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2017年8月29日 (火) 10:40時点における版
フランチャイズ・プレイヤーとは、スポーツ用語で長期にわたって同一のチームの第一線で活動し続ける選手を指す。狭義では入団から引退まで同一のチームで、最狭義ではプロデビューから引退まで出身地・出身校の地元チーム一つだけに在籍し続けた選手を指す。サッカーではバンディエラ(Bandiera。旗頭)とも呼ばれる。NFLではフランチャイズ・プレイヤー制度として制度化されている。
概要
長期に亘って同一のチームで選手として活動を続ける事はプロスポーツでは困難であり、選手側には相応の実力の維持が要求される。選手分配ドラフトやフリーエージェントにおける人的補償などの際にプロテクトされるほどチームから実力が認められているとその傾向が強くなる(ただし、プロテクト名簿は非公開)。一方で、実績に伴って契約金や年俸が高騰したために選手が残留の意志を表明しても放出されるケースも少なくない(これらの原資は主催試合の入場料、ファンクラブの年会費、公式グッズの売り上げであり、在籍させるとチームやファンに負担が掛かる)。伝統を重んじるチームに多い傾向にあり、そのようなチームでは監督などに当該チームのフランチャイズプレイヤーだった人物を起用する傾向がある。
近年はフリーエージェントなど移籍制度の充実により長期に亘って同一のチームで活動する選手は少なくなっており、フランチャイズ・プレイヤーはチームを象徴する選手を指す言葉として使用される。逆に複数のチームを渡り歩き活躍する選手はジャーニーマンと呼ばれる。
新人時代を他球団で過ごし、移籍後の球団で長期間活動し引退した選手はフランチャイズ・プレイヤーの範疇に含まれる事が多いが、逆に長期間同一球団で活動したにもかからず現役晩年に移籍した選手はフランチャイズ・プレイヤーの範疇に含まれない場合もある。たとえば、南海ホークスのフランチャイズ・プレーヤーとして広瀬叔功(1955年 - 1977年在籍)が下記にあげられているが、広瀬よりも野村克也(1954年 - 1977年、解雇されたため1978年から他球団に移籍)のほうが在籍期間が長い(ただし野村は一軍出場のない年が1年ある)。
NFLのフランチャイズ・プレイヤー制度
NFLのフランチャイズ・プレイヤー制度はフリーエージェント制度の対抗策として導入された制度。NFLでは1球団につき1人の選手をフラインチャイズ・プレイヤーとして指定する事ができ、フランチャイズ・プレイヤーに指定された選手は他球団で同一のポジションの選手のうち、年俸が上位5位の選手の平均年俸以上、もしくは自身の前年の120%以上の年俸のうち高い方の金額の契約金で契約する事ができる。球団はフランチャイズ・プレイヤーに指定された選手に対し移籍を拒否できる拒否権を持ち、フランチャイズ・プレイヤーが他球団と契約した場合、同等の契約条件を提示すれば移籍を拒否できる。球団が拒否権を放棄した場合、フランチャイズ・プレイヤーの旧所属球団は移籍先の球団から2つのドラフト1巡目の指名権が補償される。
関連制度としてトランジション・プレイヤー(Transition Player。transition=移籍)制度があり、各球団につき2人までをトランジション・プレイヤーに指名でき、指定された選手は所属球団と同一のリーグに所属する他球団で同一のポジションの選手のうち、年俸が上位10位の選手の平均年俸以上、もしくは自身の前年の110%以上の年俸のうち高い方の金額の契約金で契約する事ができる。フランチャイズ・プレイヤー同様、球団は選手の移籍に対し拒否権を持つ事ができるが、拒否権の放棄に対する補償はない。
現役フランチャイズ・プレイヤー
在籍期間は下部組織在籍期間も含む。 ※印の選手は、移籍経験者。
野球
日本プロ野球
- 福浦和也(千葉ロッテマリーンズ、1994年-)
- 荒木雅博(中日ドラゴンズ、1996年-)
- 飯山裕志(北海道日本ハムファイターズ、1998年-)
- 阿部慎之助(読売ジャイアンツ、2001年-)
- 畠山和洋(東京ヤクルトスワローズ、2001年-)
- 狩野恵輔(阪神タイガース、2001年-)
- 中村剛也(埼玉西武ライオンズ、2002年-)
- 栗山巧(埼玉西武ライオンズ、2002年-)
- 天谷宗一郎(広島東洋カープ、2002年-)
- 石原慶幸(広島東洋カープ、2002年-)
- 城所龍磨(福岡ソフトバンクホークス、2004年-)
- 明石健志(福岡ソフトバンクホークス、2004年-)
- 鳥谷敬(阪神タイガース、2004年-)
- 金子千尋(オリックス・バファローズ、2005年-)
- 石川雄洋(横浜DeNAベイスターズ、2005年-)
- 青山浩二(東北楽天ゴールデンイーグルス、2006年-)
- 片山博視(東北楽天ゴールデンイーグルス、2006年-)
- 銀次(東北楽天ゴールデンイーグルス、2006年-)
- 枡田慎太郎(東北楽天ゴールデンイーグルス、2006年-)
メジャーリーグ
- ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カージナルス、2000年-)
- ジョー・マウアー(ミネソタ・ツインズ、2001年‐)
- ライアン・ハワード(フィラデルフィア・フィリーズ、2001年-)
