「相鉄8000系電車」の版間の差分
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* 塗装変更:2007年4月からこれまで系列別に施していた車体の塗装を、全車両相鉄の新[[コーポレートカラー]]である青色とオレンジ色に塗り替えられることが発表された。新しい塗り分けは当時最新だった10000系電車を基にしたもので本系列の左右非対称のデザインは目立たないものになっている。また、車体のドア以外に[[相鉄9000系電車|9000形電車]]と同様の白色(ライトグレー)カラー塗装もされている。本系列で最初に塗り替えられた編成は8703Fで2007年10月18日から営業運転を開始した。当初の予定では、[[2010年]]度末までに終了させるとしていたが<ref>{{PDFlink|[http://web.archive.org/web/20070317211838/http://www.sotetsu-group.co.jp/news_release/archives/PDF/070315_01.pdf 相鉄公式サイトのニュースリリース]}}(2007年3月17日時点の[[インターネット |
* 塗装変更:2007年4月からこれまで系列別に施していた車体の塗装を、全車両相鉄の新[[コーポレートカラー]]である青色とオレンジ色に塗り替えられることが発表された。新しい塗り分けは当時最新だった10000系電車を基にしたもので本系列の左右非対称のデザインは目立たないものになっている。また、車体のドア以外に[[相鉄9000系電車|9000形電車]]と同様の白色(ライトグレー)カラー塗装もされている。本系列で最初に塗り替えられた編成は8703Fで2007年10月18日から営業運転を開始した。当初の予定では、[[2010年]]度末までに終了させるとしていたが<ref>{{PDFlink|[http://web.archive.org/web/20070317211838/http://www.sotetsu-group.co.jp/news_release/archives/PDF/070315_01.pdf 相鉄公式サイトのニュースリリース]}}(2007年3月17日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref><ref>[http://www.kanaloco.jp/railroad/entry/railroad95/ 神奈川新聞社の記事1]{{リンク切れ|date=2013年8月}}</ref><ref>[http://www.kanaloco.jp/railroad/entry/railroad87/ 神奈川新聞社の記事2]{{リンク切れ|date=2013年8月}}</ref>、最終的には[[2014年]]度末までに全編成の塗装変更が完了する予定と発表され<ref>{{cite news|url=http://response.jp/article/2014/06/04/224673.html|title=赤帯編成が一同に…相鉄が6月15日「さよなら赤帯旧塗装」撮影会|work=レスポンス鉄道ニュース|date=2014-06-04|accessdate=2014-07-30}}</ref>、最後まで旧塗装で残っていた8712Fが2014年12月中旬に塗り替えが完了し、8000系の旧塗装車は消滅した。ただし、今後は9000系([[相鉄9000系電車#リニューアル|リニューアル車]])と同様の[[YOKOHAMA NAVYBLUE]](ヨコハマネイビーブルー)塗装に変更となる予定である<ref>[http://www.rjnet.jp/journal/1601.html 鉄道ジャーナル 2016年1月号]</ref>。 |
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:*8703F:2007年10月15日 - 9000系9701Fと同一仕様とされ、[[鉄道の車両番号|車両番号]]表記は従来のプレート式から[[相鉄10000系電車|10000系]]と同じ書体の切り抜き式とされた。 |
:*8703F:2007年10月15日 - 9000系9701Fと同一仕様とされ、[[鉄道の車両番号|車両番号]]表記は従来のプレート式から[[相鉄10000系電車|10000系]]と同じ書体の切り抜き式とされた。 |
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:*8710F:2008年6月20日 |
:*8710F:2008年6月20日 |
2017年9月4日 (月) 21:01時点における版
相鉄8000系電車 | |
