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「55年組 (将棋)」の版間の差分

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| rowspan="2" title="名人" style="background-color:#;" nowrap|第46期<br />谷川浩司
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| rowspan="1" title="棋聖前期" style="background-color:#;" nowrap|第52期<br />[[田中寅彦]]
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| rowspan="2" title="王位" style="background-color:#;"|第29期<br />[[森けい二|森&#38622;二]]
| rowspan="2" title="王位" style="background-color:#;"|第29期<br />[[森二]]
| rowspan="2" title="王座" style="background-color:#;"|第36期<br />中原誠
| rowspan="2" title="王座" style="background-color:#;"|第36期<br />中原誠
| rowspan="2" title="竜王" style="background-color:#00ff00;"|第1期<br />[[島朗]]
| rowspan="2" title="竜王" style="background-color:#00ff00;"|第1期<br />[[島朗]]

2020年7月16日 (木) 23:05時点における版

将棋界の55年組(55ねんぐみ)について解説する。

棋士の「55年組」

昭和55年(1980年)度にプロになった将棋棋士(男性棋士)の中にはタイトル戦などの舞台で活躍した者が多く、「花の55年組」、あるいは単に「55年組」と呼ばれる。[1] 昭和55年(1980年)度にプロ入りしたのは、高橋道雄中村修泉正樹依田有司島朗南芳一塚田泰明神谷広志である。なお、「55年組」が目立った活躍をしている棋士達だけに限定されるか否かは曖昧であるが、同期に8人もプロ棋士が誕生したのは類例がない[2]。しかも、依田を除く7人は現役で八段に、さらに7人のうちの5人がタイトル獲得を経験し、現役で九段に昇段している。

この「55年」はプロ入りの年度を表すが、下記の表には年齢が近い主な棋士も含めている。この世代には55年組の他にも谷川浩司を筆頭に、若手強豪棋士が続々と出現し、当時の棋界を賑わせた。昭和55年(1980年)度のプロ入りには着色をしている。項目名のボタンを押すと、並べ替え(ソート)ができる。

55年組、および、年齢が近い主な棋士
棋士
番号
棋士名 四段昇段
(プロ入り)
生年月日 初タイトル 棋戦初優勝 A級初昇級
(自己最高)
九段昇段
123
小林健二 1975年12月20日 1957年03月31日
-
1977年度 若獅子戦 1986年04月01日 2009年03月01日
127
田中寅彦 1976年06月04日 1957年04月29日 1988年度前期 棋聖 1981年度 新人王戦 1985年04月01日 1994年12月16日
131
谷川浩司 1976年12月20日 1962年04月06日 1983年度 名人 1978年度 若獅子戦 1982年04月01日 1984年04月01日
135
福崎文吾 1978年10月11日 1959年12月06日 1986年度 十段 1979年度 若獅子戦 (B級1組) 2005年10月28日
142
高橋道雄 1980年06月04日 1960年04月23日 1983年度 王位 同左 1989年04月01日 1990年04月01日
143
中村修 1980年07月02日 1962年11月07日 1987年度 王将 1983年度 新人王戦 (B級1組) 2008年01月23日
144
泉正樹 1980年08月20日 1961年01月11日
-
-
(B級2組) (八段)
145
依田有司 1980年09月03日 1957年12月23日
-
-
(C級2組) (七段)[3]
146
島朗 1980年09月18日 1963年02月19日 1988年度 竜王 1982年度 勝抜き戦 1994年04月01日 2008年04月17日
147
南芳一 1981年01月19日 1963年06月08日 1987年度後期 棋聖 1981年度 若獅子戦 1986年04月01日 1989年02月22日
148
塚田泰明 1981年03月05日 1964年11月16日 1987年度 王座 1983年度 早指し新鋭戦 1988年04月01日 2000年12月15日
149
神谷広志 1981年03月17日 1961年04月21日
-
-
(B級1組) (八段)
157
井上慶太 1983年02月04日 1964年01月17日
-
1985年度 新人王戦 1997年04月01日 2011年03月03日

福崎、谷川、井上の3名は、年齢で言えば55年組の中にはさまっており、また、小林、田中は依田と同じ年の生まれとなっている(谷川は十七世名人資格者、福崎、井上、小林、田中は九段)。

55年組の盛衰

55年組はプロ棋士になって直ぐに頭角を現す。高橋が1983年に内藤國雄から王位タイトルを奪取したのを先駆けとして、55年組は順位戦をはじめ多くの棋戦で活躍し、中原誠米長邦雄加藤一二三・谷川浩司・桐山清澄・福崎文吾らと激しいタイトル争いを演じた。

