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アメリカ合衆国
女子飛込競技
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マージョリー・ゲストリング（英: Marjorie Gestring, 1922年 11月18日 - 1992年 4月20日）は、アメリカの元女子飛込競技選手。1936年に開催されたベルリン五輪大会の女子3メートル飛板飛込競技で金メダルを獲得し、史上最年少の五輪金メダリストとなった^[1]^[2]。1976年に国際水泳殿堂入りしている^[3]^[4]。

競技生活

史上最年少で五輪金メダルを獲得

ゲストリングは1922年11月18日、カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれた^[5]。1936年4月にイリノイ州シカゴで行われた全米体育協会の女子飛込競技選手権を制し、初めて大きな競技大会で優勝した^[6]。同年7月、開幕を目前に控えたベルリン五輪への出場選手を決定するため、女子飛込競技および女子競泳競技のアメリカ代表選考会がニューヨークで開かれ、ゲストリングは女子3メートル飛板飛込決勝で78.72点をマークして78.74点を記録したキャサリン・ロールズに次ぐ2位に入り、同競技種目のアメリカ代表としてベルリン五輪に出場することが決まった^[7]。

翌8月に開催されたベルリン五輪の女子3メートル飛板飛込競技は12日8時から実施され、ゲストリングとロールズによる激しい戦いとなった^[8]。当時の女子3メートル飛板飛込のルールは制限選択飛びで3回の試技を行なった後、自由選択飛びで3回の試技を行い、これら6回の試技の合計点を競うというものだった。金メダル争いは制限選択飛びの試技の段階で既に2人による一騎打ちの様相を呈し^[8]、制限選択飛びを経て自由選択飛びで2回目の試技が終わった時点で1位ロールズの総得点が73.41点、対する2位のゲストリングが73.27点という僅差での接戦となり、両選手がそれぞれ最後の試技に金メダルを賭けるスリリングな展開になった^[8]。ゲストリングはここで後踏切前宙返り1回半抱え型を決めて16.00点をマークし^[8]、総得点を89.27点として総得点88.35点のロールズを0.92点差で逆転し、金メダルを獲得した^[5]^[8]。

この金メダルを獲得した1936年 8月12日の時点で、ゲストリングはまだ13歳268日であり、史上最年少の五輪金メダリストになった^[1]^{[† 1]}。2017年8月に更新された国際オリンピック委員会の公式記録においても、ゲストリングが五輪個人種目での史上最年少金メダリストと記載されている^[11]。ロールズは最後の試技が14.94点とスコアを伸ばせず銀メダルにとどまったが^[8]^[12]、総得点82.36点でドロシー・ポイントン＝ヒルも銅メダルを獲得し^[8]^[13]、この種目は前回1932年ロサンゼルス五輪に続き米国代表の3人が表彰台を独占した。オハイオ州トレドの地方紙『The News-Bee Sports』紙は、女子3メートル飛板飛込競技でのゲストリングとロールズとの戦いについて、1万5000人の観衆が見守る中で行われた金メダルをめぐる非常にエキサイティングな「決闘（duel）」だったと論評している^[14]。13歳で五輪金メダリストになったゲストリングにとって、このベルリン大会が最初で最後の五輪大会になるとは当時、誰も考えなかった^[4]。

ベルリン五輪大会以後の競技生活

ベルリン五輪の閉幕後、ゲストリングは次の五輪大会である1940年東京五輪に向けて全米選手権に出場し、1938年と1939年の両大会で女子3メートル飛板飛込を制した^[15]。また、1937年にはアリゾナ州の地方大会にも出場し、ここでも優勝している^[16]。1938年7月に東京は日中戦争の長期化を理由に1940年五輪の開催権を返上し、その代替としてフィンランドのヘルシンキが開催予定地になったが、1939年9月に第二次世界大戦が始まったため1940年の五輪大会は開催そのものが中止となった^[1]。しかし、それでもゲストリングはアメリカ国内の競技大会への出場を続け、全米選手権では1939年・1940年と2大会連続で女子10メートル高飛込の金メダルを獲得した^[17]。さらに1940年には女子3メートル飛板飛込でも金メダルを獲得している^[18]。ゲストリングはその競技生活において全米選手権の女子3メートル飛板飛込で6つの金メダル、女子10メートル高飛込で2つの金メダルを獲得した^[4]。