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相鉄8000系新塗装 (2016年5月3日、鶴ヶ峰-二俣川) | |
基本情報 | |
製造所 | 日立製作所 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067(狭軌) mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 100 km/h |
設計最高速度 | 110 km/h |
起動加速度 | 3.0 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 1,522人(標準) |
全長 | 20,000(先頭車 20,200) mm |
全高 |
4,050mm パンタグラフ搭載車は4,149 mm |
主電動機 | かご形三相誘導電動機(HSV-03型) |
主電動機出力 | 150kW |
駆動方式 | 直角カルダン駆動 |
歯車比 | 49:10 |
編成出力 | 3,600kW (6M4T) |
制御装置 | VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 遅れ込め制御付き回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ・保安ブレーキ |
保安装置 |
自動列車停止装置 (ATS-P型) 列車無線 EB装置 デッドマン装置 |
相鉄8000系電車(そうてつ8000けいでんしゃ)は、1990年(平成2年)から製造された相模鉄道の通勤形電車。
解説の便宜上、個別の編成について記述する場合は編成中の横浜方先頭車(1号車)のクハ8700形の番号を取り、「8701F」(Formation = 編成)と書くことによって各編成を表すことにする[注 1]。
概要
1960年代から1970年代にかけて製造された大量の6000系電車の老朽化が目立ってきたために、置き換えを目的に開発された車両である。開発コンセプトは「21世紀になっても通用する車両」ということで、内外装ともに従来の車両とは大きく変化したが、直角カルダン駆動方式、外から見えるディスクブレーキなどの特徴は、従来の新規製造車と同様、相鉄の特徴を残している。発注先は従来の新造車と同じく日立製作所である。
最初の編成は1990年(平成2年)12月に営業運転を開始し、以後1999年(平成11年)までに10両編成13本(130両)が登場し、6000系を順次置き換えていった。なお、後述の事故により、10両編成1本が廃車となっている。途中1993年(平成5年)には別形式として東急車輛製造製の9000系電車が登場し、本系列と並行して導入がすすめられたことが特筆される。
車体
前面は従来の切妻形のデザインを一新して「く」の字型となり、曲線を多用し左右非対称の立体感のあるデザインを採用し、従来車両のイメージとは一変している。
車体の材質は軽量性に優れるアルミニウム合金製で、長さ20m級で片側4つの両開きドアを持つ通勤型の車体である。なお、車体幅は2930mmと車両限界まで広げてある。また、全編成が10両貫通編成で導入され、幅広の車体とともに乗客の増加に対応できるように配慮されている[注 2]。ライト類の配置も一新され、前照灯は車体中央下部に、尾灯は車体上部に設置された[注 3]。車体と一体感のある白色の排障器の採用などは後の9000系にも影響を与えている。
車体側面の表示についても従来は「急行」や「各停」といった列車種別の表示だけであったのに対し、本系列は相鉄で初めて行き先の駅名を表示した。これらの機器が字幕の車両では「急行」「横浜」というような、別々の表示器で表示されるが、LED表示の編成は一つの表示器でまとめて表示される。
- 表示内容については「#種別・行き先表示」を参照
屋根上には登場当初から集中式冷房装置を搭載しているが、従来搭載していたベンチレーター(通風器)については本系列を含め以後搭載されていない。
統一カラー導入以前のデザイン
- 導入の経緯・以降については「#更新工事」を参照
地の色を活かしたクリア塗装が施されており、赤色と白色のテープを車体下部に貼ることでアクセントをつけていた。また、前面窓を大きく見せるために窓周りを黒く塗る「ブラックフェイス」も新7000系電車に続き採用された(新塗装でも若干の変更はあるが残っている)。なお、先頭部は白色が多用されている。
車内設備
蛍光灯の数が多いこと、白色の化粧板を多用していることにより、車内は従来車両よりもかなり明るく、設計段階で「走る応接室」をコンセプトに目指したとも言われている[1]。化粧板は従来は金属むき出しであった客室扉内側や連結面の貫通扉など細かい部分にも使われており、統一感を出したものとなっている。新7000系と同様、床には駆動装置点検蓋が設けられている。
