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[[初夏]]に小型の白い[[花]]が集散[[花序]]になって咲く。[[秋]]に直径数ミリの[[果実]]が熟す。同時にその根元の果柄部が同じくらいの太さにふくらんで<ref name=tjfs.19.2_41>小林峻大, 林田光祐、「[https://doi.org/10.18982/tjfs.19.2_41 特異な果実形態を持つケンポナシの種子散布と被食による発芽への影響]」 『東北森林科学会誌』 2014年 19巻 2号 p.41-50, {{doi|10.18982/tjfs.19.2_41}}</ref>、[[ナシ]](梨)のように甘くなり食べられる。見かけは枝つき[[干し葡萄]]のようなので、英語では"{{Lang|en|Japanese raisin tree}}"という。この実は[[民間療法|民間]]では[[二日酔い]]に効くともいわれる<ref>[http://www.yanagidou.co.jp/syouyaku-yakusou-kenponasi.html 薬用植物・生薬・薬草・健康茶 玄圃梨 けんぽなし ケンポナシ 枳グ子 きぐし キグシ について] やなぎ堂薬局 {{リンク切れ|date=2018-5-27}}</ref><ref name=":0">{{Cite journal|last=Shen|first=Yi|last2=Lindemeyer|first2=A. Kerstin|last3=Gonzalez|first3=Claudia|last4=Shao|first4=Xuesi M.|last5=Spigelman|first5=Igor|last6=Olsen|first6=Richard W.|last7=Liang|first7=Jing|date=2012-01-04|title=Dihydromyricetin As A Novel Anti-Alcohol Intoxication Medication|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3292407/|journal=The Journal of Neuroscience|volume=32|issue=1|pages=390–401|doi=10.1523/JNEUROSCI.4639-11.2012|issn=0270-6474|pmid=22219299|pmc=PMC3292407}}</ref>。この効用は[[ジヒドロミリセチン]]と呼ばれる化合物に由来するという研究が発表されている<ref name=":0" />。 |
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昔の日本ではテンボノナシと呼び、[[肥前国|肥前]]ではケンポコナシと呼んでいたが、[[フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト|シーボルト]]は、計無保乃梨(ケンポノナシ)、別名を漢名「シグ」とした。転訛して、ケンポナシとなった<ref>[http://www.e-yakusou.com/sou02/soumm206.htm ケンポナシ,玄圃梨,枳梖(きぐ),Hovenia dulcis,クロウメモドキ科ケンポナシ属]イー薬草・ドット・コム</ref>。 |
2019年12月22日 (日) 14:38時点における版
ケンポナシ | |||||||||||||||||||||
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Hovenia dulcis
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Hovenia dulcis Thunb. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ケンポナシ(玄圃梨) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Japanese raisin tree | |||||||||||||||||||||
品種 | |||||||||||||||||||||
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ケンポナシ(玄圃梨、学名: Hovenia dulcis[1])は、クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木。
分布
東アジア温帯一帯に分布し、日本では北海道の一部から九州まで自生する。
特徴
初夏に小型の白い花が集散花序になって咲く。秋に直径数ミリの果実が熟す。同時にその根元の果柄部が同じくらいの太さにふくらんで[2]、ナシ(梨)のように甘くなり食べられる。見かけは枝つき干し葡萄のようなので、英語では"Japanese raisin tree"という。この実は民間では二日酔いに効くともいわれる[3][4]。この効用はジヒドロミリセチンと呼ばれる化合物に由来するという研究が発表されている[4]。
葉や樹皮を煎じて茶のように飲むこともある。葉に含まれる配糖体 ホズルシンには甘味を感じなくさせる性質がある。ケンポナシ抽出物[5]にはアルコール臭の抑制効果があるという報告もあり[6]、ケンポナシ抽出物はチューイングガムなどに利用される[7]。
昔の日本ではテンボノナシと呼び、肥前ではケンポコナシと呼んでいたが、シーボルトは、計無保乃梨(ケンポノナシ)、別名を漢名「シグ」とした。転訛して、ケンポナシとなった[8]。
被食型散布樹種でありハクビシンやタヌキに食べられることで、分布範囲を拡大し種子の発芽率が上昇する[2]。
-
果柄部
ケンポナシ属
東アジア温帯に数種ある。
- ケンポナシ Hovenia dulcis
- ケケンポナシ Hovenia trichocarpa(Hovenia tomentella)
- 本州・四国にはよく似たケンポナシよりも多く生えている。これは葉裏・花序・果実に毛があることと葉の形(厚く、鋸歯が鈍い)とでケンポナシと区別されるが、同じように利用される。
- シナケンポナシ Hovenia acerba
脚注
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2011年7月4日閲覧。
- ^ a b 小林峻大, 林田光祐、「特異な果実形態を持つケンポナシの種子散布と被食による発芽への影響」 『東北森林科学会誌』 2014年 19巻 2号 p.41-50, doi:10.18982/tjfs.19.2_41
- ^ 薬用植物・生薬・薬草・健康茶 玄圃梨 けんぽなし ケンポナシ 枳グ子 きぐし キグシ について やなぎ堂薬局 [リンク切れ]
- ^ a b Shen, Yi; Lindemeyer, A. Kerstin; Gonzalez, Claudia; Shao, Xuesi M.; Spigelman, Igor; Olsen, Richard W.; Liang, Jing (2012-01-04). “Dihydromyricetin As A Novel Anti-Alcohol Intoxication Medication”. The Journal of Neuroscience 32 (1): 390–401. doi:10.1523/JNEUROSCI.4639-11.2012. ISSN 0270-6474. PMC PMC3292407. PMID 22219299 .
- ^ 果実付き果柄部から抽出したもの
- ^ “ケンポナシ(Hovenia dulcis Thunb.)抽出物含有チューインガムによる飲酒後のアルコール臭除去効果” (PDF) (1994年12月). 2013年7月9日閲覧。
- ^ 日本チューインガム協会
- ^ ケンポナシ,玄圃梨,枳梖(きぐ),Hovenia dulcis,クロウメモドキ科ケンポナシ属イー薬草・ドット・コム
参考文献
- 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、508-509頁。ISBN 4-635-07004-2。