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** [[2008年]]:「[[10ジャンルのトップ10]]・西部劇部門」第3位 |
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* [[1988年]]:「大アンケートによる洋画ベスト150」([[文藝春秋]]発表)第45位 |
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* [[2009年]]:「オールタイム・ベスト映画遺産200 外国映画篇」([[キネマ旬報]]発表)第59位<ref>[http://web.archive.org/web/20091215171829/http://www.kinejun.jp/special/90alltimebest/index.html 「オールタイム・ベスト 映画遺産200」全ランキング公開]、[[キネマ旬報映画データベース]]、2015年5月31日閲覧 [[インターネット |
* [[2009年]]:「オールタイム・ベスト映画遺産200 外国映画篇」([[キネマ旬報]]発表)第59位<ref>[http://web.archive.org/web/20091215171829/http://www.kinejun.jp/special/90alltimebest/index.html 「オールタイム・ベスト 映画遺産200」全ランキング公開]、[[キネマ旬報映画データベース]]、2015年5月31日閲覧 [[インターネットアーカイブ]]</ref> |
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== シェーン死亡説 == |
== シェーン死亡説 == |
2017年9月4日 (月) 17:27時点における版
シェーン | |
---|---|
Shane | |
監督 | ジョージ・スティーヴンス |
脚本 | A・B・ガスリー・Jr. |
原作 | ジャック・シェーファー |
製作 | ジョージ・スティーヴンス |
出演者 |
アラン・ラッド ヴァン・ヘフリン ジーン・アーサー |
音楽 | ヴィクター・ヤング |
撮影 | ロイヤル・グリグス |
編集 |
ウィリアム・ホームベック トム・マクアドゥー |
配給 | パラマウント映画 |
公開 |
1953年4月23日 1953年10月20日 |
上映時間 | 118分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
配給収入 | 1億8175万円(日本)[1] |
『シェーン』(Shane)は、1953年公開のアメリカ映画である。パラマウント映画製作・配給。監督はジョージ・スティーヴンス、主演はアラン・ラッド。カラー、118分。
ジャック・シェーファーの小説の映画版。映画批評家のアンドレ・バザンは「sur-Western(新たな西部劇)」と位置づけ[2]、普及したばかりのシネマスコープで西部の風景を壮大に描き、興行的にも成功した。第26回アカデミー賞で撮影賞(カラー部門)を受賞。1993年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
あらすじ
ワイオミング州の西部に広がる高原、グランドティートン山が前にそびえ立っているジョンソン郡の開拓地では、牧畜業者と農民との間でいがみ合いが続いていた。南北戦争後に政府は西部開拓を積極的に進めるために、入植した農民が5年間耕作すると無償で一定の土地が得られる法律[3]が作られて、農民が新しい土地に開墾に入るとそこに牧場主がいて、各地で争いが生じていた。
この土地では悪徳牧畜業者のライカー(エミール・メイヤー)一味の暴虐に農民たちが苦しめられていた。ある日、この土地にやってきた流れ者のシェーン(アラン・ラッド )は、ある農家に辿り着き、ジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン )から「ライカーの仲間か」と聞かれるが、やがて息子のジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)と仲良くなり、この家に留まる。そしてジョーやその息子ジョーイと友情を結ぶシェーンだったが、ジョーの妻マリアン(ジーン・アーサー )は彼に惹かれ、またシェーンも彼女に惹かれてゆく。そして農民たちとも親しくなっていった。