ゲストリングの強さは空中フォームと宙返り・ひねりの正確さと美しさ、そして、それらを試技に巧みに織り込む芸術性にあった^[1]。第二次世界大戦のため1940年五輪と1944年ロンドン五輪が開催中止となり、五輪には1936年のベルリン大会にしか出場できなかったが、同時代に競技生活を送った同僚の元女子飛込競技選手であるマーガレット・アンブロシアは、「当時は女子飛込競技界でアメリカが非常に強い時代だった。そのアメリカで誰もゲストリングに勝てなかったのだから、もし1940年の五輪大会が計画通りに開催されていたならば、おそらく彼女は金メダルを獲得していただろう」と1984年に語っている^[19]。

アメリカオリンピック委員会（英: The United States Olympic Committee, 略称：USOC）は開催されるはずだった1940年五輪大会の幻のメダルの代替として金銀銅のメダルを授与することを決定し、ゲストリングはUSOCから金メダルの授与を受けた^[19]。1948年ロンドン五輪への出場にも挑戦したが、アメリカ代表選考会で4位にとどまり、出場はならなかった^[5]^[20]。

1992年4月20日、ゲストリングはカリフォルニア州ヒルズボロの自宅で事故のため69歳で死去した^[21]。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

^ 1900年に開催されたパリ五輪のボート競技舵手つきペア種目で、決勝進出を決めたものの舵手ヘマヌス・ブロックマンの体重が重いことを不利と考えたオランダペアは偶然会場の観客席にいた7歳から10歳ぐらいとみられるフランス人の少年を急きょ舵手に起用して決勝に出場し、金メダルを獲得した。そのため、この少年が史上最年少の五輪金メダリストではないかとする説がある^[9]。しかし、この少年は国際オリンピック委員会（英: The International Olympic Committee, 略称：IOC）の登録を受けておらず、また決勝終了後、オランダペアのフランソワ・ブラント、ルロフ・クレインの両選手と記念写真を撮影した直後に観客席へと姿を消し、そのまま消息不明となった^[9]。このとき撮影された写真は1960年に発見されたものの、依然として少年の名前や年齢は判明しておらず^[9]、IOCの公式記録でも当該種目決勝のオランダペアの舵手は「UNKNOWN COX」としか記されていない^[10]。そのため、公式には13歳268日で金メダルを獲得したゲストリングが史上最年少の五輪金メダリストとされている^[1]。

出典

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外部リンク

マージョリー・ゲストリング - 国際オリンピック委員会 (英語)
マージョリー・ゲストリング - オリンピックチャンネル
マージョリー・ゲストリング - Olympedia (英語)
マージョリー・ゲストリング - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
マージョリー・ゲストリング - 世界水泳連盟 (英語)
マージョリー・ゲストリング - 国際水泳殿堂 (英語)

この項目は、水泳選手（飛込競技選手・アーティスティックスイミング選手・水球選手を含む）に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（P:スポーツ/PJスポーツ人物伝）。

[11] 1900年に開催されたパリ五輪のボート競技舵手つきペア種目で、決勝進出を決めたものの舵手ヘマヌス・ブロックマンの体重が重いことを不利と考えたオランダペアは偶然会場の観客席にいた7歳から10歳ぐらいとみられるフランス人の少年を急きょ舵手に起用して決勝に出場し、金メダルを獲得した。そのため、この少年が史上最年少の五輪金メダリストではないかとする説がある^[9]。しかし、この少年は国際オリンピック委員会（英: The International Olympic Committee, 略称：IOC）の登録を受けておらず、また決勝終了後、オランダペアのフランソワ・ブラント、ルロフ・クレインの両選手と記念写真を撮影した直後に観客席へと姿を消し、そのまま消息不明となった^[9]。このとき撮影された写真は1960年に発見されたものの、依然として少年の名前や年齢は判明しておらず^[9]、IOCの公式記録でも当該種目決勝のオランダペアの舵手は「UNKNOWN COX」としか記されていない^[10]。そのため、公式には13歳268日で金メダルを獲得したゲストリングが史上最年少の五輪金メダリストとされている^[1]。

