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「エリザベス・ボウエン」の版間の差分

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== 人物 ==
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[[アイルランド]]の首都[[ダブリン]]に生まれる。生家は南部[[コーク]]キルドラリーの近くにあり、アングロ・アイリッシュ(英国系[[アイルランド人]])の地主階級で父は[[法廷弁護士]]だった。13歳で母を亡くし、[[イングランド]]・[[ケント (イングランド)|ケント州]]で教育を受けた。1923年にアラン・チャールズ・カメロンと結婚した。1930年に父の死去により遺産を相続した。
[[アイルランド]]の首都[[ダブリン]]に生まれる。生家は南部[[コーク]]キルドラリーの近くにあり、アングロ・アイリッシュ(英国系[[アイルランド人]])の地主階級で父は[[法廷弁護士]]だった。13歳で母を亡くし、[[イングランド]]・[[ケント (イングランド)|ケント州]]で教育を受けた。1923年にアラン・チャールズ・カメロンと結婚した。1930年に父の死去により遺産を相続した。


[[ジェーン・オースティン]]、[[ヘンリー・ジェイムズ]]を尊敬し、20代から現代的な感受性と繊細かつ知的な作風で、[[コスモポリタン]]な心理小説を書いた。短編の名人として著名で約90篇の[[短編小説]]と[[長編小説]]11篇がある。最後の長編『エヴァ・トラウト』は1970年度の[[ブッカー賞]]候補になった。
[[ジェーン・オースティン]]、[[ヘンリー・ジェイムズ]]を尊敬し、20代から現代的な感受性と繊細かつ知的な作風で、[[コスモポリタン]]な心理小説を書いた。短編の名人として著名で約90篇の[[短編小説]]と[[長編小説]]11篇がある。最後の長編『エヴァ・トラウト』は1970年度の[[ブッカー賞]]候補になった。

2020年8月30日 (日) 22:44時点における版

エリザベス・ボウエンボーエンとも表記、女性、:Elizabeth Dorothea Cole Bowen1899年6月7日 - 1973年2月22日)は、アイルランド出身の小説家

人物

アイルランドの首都ダブリンに生まれる。生家は南部コーク県キルドラリーの近くにあり、アングロ・アイリッシュ(英国系アイルランド人)の地主階級で父は法廷弁護士だった。13歳で母を亡くし、イングランドケント州で教育を受けた。1923年にアラン・チャールズ・カメロンと結婚した。1930年に父の死去により遺産を相続した。

ジェーン・オースティンヘンリー・ジェイムズを尊敬し、20代から現代的な感受性と繊細かつ知的な作風で、コスモポリタンな心理小説を書いた。短編の名人として著名で約90篇の短編小説長編小説11篇がある。最後の長編『エヴァ・トラウト』は1970年度のブッカー賞候補になった。

1935年以降、夫アランが亡くなる寸前の1952年まで大戦をはさみロンドンに在住。ヴァージニア・ウルフが主宰した「ブルームズベリー・グループ」と交流があり、後を継ぐ形で知識人サロンを持った。1948年に大英帝国勲章(CBE)を受勲し、1969年にジェイムズ・テイト・ブラック記念賞(文学部門)を受賞した。晩年はケント州ハイスに在住。肺ガンによりロンドンで死去した。墓地は生家の村に建っている。

著書

長編小説

  • The Hotel (1927)
  • The Last September (1929)
  • Friends and Relations (1931)
  • To the North (1932)
  • The House in Paris (1935)
  • The Death of the Heart (1939)
  • The Heat of the Day (1949)
  • A World of Love (1955)
  • The Little Girls (1964)
  • The Good Tiger (1965)
  • Eva Trout (1968)

短編作品集

  • Encounters (1923)
  • Joining Charles and Other Stories (1929)
  • The Cat Jumps and Other Stories (1934)
  • The Easter Egg Party (1938)
  • Look At All Those Roses (1941)
  • The Demon Lover and Other Stories (1945)
  • Stories by Elizabeth Bowen (1959)
  • A Day in the Dark and Other Stories (1965)
  • The Collected Stories of Elizabeth Bowen (1980)
  • Elizabeth Bowen’s Irish Stories (1978)

ノンフィクション

  • Bowen's Court (1942)
  • Seven Winters: Memories of a Dublin Childhood (1942)
  • English Novelists (1942)
  • Anthony Trollope: A New Judgement (1946)
  • Collected Impressions (1950)
  • The Shelbourne (1951)
  • A Time in Rome (1960)
  • Afterthought: Pieces About Writing (1962)

日本語訳

「ボウエン・コレクション」全3巻(長篇)、太田良子訳、国書刊行会
  • 『リトル・ガールズ The Little Girls』 2008年
  • 『エヴァ・トラウト Eva Trout』 2008年
  • 『愛の世界 A World of Love』 2009年
「ボウエン・ミステリー短編集」全2巻、太田良子訳、ミネルヴァ書房 
  • 『あの薔薇を見てよ』全20篇 2004年。 Look At All Those Roses
  • 『幸せな秋の野原』全13篇 2005年
その他
  • 『ボウエン幻想短篇集』 太田良子訳、国書刊行会、2012年
  • 『パリの家』 太田良子訳、晶文社、2014年。The House in Paris
  • 『日ざかり』 大田良子訳、晶文社、2015年。The Heat of the Day
  • 『心の死』 大田良子訳、晶文社、2015年。The Death of the Heart
  • 『最後の九月』 太田良子訳、而立書房、2016年。The Last September 
「ノンフィクション」
〈絶版〉の作品集
初刊・集英社<世界文学全集・20世紀の文学15>、1967年
「短編作品集」(1~2篇を所収)
「陽気なる魂」
「魔性の夫」
  • 『現代アイルランド短編集』 あぽろん社 井勢健三訳、1993年
「ラッパズイセン・暗い一日」
「幽鬼の恋人」
「猫は跳ぶ」

作品研究

  • 山根木加名子『エリザベス・ボウエン研究』(旺史社、1991年)
  • 『エリザベス・ボウエンを読む』(音羽書房鶴見書店、2016年)。エリザベス・ボウエン研究会編
  • 『エリザベス・ボウエン 二十世紀の深部をとらえる文学』(彩流社、2020年)。ボウエン研究会編

作品の映像化

  • デス・ヒート/スパイを愛した女 THE HEAT OF THE DAY (1988) TVM、「日ざかり」が原作