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2020年7月6日 (月) 21:54時点における版
赤穂城断絶 | |
---|---|
The Fall of Ako Castle Swords of Vengeance | |
監督 | 深作欣二 |
脚本 | 高田宏治 |
原作 | 高田宏治 |
ナレーター | 鈴木瑞穂 |
出演者 |
萬屋錦之介 千葉真一 松方弘樹 西郷輝彦 渡瀬恒彦 近藤正臣 原田美枝子 丹波哲郎 芦田伸介 三田佳子 岡田茉莉子 三船敏郎 |
音楽 | 津島利章 |
撮影 |
宮島義勇 仲沢半次郎 |
編集 | 市田勇 |
製作会社 | 東映 |
配給 | 東映 |
公開 | 1978年10月28日 |
上映時間 | 160分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 6億円(推定値)[注釈 1] |
『赤穂城断絶』 (あこうじょうだんぜつ、The Fall of Ako Castle or Swords of Vengeance ) は、1978年の日本映画。監督 : 深作欣二、製作 : 東映。カラー・ワイド・シネマスコープ、160分。オールスターキャストで[2]、忠臣蔵25回目の映画化である[3]。昭和53年度文化庁芸術祭賞参加作品。
解説
映画『柳生一族の陰謀』が大ヒットしたため(日本では同年1月に公開)、東映社長の岡田茂が深作欣二へ萬屋錦之介を主役にして、忠臣蔵を題材にした映画を製作するよう指示した[4]。深作は従来通りの忠臣蔵か、実録調など検討した結果、最終的に討ち入りよりも赤穂と吉良のスパイ合戦をメインの内容にしようとした[注釈 2]。参考試写で戦前の『元禄忠臣蔵』を観た深作は脱落していく浪士たちの物語に感銘を受け、これも盛り込もうとしたので、主人公の大石内蔵助(萬屋錦之介)の存在はどんどん希薄なものになっていった[4]。深作と岡田は吉良上野介の視点からの忠臣蔵を描きたく、配役は錦之介を吉良、金子信雄を大石内蔵助でプランしていた[4]。しかし東映京都撮影所で育ってきた錦之介にとって大石役は、これまで片岡千恵蔵、市川右太衛門ら"御大"たちの演じてきた"役者の本懐"であり、吉良役を受け入れる筈もなく、歌舞伎関係の周囲にも吉良役を反対され、従来通りの忠臣蔵を要望し堂々たる大石像を求めた[4][5][6]。既に『柳生一族の陰謀』でも深作と錦之介は撮影時に対立しており( ⇒ 柳生一族の陰謀#撮影)、本作では錦之介がカメラマンの交代を求め、クランクイン後も深作と錦之介は決して折り合うことはなかった[5][6]。遂に深作が岡田へ降板を申し出るが説得され、本来のオーソドックスな作品で完成したが、『柳生一族の陰謀』の半分にも満たない興行成績に終わった[5][6][7]。
それでも何か変化のあるものにしたかった深作は、主君の無念を晴らす赤穂浪士と吉良家の対立による仇討ちと描写されてきた物語に、本作では討ち入り時の不破数右衛門(千葉真一)と小林平八郎(渡瀬恒彦)の一騎討ちで劇を盛り上げ、赤穂浪士が公儀へ反逆したと認識する幕府、単なる美談調の展開にせず討ち入りから脱落してゆく浪士や死にゆく者など、全編をドキュメンタリータッチに演出した[7][8][9]。錦之介の意向を汲み取り仕上げられた本作は深作にとって窮屈さと不本意なもので[7][10][11]、16年後の1994年に深作は再び忠臣蔵を題材にした映画『忠臣蔵外伝 四谷怪談』を作った。本作で渡瀬はキネマ旬報賞助演男優賞と第21回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞した。
ちなみに錦之介は、翌年の1979年4月16日から同年12月24日まで全36回に渡り放送されたテレビ朝日系テレビ時代劇『赤穂浪士』(テレビ朝日・東映京都・中村プロダクション)にも、同じ大石内蔵助役で出演している。
スタッフ
- 企画 : 高岩淡・日下部五朗・本田達男・三村敬三
- 原作・脚本 : 高田宏治
- 撮影監督 : 宮島義勇
- 撮影 : 仲沢半次郎
- 美術 : 井川徳道
- 照明 : 中山治雄
- 録音 : 荒川輝彦
- 編集 : 市田勇
- 音楽 : 津島利章
- 助監督 : 藤原敏之
- 記録 : 田中美佐江
- 装置 : 三浦公久
- 装飾 : 柴田澄臣
- 背景 : 西村三郎
- スチール : 中山健司
- 衣裳 : 森護
- 美粧 : 鳥居塚誠一
- 結髪 : 白鳥里子
- 擬斗 : 上野隆三
- 和楽 : 中本敏生
- 演技事務 : 森村英次
- 宣伝相当 : 佐々木嗣郎・田中憲吾
- 舞踊振付 : 藤間勘三郎
- 進行主任 : 山本吉応
- 協力 : 東映俳優センター
- 製作 : 東映・東映太秦映画村
出演
主要キャスト
- 萬屋錦之介 : 大石内蔵助
- 千葉真一 : 不破数右衛門
- 松方弘樹 : 多門伝八郎
- 西郷輝彦 : 浅野内匠頭
- 渡瀬恒彦 : 小林平八郎