座席はロングシートを基本とするが、新7000系で試験的に採用されたセミクロスシートが本格的に採用されており、各編成に2両ずつ(5号車と8号車)組み込まれている。新7000系のものよりもシートピッチが50mm広げられている。編成内でのセミクロスシート車の位置は新7000系最終増備編成と変わらず、同じ設備を持つ9000系も同じである。7人掛けのロングシートはオレンジ色を基調とし、3+1+3人分に色分けされて着席区分を明確化している。また、従来の車両同様、側窓は下降式1枚で電気指令油圧式自動窓を採用し、設置されているつり革の多さなど相鉄独自の拘りも健在である。自動窓は、乗務員室からの操作で全ての窓を一斉に昇降することが可能である。
客用案内設備として、LEDにより文字を表示するタイプの案内装置が設置され、行き先と次の停車駅のほか文字による広告も流すことができる。
-
ロングシート車の車内
-
セミクロスシート車の車内
-
5・8号車に設置されている
ボックスシート -
8701F - 8709Fの登場時に設置されていた
妻部車内案内表示装置(現在はドア上のLEDに交換) -
8701F - 8713Fに
設置されている
客用ドア上
車内案内表示装置
走行設備
制御装置は、新7000系の実績を踏まえて日立製GTO素子を使用したPMV方式の大容量の(制御器の容量は4500V/3600A)回生ブレーキ付VVVFインバータ制御を本格的に採用した。1台の制御装置で8台のかご形三相誘導電動機を制御している。
ただし、新7000系1C4M制御と異なり、動力車はモハ8100形とモハ8200形を2両1組のユニット構成とし、モハ8100形にVVVF装置を搭載して1C8M制御とすることで、必要数削減によるコスト削減を図っている。滑走の多発した新7000系での反省を生かし、モーター1つ当たりの出力は抑えたものの動力車の比率を6M4T(動力車6両、付随車4両)とし、新7000系VVVF制御の編成 (4M6T) より電動車の比率を上げているため、滑走・空転は発生しにくい。
駆動方式は、従来車と同じ直角カルダン駆動方式である。台車は新7000系VVVF制御の車両が装備していたものの改良型で、電動車が日立KH132A型、それ以外の車両はKH135型を装備する。基礎ブレーキ装置はディスクブレーキで、踏面清掃・増粘着装置を全軸に取り付けた。ただし、ブレーキ方式は新7000系VVVF制御編成で採用された極めて珍しい“回生ブレーキ付日立式電磁直通ブレーキ”ではなく、相鉄の車両で初めて電気指令式ブレーキを採用した。非常時に在来の電磁直通ブレーキ採用車両と連結可能になるようにブレーキ読み替え装置を各先頭車に搭載する。
起動加速度3.0km/h/s、最高速度は110km/h(運転時は100km/h程度)と大手私鉄の通勤型電車としては標準の性能を有する。余談だが、本系列の導入直前の1990年(平成2年)5月から相模鉄道は準大手私鉄から大手私鉄に格上げされた。
運転機器
相鉄の車両として初めて運転室内にモニタが設置され、扉の開閉状況や次の停車駅などを乗務員に知らせるようになっている。ほかに車両運用の管理も車両搭載のコンピューターが行い、モニタに表示される。
運転台はマスターコントローラーとブレーキハンドルを有するツーハンドルと呼ばれるものである。
保安設備
全ての編成に自動列車停止装置 (ATS)、列車無線、デッドマン装置が搭載されている。現在相鉄ではJRとの直通計画が進んでおり、これを機に保安装置をJR仕様のものに改修する予定である。そのため、後述のようにATSや列車無線の種類を変更する工事や、運転士の体調の急変に備えるEB装置を追加設置する工事が行われた。
編成間の差異
製造時期による違い
なお、以下の区分は便宜上のものである。
1次車
1990年に製造された8701Fと1991年に製造された8702F・8703Fが該当。行先表示器・運用番号表示器が幕式で、行先表示器は本系列から側面表示が従来の種別表示のみから行先も表示するようになっている。車両妻部にLED式3行表示の案内表示器を設置。運転台仕切り扉の窓は小型である。
2次車
1992年に製造された8704F - 8706Fが該当。このグループより、運用番号表示器が7セグメントマグサイン式となった。また、運転台仕切り扉の窓寸法が拡大された。
3次車
1993年に製造された8707Fと1994年に製造された8708Fが該当。このグループより、同時期に登場した9000系に合わせて、車椅子スペースが両先頭車に設置された。また、従来は海老名方先頭車のみに設置されていた誘導無線のアンテナが、横浜方先頭車にも設置された。位置は先頭車の隣の車両よりの部分である。
