第1項[97]、連および亜連は第19条第3項[99]に記載されている。また、日本語版の命名法用語集(規約中の用語解説 Glossaryとは異なる)にまとめられている[94]。
- ^ 植物と同様にICN中に記載。
- ^ 植物と同様にICN中に記載。
- ^ ただし-viridaeではない[101]
出典
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- ^ ICZN 2000, Article 6.2 Example.
- ^ ICZN 日本語版追補 2005, 条6.2 例.
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- ^ ICZN 日本語版追補 2005, p. 5, 条6.2 例の注釈.
- ^ ICZN 2000, Article 45.6.4.
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- ^ ICZN 2000, Glossary "form".
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- Kenrick, Paul; Crane, Peter R. (1997). The Origin and Early Diversification of Land Plants —A Cladistic Study. Smithonian Institution Press. pp. 228-229. ISBN 1-56098-729-4
- PPG I (The Pteridophyte Phylogeny Group) (2016). “A community-derived classification for extant lycophytes and ferns”. Journal of Systematics and Evolution (Institute of Botany, Chinese Academy of Sciences) 56 (6): 563-603.
- 巌佐庸・倉谷滋・斎藤成也・塚谷裕一『岩波生物学辞典 第5版』岩波書店、2013年2月26日、1512, 1532頁頁。ISBN 9784000803144。
- 大久保憲秀『動物学名の仕組み 国際動物命名規約第4版の読み方』伊藤印刷出版部、2006年8月31日、301pp頁。ISBN 4990321901。
- アーネスト M. ギフォード・エイドリアンス S. フォスター著、長谷部光泰・鈴木武・植田邦彦監訳『維管束植物の形態と進化 原著第3版』文一総合出版、2002年4月10日、29頁。ISBN 4-8299-2160-9。
- 冨田幸光・對比地孝亘・三枝春生・池上直樹・平山廉・仲谷英夫 (2020). “恐竜類の分岐分類におけるクレード名の和訳について”. 化石 (Fossils) (The Palentological Society of Japan) 108: 23-35.
- 日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会 (2003). “哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について”. 哺乳類科学 (日本哺乳類学会) 43 (2): 127-134 .