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2017年11月28日 (火) 11:10時点における版
ノーベル生理学・医学賞 | |
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受賞対象 | 生理学、医学 |
会場 | ストックホルム |
国 | スウェーデン |
主催 | カロリンスカ研究所 |
初回 | 1901年 |
最新回 | 2017年 |
最新受賞者 | ジェフリー・ホール マイケル・ロスバッシュ マイケル・ヤング |
公式サイト | http://www.nobelprize.org/ |
ノーベル生理学・医学賞(ノーベルせいりがく・いがくしょう、スウェーデン語: Nobelpriset i fysiologi eller medicin)はノーベル賞6部門のうちの一つ。「生理学および医学の分野で最も重要な発見を行った」人物に与えられる。選考はカロリンスカ研究所のノーベル賞委員会が行う。
ノーベル生理学・医学賞のメダルは、表面にはアルフレッド・ノーベルの横顔(各賞共通)、裏面には膝の上に本を広げつつ、病気の少女のために岩から流れる水を汲んでいる医者の姿がデザインされている[1]。
歴代受賞者
1900年代
年度 | 受賞者名 | 国籍 | 受賞理由 | |
---|---|---|---|---|
1901年 | エミール・アドルフ・フォン・ベーリング Emil Adolf von Behring |
ドイツ帝国 | 血清療法の研究[2]、特にジフテリアに対するものによって、医学の新しい分野を切り開き、生理学者の手に疾病や死に勝利しうる手段を提供したこと。 | |
1902年 | ロナルド・ロス Ronald Ross |
イギリス | マラリアの研究によってその感染経路を示し[3]、疾病やそれに対抗する手段に関する研究の基礎を築いたこと | |
1903年 | ニールス・フィンセン Niels Ryberg Finsen |
デンマーク | 疾病の治療法への寄与、特に尋常性狼瘡への光線治療法によって、医学の新しい領域を開拓したこと | |
1904年 | イワン・パブロフ Ivan Petrovich Pavlov |
ロシア | 消化生理の研究により、その性質に関する知見を転換し拡張したこと[4] | |
1905年 | ロベルト・コッホ Robert Koch |
ドイツ帝国 | 結核に関する研究と発見[5] | |
1906年 | カミッロ・ゴルジ Camillo Golgi |
イタリア王国 | 神経系の構造研究[6] | |
サンティアゴ・ラモン・イ・カハール Santiago Ramón y Cajal |
スペイン王国 | |||
1907年 | シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴラン Charles Louis Alphonse Laveran |
フランス | 疾病発生における原虫類の役割に関する研究[7] | |
1908年 | イリヤ・メチニコフ Ilya Ilyich Mechnikov |
ロシア | 免疫の研究[8] | |
パウル・エールリヒ Paul Ehrlich |
ドイツ帝国 | |||
1909年 | エーミール・コッハー Emil Theodor Kocher |
スイス | 甲状腺の生理学、病理学および外科学的研究[9] |
1910年代
年度 | 受賞者名 | 国籍 | 受賞理由 | |
---|---|---|---|---|
1910年 | アルブレヒト・コッセル Albrecht Kossel |
ドイツ帝国 | 核酸物質[10]を含む、タンパク質に関する研究による細胞化学の知見への寄与 | |
1911年 | アルヴァル・グルストランド Allvar Gullstrand |
スウェーデン | 眼の屈折機能に関する研究 | |
1912年 | アレクシス・カレル Alexis Carrel |
フランス | 血管縫合および臓器の移植に関する研究[11] | |
1913年 | シャルル・ロベール・リシェ Charles Robert Richet |
フランス | アナフィラキシーの研究[12] | |
1914年 | ローベルト・バーラーニ Róbert Bárány |
オーストリア=ハンガリー帝国 | 内耳系の生理学および病理学に関する研究[13] | |
1915年 | 受賞者なし | |||
1916年 | ||||
1917年 | ||||
1918年 | ||||
1919年 | ジュール・ボルデ Jules Bordet |
ベルギー | 免疫に関する諸発見[14] |
1920年代
年度 | 受賞者名 | 国籍 | 受賞理由 | |
---|---|---|---|---|
1920年 | アウグスト・クローグ Schack August Steenberg Krogh |
デンマーク | 毛細血管運動に関する調整機構の発見 | |
1921年 | 受賞者なし | |||
1922年 | アーチボルド・ヒル Archibald Vivian Hill |
イギリス | 筋肉中の熱生成に関する発見 | |
オットー・マイヤーホフ Otto Fritz Meyerhof |
ドイツ国 | 筋肉における乳酸生成と酸素消費の固定的関連の発見 | ||
1923年 | フレデリック・バンティング Frederick Grant Banting |
カナダ | インスリンの発見 | |
ジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド John James Rickard Macleod |
イギリス | |||
1924年 | ウィレム・アイントホーフェン Willem Einthoven |
オランダ | 心電図の機構の発見 | |
1925年 | 受賞者なし | |||
1926年 | ヨハネス・フィビゲル Johannes Andreas Grib Fibiger |
デンマーク | 寄生虫発がん説に関する研究 | |
1927年 | ユリウス・ワーグナー=ヤウレック Julius Wagner-Jauregg |
オーストリア | 麻痺性痴呆に対するマラリア接種の治療効果の発見 | |
1928年 | シャルル・ジュール・アンリ・ニコル Charles Jules Henri Nicolle |
フランス | チフスに関する研究 | |
1929年 | クリスティアーン・エイクマン Christiaan Eijkman |
オランダ | 抗神経炎ビタミン[15]の発見 | |
フレデリック・ホプキンズ Frederick Gowland Hopkins |
イギリス | 成長促進ビタミン[16]の発見 |
1930年代
年度 | 受賞者名 | 国籍 | 受賞理由 | |
---|---|---|---|---|
1930年 | カール・ラントシュタイナー Karl Landsteiner |
オーストリア | ヒトの血液型の発見 | |
1931年 | オットー・ワールブルク Otto Heinrich Warburg |
ドイツ国 | 呼吸酵素の特性および作用機構の発見 | |
1932年 | チャールズ・シェリントン Charles Scott Sherrington |
イギリス | 神経細胞の機能に関する発見 | |
エドガー・エイドリアン Edgar Douglas Adrian |
イギリス | |||
1933年 | トーマス・ハント・モーガン Thomas Hunt Morgan |
アメリカ合衆国 | 遺伝における染色体の役割に関する発見 | |
1934年 | ジョージ・H・ウィップル George Hoyt Whipple |
アメリカ合衆国 | 貧血に対する肝臓療法に関する発見 | |
ジョージ・リチャーズ・マイノット George Richards Minot |
アメリカ合衆国 | |||
ウィリアム・P・マーフィ William Parry Murphy |
アメリカ合衆国 | |||
1935年 | ハンス・シュペーマン Hans Spemann |
ドイツ国 | 胚発生における誘導作用の発見 | |
1936年 | ヘンリー・ハレット・デール Henry Hallett Dale |
イギリス | 神経刺激の化学的伝達に関する発見 | |
オットー・レーヴィ Otto Loewi |
アメリカ合衆国 ( ドイツ オーストリア出身) | |||
1937年 | アルベルト・セント=ジェルジ Albert Szent-Györgyi de Nagyrápolt |
ハンガリー王国 | 生物学的燃焼過程、特にビタミンCおよびフマル酸の触媒作用に関する発見 | |
1938年 | コルネイユ・ハイマンス Corneille Jean François Heymans |
ベルギー | 呼吸調節における静脈洞と大動脈機構の役割の発見 | |
1939年 | ゲルハルト・ドーマク Gerhard Domagk |
ドイツ国 | プロントジルの抗菌効果の発見 |
1940年代
年度 | 受賞者名 | 国籍 | 受賞理由 | |
---|---|---|---|---|
1940年 | 受賞者なし | |||
1941年 | ||||
1942年 | ||||
1943年 | カール・ピーター・ヘンリク・ダム Henrik Carl Peter Dam |
デンマーク | ビタミンKの発見 | |
エドワード・アダルバート・ドイジー Edward Adelbert Doisy |
アメリカ合衆国 | ビタミンKの化学的性質の発見 | ||
1944年 | ジョセフ・アーランガー Joseph Erlanger |
アメリカ合衆国 | 個々の神経繊維の高度に分化された機能に関する諸発見 | |
ハーバート・ガッサー Herbert Spencer Gasser |
アメリカ合衆国 | |||
1945年 | アレクサンダー・フレミング Alexander Fleming |
イギリス | ペニシリンの発見、および種々の伝染病に対するその治療効果の発見 | |
エルンスト・ボリス・チェーン Ernst Boris Chain |
イギリス | |||
ハワード・フローリー Howard Walter Florey |
オーストラリア | |||
1946年 | ハーマン・J・マラー Hermann Joseph Muller |
アメリカ合衆国 | X線照射による突然変異体発生の発見 | |
1947年 | カール・コリ Carl Ferdinand Cori |
アメリカ合衆国 ( チェコ出身) |
グリコーゲンの触媒的分解経路の発見 | |
ゲルティー・コリ Gerty Theresa Cori |
アメリカ合衆国 ( チェコ出身) | |||
バーナード・ウッセイ Bernardo Alberto Houssay |
アルゼンチン | 脳下垂体前葉ホルモンの糖代謝における役割の発見 | ||
