「瞽女」の版間の差分
瞽女#関連作品と瞽女#瞽女を扱った作品を分ける必要はないと思われるので1つの節にまとめ、作品の種類に即して分類。 |
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* 映画 『はなれ瞽女おりん』(1977年) |
* 映画 『はなれ瞽女おりん』(1977年) |
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: 瞽女を扱った物語。監督は[[篠田正浩]]、音楽は[[武満徹]]。[[岩下志麻]]主演。原作は、[[水上勉]] 『[[はなれ瞽女おりん]]』([[新潮社]]、1975年) 。 |
: 瞽女を扱った物語。監督は[[篠田正浩]]、音楽は[[武満徹]]。[[岩下志麻]]主演。原作は、[[水上勉]] 『[[はなれ瞽女おりん]]』([[新潮社]]、1975年) 。 |
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* 人形劇『[[はなれ瞽女おりん]]』(2011年-)人形劇俳優の[[たいらじょう]]が2011年から演じ得意演目にしている<ref>[https://web.archive.org/web/20160304221016/http://tairajo.com/2015orin.html 水上勉原作「はなれ瞽女おりん」](2016年3月4日時点の[[インターネット |
* 人形劇『[[はなれ瞽女おりん]]』(2011年-)人形劇俳優の[[たいらじょう]]が2011年から演じ得意演目にしている<ref>[https://web.archive.org/web/20160304221016/http://tairajo.com/2015orin.html 水上勉原作「はなれ瞽女おりん」](2016年3月4日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。 |
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* アニメ『[[サムライチャンプルー]]』(2004年) |
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: 第20話・21話に瞽女のキャラクターが登場。「葛の葉子別れ」を唄うシーンがある(唄:月岡祐紀子)。 |
: 第20話・21話に瞽女のキャラクターが登場。「葛の葉子別れ」を唄うシーンがある(唄:月岡祐紀子)。 |
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== 外部リンク == |
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* [http://web.archive.org/web/20031103142844/http://www.roy.hi-ho.ne.jp/sho-ko/kobayashi-haru.htm 小林ハル 盲目の旅人]([[インターネット |
* [http://web.archive.org/web/20031103142844/http://www.roy.hi-ho.ne.jp/sho-ko/kobayashi-haru.htm 小林ハル 盲目の旅人]([[インターネットアーカイブ]]) |
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* [https://web.archive.org/web/20130311134700/http://www.ntv.co.jp/shitteru/library/010128.html 盲目の旅人…最後の瞽女 小林ハル - 日本テレビ「知ってるつもり?!」](インターネット・アーカイブ) |
* [https://web.archive.org/web/20130311134700/http://www.ntv.co.jp/shitteru/library/010128.html 盲目の旅人…最後の瞽女 小林ハル - 日本テレビ「知ってるつもり?!」](インターネット・アーカイブ) |
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* [http://www.echigo-gozeuta.com/ 越後瞽女唄と津軽三味線 萱森直子 ] |
* [http://www.echigo-gozeuta.com/ 越後瞽女唄と津軽三味線 萱森直子 ] |
2017年9月4日 (月) 19:13時点における版
瞽女(ごぜ)は、「盲御前(めくらごぜん)」という敬称に由来する日本の女性の盲人芸能者[1]。近世までにはほぼ全国的に活躍し、20世紀には新潟県を中心に北陸地方などを転々としながら三味線、ときには胡弓を弾き唄い、門付巡業を主として生業とした旅芸人である[注釈 1]。女盲目(おんなめくら)と呼ばれる場合もある[2]。時にやむなく売春をおこなうこともあった[3][4]。
歴史
近代以前
