「巨人軍の歌」の版間の差分
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2020年7月8日 (水) 21:29時点における版
「巨人軍の歌」(きょじんぐんのうた)は、日本プロ野球のセントラル・リーグに所属する読売ジャイアンツ(巨人)の球団歌である。
巨人の球団歌は1934年(昭和9年)に大日本東京野球倶楽部として創設されて以来、現在までに3代が存在する。3曲とも正式な名称は「巨人軍の歌」であるが[1]、区別のためそれぞれ異なる通称が付けられており、市販のアルバムに収録される際は通称の方が用いられる場合もある。
各曲の解説
3曲とも日本コロムビアの管理楽曲であり、演奏に際しては専属開放申請が必要である。
CD化された音源はいずれも2010年(平成22年)発売のアルバム「野球ソングス 大定番と貴重盤」(COCP-36066)[2]および「俺たちの野球の歌 〜六甲おろし 闘魂こめて〜」(COCP-38188)[3]に収録されている。
野球の王者
初代「巨人軍の歌」、通称「野球の王者」は1939年(昭和14年)3月4日に制定された。作詞・佐藤惣之助、補作詞・西條八十、作曲・古関裕而、唄・伊藤久男。作詞・作曲者は現在もなお阪神タイガースの球団歌として存続している1936年(昭和11年)発表の「大阪タイガースの歌」と同じ組み合わせである。
元々、東京巨人軍の前身である大日本東京野球倶楽部がアメリカ大リーグ選抜チームとの対戦を目的とする日本代表チームであった経緯などを踏まえ、2番に見られる「世界の覇権」「祖国の名誉」などの国粋主義的なフレーズを織り込んだ歌詞が特徴である。さらに、3番では他球団を「凡百のチーム」と揶揄して巨人軍をその上に「そそり立つ巨木」とする表現が含まれているが、後に発表された東京セネタースの球団歌「セネタースの歌」(作詞・尾崎喜八、作曲・小松平五郎)の2番では「不動の巨木」を打ち倒すと言う「野球の王者」への意趣返しとも取れるフレーズが見られる[4]。
ジャイアンツ・ソング
2代目「巨人軍の歌」、通称「ジャイアンツ・ソング」は1949年(昭和24年)に新球団歌の公募を実施し、15539通の応募作から選定され東京都港区の芝スポーツセンター開館記念イベントとして9月25日に読売新聞社主催で開かれた「プロ野球ファンの集い」において発表・制定された。
作詞・岡野青志、補作・藤浦洸、作曲・米山正夫。藤山一郎による歌唱で日本コロムビアよりレコードが発売された。
作曲者の米山は、大阪近鉄バファローズの球団歌でも作曲を担当している。
文語体で国粋主義調の「野球の王者」に対して簡潔な口語体の歌詞となっている。歌の後半で「ジャイアンツ」を連呼することから「ジャイアンツ・ソング」の別名で呼ばれ「野球ソングス 大定番と貴重盤」や2012年(平成24年)に発売された「生誕100年記念 米山正夫大全集」のディスク1(COCP-37565)でも「ジャイアンツ・ソング」の表題で収録されている[5]。
闘魂こめて
3代目「巨人軍の歌」、通称「闘魂こめて」は1962年(昭和37年)に球団設立30周年を記念して公募を実施し、20892編の応募作から選定され1963年(昭和38年)5月4日に発表・制定。現在も球団歌として演奏されている。
作詞・椿三平、補作詞・西條八十、作曲・古関裕而。
作詞者の椿は、広島東洋カープの初代球団歌「広島カープの歌」(後に歌詞の一部を変更し公式応援歌「勝て勝てカープ」に改題)の作詞者・池田真琴と同一人物である。
オリジナル版の歌唱は守屋浩(1番)、三鷹淳(2番)、若山彰(3番)が担当。1980年代にリニューアルされた現行版は混声合唱団の歌唱となっている。
プロ野球の吹奏楽応援が普及しだした1980年(昭和55年)頃、巨人応援団が本曲の歌い出しの部分をアレンジし、汎用応援歌(通称「闘魂マーチ」)として使用した。
2006年(平成18年)7月4日より、JR水道橋駅で発車メロディに使用されている。当初は同年のシーズン終了までを予定していたが、シーズン終了後も使用が継続されている。
脚注
- ^ 公式サイト「巨人軍年表」による。
- ^ 野球ソングス 大定番と貴重盤 - 日本コロムビア。
- ^ 俺たちの野球の歌 〜六甲おろし 闘魂こめて〜 - 日本コロムビア。
- ^ また、同じ2番では「百獣狩らん」と「大阪タイガースの歌」への意趣返しとも取れるフレーズも含まれている。
- ^ 生誕100年記念 米山正夫大全集 - 日本コロムビア。