[countdownbbc-1] Scrivener, Peter (2008年7月26日). “Olympic countdown – 13 days – Gestring's gold” (英語). BBC Sport 2017年12月10日閲覧。

[2] “Winter & Summer Olympics Miscellaneous Records” (英語). databaseSports.com. 2012年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月10日閲覧。

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[WSJ-9] JOSHUA ROBINSON「史上最年少の五輪選手めぐる謎最有力候補は1900年大会ボート競技に出場した8歳の少年 - WSJ」『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版』ダウ・ジョーンズ、2016年8月12日。オリジナルの2016年8月14日時点におけるアーカイブ。2019年3月22日閲覧。

[10] “Paris 1900 pair-oared shell with coxswain men - Olympic Rowing” (英語). 国際オリンピック委員会. 2019年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月22日閲覧。

[12] “FACTSHEET RECORDS OF MEDALS AT THE GAMES OF THE OLYMPIAD UPDATE - August 2017” (PDF) (英語). 国際オリンピック委員会. p. 3 (2017年8月). 2018年1月1日閲覧。

[13] “Katherine Rawls”. Sports Reference LLC. 2020年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月10日閲覧。

[14] “Dorothy Poynton-Hill”. Sports Reference LLC. 2020年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月10日閲覧。

[15] Cameron, Stuart (August 12, 1936). “Women Swimmers of America Win Diving and Take Lead” (英語). The Toledo News-Bee 2017年12月10日閲覧。

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[19] “Marjorie Gestring Wins National High Diving Title” (英語). San Jose Evening News. (September 16, 1940) 2017年12月10日閲覧。

[kepther-20] Wojciaczyk, Stan (August 12, 1984). “War kept her from the Olympics, but not from medal” (英語). Lakeland Ledger 2017年12月10日閲覧。

[21] “1948 Olympic Tryout Results” (PDF) (英語). 米国水泳連盟. 2009年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月13日閲覧。

[22] Harvey, Randy (May 11, 1992). “'84 Olympic Flame Still Burns” (英語). ロサンゼルス・タイムズ 2017年12月10日閲覧。

