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2020年7月6日 (月) 21:53時点における版
なかむら のぶお 中村 伸郎 | |
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本名 | 同じ(旧姓:小寺) |
生年月日 | 1908年9月14日 |
没年月日 | 1991年7月5日(82歳没) |
出生地 | 日本・北海道小樽市 |
死没地 | 日本・東京都渋谷区代々木 |
ジャンル | 俳優 |
活動期間 | 1932年 - 1991年 |
活動内容 | 舞台、映画、テレビドラマ |
配偶者 | 妻:中村正子 |
著名な家族 |
長女:井出みな子 次女:中村まり子 |
事務所 | 演劇集団 円 |
主な作品 | |
舞台
『鹿鳴館』
『朱雀家の滅亡』
『授業』 テレビドラマ |
中村 伸郎(なかむら のぶお、1908年9月14日 - 1991年7月5日)は、日本の俳優。本名同じ。北海道小樽市出身。長女は女優の井出みな子、次女も女優の中村まり子。
来歴・人物
生家は岐阜県の士族で、小寺芳次郎の七男。二男は小寺健吉(画家)、三男は小寺廉吉(桃山学院大学教授等)、四男は小寺融吉(日本舞踊研究家)、五男は小寺駿吉(千葉大学教授等)。幼少期、年の離れた姉・としと中村税(小松製作所初代社長)夫妻の養子となり、東京に転居する。
東京開成中学校(現・開成高等学校)卒業。開成中学校の同窓生で川尻東次、鳥山榛名、青柳忠正、土方正巳などと1926年に人形劇を公演し、これが後の人形劇団プークのもととなる。青年期には画家を志すが断念し、舞台俳優となる。築地座を経て、1937年、杉村春子らと共に劇団文学座を創立。以来、同座の中核的存在として活躍した。
養父が小松製作所社長であったため、戦中の文学座の疎開が、小松市の小松製作所の寮へとなる[1]。1957年には文学座理事に就任、運営面でも同座の中心人物であった。
1963年、戯曲『喜びの琴』の上演中止を巡り、三島由紀夫、南美江らと共に文学座を脱退。当時、文学座の最高幹部だった中村の退団は、文学座に大きな衝撃をもたらした。翌1964年、劇団NLT創立に参加。1967年、紀伊國屋演劇賞受賞。1968年には三島らとNLTを脱退し、劇団浪曼劇場を結成するが、その後三島の自決により劇団は解散。福田恆存が理事長を務める現代演劇協会の附属劇団・「劇団雲」へ入団するも、1975年に今度は現代演劇協会が内部分裂を起こしてしまった。その後、芥川比呂志らと退団して演劇集団 円を結成した。
舞台では文学座の中心俳優として岸田國士、久保田万太郎、三島由紀夫など座付きの劇作家の戯曲を中心に翻訳劇に至るまで幅広く活躍した。特に三島の戯曲の美しさに心酔し、このことが文学座での安定した地位を捨てて三島と最後まで行動を共にするきっかけとなった。三島の自決と浪漫劇場解散後は新たな方向を模索し不条理劇などの前衛劇にも挑戦、1972年より11年間にわたって、ウジェーヌ・イヨネスコ作の『授業』を毎週金曜日夜に渋谷の小劇場ジァン・ジァンで欠かさず上演し、伝説となった。また、1970年代中頃からは別役実作品の常連となり、演劇集団 円公演や木山事務所プロデュース公演などには亡くなるまでほとんど全て出演し、別役作品の顔というべき存在であった
1991年7月5日午前5時7分、心不全のため東海大学医学部付属東京病院で死去(享年82歳)。
舞台のみならず、映画・テレビにおいても数多くの作品に主に脇役として出演。その風貌から、学者、弁護士などの知的な役柄を得意としたが、飄々としたコミカルな役どころも数多い。特に小津安二郎監督作品の常連で、『彼岸花』『秋日和』『秋刀魚の味』では北竜二と共に主人公の友人役で出演した。そのほか黒澤明監督作品にも多く出演した。テレビドラマ『白い巨塔』の東教授は当たり役で、『タンポポ』(1985年)ではそのイメージを逆手にとった「老紳士」役を軽妙に演じた。
