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2020年11月1日 (日) 11:28時点における版
略称 | 鹿野グループ→大畠グループ |
---|---|
設立 | 2011年8月31日 |
設立者 | 鹿野道彦 |
解散 | 2018年2月28日 |
種類 | 民進党のグループ |
会員数 | 民進党所属国会議員他 |
会長 | 大島敦 |
幹事長 | 篠原孝 |
関連組織 |
羽田グループ 菅グループ |
素交会(そこうかい)は、旧民進党のグループ。通称、大畠グループ。
概要
菅直人内閣総理大臣・民主党代表の辞意表明を受けた2011年8月の民主党代表選において鹿野道彦農林水産大臣を支持した国会議員を中心として、8月31日に結成された[1][2]。「素交会」の名称は、陽明学者の安岡正篤の「素心の交」という言葉を引用し、9月14日に鹿野が命名した[3][4]。
結成に際しては、菅政権下の党執行部と小沢グループの双方から距離を置いていた中間派の議員が参加し、かつて鳩山グループの会長を務めた大畠章宏、鹿野に従い新党みらい結成にも参加した増子輝彦などのベテラン議員や、鹿野の下で農林水産副大臣を務めた篠原孝、筒井信隆、農林水産大臣政務官を務めた吉田公一などの農水系議員が中心であった[5][6][7][8]。鹿野の反新自由主義的姿勢を支持した議員もおり[9]、鹿野をはじめTPPへの参加に慎重な議員が多いとされた[10][11][12]。また、羽田グループ出身の保守系議員や、菅グループ出身のリベラル系議員が混在していた。
沿革
鹿野グループ時代
2011年、民主党内で菅おろしの動きが活発化する中、筒井信隆らポスト菅に鹿野道彦を推す議員らは、6月30日に鹿野擁立を目指す勉強会を開き[13][14]、8月19日に「鹿野道彦氏に代表選出馬を要請する会」として正式に代表選への出馬要請を行った[15][16][17]。これを受けて出馬した鹿野は、1回目の投票で4位に終わったが、海江田万里対野田佳彦の決選投票では、上着を脱ぐ合図で鹿野陣営の議員らに2位の野田に投票するよう指示し、キャスティング・ボートを握って野田を当選に導いた[18]。代表選直後の8月31日、鹿野は自らを支持した議員らと政策グループを設立し[1][2]、後に「素交会」と命名した[3][4]。9月に発足した野田内閣では鹿野が農林水産大臣に再任され、前田武志が国土交通大臣として初入閣した。
2012年1月召集の第180回国会では、素交会所属の樋口俊一衆議院議員の公設第一秘書であった人物が、鹿野農林水産大臣から農林水産省顧問に任命されていたことや、筒井農林水産副大臣の主導する対中輸出促進事業の支援で設立された「農林水産物等中国輸出促進協議会」の代表理事に就任していたことが批判され[19]、さらに5月末には在日中国大使館の一等書記官が同事業を通じて農林水産省の機密文書を入手した疑惑が浮上し(李春光事件)[20][21]、6月の内閣改造では鹿野、筒井と参議院で問責決議を受けた前田が退任することとなった[22]。
9月の代表選では、細野豪志擁立の動きに与したものの[23][24][25]、本人の不出馬表明で断念し[26]、会長の鹿野自ら出馬したが、再選を目指す野田が圧勝した。代表選後の内閣改造では素交会からの入閣はなく[27][28]、党役員人事では鹿野が党副代表に就任した[29]。
大畠グループ時代
12月の第46回衆議院議員総選挙では鹿野を含む多くのメンバーが落選し[30]、12月21日に会長代行の大畠章宏が新会長に選出され、鹿野は名誉会長に就任した[31][32]。12月の代表選では素交会として海江田を支持し[33][34]、海江田が当選すると大畠が党代表代行に就任した[35][36]。2013年7月に第23回参議院議員通常選挙惨敗の責任を取って党幹事長を辞任した細野の後任に大畠が就任した。
2014年12月の第47回衆議院議員総選挙後に行われた2015年1月の代表選では、素交会の中から篠原孝擁立の動きがあったものの[37]、リベラル系の候補者一本化のため断念し[38]、素交会として長妻昭の支持に回った[39][40][41]。1回目の投票で長妻は3位に終わり、細野対岡田克也の決選投票では素交会として細野の支持に回ったが[42][43][44]、細野は岡田に敗れた。この頃から世代交代が検討され、8月20日の総会で会長を大島敦に交代することとなった[45]。(ただし、マスメディアでは大島の会長就任後も「大畠グループ」として報じられている[46][47])