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-'''マージョリー・ゲストリング'''（Marjorie Gestring, [[1922年]][[11月18日]] - [[1992年]][[4月20日]]）は[[アメリカ合衆国]]出身の[[飛込競技]]選手。[[1936年]]に開催された[[1936年ベルリンオリンピック|ベルリンオリンピック]]大会の[[金メダル|金メダリスト]]である。
-== 主な成績 ==
+== 競技生活 ==
+=== 史上最年少で五輪金メダルを獲得 ===
-ベルリンオリンピック女子3m飛板飛込でトータルスコア89.27をマークし、[[金メダル]]を獲得した。この時ゲストリングはまだ13歳268日に過ぎず、今なおオリンピック史上最年少の金メダリストである（[[2012年]]7月現在）<ref name="ISHOF">[http://www.ishof.org/honorees/76/76mgestring.html ISHOF - Marjorie Gestring (USA) - 1976 Honor Diver] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120415001207/http://www.ishof.org/Honorees/76/76mgestring.html |date=2012年4月15日 }} 2008年9月15日閲覧</ref><ref>[http://www.databaseolympics.com/awards/misc.htm Winter & Summer Olympics Miscellaneous Records] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120908020715/http://www.databaseolympics.com/awards/misc.htm |date=2012年9月8日 }} 2008年9月15日閲覧</ref><ref>[[1900年]]に開催された[[パリオリンピック (1900年)|パリオリンピック]]のボート競技舵手付きペア種目で、[[オランダ]]のチームの舵手の体重が重過ぎたため、オランダのチームはたまたま会場の観客席にいた7歳から10歳ぐらいと見られるフランス人の少年を舵手の代役として出場させ、優勝した。そのため、この少年がオリンピック史上最年少の金メダリストではないかとする説もある。しかし、この少年は競技終了後、身元確認を受けることなく会場から姿を消してしまい、現在に至るもこの少年の正確な年齢はおろか名前さえも分かっていない。オリンピック委員会に正式登録された選手としての史上最年少の金メダリストは、あくまでもゲストリングである。</ref>。
+[[File:Dorothy Poynton-Hill, Marjorie Gestring, Katherine Rawls 1936.jpg|thumb|left|200px|1936年8月13日、ベルリン五輪女子3m飛板飛込競技の表彰式でのゲストリング（中央）、ロールズ（右）、ヒル（左）。]]
+ゲストリングは1922年11月18日、[[カリフォルニア州]][[ロサンゼルス]]で生まれた<ref name="reference">{{Cite web|和書|url=http://www.sports-reference.com/olympics/athletes/ge/marjorie-gestring-1.html |title=マージョリー・ゲストリング |publisher=[[Sports Reference]] LLC |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200417090853/https://www.sports-reference.com/olympics/athletes/ge/marjorie-gestring-1.html |archivedate=2020-04-17 |accessdate=2017-12-10 |url-status=dead|url-status-date=2020-05-14}}</ref>。1936年4月に[[イリノイ州]][[シカゴ]]で行われた[[アマチュア運動連合|全米体育協会]]の女子飛込競技選手権を制し、初めて大きな競技大会で優勝した<ref name="Evening">{{cite news|title=Fair Swimmers to Seek Titles|url=https://news.google.com/newspapers?id=Zw1QAAAAIBAJ&sjid=NFUDAAAAIBAJ&pg=5722%2C2314900|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=The Evening Independent|date=April 13, 1937}}</ref>。同年7月、開幕を目前に控えたベルリン五輪への出場選手を決定するため、女子飛込競技および女子競泳競技のアメリカ代表選考会が[[ニューヨーク]]で開かれ、ゲストリングは女子3メートル飛板飛込決勝で78.72点をマークして78.74点を記録した[[キャサリン・ロールズ]]に次ぐ2位に入り、同競技種目のアメリカ代表としてベルリン五輪に出場することが決まった<ref name="USA">{{cite web|title=1936 Olympic Tryout Results|url=http://www.usaswimming.org/_Rainbow/Documents/cd7383ce-cdf5-48eb-812a-06d8a435497c/1936TrialsResults.pdf|publisher=米国水泳連盟|language=en|accessdate=2017-12-10|format=PDF|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160814182129/http://www.usaswimming.org/_Rainbow/Documents/cd7383ce-cdf5-48eb-812a-06d8a435497c/1936TrialsResults.pdf|archivedate=2016-08-14}}</ref>。
