「歴代名画記」の版間の差分
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2020年7月12日 (日) 08:38時点における版
『歴代名画記』(れきだいめいがき)は、中国唐の高級官僚である張彦遠が著した画論・画史の著作である。先史から唐朝までの絵画資料を広く集め整理著述され、研究者にとり文献資料として不可欠とされる。
概要
張彦遠は当時興隆しはじめていた溌墨などの逸格の風潮を嘆き、画の六法によった製作規範を尊んで著述に及んだものとされる。画の勧戒主義が色濃く、強引な論述も散見される。また長い年月の間に誤字脱字を招き難解な部分も多い。しかし、画に対する高邁な理想は格調高く、後世に強い影響を与えた。加えて本書以外に伝えられなかった記事・画論が多く文献資料としての価値が高い。
全10巻のうち、前半の3巻までは叙論であり、大中元年(847年)頃に成立したと思われる。冒頭の「画の源流を叙す」は名文で知られ、この画論の基調をなす。次の「画の興廃を叙す」とは本来は一連の文章であったとする説が有力である。「画の六法を論ず」では謝赫から始まる気韻論がその後、どのように発展したのかを伝えている。
後半の4巻以降は大中7年(853年)に増補されたと推定される。この後半では伝説時代から会昌元年(841年)まで歴代の画家370人の小伝や作品が年代順に掲載されている。
掲載された主な画家
全文
出典資料
- 小野勝年訳注 『歴代名画記』 岩波文庫、初版1938年(数度復刊)
- 古原宏伸 『画論 中国古典新書』 明徳出版社、1973年
- 白適銘「『歴代名画記』とその時代 ——張彦遠における政治・士人・著作三者の繋がりをめぐって」
- 嶋田英誠 WEB版 中国絵画史辞典 (SHIMADA's Dictionary for Chinese Painting)