2016年3月に民進党が結成され、7月の第24回参議院議員通常選挙では創設メンバーの増子輝彦が現職閣僚の岩城光英を下して注目を集めた[48]。9月の代表選では、党執行部刷新を求める立場から[49][50]、素交会としていち早く蓮舫不支持を表明し[51]、その無投票当選阻止に動いた[52]。その後、素交会として前原誠司擁立に動き[53][54][55](背景には事務局長の篠原が前原と野党再編について協議してきたことや[56]、素交会内の憲法9条改正慎重論に配慮して前原が持論を封印したことがある[57][58][59])、会長の大島が前原陣営の選対本部長に就任したが[60][61][59]、前原は蓮舫に敗れた。
2017年9月の代表選では、8月1日に素交会として前原を支持する方針を確認し[62]、8月7日の前原の出馬表明に際して改めて支持を確認した[63][64][65]。選挙戦では、会長の大島が前原陣営の選対本部長に就任した[66][67]。前原当選後の党役員人事では、会長の大島が代表代行に内定したが[68]、山尾志桜里の幹事長起用が見送られると[69]、横滑りで幹事長に就任した[70][71][72]。
10月の第48回衆議院議員総選挙では、前会長の大畠が出馬せず引退し、9月28日の民進党両院議員総会で希望の党への事実上の合流方針が了承されたことを受けて会長の大島が希望の党公認で出馬する一方[73]、事務局長の篠原は無所属で出馬し[74]、幹部の間で対応が割れた(大島、篠原とも当選した)。10月の民進党代表選後の役員人事では、増子が幹事長、篠原が選挙対策委員長に就任した。
同年5月7日の国民民主党結成後、9月の国民民主党代表選挙では、グループの元幹事長であった篠原が津村啓介の推薦人となった[76]。
所属していた国会議員一覧
歴代役員
名誉会長 | 顧問 | 会長 | 会長代行 | 幹事長 | 事務局長 |
---|---|---|---|---|---|
(空席) | (空席) | 鹿野道彦[4] | 大畠章宏[4] | 中山義活[4] | 篠原孝[77] |
鹿野道彦[31] | 大畠章宏[31] | (空席) | (空席) | 〃 | |
〃 | 大畠章宏[78] | 大島敦[45] | 〃 | ||
〃 | 〃 | 〃 | 篠原孝[76] | (空席) |
衆議院議員
- 大島敦[注 1][注 2](7回、埼玉6区)
- 生方幸夫[注 1][注 3](6回、比例南関東・千葉6区)
- 篠原孝[注 1][注 4](6回、長野1区)
- 末松義規[注 1][注 5](6回、比例東京・東京19区)
- 佐々木隆博[注 1][注 6](4回、北海道6区)
参議院議員
- 立憲民主党
- 無所属
「†」は物故者。
元衆議院議員
- 民進党
- 鹿野道彦[注 1](11回、山形1区)
- 池田元久[注 1](6回、神奈川6区)
- 石田勝之[注 1](4回、埼玉2区)
- 松崎公昭[注 1](4回、千葉8区)†
- 吉田公一[注 1](4回、比例東京)†
- 大西孝典(1回、比例近畿・奈良4区)†
- 国民民主党
- 希望の党
- 立憲民主党
- 無所属・その他
- 小林興起[注 1][注 14](5回、比例東京)
- 楠田大蔵[注 1][注 15](3回、福岡5区)
- 中津川博郷[注 1][注 16](3回、比例東京)
- 大泉博子[注 1][注 17](1回、茨城6区)
- 川村秀三郎[注 1][注 18](1回、宮崎1区)
- 樋口俊一[注 1][注 19](1回・参院1回、比例近畿)
- 和嶋未希[注 1][注 20](1回、比例東北)
元参議院議員
- 国民民主党
- 無所属
その他
政治資金収支報告書の記載
年 | 本年収入額 | 会費納入者数 | 備考 |
---|---|---|---|
2011年(平成23年) | 95万6000円 | 42人 | [82] |
2012年(平成24年) | 296万3045円 | 41人 | [83] |
2013年(平成25年) | 151万6137円 | 17人 | [84] |
2014年(平成26年) | 186万3071円 | 14人 | [85] |
2015年(平成27年) | 239万8773円 | 19人 | [86] |