- 近藤正臣 : 橋本平左衛門
- 原田美枝子 : 橋本はつ
- 丹波哲郎 : 柳沢吉保
- 芦田伸介 : 色部図書
- 三田佳子 : 瑤泉院
- 岡田茉莉子 : りく
- 三船敏郎 : 土屋主税
その他のキャスト
- 森田健作 : 間十次郎
- 田村亮 : 上杉綱憲
- 島英津夫 : 大石主税
- 中村光輝 : 伊達左京亮
- 佐藤佑介 : 矢頭右衛門七
- 藤巻潤 : 岡島八十右衛門
- 峰岸徹 : 堀部安兵衛
- 橘麻紀 : 大高しの
- 夏樹陽子 : お仙
- 和崎俊哉 : 片岡源五右衛門
- 宮内洋 : 萱野三平
- 寺田農 : 大高源五
- 林彰太郎 : 井上大和守
- 中村錦司 : 庄田下総守
- 大木晤郎 : 久留十左衛門
- 河合絃司 : 奥野将監
- 有川正治 : 岡野又右衛門
- 秋山勝俊 : 奥田孫太夫
- 唐沢民賢 : 大石瀬左衛門
- 岩尾正隆 : 三崎道億
- 成瀬正 : 岡野金右衛門
- 下塚誠 : 間新六
- 高月忠 : 神崎与五郎
- 畑中猛重 : 武林唯七
- 志茂山高也 : 赤埴源蔵
- 寺内文夫 : 三村次郎左衛門
- 藤沢徹夫 : 杉野十平次
- 野口貴史 : 近松勘六
- 白川浩二郎 : 山吉新八郎
- 高並功 : 中村弥太之丞
- 笹木俊志 : 矢村一真
- 木谷邦臣 : 徳田政右衛門
- 波多野博 : 天野定之丞
- 峰蘭太郎 : 早水藤左衛門
- 原田君事 : 大須賀治郎右衛門
- 西田健 : 浅野大学
- 福本清三 : 密偵
- 森山秀幸 : 勝田新左衛門
- 司裕介 : 大野郡右衛門
- 勝野賢三 : 牧野春斉
- 和田昌也 : 大久保権右衛門
- 島田秀雄 : 関久和
- 星野美恵子 : 大野佐和
- 岡島艶子 : 間喜兵衛の妻
- 中栄数夫 : 秋元但馬守
- 林三郎 : 稲葉丹後守
- 那須伸太郎 : 脇坂淡路守
- 島田歌穂 : 浮橋の部屋子
- 浅川かがり : 大石くう
- 小南文孝 : 大高源一郎
- 御木本伸介 : 土屋相模守
- 曽根晴美 : 鳥居理右衛門
- 永井秀明 : 間喜兵衛
- 田島義文 : 岡林杢之助
- 内田稔 : 戸田源五兵衛
- 汐路章 : 島喜兵衛
- 梅津栄 : 宝井其角
- 中原早苗 : 戸田局
- 青木義朗 : 上田主水
- 茂山千五郎 : 徳川綱吉
- 天津敏 : 梶川与惣兵衛
- 織本順吉 : 井関徳兵衛
- ナレーター : 鈴木瑞穂
- 若林豪 : 荒木十左衛門
- 江波杏子 : 浮橋
- 成田三樹夫 : 加藤越中守
- 加藤嘉 : 堀部弥兵衛
- 遠藤太津朗 : 吉田忠左衛門
- 安井昌二 : 原惣右衛門
- 大滝秀治 : 山田宗徧
- 藤岡琢也 : 大野九郎兵衛
- 金子信雄 : 吉良上野介
ノンクレジット
脚注
- 注釈
- 出典
- ^ 「1978年邦画四社<封切配収ベスト5>」『キネマ旬報』1979年(昭和54年)2月下旬号、キネマ旬報社、1979年、124頁。
- ^ 関根忠郎・山根貞男・山田宏一『惹句術:映画のこころ』講談社、1986年、90頁。ISBN 406202005X。
- ^ 『ぴあシネマクラブ 邦画編 1998-1999』ぴあ、1998年、61頁。ISBN 4-89215-904-2。
- ^ a b c d e 春日太一『あかんやつら 東映京都撮影所血風録』文藝春秋、2013年、366-369頁。ISBN 4-1637-68-10-6。
- ^ a b c 『キネマ旬報』1997年12月16日号、p16-21
- ^ a b c 『クロニクル東映:1947-1991』1、東映、1992年、p282-283
- ^ a b c “西郷輝彦、深作欣二作品の萬屋錦之介に身震い”. アサ芸プラス. 徳間書店 (2012年12月12日). 2013年1月1日閲覧。
- ^ “赤穂城断絶”. 東映チャンネル. 2013年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月1日閲覧。
- ^ “赤穂城断絶”. 映画データベース - allcinema. 2011年11月28日閲覧。
- ^ “千葉真一、深作欣二の初時代劇の教えに感謝”. アサ芸プラス. 徳間書店 (2012年11月28日). 2013年1月1日閲覧。
- ^ “深作欣二「千葉ちゃん、ウソって観客に思わせたら負け」”. アサ芸プラス. 徳間書店 (2012年11月29日). 2013年1月1日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 赤穂城断絶 - allcinema
- 赤穂城断絶 - KINENOTE
- 赤穂城断絶 - 日本映画データベース
- 赤穂城断絶のチラシ[リンク切れ]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。 - ぴあ
- The Fall of Ako Castle - オールムービー
- The Fall of Ako Castle - IMDb