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中国では、[[北宋]]初の[[賛寧]]による『[[大宋僧史略]]』巻中「国師」によれば、[[北斉]]の法常に国師号が贈られたのが最初であるとする。また、[[陳 (南朝)|陳]][[隋]]の頃には、[[智顗|天台智顗]]を国師と号していた。[[唐]]代に入ると、[[禅宗]]の[[北宗]]六祖の[[神秀]]を国師とした。[[憲宗 (唐)|憲宗]]の[[元和 (唐)|元和]]年間には、知玄を悟達国師とした、という例を挙げている。 |
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また[[日本]]では[[奈良時代]]に1国(地方行政単位)ずつに国師を置き、それぞれの国の仏教行政を統括させた。 |
2020年8月16日 (日) 12:19時点における版
国師(こくし、くす)は、高僧に対して皇帝(朝廷)から贈られる諡号の1つであり、特に皇帝の師への尊称である。
僧侶に贈られる諡号としては、他にも大師号、禅師号などがある。
中国では、北宋初の賛寧による『大宋僧史略』巻中「国師」によれば、北斉の法常に国師号が贈られたのが最初であるとする。また、陳隋の頃には、天台智顗を国師と号していた。唐代に入ると、禅宗の北宗六祖の神秀を国師とした。憲宗の元和年間には、知玄を悟達国師とした、という例を挙げている。
また日本では奈良時代に1国(地方行政単位)ずつに国師を置き、それぞれの国の仏教行政を統括させた。
インド・西域の国師号
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中国の国師号
- 康蔵国師 - 法蔵(643- 712)華厳学の大成者。
- 大証国師 - 南陽慧忠(?- 775)禅僧。慧能の弟子。代宗の師。
- 清涼国師 - 澄観(738- 839)華厳、禅、天台の思想統一を図る。圭峰宗密の師。代宗、徳宗、順宗、憲宗、穆宗、敬宗、文宗の師。
- 大達国師 - 無業(760- 821)禅僧。馬祖道一の弟子。
朝鮮の国師号
- 大聖和静国師 - 元曉(617 - 686)薛聡の父、通仏教を提唱して新羅の仏教思想を融合させた。
- 景徳国師 - 爛圓(? - ?)大覚国師の師匠。
- 大覚国師 - 義天(1055- 1101)天台宗の開祖、文宗と仁睿王后の四男、律、華厳、禅を兼修。国清寺開山。
- 佛日普照国師 - 知訥(1158 - 1210)曹渓宗の開祖、定慧社開山。
- 普覚国師 - 一然(1206 - 1289)三国遺事の著者、麟角寺開山。
- 真覚国師 - 慧諶(1178 - 1234)佛日普照国師の後継者。
- 圓證国師 - 普愚(1301 - 1382)臨済宗の開祖、禅教一体論を主張して仏教と儒教を融合させようと思った。太古寺開山。
日本の国師号
浄土宗
浄土宗西山派
臨済宗
- 千光国師 - 榮西明庵(1141- 1215)臨済宗開祖 東山建仁寺。
- 聖一国師 - 円爾(弁円)(1202- 1280)東福寺開山。
- 法燈国師 - 心地覚心(1207年- 1298年)臨済宗妙心寺派 安養寺(信州佐久)開山。
- 聖光国師 - 慈雲妙意(1274- 1345)摩頂山国泰寺開山。
- 夢窓国師 - 夢窓疎石(1275- 1351)南禅寺住職。天龍寺開基。恵林寺開山。造園家としても著名。夢窓・正覚・心宗・普済・玄猷・仏統・大円という7つの国師号を歴代天皇から贈られ、七朝帝師と呼ばれる。
- 大燈国師 - 宗峰妙超(1282- 1337)大徳寺開山。26歳で印可を受けるが、その後20年間、京都で乞食行をする。正燈・興禅大燈という7つの国師号を後醍醐・花園の両天皇から贈られる。
- 大明国師 - 無関普門(1212- 1291)南禅寺開山。東福寺3世。ほかに仏心禅師の禅師号を勅諡されている。円爾弁円の弟子。
- 円満常照国師 - 無学祖元(1225- 1286)北条時宗が蘭渓道隆の後任として宋から招いた。円覚寺開山。門派は仏光派といわれ、弟子に応供広済、孫弟子に夢窓疎石。
- 円通大應国師 - 南浦紹明(1235- 1308)宗峰妙超の師。建長寺で蘭渓道隆に師事。禅に参加の後、25歳で中国に渡る。後年、博多の崇福寺に止住。高峰顕日とともに、天下の二大甘露門といわれた。
- 応供広済仏国国師 - 高峰顕日(1241- 1316)後嵯峨天皇の第三皇子。雲巌寺の開山。無学祖元に師事。のち鎌倉の浄妙寺、万寿寺、浄智寺、建長寺などに歴住。南浦紹明とともに、天下の二大甘露門といわれた。
- 弘済国師 - 一山一寧(1247- 1317)慈雲寺の開山。元は元寇での日本遠征に失敗すると、仏法をもって平和的に服属させようと企図し、一山を日本に派遣した。南禅寺3世。
- 本覚国師 - 虎関師錬(1278- 1346)一山一寧に学び、僧伝を中心にした仏教書『元亨釈書』を著した。
- 本有円成国師 - 関山慧玄(1277- 1360)妙心寺開山。無相大師。ほかに仏心・覚照・大定聖応・光徳勝妙・自性天真・放無量光の国師号を勅諡されている。宗峰妙超に師事。
- 国済国師/三光国師 - 孤峰覚明(1271- 1361)会津出身。比叡山で禅を修める。1311年に元に渡る。帰国後、後醍醐天皇より国済国師の号を賜った。その後、後村上天皇より三光国師の号を賜った。
- 正燈国師 - 寂室元光(1290- 1367)瑞石山永源寺開山。
- 知覚普明国師 - 春屋妙葩(1311- 1388)相国寺第2世で事実上の開山。夢窓疎石に師事。
- 聖鑑国師 - 無文元選(1323- 1390)深奥山方広寺開山。
- 仏慧正続国師 - 鄂隠慧奯(1357- 1425)五山文学の作者で有名。
- 仏徳広通国師 - 悟渓宗頓(1416- 1500)
- 大聖国師 - 古嶽宗亘(1577- 1626)大徳寺大仙院開祖。
- 大通智勝国師 - 快川紹喜(- 1582)乾徳山恵林寺。「心頭滅却すれば火もまた涼し」の句は有名。
- 大円宝鑑国師 - 愚堂東寔(1577- 1661)正法山妙心寺開祖。
- 大宝円鑑国師 - 春屋宗園(1529- 1611)大徳寺三玄院開祖。
- 円照本光国師 - 以心崇伝(1592- 1633)江戸初期に幕府に仕え黒衣の宰相と呼ばれる。
- 普光国師 - 沢庵宗彭(1573- 1645)大徳寺住持。徳川家光の師。1637年に後水尾天皇から天應大現国師を宣下されるが固辞。
- 正宗国師 - 白隠慧鶴(1685- 1768)臨済宗中興の祖。和製公案を多数作成。妙心寺首座。
曹洞宗
- 佛性伝東国師 - 道元(1200- 1253)曹洞宗の開祖。承陽大師。永平寺開山。
- 道光普照国師 - 孤雲懐奘(1198- 1280)曹洞宗の教義普及に尽力。永平寺2世。
- 弘徳圓明国師 - 瑩山紹瑾(1268- 1325)曹洞宗を日本全国に広めた中興の祖。總持寺開山。