エッセイストとしても知られ、著書『おれのことなら放つといて』は第34回日本エッセイストクラブ賞を受賞した。
出演作品
舞台
- 大寺学校(築地座)
- ハムレット(文学座)
- 女の一生(文学座)
- キティ颱風(文学座)
- 牛山ホテル(文学座・岸田國士追悼公演)
- シラノ・ド・ベルジュラック(文学座)
- 鹿鳴館(文学座)
- 薔薇と海賊(文学座)
- サロメ(文学座)
- 十日の菊(文学座)
- クレランバール(文学座)
- 朱雀家の滅亡(NLT)
- わが友ヒットラー(浪曼劇場)
- サロメ(浪曼劇場・三島由紀夫追悼公演)
- クラップの最後のテープ
- 授業(ジァンジァンプロデュース)
- 移動(手の会)
- 天保十二年のシェイクスピア(西武劇場)
- 海神別荘(劇団雲)
- カンガルー(紀伊國屋ホール+演劇集団 円)
- 雰囲気のある死体(演劇集団 円)
- 日本混虫〈虫づくし〉学会特別講演会(木山事務所)
- 天才バカボンのパパなのだ(木山事務所)
- そして誰もいなくなった(本多劇場)
- メリーさんの羊(ジァンジァンプロデュース)
- うしろの正面だあれ(演劇集団 円)
- おたまじゃくしはかえるのこ(演劇集団 円)
- 諸国を遍歴する二人の騎士の物語(PARCO)
- もーいいかい・まーだだよ(演劇集団 円)
- ドラキュラ伯爵の秋(PARCO+木山事務所)
- 眠れる森の美女(演劇集団 円、1990年9月)※遺作
- 他多数
映画
- 母の地図(1942年、東宝) - 筧英雄
- 浦島太郎の後裔(1946年、東宝) - 鳥丸飛夫
- 自由学校(1951年、松竹)
- ★生きる(1952年、東宝) - 市役所助役
- 本日休診(1952年、松竹) - 竹さん
- 戦艦大和(1953年、新東宝) - 聯合艦隊司令部参謀
- にごりえ(1953年、文学座映画) - 安兵衛
- ◎東京物語(1953年、松竹) - 金子庫造
- 黒い潮(1954年、日活) - 清川助教授
- 獣人雪男(1955年、東宝) - 小泉重喜
- 心に花の咲く日まで(1955年、大映/文学座) - 宮田先生
- ★生きものの記録(1955年、東宝) - 精神科医
- 流れる(1956年、東宝) - 医者
- 鬼火(1956年、東宝) - 水原
- ◎早春(1956年、松竹)- 荒川総務部長
- ★蜘蛛巣城(1957年、東宝) - 幻の武者3
- ◎東京暮色(1957年、松竹) - 相馬栄
- 日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里(1957年、大映) - 児玉総参謀長
- 無法松の一生(1958年、東宝) - 良子の兄
- ◎彼岸花(1958年、松竹) - 河合利彦
- 悪女の季節(1958年、松竹)
- 人間の条件第一部(1959年、人間プロ) - 本社部長
- 野獣死すべし(1959年、東宝) - 杉村教授
- ◎秋日和(1960年、松竹) - 田口秀三
- ★悪い奴ほどよく眠る(1960年、東宝) - 建設会社顧問弁護士
- 黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960年、東宝) - 竹田
- 世界大戦争(1961年、東宝) - 官房長官
- 黒い画集 第二話 寒流(1961年、東宝) - 小西副頭取
- ◎秋刀魚の味(1962年、松竹) - 河合秀三
- ★天国と地獄(1963年、東宝) - 石丸重役
- 牝(1964年、東映) -首藤栄太郎
- 社長シリーズ(東宝)
- 続・社長紳士録(1964年) - 大河内
- 続社長行状記(1966年) - 富岡
- 社長繁盛記(1968年) - 藤川