8708Fは当初試験的な要素を多く搭載しており、前面の行先表示器をLED式とし[注 4]、補助電源装置は静止形インバータ (SIV 170kVA) を搭載した。これらは、後述する8709Fから本格採用された。なお、LED式行先表示器については、後年側面に合わせ幕式とされたが、SIVについては変更されていない。
4次車
1995年に製造された8709Fが該当。この編成より、LED式行先表示器とSIVが本格的に採用されている。ただし、行先表示器の書体は明朝体に改められた。
5次車
1996年に製造された8710Fが該当。車内案内表示器の位置は客用ドア上に[注 5]変更された。
6次車
1997年に製造された8711Fが該当。5次車とほぼ同仕様だが、案内表示器未設置部分のドアチャイムスピーカーのカバーの形状が変更され、セミクロスシートの車両はコスト削減のためつり革取り付け用のポールが一体化された。ドアの動作音も若干静かになっている。さらに、この編成から蛍光灯の位置がつり革のポールと平行な位置に変更された。なお、この編成の導入に伴い新6000系が離脱し始めた。
7次車
1998年に製造された8712Fと1999年に製造された8713Fが該当。6次車とほぼ同仕様だが、落成時からパンタグラフはシングルアーム式を搭載している。当初は8712Fで製造を終える予定であったが、3000系が相模大塚駅構内で起こした脱線事故で廃車されたことによる代替編成として8713Fが製造された。なお、相鉄における日立製作所製の車両は同編成が導入された後、2017年に20000系が導入されるまで18年間途絶えることとなった。
その他の違い
- 車内号車番号表記の書体は、8711Fまでが他系列と同じ通常のゴシック体だが、8712Fと8713Fは丸ゴシック体を使用している。
- セミクロスシート部分に増設されたつり革は8710Fのみ形が違っていた(三角形)が、この編成は更新に合わせて残りの部分も全て三角形になった。
更新工事
導入当初との変更点は以下のとおりである。これらの工事は一気には行われず、段階的に行われている他、一部の編成では施工内容が異なる。各種の工事は後に登場した自社の10000系電車や、当時JRの最新の通勤型車両であったJR東日本E233系電車(後に相鉄でも亜流車の11000系電車が登場)に準じるように改造されている。また、初期編成ではこれら新型車両の他にも後期編成と同等の設備を持つように改造されている。以下、部分ごとに記述する。
特に2007年秋からは、車椅子スペースの設置[注 6]や前述のように保安装置の改修など本格的な更新工事が行われている。
車体
- 冷房装置の冷媒を代替フロンに変更。この工事を受けた車両は屋根上のクーラーキセが換装されており、外部からでも確認できる。
- 菱形のパンタグラフを搭載して落成した車両の一部も後にシングルアーム式に換装されている。2007年3月ごろからパンタグラフのホーン部分に黄色系の蛍光色が塗装されているが、これは他系列も同様である。
- ロゴ:2006年秋から車体前面および車体側面に相鉄グループの新しいグループマークおよび"SOTETSU"文字列を貼付。このマークは同年の夏に制定されたものである。後述の塗装変更後はマークの色が変更されている(各種の画像を参考)。
- 弱冷房車のシールが新しいものに変更され新たにその号車の扉横にも貼られた。
これに加えて初期編成(8701F〜8709F。ただし8707Fは除く)に対しては以下の工事が行われ、後期編成(8710F〜8713F)・新型車両とのサービス格差の是正が図られた。
- 種別・行き先表示のフルカラーLED化(ただし8709F以降は除く)。
- 表示内容については「#種別・行き先表示」を参照
- 側扉を東京メトロ10000系に類似したステンレス製のものへ交換(2011年2月に施工された8703Fを皮切りに順次施工中)。
施行編成 8703F、8704F、8705F、8706F、8709F
- 2015年より前照灯をシールドビームからより視認性の高いコイト電工製のLEDに交換し2016年に全編成が変更された。
塗装
- 塗装変更:2007年4月からこれまで系列別に施していた車体の塗装を、全車両相鉄の新コーポレートカラーである青色とオレンジ色に塗り替えられることが発表された。新しい塗り分けは当時最新だった10000系電車を基にしたもので本系列の左右非対称のデザインは目立たないものになっている。また、車体のドア以外に9000形電車と同様の白色(ライトグレー)カラー塗装もされている。本系列で最初に塗り替えられた編成は8703Fで2007年10月18日から営業運転を開始した。当初の予定では、2010年度末までに終了させるとしていたが[2][3][4]、最終的には2014年度末までに全編成の塗装変更が完了する予定と発表され[5]、最後まで旧塗装で残っていた8712Fが2014年12月中旬に塗り替えが完了し、8000系の旧塗装車は消滅した。ただし、今後は9000系(リニューアル車)と同様のYOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)塗装に変更となる予定である[6]。