1948年 | パウル・ヘルマン・ミュラー Paul Hermann Müller |
スイス | 多数の節足動物に対するDDTの接触毒としての強力な作用の発見 | |
1949年 | ヴァルター・ルドルフ・ヘス Walter Rudolf Hess |
スイス | 内臓の活動を統合する間脳の機能組織の発見 | |
アントニオ・エガス・モニス António Egas Moniz |
ポルトガル | ある種の精神病に対する前額部大脳神経切断の治癒的価値の発見 |
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
年度 | 受賞者名 | 国籍 | 受賞理由 | |
---|---|---|---|---|
2010年 | ロバート・G・エドワーズ Robert G. Edwards |
イギリス | 体外授精技術の開発 | |
2011年 | ブルース・ボイトラー Bruce Beutler |
アメリカ合衆国 | 自然免疫の活性化に関する発見 | |
ジュール・ホフマン Jules A. Hoffmann |
フランス ( ルクセンブルク出身) | |||
ラルフ・スタインマン Ralph M. Steinman |
カナダ | 樹状細胞と、獲得免疫におけるその役割の発見 | ||
2012年 | ジョン・ガードン John Gurdon |
イギリス | 成熟した細胞に対してリプログラミングにより多能性(分化万能性)を持たせられることの発見[17] | |
山中伸弥 Shinya Yamanaka |
日本 | |||
2013年 | ランディ・シェクマン Randy Schekman |
アメリカ合衆国 | 細胞内で生成されたタンパク質を細胞核などの目的の場所まで運ぶ仕組み(小胞輸送)の解明[18] | |
ジェームズ・ロスマン James Rothman |
アメリカ合衆国 | |||
トーマス・スードフ Thomas C. Südhof |
アメリカ合衆国 ( ドイツ出身) | |||
2014年 | ジョン・オキーフ John O'Keefe |
アメリカ合衆国 イギリス |
脳内の空間認知システムを構成する細胞の発見 | |
マイブリット・モーセル May-Britt Moser |
ノルウェー | |||
エドバルド・モーセル Edvard I. Moser |
ノルウェー | |||
2015年 | ウィリアム・C・キャンベル William C. Campbell |
アイルランド アメリカ合衆国 |
線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見[19] | |
大村智 Satoshi Ōmura |
日本 | |||
屠呦呦 Tu Youyou |
中国 | マラリアに対する新たな治療法に関する発見[19] | ||
2016年 | 大隅良典 Yoshinori Ohsumi |
日本 | オートファジーの仕組みの解明[20] | |
2017年 | ジェフリー・ホール Jeffrey C. Hall |
アメリカ合衆国 | 概日リズムを制御する分子メカニズムの発見[21] | |
マイケル・ロスバッシュ Michael Rosbash |
アメリカ合衆国 | |||
マイケル・ヤング Michael W. Young |
アメリカ合衆国 |
脚注
- ^ “ノーベル賞のメダル”. アワードプレス. 2017年10月4日閲覧。
- ^ 血清療法はベーリングと北里柴三郎により開発された。
- ^ マラリア原虫がハマダラカの体内にいることを実証した。
- ^ 唾液腺の研究から派生したのがパブロフの犬の実験であり、受賞講演でもパブロフは消化腺の話題より条件反射の話題を取り上げている。
- ^ 結核菌を発見し、その病原性を実証した。
- ^ カハールが神経のニューロン説を提唱し、ゴルジが開発したゴルジ染色の手法によりそれが実証された。
- ^ マラリア原虫を発見した。
- ^ メチニコフは白血球の食作用を提唱、エールリヒは抗原抗体反応の側鎖説を提唱した。
- ^ 甲状腺腫瘍について研究を行い、最初の全切除に成功している。
- ^ 核酸塩基であるアデニン・シトシン・グアニン・チミン・ウラシルの単離に成功している。
- ^ 血管吻合の術法を開発し、イヌの腎移植についての研究を行った。
- ^ アナフィラキシー・ショックを発見している。
- ^ 三半規管とめまいの研究を行っている。
- ^ 補体結合反応を発見した。
- ^ 後にビタミンB1として知られる。
- ^ 後にビタミンAとして知られる。
- ^ The 2012 Nobel Prize in Physiology or Medicine - Press Release, Nobelprize.org, (2012-10-08)
- ^ 米3教授にノーベル医学生理学賞 細胞内の物質輸送 産経新聞 2013年10月7日閲覧
- ^ a b “The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2015”. Nobel Foundation. 2015年10月5日閲覧。
- ^ “The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2016” (English). Nobel Foundation. 2016年10月3日閲覧。
- ^ The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2017、2017年10月2日閲覧。