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2020年7月11日 (土) 12:15時点における版
ザ・ヤクザ | |
---|---|
The Yakuza | |
監督 | シドニー・ポラック |
脚本 |
ポール・シュレイダー ロバート・タウン |
原作 | レナード・シュレイダー |
製作 | シドニー・ポラック |
製作総指揮 | 俊藤浩滋 |
出演者 |
ロバート・ミッチャム 高倉健 |
音楽 | デイヴ・グルーシン |
撮影 |
岡崎宏三 デューク・キャラハン |
編集 |
ドン・ガイデス トーマス・スタンフォード |
製作会社 |
ワーナー・ブラザース 東映(クレジット無し)[1] |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
1974年12月21日 1975年3月15日 |
上映時間 |
122分 112分[2] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 |
英語 日本語 |
『ザ・ヤクザ』(原題: The Yakuza)は、1974年12月21日に公開されたアメリカ映画。配給はワーナー・ブラザース。
あらすじ
ロサンゼルスで私立探偵をしているハリー・キルマーは旧友のジョージ・タナーから、日本の暴力団・東野組に誘拐された娘を救出してほしいと依頼される。タナーは海運会社を営んでいるがマフィアでもあり、武器密輸の契約トラブルで東野組と揉めていたのだった。
東野が殺し屋・加藤次郎をロスに送り、娘のドレスの切れ端をタナーに渡して4日以内にタナー自身が日本に来なければ娘の命はないと通達。タナーは、かつて進駐軍憲兵として日本に勤務していた旧友のハリーに相談した。ハリーは日本語が堪能な上、田中健という暴力団の幹部と面識があった。
田中健は、ハリーには大きな義理があるので東野との交渉もうまく行くだろうというのがタナーの目算だった。こうして仕方なくハリーは二十年ぶりに東京へ向かう。ハリーにはボディガードで監視役のダスティが同行していた。ハリーとタナーの共通の友人のオリヴァー・ウィートの邸に滞在することになる。オリヴァーは日本文化に惹かれ、大学で米国史を教えていた。
ハリーはバー「キルマーハウス」を訪れる。戦後の混乱のさなかに田中英子と知り合い、子連れの英子が娼婦にならずにすんだのもハリーの愛情のおかげだった。別れた理由は米軍は日本軍だった兄の敵だったからとされていた。実は英子の夫・健が奇跡的に復員。健は妻と娘が受けた恩義を尊び、二人から遠去かる。ハリーには健と英子の関係を兄妹と話した。軍の命令で日本を去らなければならなくなったハリーはタナーからまとまった金を用意してもらい、バーを英子に与えたのだった。娘・花子も今は美しく成長して、心からハリーを歓迎した。
ハリーは健に会いに京都に向かう。健はヤクザの世界から足を洗い、剣道を教えていたが、義理を返すために頼みを引き受ける。タナーの娘が監禁されている鎌倉の古寺に忍び入り、娘を救出。今度は健の命が東野組に狙われる。健の兄で実力者の五郎でさえも健を救うことはできない。ハリーはタナーが東野と手を握り、自分たちを裏切ったことを知る。
東野組がウィート邸に殴り込みをかけ、目の前で花子とダスティが殺される。五郎も今は東野の部下である息子の四郎を見逃すことを条件に全面的な協力を約束。タナーを射殺したハリーは健とともに、賭場を開いている東野邸に殴り込む。健の振りかざした日本刀で東野を殺したが、誤って四郎の命を奪っていた。「出入り」の際だから仕方がなかったと五郎が止めるのも聞かず、健は指詰めをする。五郎から健が英子の実の夫であり、花子の実の父親であることを知らされた今、ハリーは健が自分のために払ってくれた義理に報いるためにアメリカに帰る日に健を訪ねる。既に指詰めを決意していた。健は「これ以上の友情はない」と語る。
出演
※括弧内は日本語吹替[3](ソフト未収録)
- ハリー・キルマー - ロバート・ミッチャム(浦野光)
- 田中健 - 高倉健(高倉健)
- ジョージ・タナー - ブライアン・キース(福田豊土)
- オリヴァー・ウィート - ハーブ・エデルマン(木村幌)
- ダスティ - リチャード・ジョーダン(野島昭生)
- 田中英子 - 岸惠子(寺島信子)
- 東野 - 岡田英次(小林修)
- 田中五郎 - ジェームス繁田(黒沢良): 健の兄。
- 加藤二郎 - 待田京介(江角英明)
- 田中花子 - クリスティーナ・コクボ(信沢三恵子)
- 村田実 - 汐路章(細井重之)
- スパイダー - 郷鍈治 : 五郎の息子。
- 老人 - 植村謙二郎 : 情報屋。
- ナイトクラブの歌手 - ヒデ夕樹
スタッフ
- 製作:シドニー・ポラック
- エクゼクティブプロデューサー:俊藤浩滋
- 共同製作:マイケル・ハミルバーグ
- 監督:シドニー・ポラック
- 助監督:D・マイケル・ムーア、マイク・アベ
- 脚色:ポール・シュレイダー、ロバート・タウン
- 台詞監修:ホープ・ウィリアムズ
- 原作:レナード・シュレイダー
- 撮影:岡崎宏三
- アメリカン・シークエンス撮影:デューク・キャラハン
- 音楽:デイヴ・グルーシン
- 挿入歌:「ONLY THE WIND」作詞、阿久悠
- 美術:イシダ・ヨシユキ
- 音響:ベシル・フェントン・スミス
- 録音:アーサー・ペインタドーシ
- 編集監督:フレドリック・スタインカンプ
- 編集:トーマス・スタンフォード、ドン・ガイデス
- プロダクション・デザイン&第2班監督:スチーブン・グライムス
- ユニット・プロダクション・マネージャー:ジョン・R・クーナン
- 特殊効果:リチャード・パーカーカサイ・トモオ
- メーキャップ:ギャリー・モーリス
- 衣装デザイン:ドロシー・ジェーキンス
備考
役作りのため高倉健は日本屈指の剣道家である警視庁の中島五郎蔵を訪ねた。
本作を気に入ったニュー・ライン・シネマは東映のヤクザ映画を購入するために来日していたが、千葉真一主演『激突! 殺人拳』を試写で見て、「ブルース・リー以上だ。素晴らしい」と心変わりし、ヤクザ映画ではなく、『激突! 殺人拳』の全米興行権を買い取っている[4]。
脚注
- ^ “The Yakuza (1974)”. インターネット・ムービー・データベース. 2015年12月27日閲覧。
- ^ “The Yakuza (1974) - Alternate Versions - IMDb”. インターネット・ムービー・データベース. 2015年12月27日閲覧。
- ^ 初放送1978年10月20日 フジテレビ 『ゴールデン洋画劇場』。
- ^ “本家ブルース・リーをしのぐ千葉真一”. 報知新聞. (1974年12月27日)