+翌8月に開催されたベルリン五輪の女子3メートル飛板飛込競技は12日8時から実施され、ゲストリングとロールズによる激しい戦いとなった<ref name="Official"/>。当時の女子3メートル飛板飛込のルールは制限選択飛びで3回の試技を行なった後、自由選択飛びで3回の試技を行い、これら6回の試技の合計点を競うというものだった。金メダル争いは制限選択飛びの試技の段階で既に2人による一騎打ちの様相を呈し<ref name="Official"/>、制限選択飛びを経て自由選択飛びで2回目の試技が終わった時点で1位ロールズの総得点が73.41点、対する2位のゲストリングが73.27点という僅差での接戦となり、両選手がそれぞれ最後の試技に金メダルを賭けるスリリングな展開になった<ref name="Official">{{Cite web|title=The XIth Olympic Games Berlin, 1936 Official Report|url=http://library.la84.org/6oic/OfficialReports/1936/1936spart5.pdf|pages=977-980|publisher=[[国際オリンピック委員会]]|language=en|accessdate=2017-12-10|format=PDF|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180324092653/http://library.la84.org/6oic/OfficialReports/1936/1936spart5.pdf|archivedate=2018-03-24|url-status=dead|url-status-date=2020-05}}</ref>。ゲストリングはここで後踏切前宙返り1回半抱え型を決めて16.00点をマークし<ref name="Official"/>、総得点を89.27点として総得点88.35点のロールズを0.92点差で逆転し、金メダルを獲得した<ref name="reference"/><ref name="Official"/>。
-== 栄誉 ==
-[[1976年]]に[[国際水泳殿堂]]入りを果たした<ref name="ISHOF" />。
+この金メダルを獲得した[[1936年]][[8月12日]]の時点で、ゲストリングはまだ13歳268日であり、史上最年少の五輪金メダリストになった<ref name="countdownbbc"/>{{Refnest|group="†"|[[1900年]]に開催された[[1900年パリオリンピック|パリ五輪]]の[[オリンピックのボート競技|ボート競技]]舵手つきペア種目で、決勝進出を決めたものの舵手ヘマヌス・ブロックマンの体重が重いことを不利と考えた[[オランダ]]ペアは偶然会場の観客席にいた7歳から10歳ぐらいとみられる[[フランス人]]の少年を急きょ舵手に起用して決勝に出場し、金メダルを獲得した。そのため、この少年が史上最年少の五輪金メダリストではないかとする説がある<ref name="WSJ">{{cite news|1=和書|date=2016-08-12|author=JOSHUA ROBINSON|title=史上最年少の五輪選手めぐる謎 最有力候補は1900年大会ボート競技に出場した8歳の少年 - WSJ|url=https://jp.wsj.com/articles/SB11483107759614144642904582246301589434044|newspaper=[[ウォール・ストリート・ジャーナル|ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版]]|publisher=[[ダウ・ジョーンズ]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160814051308/https://jp.wsj.com/articles/SB11483107759614144642904582246301589434044|archivedate=2016年8月14日|accessdate=2019-03-22|publication-date=}}</ref>。しかし、この少年は[[国際オリンピック委員会]]（{{lang-en-short|The International Olympic Committee}}, 略称：IOC）の登録を受けておらず、また決勝終了後、オランダペアのフランソワ・ブラント、ルロフ・クレインの両選手と記念写真を撮影した直後に観客席へと姿を消し、そのまま消息不明となった<ref name="WSJ"/>。[[c:File:Rowing coxed pair 1900.jpg|このとき撮影された写真]]は[[1960年]]に発見されたものの、依然として少年の名前や年齢は判明しておらず<ref name="WSJ"/>、IOCの公式記録でも当該種目決勝のオランダペアの舵手は「UNKNOWN COX」としか記されていない<ref>{{cite web|title=Paris 1900 pair-oared shell with coxswain men - Olympic Rowing|url=https://www.olympic.org/paris-1900/rowing/pair-oared-shell-with-coxswain-men|publisher=国際オリンピック委員会|language=en|archiveurl=https://web.archive.org/web/20190322112354/https://www.olympic.org/paris-1900/rowing/pair-oared-shell-with-coxswain-men|archivedate=2019-03-22|accessdate=2019-03-22}}</ref>。そのため、公式には13歳268日で金メダルを獲得したゲストリングが史上最年少の五輪金メダリストとされている<ref name="countdownbbc"/>。}}。2017年8月に更新された[[国際オリンピック委員会]]の公式記録においても、ゲストリングが五輪個人種目での史上最年少金メダリストと記載されている<ref>{{cite web|date=2017-08|title=FACTSHEET RECORDS OF MEDALS AT THE GAMES OF THE OLYMPIAD UPDATE - August 2017|url=https://stillmed.olympic.org/media/Document%20Library/OlympicOrg/Factsheets-Reference-Documents/Games/Records-and-Medals/Factsheet-Records-of-medals-at-the-Games-of-the-Olympiad.pdf|publisher=国際オリンピック委員会|page=3|language=en|accessdate=2018-01-01|format=PDF}}</ref>。