車内設備
- 優先席(旧・シルバーシート)の生地の色を灰色から青色へ変更(2002年ごろ?)。
- 女性専用車の設定(2005年5月9日より)
- 弱冷房車のシールが新しいものに変更。
- ベビーカースペースの設定(2015年2月下旬より)。
- ドアステッカーが既存の物から相鉄のゆるキャラのそうにゃんが描かれた物に変更(2015年2月下旬より)。
- 2015年10月に優先席のルール変更によるシール変更。
- つり革
- 座席
- 車内案内表示の内容
- 駅ナンバリング導入により2014年4月27日より車内表示機の駅名の後ろに (SO-〇〇) を表示。長い駅名の場合は、スクロール表示となる(〇〇は、数字を意味)。なお、終点到着時に表示される駅名(例:横浜/YOKOHAMA)についてはナンバリング表示はない。
- また2014年度中に8編成の蛍光灯がLEDに変わる予定であったが8709Fのみが3月中旬にLEDに更新された。その後2016年度に8701F-8703F、8706F以外の編成がLEDに更新された。
- フリーWi-Fi対応(2016年より)。
初期編成に対してはこれに加えて以下のことが行われ、後期編成・新型車両とのサービス格差の是正が行われた。
- ドアチャイムの設置。
- 編成両端の1号車と10号車に、車椅子スペースの設置
- 妻部(車両の連結面)案内表示器の撤去し、後期編成同様ドア上に同等のものを設置[注 12]。
- 非常通報装置の対話式への交換
- ドアエンジンを改良し、動作音の低減が図られた[注 13]。
更に8703F〜8709Fについては、段階的に座席の部分で以下の工事が行われた。
施行編成 8703F、8704F、8705F、8706F、8708F、8709F
- 座席の両端、ドアの隣に白色の板による袖仕切り設置。
施行編成 8704F、8705F、8706F、8708F、8709F
- 優先席部分の真ん中にスタンションポールの設置。一般部分と違い黄色の凹凸のついたカバーが掛けられた。また優先席部分の袖仕切りはクリーム色に塗り分けられた。
施行編成 8705F、8706F、8708F、8709F
運転機器・保安設備
- 保安装置として自動列車停止装置(ATS)や列車無線などを搭載、共に相鉄独自のものであったが、JR直通に合わせJR仕様のATS(ATS-P型)、デジタル列車無線に更新されている。また、マスコン内蔵のデッドマン装置のほかにEB装置を追設し、加速時以外にも運転士の体調を監視し列車の暴走を防ぐように改良されている。2014年3月30日よりATS-Pの使用を開始し、2015年10月3日よりデジタル列車無線の使用を開始した。
- 運転台に設置されている機械では、運転者に各種情報を知らせるモニタ装置を交換した。ディスプレイはフルカラータッチパネルとされている、またモニター装置交換と同期に運転支援のための仕業カード対応型となっている[注 15]。
-
座席をバケットシートに交換し、袖仕切りの交換も実施された編成の車内。(8706F, ロングシート車)
-
座席をバケットシートに交換し、袖仕切りの交換も実施された編成の車内。(8706F, セミクロスシート車)
-
更新で設置されたドア上の案内表示器。
8710F - 8713Fとほぼ同じであるが、ドアチャイムのスピーカーは右側のみである他、音色も若干異なる。また、日本語と英語の切り替えスピードが速くなった。(8709F) -
更新後の運転台 (8711F)
走行設備
2016年より、機器更新工事を行った9000系電車と同じ日立製のIGBT素子VVVFインバータ(VFI-HR2820Q)へ順次更新されている。また、SIVも容量のより大きなものに交換されている。
- 8710F:2016年2月
- 8708F:2016年5月
- 8709F:2017年3月
2017年度は2編成に施工される予定[8]。
車体装飾・広告貸切列車
車内の広告枠を貸し切る広告貸切列車は本系列でも運転されている。また、車体装飾も行われているものの、10000系に比べるとその数は少ない。
施行編成
- 8711F-日立広告車-2010年
- 8712F-ギャラリートレイン-2008年
運用
他系列の10両編成と共通運用で、特急、急行、快速、各停全ての種別に使用される。都合によっては、8両編成の運用を10両編成のまま代走することもある。