瞽女の起源は不詳であるが、室町時代後期に書かれた『文明本節用集』には「御前コゼ 女盲目」と記され、『七十一番職人歌合』にもその姿が描かれている[2]。近世では三味線や箏を弾くのが普通となった[1]。瞽女の演目(瞽女唄)のひとつに「クドキ(口説節)」があり、これは浄瑠璃から影響を受けた語りもの音楽であるが、義太夫節よりも歌謡風になっている[1][5]。江戸時代の瞽女は越後国高田(上越市)や長岡(長岡市)、駿河国駿府(静岡市)では屋敷を与えられ、一箇所に集まって生活しているケースがあり、これを「瞽女屋敷」と称した[6]。全国組織はなく、師匠となる瞽女のもとに弟子入りして音曲や技法を伝授されるという形態をとった[6]。親方となる楽人(師匠)は弟子と起居をともにして組をつくり、数組により座を組織した[6]。説経節の『小栗判官』や「くどき」などを数人で門付演奏することが多く、娯楽の少ない当時の農村部にあっては、瞽女の巡業は少なからず歓迎された[6][注釈 2]。また、江戸時代中期・後期の瀬戸内地方にいた瞽女の多くは広島藩、長州藩あるいは四国地方の多くの藩から視覚障害者のための「扶持」を受けたといわれる。
近代以降
越後(新潟県)には長岡瞽女と高田瞽女の2派が大きくその組織を形成していた。また山梨県には甲府の横近習町・飯田新町の総数200人を超える大きな組も存在し、長野県では飯田、松本、松代など、岐阜県では高山など、静岡県では駿府、沼津、三島など、愛知県、千葉県、埼玉県、群馬県、福岡県などでは多数の小さな組合があった。
生活手段として三味線を片手に各地を巡り、『葛の葉子別れ』等の説話やその土地の風俗や出来事などを弾き語りしたり、独特の節回しを持つ「瞽女唄(ごぜうた)」にして唄い語るもので、まだテレビやラジオが普及していなかった時代、新潟県内だけでなく、群馬県や東北地方など、主に豪雪地帯の村落などで農閑期に現われる娯楽の一端であった[7]。
明治時代から昭和の初期には多数の瞽女が新潟県を中心に活躍していたが、この頃代表的な瞽女に伊平タケがいる、開局間もないNHKに出演やSPレコードの吹込みなど活躍、第二次大戦後、ほとんどの瞽女は廃業後に転職したために、その数は急速に減少していった。小林ハルはその中で最後まで活躍した長岡瞽女であった。後年、小林ハルは唯一の長岡瞽女唄伝承者として、その継承と保存に尽力してきた(数少ない音源の多くも彼女のものである)。またハルの故郷である新潟県三条市には保存会も存在し、日本の伝統芸能の一つである「長岡瞽女唄」を後世に伝承すべく、精力的に活動を続けている。
旧高田市(現上越市)を中心としてその活動を行ってきたのが高田瞽女であった。高田瞽女は、親方(師匠)が家を構え、弟子を養女にして自分の家で養っていった。親方はヤモチ(屋持)と呼ばれ、明治の末に17軒、昭和の初期に15軒となり、これらの親方が座をつくり、いちばん修業年数の多い親方が「座元」となり、高田瞽女たちを統率していった。
昭和30年代、高度経済成長を続ける日本で、瞽女とその芸能は衰退していった。そんな中、杉本キクエは、杉本シズ、難波コトミの2人の弟子を抱えて、それでも昔の唄を聞いてやろうという村々を頼りに細々と旅を続けていった。キクエは、若い頃から下の者の面倒をよくみて慕われ、組の親方達にも信頼される聡明なしっかりした人柄で、たくさんの瞽女唄を記憶している優れた瞽女であった。1970年(昭和45年)、杉本キクエは、国の記録作成等の措置を講ずべき無形文化財「瞽女唄」の保持者に認定されている。
現在は高田系瞽女では小竹勇生山、小竹栄子、月岡祐紀子、長岡系瞽女では竹下玲子、萱森直子らがその芸を継承し、後世に伝えるべく活動を行っている。
瞽女を扱った作品
漫画・劇画・絵本
- 瞽女である危篤の義母を見舞った、息子の話。単行本『与太』(青林堂)に収録。
- 田名瀬咲子 『ごぜ姉さ』 少年写真新聞社、2003年。絵本。
音楽
- 歌謡曲『放浪茣蓙枕』(三波春夫)
映像作品・演劇
- 映画 『はなれ瞽女おりん』(1977年)
- 人形劇『はなれ瞽女おりん』(2011年-)人形劇俳優のたいらじょうが2011年から演じ得意演目にしている[8]。
- アニメ『サムライチャンプルー』(2004年)
- 第20話・21話に瞽女のキャラクターが登場。「葛の葉子別れ」を唄うシーンがある(唄:月岡祐紀子)。
- 『NITABOH 仁太坊-津軽三味線始祖外聞』(2004年)
- アニメ『蟲師』(2006年)
- 第25話 眼福眼禍に瞽女のキャラクターが登場。
- 映画 『ICHI』(2008年)
- DVD 『瞽女さんの唄が聞こえる』(2009年) 監督伊東喜雄。杉本キクエらの記録映像。制作:(有)地球村
関連文献・解題
- 橋本照嵩 大崎紀夫編 『瞽女―橋本照嵩写真集』、のら社、1974年
- 1972年3月より約1年間、長岡瞽女(金子セキ・中静ミサオ・手引きの関谷ハナ)の旅に同行した写真記録。門付けの具体的風景がよくわかる。日本写真協会新人賞受賞。
- 佐久間惇一 『瞽女の民俗』、岩崎美術社<民俗民芸叢書>、1983年
- 鈴木昭英 『瞽女 - 信仰と芸能』、高志書院、1996年
- 民俗学による越後瞽女の研究。
- 宮成照子編 『瞽女の記憶』、桂書房、1998年
- 桐生清次編著 『最後の瞽女 小林ハル』、文芸社、2000年
- ジェラルド・グローマー 『瞽女と瞽女唄の研究』(研究篇・史料篇)、名古屋大学出版会、2007年
- ジェラルド・グローマー 『瞽女うた』岩波新書、2014年
脚注
注釈
出典
参考文献
- 吉川英史 著「語りもの」、山川直治 編『日本音楽の流れ』音楽之友社、1990年7月。ISBN 4276134390。
- 山川出版社マルチメディア研究会 監修「瞽女唄」『音の日本史』山川出版社、1999年3月。ISBN 4634986906。
- 原田信一「近世における瞥女の生活論序説」『駒澤社会学研究』第30巻、75-100頁、1998年3月。NAID 120005490027