また、タイトル戦には縁が無かったものの、神谷は1987年の2月から8月にかけて28連勝と歴代1位(当時)[4]の連勝記録を作り、泉は当時難関とされていた十段戦のリーグ入りを果たすなどそれぞれ実力を示した。

一時期は合わせて過半数のタイトルを保持していた55年組も、1980年代の終わりに差し掛かると「チャイルドブランド」の突き上げや谷川に押されるようになり、南が1991年度後期棋聖戦で失冠、島が1997年度王座戦挑戦で敗退したのを最後にタイトル戦から縁遠くなり、時代が谷川とチャイルドブランド筆頭の羽生善治との覇権争いに移行する中、55年組は第一線から徐々に後退していった。

なお、南と高橋の2名は、タイトルを3期獲得して早々に九段昇段した。また、中村(王将2期)、塚田(王座1期)、島(竜王1期)の3名はタイトル3期に届かないまま勝ち星を伸ばし、八段昇段から10年強をかけて勝数規定(八段昇段後250勝)で九段昇段している。また、泉も2013年、神谷も2014年に八段昇段を果たしている。

2019年3月現在、同期の引退棋士は依田のみである。

タイトル戦の成績

色付きのマス目が獲得を表す。

名人 棋聖 王位 王座 十段 王将 棋王
名人戦
4-6月
棋聖戦
6-7月
12-2月
王位戦
7-9月
王座戦
9-10月
十段戦
10-12月
王将戦
1-3月
棋王戦
2-3月
1983年度 第41期
谷川浩司
第42期
森安秀光
第24期
高橋道雄
第31期
中原誠
第22期
中原誠
第33期
米長邦雄
第9期
米長邦雄
米長邦雄
1984年度 谷川浩司 米長邦雄 加藤一二三 中原誠 米長邦雄 中原誠 桐山清澄
米長邦雄
1985年度 中原誠 米長邦雄 高橋道雄 中原誠 米長邦雄 中村修 谷川浩司
米長邦雄
1986年度 中原誠 桐山清澄 高橋道雄 中原誠 福崎文吾 中村修 高橋道雄
桐山清澄
1987年度 中原誠 桐山清澄 谷川浩司 塚田泰明 高橋道雄 南芳一 谷川浩司
南芳一
名人 棋聖 王位 王座 竜王 王将 棋王
1988年度 第46期
谷川浩司
第52期
田中寅彦
第29期
森雞二
第36期
中原誠
第1期
島朗
第38期
南芳一
第14期
南芳一
中原誠
1989年度 谷川浩司 中原誠 谷川浩司 中原誠 羽生善治 米長邦雄 南芳一
中原誠
1990年度 中原誠 屋敷伸之 谷川浩司 谷川浩司 谷川浩司 南芳一 羽生善治
屋敷伸之
1991年度 中原誠 南芳一 谷川浩司 福崎文吾 谷川浩司 谷川浩司 羽生善治
谷川浩司
名人 棋聖 王位 王座 竜王 王将 棋王
名人戦
4-6月
棋聖戦
6-7月
12-2月
王位戦
7-9月
王座戦
9-10月
竜王戦
10-12月
王将戦
1-3月
棋王戦
2-3月

女流棋士の「55年組」

女流棋士にも「55年組」の表現はあり、昭和55年(1980年)生まれ(プロ入りではない)の女流棋士を呼ぶ(「(若手)三羽ガラス」とも)。1997年頃からタイトル戦に出場するなどして頭角を現した、以下の女流棋士を指す。

脚注

  1. ^ https://www.shogi.or.jp/column/2017/01/3_4.html
  2. ^ 現在では制度上、三段リーグによって年間に最大7人までしか三段から四段への昇段ができない(順位戦C級2組参加が4人、三段リーグ次点2回獲得によるフリークラス編入が最大2人、三段リーグ次点保持者の新人王戦優勝によるフリークラス編入が最大1人。)ため、8人という数字に並ぶためには、三段リーグによる昇段者に加え、所定の成績を収めた女流棋士またはアマチュアがプロ編入試験を受験して合格しなければならない。
  3. ^ 現役六段で引退後に七段へ昇段。
  4. ^ 塚田泰明が1986年11月16日に達成した22連勝の新記録をその8ヶ月後に神谷が更新し、2017年6月26日に藤井聡太が29連勝で更新するまで、30年間歴代1位の記録であった。2017年6月末現在では歴代2位の連勝記録になる。

関連項目