ロールズは最後の試技が14.94点とスコアを伸ばせず[[銀メダル]]にとどまったが<ref name="Official"/><ref>{{Cite web |url=https://www.sports-reference.com/olympics/athletes/ra/katherine-rawls-1.html |title=Katherine Rawls |publisher=[[Sports Reference]] LLC |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200417041912/https://www.sports-reference.com/olympics/athletes/ra/katherine-rawls-1.html |archivedate=2020-04-17 |accessdate=2017-12-10 |url-status=dead|url-status-date=2020-05-14}}</ref>、総得点82.36点で[[ドロシー・ポイントン＝ヒル]]も[[銅メダル]]を獲得し<ref name="Official"/><ref>{{Cite web |url=https://www.sports-reference.com/olympics/athletes/po/dorothy-poynton-hill-1.html |title=Dorothy Poynton-Hill |publisher=[[Sports Reference]] LLC |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200417041909/https://www.sports-reference.com/olympics/athletes/po/dorothy-poynton-hill-1.html |archivedate=2020-04-17 |accessdate=2017-12-10 |url-status=dead|url-status-date=2020-05-14}}</ref>、この種目は前回[[1932年]][[1932年ロサンゼルスオリンピックの飛込競技#3m飛板飛び込み_2|ロサンゼルス五輪]]に続き米国代表の3人が表彰台を独占した。[[オハイオ州]][[トレド (オハイオ州)|トレド]]の地方紙『The News-Bee Sports』紙は、女子3メートル飛板飛込競技でのゲストリングとロールズとの戦いについて、1万5000人の観衆が見守る中で行われた金メダルをめぐる非常にエキサイティングな「決闘（duel）」だったと論評している<ref>{{cite news|last=Cameron|first=Stuart|title=Women Swimmers of America Win Diving and Take Lead|url=https://news.google.com/newspapers?id=3ZdYAAAAIBAJ&sjid=zUQNAAAAIBAJ&pg=5037%2C4794480|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=The Toledo News-Bee|date=August 12, 1936}}</ref>。13歳で五輪金メダリストになったゲストリングにとって、このベルリン大会が最初で最後の五輪大会になるとは当時、誰も考えなかった<ref name="ISHOF.org"/>。
+=== ベルリン五輪大会以後の競技生活 ===
+ベルリン五輪の閉幕後、ゲストリングは次の[[夏季オリンピック|五輪大会]]である[[1940年]][[1940年東京オリンピック|東京五輪]]に向けて全米選手権に出場し、[[1938年]]と[[1939年]]の両大会で女子3メートル飛板飛込を制した<ref>{{cite news|title=Florida Swimming Star Retains 440-Yard Title|url=https://news.google.com/newspapers?id=ZYUcAAAAIBAJ&sjid=jGQEAAAAIBAJ&pg=2400%2C1703241|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=Sarasota Herald-Tribune|date=July 24, 1938}}</ref>。また、[[1937年]]には[[アリゾナ州]]の地方大会にも出場し、ここでも優勝している<ref>{{cite news|title=Marjorie Gestring Wins Diving Crown|url=https://news.google.com/newspapers?id=0Y4kAAAAIBAJ&sjid=1KMFAAAAIBAJ&pg=4301%2C1060386|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=Berkeley Daily Gazette|date=September 13, 1937}}</ref>。1938年7月に東京は[[日中戦争]]の長期化を理由に1940年五輪の開催権を返上し、その代替として[[フィンランド]]の[[ヘルシンキ]]が開催予定地になったが、1939年9月に[[第二次世界大戦]]が始まったため1940年の五輪大会は開催そのものが中止となった<ref name="countdownbbc"/>。しかし、それでもゲストリングはアメリカ国内の競技大会への出場を続け、全米選手権では1939年・1940年と2大会連続で女子10メートル高飛込の金メダルを獲得した<ref name="Lakeland">{{cite news|title=Marjorie Gestring Annexes Title in High Diving|url=https://news.google.com/newspapers?id=Y00xAAAAIBAJ&sjid=m-QFAAAAIBAJ&pg=5968%2C1192806|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=Berkeley Daily Gazette|date=September 16, 1940}}</ref>。さらに1940年には女子3メートル飛板飛込でも金メダルを獲得している<ref>{{cite news|title=Marjorie Gestring Wins National High Diving Title|url=https://news.google.com/newspapers?id=n2IiAAAAIBAJ&sjid=oasFAAAAIBAJ&pg=5306%2C1338159|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=San Jose Evening News|date=September 16, 1940}}</ref>。ゲストリングはその競技生活において全米選手権の女子3メートル飛板飛込で6つの金メダル、女子10メートル高飛込で2つの金メダルを獲得した<ref name="ISHOF.org"/>。