やがてライカーらの暴力はエスカレートし、ライカーは殺し屋のウィルソン(ジャック・パランス )を雇う。力づくで農民たちを追い出す魂胆であった。殺し屋ウィルソンは開拓農民の一人トーレーを挑発して1発で殺害するが、その暴虐に農民達は結束して立ち向かうことを決意する。そしてこの抗争に終止符を打つため、ライカーがジョーに話し合おうと呼びかけたことで、ジョーは単独でライカーに会いに行こうとするのだったが、シェーンは罠だと諌めて力ずくで止め、一人でライカー一味に立ち向かう。
シェーンは酒場でライカーやウィルソンを、「0.6秒」の早撃ちで倒した。そして2階から彼を狙い撃とうとしたライカーの弟は、ジョーイのとっさの掛け声で、シェーンに返り討ちにされる。しかしシェーンもまた脇腹を撃たれていた。彼が家に来てから彼を慕い、憧れていたジョーイは犬とともに酒場まで追いかけてきたのだった。 傷ついた身体を心配して一緒に家に帰ろうと呼びかけるジョーイに、シェーンはもう戻れないと言って、馬に跨りワイオミングの山へと去っていった。必死に呼びかけるジョーイの声はやがて「シェーン!!カムバック!!」と山にこだまするのであった。
キャスト
- シェーン - アラン・ラッド
- マリアン・スターレット - ジーン・アーサー
- ジョー・スターレット - ヴァン・ヘフリン
- ジョーイ・スターレット - ブランドン・デ・ワイルド
- ルーフ・ライカー - エミール・メイヤー
- ジャック・ウィルソン - ジャック・パランス
- クリス・キャロウェイ - ベン・ジョンソン
- フレッド・ルイス - エドガー・ブキャナン
- フランク・“ストーンウォール”・トーリー - エリシャ・クック・Jr
- アクセル・“スウェード”・シップステッド - ダグラス・スペンサー
- モーガン・ライカー - ジョン・ディークス
- リズ・トーリー - エレン・コービー
- サム・グラフトン - ポール・マクヴィ
日本語吹替
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
日本テレビ版 | テレビ朝日版 | テレビ東京版 | スター・チャンネル版 | PDDVD版 | ||
シェーン | アラン・ラッド | 石田太郎 | 中田浩二 | 佐々木功 | 山寺宏一 | 大塚智則 |
マリアン・スターレット | ジーン・アーサー | 中西妙子 | 池田昌子 | 日高のり子 | 並木のり子 | |
ジョー・スターレット | ヴァン・ヘフリン | 下川辰平 | 小林昭二 | 田中信夫 | 高木渉 | 矢嶋俊作 |
ジョーイ・スターレット | ブランドン・デ・ワイルド | 伊東永昌 | 松田辰也 | 大友大輔 | 二宮慶多 | 渡辺つばさ |
ルーフ・ライカー | エミール・メイヤー | 小松方正 | 大塚周夫 | 土師孝也 | 柴田秀勝 | |
ジャック・ウィルスン | ジャック・パランス | 小林清志 | 麦人 | 谷田歩 | 木村裕二 | |
クリス・キャロウェイ | ベン・ジョンソン | 小林勝彦 | 若本規夫 | 花輪英司 | 合田慎二郎 | |
フレッド・ルイス | エドガー・ブキャナン | 相模太郎 | 藤本譲 | 秋元羊介 | 平林正 | |
フランク・トーリー | エリシャ・クック・Jr | 園田裕久 | 千田光男 | 荻野晴朗 | 西孝貴 | |
アクセル・シップステッド | ダグラス・スペンサー | 保科三良 | 納谷六朗 | 小倉直寛 | ||
モーガン・ライカー | ジョン・ディークス | 北山年夫 | 中庸助 | 関貴昭 | 真田雅隆 | |
サム・グラフトン | ポール・マクヴィ | 上田敏也 | 村松康雄 | 宝亀克寿 | 安芸此葉 | |
日本語版制作スタッフ | ||||||
演出 | 小林守夫 | 伊達康将 | 清水洋史 | 椿淳 | ||
翻訳 | 木原たけし | 岸田恵子 | ||||
調整 | 小野敦志 | オムニバス・ジャパン | 恵比須弘和 | |||
効果 | リレーション | |||||
制作 | 東北新社 | テレビ東京 東北新社 |
東北新社 | 高砂商事 (CROSS-GATE) |
- 日本テレビ版 - 初回放送1974年4月3日(水)『水曜ロードショー』[4]
- テレビ朝日版 - 初回放送1979年1月14日(日)『日曜洋画劇場』
- テレビ東京版 - 初回放送1990年10月11日(木)『木曜洋画劇場』
- スター・チャンネル版 - 初回放送2016年8月11日(木)[5]
- 主題曲『遙かなる山の呼び声』(The Call for Far-away Hills、作曲:ビクター・ヤング、歌:ドロレス・グレイ)
エピソード
- この作品の格闘描写は、当時では画期的な暴力的で激しいものであり、発表当時はその描写が話題となった[6]。
