「ミズワラビ」の版間の差分
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'''ミズワラビ'''(水蕨、学名:''Ceratopteris thalictroides'')は、[[シダ植物門]][[ホウライシダ科]]に属するシダである。分類によっては[[イノモトソウ科]]<ref name="YL">米倉・梶田 (2003-).</ref>や[[ミズワラビ科]] (Ceratopteridaceae) とする場合もある。シダとしては珍しい[[水草]]で、水中、あるいは[[湿地]]に生える。熱帯地方に広く分布し、[[日本]]では[[本州]]中部以南に分布する。[[水田]]によく生えたが、現在では見ることが少ない。 |
'''ミズワラビ'''(水蕨、学名:''Ceratopteris thalictroides'')は、[[シダ植物門]][[ホウライシダ科]]に属するシダである。分類によっては[[イノモトソウ科]]<ref name="YL">米倉・梶田 (2003-).</ref>や[[ミズワラビ科]] (Ceratopteridaceae) とする場合もある。シダとしては珍しい[[水草]]で、水中、あるいは[[湿地]]に生える。熱帯地方に広く分布し、[[日本]]では[[本州]]中部以南に分布する。[[水田]]によく生えたが、現在では見ることが少ない。 |
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2010年に[[ヒメミズワラビ]](学名: {{Snamei|Ceratopteris gaudichaudii}} {{AU|Brongn.}} var. ''vulgaris'' [[益山樹生|Masuyama]] & [[綿野泰行|Watano]]<ref name="YL" />)が本種より細分された({{Harvcoltxt|Masuyama|Watano|2010}})<ref>{{Cite web|url=http://www.hitohaku.jp/research/h-research/news-mizuwarabi.html|title=三田市で絶滅危惧植物ミズワラビを初発見!|publisher=[[兵庫県立人と自然の博物館]](ひとはく)|accessdate=2018-10-30}}</ref>が、Hassler (2018) はこれを本種の[[亜種]] {{Snamei|C. thalictroides}} subsp. ''gaudichaudii'' (Brongn.) {{AU|Fraser-Jenkins}} & {{AU|Pariyar}} の[[シノニム]]と位置付けている。 |
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== 参考文献 == |
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* Hassler, M. (2018). World Ferns: Checklist of Ferns and Lycophytes of the World (version Apr 2018). In: Roskov Y., Ower G., Orrell T., Nicolson D., Bailly N., Kirk P.M., Bourgoin T., DeWalt R.E., Decock W., De Wever A., Nieukerken E. van, Zarucchi J., Penev L., eds. (2018). Species 2000 & ITIS Catalogue of Life, 24th September 2018. Digital resource at http://www.catalogueoflife.org/col. Species 2000: Naturalis, Leiden, the Netherlands. {{ISSN|2405-8858}}. |
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* Irudayaraj, V. (2011). ''Ceratopteris thalictroides''. The IUCN Red List of Threatened Species 2011: e.T168862A6541936. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2011-1.RLTS.T168862A6541936.en. Downloaded on 25 October 2018. |
* Irudayaraj, V. (2011). ''Ceratopteris thalictroides''. The IUCN Red List of Threatened Species 2011: e.T168862A6541936. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2011-1.RLTS.T168862A6541936.en. Downloaded on 25 October 2018. |
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*[[岩槻邦男]]編『日本の野生植物 シダ』(1992年、[[平凡社]]) |
*[[岩槻邦男]]編『日本の野生植物 シダ』(1992年、[[平凡社]]) |
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*光田重幸『しだの図鑑』(1986年、[[保育社]]) |
*光田重幸『しだの図鑑』(1986年、[[保育社]]) |
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* 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2018年10月 |
* 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2018年10月31日). |
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== 関連文献 == |
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* {{Cite journal|last=Masuyama|first=Shigeo|authorlink=益山樹生|last2=Watano|first2=Yasuyuki|authorlink2=綿野泰行|year=2010|title=Cryptic Species in the Fern ''Ceratopteris thalictroides'' (L.) Brongn. (Parkeriaceae). IV. Taxonomic Revision|journal=Acta Phytotaxonomica et Geobotanica|volume=61|issue=2|page=79|issn=1346-7565|doi=10.18942/apg.KJ00009281704|ref=harv}} |