- 続社長繁盛記(1968年) - 藤川
- 宇宙大怪獣ドゴラ(1964年、東宝) - 宗方博士
- フランケンシュタイン対地底怪獣(1965年、東宝) - 須賀博士
- 香港の白い薔薇(1965年、東宝) - 永原一政
- 複雑な彼(1966年、大映) - 須賀健作
- フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年、東宝) - 喜田教授
- 日本のいちばん長い日(1967年、東宝) - 木戸幸一
- 愛の渇き(1967年、日活) - 杉本弥吉
- 乱れ雲(1967年、東宝) - 武内常務
- リオの若大将(1968年、東宝) - 江口剛造
- 超高層のあけぼの(1969年、東映)- 古川教授
- 激動の昭和史 軍閥(1970年、東宝) - 木戸幸一
- 幻の殺意(1971年、東宝) - 浜田校長
- 君は海を見たか(1971年、大映) - 矢部教授
- 黒の奔流(1972年、松竹) - 北川大造
- 恍惚の人(1973年、東宝) - 藤枝
- 日本沈没(1973年、東宝) - 野崎特使
- 華麗なる一族(1974年、東宝) - 松平日銀総裁
- 絶唱(1975年、東宝) - 橋本
- 狭山裁判(1976年、東映) - 内田裁判長
- 春琴抄(1976年、東宝) - 春松検校
- 悪魔の手毬唄(1977年、東宝) - 多々良放庵
- 黄金のパートナー(1979年、東宝) - 和辻
- タンポポ(1985年、東宝) - 老紳士
- BU・SU(1987年、東宝) - 客
- ノーライフキング(1989年、アルゴ・プロジェクト) - 木村平成
テレビドラマ
- 花ひらくとき(1966年、NHK) - 三田村恭介(異母姉妹の父)
- 泣いてたまるか 第33話「空にひろった恋」(1967年、TBS)
- 白い巨塔(1967年、NET) - 船尾徹
- NHK大河ドラマ
- 大坂城の女(1970年、KTV)
- 男は度胸(1970年、NHK)
- だいこんの花(1970年、NET)
- 大忠臣蔵(1971年、NET) - 吉田忠左衛門
- 荒野の素浪人 第22話「待ち伏せ 国境い夜叉神峠」(1972年、NET) - 松平朋重
- 長谷川伸シリーズ / 関の弥太っぺ(1972年、NET)
- 銀座わが町(1973年、NHK)
- 赤ひげ(NHK)
- 第27話「サ夫藍」(1973年)
- 第48話「別れ」(1973年)
- 子連れ狼 第1部 第6話「お末無情」(1973年、NTV) - 田浦甚左衛門
- 放浪家族(1975年、MBS) - 沖津教授
- 俺たちの旅(1975年、NTV) - 熊沢健蔵
- 特捜最前線 第29話「プルトニウム爆弾が消えた街」・第30話「核爆発80秒前のロザリオ」(1977年、ANB) - 官房長官
- 日本の戦後(1977年、NHK)
- 白い巨塔(1978年、CX) - 東貞蔵
- 事件(1979年 - 1984年、NHK) - 谷裁判長
- 風の隼人(1979年、NHK) - 調所笑左衛門
- 突然の明日(1980年、TBS)
- 松本清張シリーズ ザ・商社(1980年、NHK) - 浜島社長
- 立花登・青春手控え 第7話「帰ってきた」(1982年、NHK)
- 悪女の招待状(1982年、ANB)
- 松本清張シリーズ けものみち(1982年、NHK) - 沢杉病院院長
- 時代劇スペシャル / 松本清張の西海道談綺(1983年、TNC / CX) - 長谷川悦寿
- 花田春吉なんでもやります(1985年、TBS)
ラジオドラマ
著書
- 『おれのことなら放つといて』(随筆・俳句集 第34回日本エッセイストクラブ賞)早川書房、1986年。早川書房〈ハヤカワ文庫 NF161〉、1989年。
- 『永くもがなの酒びたり』(随筆・俳句集 遺作)早川書房、1991年。