受賞・ランキング
受賞・ノミネート
ランキング
- AFIアメリカ映画100年シリーズ
- 1998年:「アメリカ映画ベスト100」第69位
- 2003年:「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100・ヒーロー部門」第16位
- 2005年:「アメリカ映画の名セリフベスト100」第47位(「Shane. Shane. Come back!(シェーン、シェーン、カムバック!)」)
- 2006年:「感動の映画ベスト100」第53位
- 2007年:「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」第45位
- 2008年:「10ジャンルのトップ10・西部劇部門」第3位
- 1988年:「大アンケートによる洋画ベスト150」(文藝春秋発表)第45位
- 2009年:「オールタイム・ベスト映画遺産200 外国映画篇」(キネマ旬報発表)第59位[7]
シェーン死亡説
この映画を紹介する際、一般的には「少年に見送られて馬で去った」とされることの多いラストシーンだが、「この時の馬上のシェーンは実はすでに死んでいる」という解釈が存在している。その根拠は以下の通りである。
- 決闘の撃ち合い中、シェーンが撃たれていること。
- ジョーイの必死の叫びにまったく反応しなかったこと。
- 走り去ったシェーンの片手が力なく伸びていること。
- ラストシーンでシェーンがいる場所が墓場であること。
ただし、墓場を通るシーンの映像(僅か数秒ではあるが)を見る限りでは、シェーンは馬上でしっかりと体を起こして手綱を取り、馬の歩行に合わせてバランスを取る動作をしているため、死んでいるとは解釈し辛い。なお、原作小説は成長したジョーイ少年(作中の「私」)が、風の便りでシェーンが死んだと伝え聞くところで終わる(つまりライカー一味との決闘で死んだ訳ではない)。映画『交渉人』には、登場人物がこのラストのシェーンの生死について議論するシーンがある。
DVD
日本では東北新社が配給権を持つことから、東北新社が正規版DVD-Videoを発売すべきところ、パラマウント社が頒布権に異議を唱えたことから、どちらがDVDを出すかが決まらないため、日本では正規版DVDが発売されていない(VHSはCIC・ビクタービデオ(法人としては現在のパラマウント・ジャパン)から発売されたことがある)。
2013年9月にパラマウント・ジャパンからBlu-ray Discの発売が予定されており(品番:PBH-137042)、各種通販サイトでも予約が行われたが、直前になって発売が中止された。
日本においては、1953年(昭和28年)公開の団体名義の映画作品は『2003年(平成15年)12月31日に著作権の保護期間が終了したもの』と考えられたことから、幾つかの会社から『格安DVD』としてリリースされた。しかし、東北新社とパラマウント社は著作権存続を主張した。2007年(平成19年)12月18日に、最高裁判所で「著作権法による著作権の保護期間が終了した」と確定判決を下したことで「シェーンの著作権は消滅した」と言う事が、裁判を通じて公に認められた。
脚注
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924→2011』、キネマ旬報社、2012年5月23日、p.105
- ^ シェーン、日本大百科全書、コトバンク、2015年12月13日閲覧
- ^ 1862年成立の「ホームステッド法」。
- ^ 放送枠が21:30 - 22:55から21:00 - 22:55に拡大された初回。
- ^ “シェーン[新録・完全吹替版]”. スター・チャンネル. 2016年6月19日閲覧。
- ^ 紀田順一郎『昭和キネマ館』、小学館を参照
- ^ 「オールタイム・ベスト 映画遺産200」全ランキング公開、キネマ旬報映画データベース、2015年5月31日閲覧 インターネットアーカイブ
関連項目
- 天国の門 - 同じく「ジョンソン郡戦争」(Johnson County War)をモチーフとしている映画。
- 遙かなる山の呼び声- 山田洋次映画でタイトルは主題曲から。
- ウィリアムソン師円 - この映画が好きだった父によって、師円(シェーン)と名付けられた。
- アメリカ横断ウルトラクイズ - 第14回大会でチェックポイントとして舞台となったワイオミング州を訪れ、冒頭ではロケ地のグランドティトン国立公園でラストシーンがオマージュされている。なお、司会者の福留功男は8回繰り返して見るほどこの映画の大ファンであった。
- LOGAN/ローガン - 劇中でシェーンを観賞しているシーンがある。