「硫酸マンガン(II)」の版間の差分
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マンガン鉱石を精製する際は、通常、これを硫酸で処理して硫酸マンガン水溶液にすることにより精製する。この硫酸マンガン水溶液に[[炭酸ナトリウム]]を加えると[[炭酸マンガン]]の沈殿を生じる。沈殿した炭酸マンガンを[[煆焼]]すると、マンガン酸化物MnO<sub>x</sub>が得られる。 |
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実験室的製法のひとつとしては、[[二酸化マンガン]]と[[二酸化硫黄]]の反応による生成がある<ref>{{OrgSynth | author = John R. Ruhoff | title = n-Heptanoic acid | collvol = 2 | collvolpages = 315 | year = 1943 | prep = cv2p0315}}</ref>。 |
実験室的製法のひとつとしては、[[二酸化マンガン]]と[[二酸化硫黄]]の反応による生成がある<ref>{{OrgSynth | author = John R. Ruhoff | title = n-Heptanoic acid | collvol = 2 | collvolpages = 315 | year = 1943 | prep = cv2p0315}}</ref>。 |
2020年7月14日 (火) 19:53時点における版
硫酸マンガン(II) Manganese(II) sulfate | |
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Manganese(II) sulfate | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7785-87-7 , 10034-96-5 (一水和物) 10101-68-5 (四水和物) 15244-36-7 (五水和物) |
PubChem | 24580 |
EC番号 | 232-089-9 |
RTECS番号 | OP1050000 (無水物) OP0893500 (四水和物) |
特性 | |
化学式 | MnSO4 |
モル質量 | 151.001 g/mol (無水物) 169.02 g/mol (一水和物) 223.07 g/mol (四水和物) |
外観 | 淡いピンク色の結晶性固体 (四水和物) |
密度 | 3.25 g/cm 3 (無水物) 2.95 g/cm3 (一水和物) 2.107 g/cm3 (四水和物) |
融点 |
710℃ (無水物) |
沸点 |
850℃ (無水物, 分解) |
水への溶解度 | 39.3 g/100 mL (24℃) 26.2 g/100 mL (100℃) |
構造 | |
結晶構造 | 斜方晶系 (無水物) 単斜晶系(一・四水和物) |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0290 |
EU分類 | 有害性 (Xn) 環境に対する有害性 (N) |
EU Index | 025-003-00-4 |
NFPA 704 | |
Sフレーズ | (S2), S22, S61 |
関連する物質 | |
その他の陽イオン | 硫酸クロム(III) 硫酸鉄(II) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
硫酸マンガン(II)(英: manganese(II) sulfate) はマンガンの硫酸塩で、化学式MnSO4で表される無機化合物である。 多くの金属硫酸塩と同様に無水物といくつかの水和物があり、一・四・五・七水和物が知られている。中でも一水和物が一般的である。無水物は無色で潮解性のある固体である。水和物はいずれも、二価のマンガン塩に特徴的な、淡いピンク色をした固体である。これらは天然にはズミク石(Szmikite、一水和物)、アイレス石(Ilesite、四水和物)、上国石(Jokokuite、五水和物)、マラー石(Mallardite、七水和物)として産出する。
硫酸マンガン(II)は金属マンガンや多くのマンガン化合物の前駆体となるため重要な物質であり、2005年には世界で2億6千万kgが生産された[1]。
製法と用途
マンガン鉱石を精製する際は、通常、これを硫酸で処理して硫酸マンガン水溶液にすることにより精製する。この硫酸マンガン水溶液に炭酸ナトリウムを加えると炭酸マンガンの沈殿を生じる。沈殿した炭酸マンガンを煆焼すると、マンガン酸化物MnOxが得られる。
実験室的製法のひとつとしては、二酸化マンガンと二酸化硫黄の反応による生成がある[2]。
硫酸マンガンは、ヒドロキノン製造やアニスアルデヒド製造などの、二酸化マンガンを酸化剤として使用する工業プロセスにおける副産物としても得ることができる [1]。
硫酸マンガンを過マンガン酸カリウムで酸化処理すると、乾電池の材料として用いられる二酸化マンガンが得られる。
安全性
不燃性であるが加熱により分解し、硫黄酸化物を含む有害ガスを生じる[3]。摂取により中枢神経系への影響や[3]、遺伝性疾患のおそれがある[4]。
脚注
- ^ a b Arno H. Reidies "Manganese Compounds" Ullmann's Encyclopedia of Chemical Technology 2007; John Wiley
- ^ John R. Ruhoff (1943). "n-Heptanoic acid". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 2, p. 315
- ^ a b 国際化学物質安全性カード
- ^ 製品安全データシート(昭和化学)