事故による廃車・休車
2004年3月に湘南台駅構内で発生したレール削正車との衝突事故により8707F(1993年製)が廃車となった。横浜方先頭車2両が2006年(平成18年)3月付けで初の廃車処分とされ、同年6月に解体、そして損傷が少なかった残りの8両についても同年12月に廃車・解体された[注 16]。また、この廃車に伴う編成不足の補充分として2007年(平成19年)に10000系10両編成1本 (10708F) が落成した。
編成表
- 8701F - 8707F
← 横浜
| ||||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ8700 (Tc2) |
モハ8100 (M1) |
モハ8200 (M2) |
サハ8600 (T2) |
モハ8100 (M1) |
モハ8200 (M2) |
サハ8600 (T1) |
モハ8100 (M1) |
モハ8200 (M2) |
クハ8500 (Tc1) |
機器類 | CONT, PT | MG, CP, PT | CONT, PT | MG, CP, PT | CONT, PT | MG, CP, PT | ||||
備考 | [注 17] ベビーカー |
女性専用車 弱冷房車 |
セミクロス | セミクロス | 弱冷房車 | [注 17] ベビーカー | ||||
8701F | 8701 | 8101 | 8201 | 8601 | 8102 | 8202 | 8602 | 8103 | 8203 | 8501 |
8702F | 8702 | 8104 | 8204 | 8603 | 8105 | 8205 | 8604 | 8106 | 8206 | 8502 |
8703F | 8703 | 8107 | 8207 | 8605 | 8108 | 8208 | 8606 | 8109 | 8209 | 8503 |
8704F | 8704 | 8110 | 8210 | 8607 | 8111 | 8211 | 8608 | 8112 | 8212 | 8504 |
8705F | 8705 | 8113 | 8213 | 8609 | 8114 | 8214 | 8610 | 8115 | 8215 | 8505 |
8706F | 8706 | 8116 | 8216 | 8611 | 8117 | 8217 | 8612 | 8118 | 8218 | 8506 |
8707F | 8707 | 8119 | 8219 | 8613 | 8120 | 8220 | 8614 | 8121 | 8221 | 8507 |
- 8708F - 8713F
- 凡例
- M : 走行用モーターを有る車両、動力車。
- T : 走行用モーターのない車両、付随車。
- c : 運転台の有る車両、制御車。
- CONT:主制御器 (1C8M)
- MG:電動発電機
- SIV:静止形インバータ
- CP:電動空気圧縮機
- PT:集電装置
- モハ8100形(M1)・モハ8200形(M2)の欄の背景色が■の箇所は、シングルアーム式のパンタグラフに交換。原型は菱形(ただし7次車除く)。PTの下の編成にのみ。
- セミクロス:セミクロスシート車
- :車椅子スペース
- ベビーカー:ベビーカースペース
- 備考
- 欄の背景色が■の箇所は事故によりすでに廃車
種別・行き先表示
種別・行き先表示を以下に示す[注 18]。
字幕式(2016年時点では存在しない)
種別 | 備考 |
---|---|
急行 | |
快速 | |
各停 | 本線系統といずみ野線系統上りのみ |
各停 | いずみ野線系統下りのみ |
回送 | |
試運転 |
行き先 | 行き先正面 | 行き先側面 |
---|---|---|
横浜 | 横浜 | 横浜 |
二俣川 | 二俣川 | 二俣川 |
大和 | 大和 | 大和 |
かしわ台 | かしわ台 | かしわ台 |
海老名 | 海老名 | 海老名 |
いずみ中央 | いずみ中央 | いずみ中央 |
湘南台 | 湘南台 | 湘南台 |
3色LED式(8709F - 8713F)
種別 | 行き先 |
---|---|
特急 | 横浜 |
急行 | 二俣川 |
快速 | 大和 |
各停 | かしわ台 |
回送 | 海老名 |
試運転 | いずみ中央 |
湘南台 |
フルカラーLED車(8701F 8702F 8703F 8704F 8705F 8706F 8708F)幕車だった車両は全てフルカラーLEDヘ交換された。
特急と二俣川の側面英語表記は2段表示となる。前面はすべて英語は下線に表示される。