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2018年10月30日 (火) 18:07時点における版
ミズワラビ | |||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Ceratopteris thalictroides (L.) Brongn. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ミズワラビ |
ミズワラビ(水蕨、学名:Ceratopteris thalictroides)は、シダ植物門ホウライシダ科に属するシダである。分類によってはイノモトソウ科[2]やミズワラビ科 (Ceratopteridaceae) とする場合もある。シダとしては珍しい水草で、水中、あるいは湿地に生える。熱帯地方に広く分布し、日本では本州中部以南に分布する。水田によく生えたが、現在では見ることが少ない。
分類
2010年にヒメミズワラビ(学名: Ceratopteris gaudichaudii Brongn. var. vulgaris Masuyama & Watano[2])が本種より細分された(Masuyama & Watano (2010))[3]が、Hassler (2018) はこれを本種の亜種 C. thalictroides subsp. gaudichaudii (Brongn.) Fraser-Jenkins & Pariyar のシノニムと位置付けている。
分布
アメリカ合衆国(フロリダ州)、アンゴラ、インド(ケーララ州、タミル・ナードゥ州)、ウガンダ、エクアドル、エチオピア、エルサルバドル、オーストラリア、ガーナ、ガイアナ、ガボン、カメルーン、グアテマラ、グアム、コートジボワール、コスタリカ、コロンビア、コンゴ民主共和国、ザンビア、シエラレオネ、ジャマイカ、ジンバブエ、スーダン、スリナム、スリランカ、スワジランド、セイシェル、セネガル、ソマリア、ソロモン諸島、タイ、タンザニア、中華人民共和国(甘粛省、広東省)、トーゴ、ナイジェリア、ナミビア、ニカラグア、日本(九州、本州、四国)、ネパール、パナマ、パプアニューギニア、フィリピン、プエルトリコ、ブラジル、フランス領ギアナ、ブルンジ、ベトナム、ベネズエラ、マダガスカル、ミクロネシア連邦、南アフリカ共和国(クワズール・ナタール州)、南スーダン、メキシコ、モザンビーク、リベリアに分布する[1]。
熱帯では多年生であるが、日本の本州では一年草として、夏に胞子をつけると枯れてしまう生活をしている場所もある。
特徴
根茎はごく短い。葉は栄養葉と胞子葉の二型に分化する。栄養葉は二回ないし三回羽状複葉で、小葉は丸みを帯びた三角形だが、葉全体が黄緑色で柔らかく、主軸は多肉質で一般的なシダの葉とはかなり印象が異なる。水中ではさらに葉が薄くなる。胞子葉は小葉が厚みのある線形になっている。大きさは40cmにも達するが、寒冷な地域では小型化する。ほとんど葉が分かれないものもある。
葉の先端から新芽が出て新しい株を生じる場合もある。熱帯魚の水槽内では、沈水性の水草として育てる場合が多いが、水面に葉を浮かべ、水中に根をぶら下げた浮草の形でも育つ。水中では胞子葉はつかない。
利用
よく育つ地域では葉を食用にする。日本でも用いられたようだが、現在では除草剤のためか、他の多くの水田雑草と共に姿を消している場所が多く、食用とされるほどには手にはいらない。
より多く見かけるのは熱帯魚の水槽の中である。熱帯魚用の水草としてよく販売されており、ウォータースプライト(Water Sprite)の名で流通している。あるいは水面に浮かせてその根を小魚の産卵場所に使う場合もある。より葉のきめの細かいタイプがベトナム産とされる。
諸言語における呼称
脚注
- ^ a b c Irudayaraj (2011).
- ^ a b c 米倉・梶田 (2003-).
- ^ “三田市で絶滅危惧植物ミズワラビを初発見!”. 兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく). 2018年10月30日閲覧。
参考文献
英語:
- Hassler, M. (2018). World Ferns: Checklist of Ferns and Lycophytes of the World (version Apr 2018). In: Roskov Y., Ower G., Orrell T., Nicolson D., Bailly N., Kirk P.M., Bourgoin T., DeWalt R.E., Decock W., De Wever A., Nieukerken E. van, Zarucchi J., Penev L., eds. (2018). Species 2000 & ITIS Catalogue of Life, 24th September 2018. Digital resource at http://www.catalogueoflife.org/col. Species 2000: Naturalis, Leiden, the Netherlands. ISSN 2405-8858.
- Irudayaraj, V. (2011). Ceratopteris thalictroides. The IUCN Red List of Threatened Species 2011: e.T168862A6541936. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2011-1.RLTS.T168862A6541936.en. Downloaded on 25 October 2018.
日本語:
- 岩槻邦男編『日本の野生植物 シダ』(1992年、平凡社)
- 光田重幸『しだの図鑑』(1986年、保育社)
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2018年10月31日).
関連文献
英語:
- Masuyama, Shigeo; Watano, Yasuyuki (2010). “Cryptic Species in the Fern Ceratopteris thalictroides (L.) Brongn. (Parkeriaceae). IV. Taxonomic Revision”. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 61 (2): 79. doi:10.18942/apg.KJ00009281704. ISSN 1346-7565.