+ゲストリングの強さは空中フォームと宙返り・ひねりの正確さと美しさ、そして、それらを試技に巧みに織り込む芸術性にあった<ref name="countdownbbc"/>。第二次世界大戦のため1940年五輪と[[1944年]][[1944年ロンドンオリンピック|ロンドン五輪]]が開催中止となり、五輪には1936年のベルリン大会にしか出場できなかったが、同時代に競技生活を送った同僚の元女子飛込競技選手であるマーガレット・アンブロシアは、「当時は女子飛込競技界でアメリカが非常に強い時代だった。そのアメリカで誰もゲストリングに勝てなかったのだから、もし1940年の五輪大会が計画通りに開催されていたならば、おそらく彼女は金メダルを獲得していただろう」と[[1984年]]に語っている<ref name=kepther>{{cite news|last=Wojciaczyk|first=Stan|title=War kept her from the Olympics, but not from medal|url=https://news.google.com/newspapers?id=RdQvAAAAIBAJ&sjid=ZfsDAAAAIBAJ&pg=4175%2C4007309|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=Lakeland Ledger|date=August 12, 1984}}</ref>。
+[[アメリカオリンピック委員会]]（{{lang-en-short|The United States Olympic Committee}}, 略称：USOC）は開催されるはずだった1940年五輪大会の幻のメダルの代替として金銀銅のメダルを授与することを決定し、ゲストリングはUSOCから金メダルの授与を受けた<ref name=kepther/>。[[1948年]][[1948年ロンドンオリンピック|ロンドン五輪]]への出場にも挑戦したが、アメリカ代表選考会で4位にとどまり、出場はならなかった<ref name="reference"/><ref>{{cite web|title=1948 Olympic Tryout Results|url=http://www.usaswimming.org/USASWeb/_Rainbow/Documents/ff38b442-d99c-421b-84ce-4e42406d87a1/1948.pdf|publisher=米国水泳連盟|language=en|accessdate=2017-12-13|format=PDF|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090327063240/http://www.usaswimming.org/USASWeb/_Rainbow/Documents/ff38b442-d99c-421b-84ce-4e42406d87a1/1948.pdf|archivedate=2009-03-27}}</ref>。
+年4月20日、ゲストリングはカリフォルニア州ヒルズボロの自宅で事故のため69歳で死去した<ref>{{cite news|last=Harvey|first=Randy|title='84 Olympic Flame Still Burns|url=https://pqasb.pqarchiver.com/latimes/doc/281744613.html?FMT=ABS&FMTS=ABS:FT&type=current&date=May%2011,%201992&author=RANDY%20HARVEY&pub=Los%20Angeles%20Times%20(pre-1997%20Fulltext)&edition=&startpage=&desc=WORLD%20SPORTS%20SCENE%20/%20RANDY%20HARVEY%20%2784%20Olympic%20Flame%20Still%20Burns|accessdate=2017-12-10|language=en|newspaper=[[ロサンゼルス・タイムズ]]|date=May 11, 1992}}</ref>。
 == 脚注 ==
-{{Reflist}}
+{{脚注ヘルプ}}
+=== 注釈 ===
+{{Reflist|group="†"}}
+=== 出典 ===
+{{Reflist|2}}
+== 関連項目 ==
+{{Commonscat|Marjorie Gestring|マージョリー・ゲストリング}}
+*[[1936年ベルリンオリンピックの飛込競技]]
 == 外部リンク ==
+* {{Sports links}}
-* {{SportsReference|ge/marjorie-gestring-1}}
-* {{ISHOF}}
+{{Normdaten}}
+{{飛込競技オリンピック金メダリスト女子3m飛板飛込|state=collapsed}}
+{{Swimming-bio-stub}}
 {{DEFAULTSORT:けすとりんく まあしよりい}}
-[[Category:アメリカ合衆国の飛込競技選手]]
+[[Category:アメリカ合衆国の女子飛込競技選手]]
 [[Category:飛込競技のオリンピックメダリスト]]
-[[Category:アメリカ合衆国のオリンピック選手]]
+[[Category:オリンピック飛込競技アメリカ合衆国代表選手]]
 [[Category:アメリカ合衆国のオリンピック金メダリスト]]
 [[Category:国際水泳殿堂]]
 [[Category:1922年生]]
 [[Category:1992年没]]
-{{Swimming-bio-stub}}

典拠管理データベース
全般	VIAF
国立図書館	ドイツ

獲得メダル
マージョリー・ゲストリング
アメリカ合衆国
女子飛込競技
全米選手権大会
金	1938	女子 3m飛板飛込
金	1939	女子 3m飛板飛込
金	1939	女子 10m高飛込
金	1940	女子 3m飛板飛込
金	1940	女子 10m高飛込
オリンピック大会
金	1936	女子 3m飛板飛込