種別 | 前面表示 | 側面日本語表示 | 側面英語表示 |
---|---|---|---|
特急 | 特急 Limited Express | 特急 | Ltd. Exp. |
急行 | 急行 Express | 急行 | Exp. |
快速 | 快速 Rapid | 快速 | Rapid |
各停 | 各停 Local | 各停 | Local |
回送 | 回送 Not in Service | 回送 Not in Service | |
試運転 | 試運転 Trial Ran | 試運転 Trial Ran |
なお回送・試運転は側面の切り替え表示をしないので日本語の方に一つにまとめた。英語は下線に表示される。
行き先 | 前面表示 | 側面日本語表示 | 側面英語表示 |
---|---|---|---|
横浜 | 横浜 Yokohama | 横浜 | Yokohama |
二俣川 | 二俣川 Futamata-gawa | 二俣川 | Futamata-gawa |
大和 | 大和 Yamato | 大和 | Yamato |
かしわ台 | かしわ台 Kashiwadai | かしわ台 | Kashiwadai |
海老名 | 海老名 Ebina | 海老名 | Ebina |
湘南台 | 湘南台 shōnanndai | 湘南台 | shōnanndai |
その他にも通特表示や、相鉄のキャラクター「そうにゃん」を表示することもできる。
脚注
注釈
- ^ 相鉄では8701×10のように横浜方先頭車の番号×編成内の車両数で編成を表すことが公式とされる。
- ^ 導入当時はバブル景気崩壊直後であるが、増え続ける乗客数やいずみ野線のいずみ中央駅までの延伸に伴う沿線の住宅地の開発などでさらに乗客の増加が見込めたことによる。
- ^ 尾灯の隣には急行灯が設置されているが2000年代初頭より使用しなくなった。
- ^ 書体は小田急電鉄1000形ワイドドア車の登場時に類似する。
- ^ 1行表示・千鳥配置、併せてドアチャイムも設置。
- ^ 交通バリアフリー法によってスペースの設置が定められた。
- ^ 初期編成については交換時に種別表示器部分を塞ぎ、行先表示器に使われていた窓のみを使用している。
- ^ 11000系で採用されている停車駅の案内などはできない仕様である。
- ^ 「試運転」と「回送」は前面表示と同じように表示される。
- ^ セミクロスシート増設部については長いものへの交換も実施。短いものも1本あるが、8713Fのみ2本ある。
- ^ 当初は1月上旬までの予定であったが延長された。
- ^ 妻部に表示機器を持つ初期編成のみ施工。劣化が激しいものについては更新前にすでに撤去され、化粧板でふさがれていたものもあったが、更新の際に化粧板のビスの交換が行われ、見栄えが改善されている。
- ^ 従来よりも静かになり、8711F - 8713Fに近いものとなった。
- ^ 乗客の要望による。 参考:相鉄瓦版平成21年3月号 第177号より
- ^ 10000系のTIMS(Train Information Management System)などとは別物であり、表示は東武50000系列使用されている日立製作所製のATIに近い。
- ^ 損傷の少なかった8両については、うち1両が廃車になった中間電動車のユニットの片割れであるため、こちらも廃車せざるを得ず、また、先頭車1両を新製の上、8両編成に組みなおす案なども出されたが、すでに8000系の生産が終了していることや、編成自体も製造から10年以上経っていることから、7編成で製造を終える予定だった10000系の8編成目を新製増備とした。
- ^ a b 7F以外は更新以降の設置。
- ^ 表示はLED式が2014年4月27日現在。字幕式は2010年現在。なおいずみ中央の表示は2010年現在使われていない。
出典
- ^ 「そうてつの安全・安心を教えて vol.4 11000系ができるまで」 (PDF) の11ページ参照
- ^ 相鉄公式サイトのニュースリリース (PDF) (2007年3月17日時点のアーカイブ)
- ^ 神奈川新聞社の記事1[リンク切れ]
- ^ 神奈川新聞社の記事2[リンク切れ]
- ^ “赤帯編成が一同に…相鉄が6月15日「さよなら赤帯旧塗装」撮影会”. レスポンス鉄道ニュース. (2014年6月4日) 2014年7月30日閲覧。
- ^ 鉄道ジャーナル 2016年1月号
- ^ 本革製クロスシート試験使用について(相鉄グループ)
- ^ "2017年度 鉄道・バス設備投資計画 安全対策とサービス向上に総額105億円 新型車両を導入し、既存車両や駅舎をリニューアル" (PDF) (Press release). 相模鉄道株式会社. 10 May 2017. 2017年6月4日閲覧。