2016年(平成28年) | 162万8089円 | 19人 | [87] |
2017年(平成29年) | 120万2058円 | 18人 | [88] |
脚注
注釈
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 2011年8月31日の設立総会にはこの29名が出席した[79]。
- ^ 2017年10月に希望の党に合流。2018年5月に国民民主党に参加し、2020年9月に入党。大畠グループ解散後の所属は無派閥。
- ^ 鹿野グループ離脱後の所属は赤松グループ。2017年10月に民進党離党。
- ^ 国民民主党分党後の2020年9月に入党。大畠グループ解散後の所属は無派閥。
- ^ 鹿野グループ離脱後の所属は菅グループ。2017年10月に民進党離党。
- ^ 鹿野グループ離脱後の所属は菅グループ・赤松グループ。2017年10月に民進党離党。
- ^ 鹿野グループ離脱後の所属は菅グループ・赤松グループ。2018年5月に民進党離党。
- ^ 国民民主党分党後の2020年9月に入党。鹿野グループ離脱後の所属は細野派→旧細野グループ→階グループ(希望の党のグループ時代は客員参加)。
- ^ 大畠グループ解散後の所属は無派閥。
- ^ 2012年8月に民主党除籍。その後の所属は減税日本→減税日本・反TPP・脱原発を実現する党→日本未来の党→無所属→維新の党→希望の党。
- ^ 2019年4月に入党。
- ^ 国民民主党分党後の2020年9月に入党。大畠グループ解散後の所属は一丸の会。
- ^ 2017年10月に希望の党に合流。2018年5月に国民民主党に不参加。無所属を経て2019年5月に入党。
- ^ 2012年8月に民主党除籍。その後の所属は無所属→減税日本→減税日本・反TPP・脱原発を実現する党→日本未来の党→つばさ日本→国民党→国民怒りの声。
- ^ 2014年2月に民主党離党。同年11月に復党。2017年10月に希望の党に合流。2018年1月に希望の党離党。
- ^ 2012年7月に民主党除籍。その後の所属は無所属→日本維新の会→次世代の党→おおさか維新の会→日本維新の会。
- ^ 2013年9月に民主党離党。
- ^ 2013年8月に民主党離党。2014年宮崎県知事選に無所属で出馬し落選。
- ^ 2013年10月に民主党離党。その後の所属はおおさか維新の会。
- ^ 2012年10月に民主党離党。2012年酒田市長選に無所属で出馬し落選。
- ^ 大畠グループ解散後の所属は菅グループ→無派閥。
- ^ 大畠グループ解散後の所属は無派閥。
出典
- ^ a b “鹿野氏が議員グループ立ち上げ 筒井農水副大臣ら30人”. 朝日新聞. (2011年8月31日). オリジナルの2011年9月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “【民主漂流】裏切り、投降…グループ再編の動き 民主、ますます自民化”. 産経新聞. (2011年9月1日). オリジナルの2011年9月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “鹿野グループの名称は「素交会」”. 産経新聞. (2011年9月14日). オリジナルの2011年9月15日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d e “鹿野グループ、名称「素交会」に”. 日本経済新聞. (2011年9月15日). オリジナルの2017年2月15日時点におけるアーカイブ。
- ^ “【ポスト菅の群像】鹿野道彦研究 かつてのプリンス最後のチャンス 寡黙さゆえに担がれる存在に”. 産経新聞. (2011年7月21日). オリジナルの2011年7月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ “民主有志、鹿野氏に出馬要請へ=小沢氏、盆明け活動本格化”. ウォール・ストリート・ジャーナル. 時事通信. (2011年8月12日)
- ^ “民主両院議員総会始まる 新代表選出へ”. 日本経済新聞. (2011年8月29日)
- ^ “海江田氏優位、追う野田氏 民主代表選決選投票の公算大”. 朝日新聞. (2011年8月29日)
- ^ 参議院農林水産委員会. 第177回国会. Vol. 16. 23 August 2011.
- ^ “農林水産 鹿野道彦氏 TPP参加には慎重”. 日本経済新聞. (2011年9月2日)
- ^ “TPP交渉参加慎重姿勢 鹿野農水相「まず復興に全力」”. 朝日新聞. (2011年9月6日)
- ^ “民主・鹿野氏が首相批判「TPP選挙は道理に反する」”. 産経新聞. (2012年11月13日). オリジナルの2012年11月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ “鹿野農相擁立へ勉強会 民主・筒井氏ら”. 日本経済新聞. (2011年6月9日)
- ^ “民主「ポスト菅」 消費増税の争点化避ける”. 日本経済新聞. (2011年7月2日)
- ^ “鹿野氏、推薦人20人を確保、正式表明へ 民主党代表選”. 朝日新聞. (2011年8月18日)
- ^ “民主党代表選(ニュース特集) 海江田経産相が出馬表明 小沢、鳩山氏に支援要請”. 共同通信. (2011年8月19日). オリジナルの2012年8月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ “鹿野氏に民主代表選出馬を要請 支持議員ら”. 日本経済新聞. (2011年8月19日)
- ^ “鹿野氏、上着脱ぎ合図 決選投票直前「野田氏に票を」”. 日本経済新聞. (2011年8月29日)
- ^ “【衆院予算委】鹿野農水相が不可解な人事に関与? 自民・稲田氏が追及”. 産経新聞. (2012年2月9日). オリジナルの2012年7月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ “中国書記官、農水機密に接触・何度も副大臣室へ”. 読売新聞. (2012年5月30日). オリジナルの2012年6月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ “【中国書記官スパイ疑惑】中国書記官、農水副大臣室に出入り、対中ビジネス、政官界に働きかけ?”. 産経新聞. (2012年5月30日). オリジナルの2012年5月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ “【内閣改造】国交相は羽田参院国対委員長、法相は滝副大臣昇格へ”. 産経新聞. (2012年6月3日). オリジナルの2012年6月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ “細野氏が最終判断へ 民主代表選、首相は7日に表明”. 日本経済新聞. (2012年9月6日)
- ^ “【民主代表選】細野環境相、民主代表選に出馬へ 野田首相の有力な対立候補に”. 産経新聞. (2012年9月6日). オリジナルの2013年1月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “細野氏、出馬要請「しっかり受け止める」 民主代表選”. 朝日新聞. (2012年9月6日). オリジナルの2012年9月15日時点におけるアーカイブ。
- ^ “細野氏出馬断念で若手がっかり…浮足立つ党内”. 読売新聞. (2012年9月8日). オリジナルの2012年9月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ “野田改造内閣、今夕発足 田中真紀子氏ら強い論功行賞色”. 朝日新聞. (2012年10月1日). オリジナルの2012年10月2日時点におけるアーカイブ。
- ^ “史上最低内閣・横暴…3陣営登用ゼロ、離党も”. 読売新聞. (2012年10月2日). オリジナルの2012年10月4日時点におけるアーカイブ。
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