- デビッド・ライト(ニューヨーク・メッツ、2001年-)
- マット・ケイン(サンフランシスコ・ジャイアンツ、2002年-)
- フェリックス・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ、2002年-)
- ジョーイ・ボット(シンシナティ・レッズ、2002年-)
- ジェレッド・ウィーバー(ロサンゼルス・エンゼルス、2004年-)
- ジャスティン・バーランダー(デトロイト・タイガース、2004年-)
- ダスティン・ペドロイア(ボストン・レッドソックス、2004年-)
- エバン・ロンゴリア(タンパベイ・レイズ、2004年-)
- ホーマー・ベイリー(シンシナティ・レッズ、2004年-)
- ブレット・ガードナー(ニューヨーク・ヤンキース、2005年-)
- アレックス・ゴードン(カンザスシティ・ロイヤルズ、2005年-)
- ライアン・ジマーマン(ワシントン・ナショナルズ、2005年-)
- ライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブルワーズ、2005年-)
- アンドリュー・マカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ、2005年-)
- セルジオ・ロモ(サンフランシスコ・ジャイアンツ、2005年-)
- ザック・ブリットン(ボルチモア・オリオールズ、2006年‐)
- ジョシュ・トムリン(クリーブランド・インディアンス、2006年‐)
- ジャレッド・ヒューズ(ピッツバーグ・パイレーツ、2006年-)
- アンドレ・イーシアー(ロサンゼルス・ドジャース、2006年‐)
- クレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース、2006年‐)
- フレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス、2007年‐)
- トニー・ワトソン(ピッツバーグ・パイレーツ、2007年-)
サッカー
Jリーグ
所属年数には下部組織在籍期間も含む。
- 曽ヶ端準(鹿島アントラーズ、1995年-)
- 栗原勇蔵(横浜F・マリノス、1996年-)
- 森崎和幸(サンフレッチェ広島、1997年-)
- 大谷秀和(柏レイソル、1997年-)
- 楢崎正剛(名古屋グランパス、1999年-)※
- 本間幸司(水戸ホーリーホック、1999年-)※
- 北本久仁衛(ヴィッセル神戸、2000年-)
- 遠藤保仁(ガンバ大阪、2001年-)※
- 石原克哉(ヴァンフォーレ甲府、2001年-)
- 平川忠亮(浦和レッズ、2002年-)
- 石川直宏(FC東京、2002年-)※
- 中澤佑二(横浜F・マリノス、2002年-)※
- 神山竜一(アビスパ福岡、2003年-)
- 酒本憲幸(セレッソ大阪、2003年-)
- 菅井直樹(ベガルタ仙台、2003年-)
- 中村憲剛(川崎フロンターレ、2003年-)
- 梁勇基(ベガルタ仙台、2004年- )
- 遠藤康 (鹿島アントラーズ、 2007年-)
セリエA
- ダニエレ・デ・ロッシ(ASローマ、2001年-)
- クラウディオ・マルキジオ(ユヴェントス、2006年-)※
プレミアリーグ
リーガ・エスパニョーラ
ブンデスリーガ
- トーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン、2008年-)
- ベネディクト・ヘーヴェデス(シャルケ04、2002年-)
エールディヴィジ
- イェルーン・ヒューバッハ(FCトゥウェンテ、1994年-)
バスケットボール
NBA
- ダーク・ノヴィツキー(ダラス・マーベリックス、1999年-)
- トニー・パーカー(サンアントニオ・スパーズ、2001年-)
- マヌ・ジノビリ(サンアントニオ・スパーズ、2002年-)
- ユドニス・ハスレム(マイアミ・ヒート、2003年-)
- ニック・コリソン(オクラホマシティ・サンダー、2003年-)
- マイク・コンリー(メンフィス・グリズリーズ、2007年-)
- ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー、2008年-)
- マーク・ガソル(メンフィス・グリズリーズ、2008年-)
- ブレイク・グリフィン(ロサンゼルス・クリッパーズ、2009年-)
- ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ、2009年-)
- デマー・デローザン(トロント・ラプターズ、2009年-)
狭義のフランチャイズ・プレイヤー
チーム史上において在籍期間が最長かつそのチームで引退した選手。在籍期間は下部組織在籍期間も含む。
野球
日本プロ野球
- 広瀬叔功(南海ホークス、1955年-1977年)
- 王貞治(読売ジャイアンツ、1959年-1980年)
- 足立光宏(阪急ブレーブス、1959年-1980年)
- 板東里視(近鉄バファローズ、1960年-1979年)
- 鈴木啓示(近鉄バファローズ、1966年-1985年)
- 村田兆治(ロッテオリオンズ、1968年-1990年)
- 八重樫幸雄(ヤクルトスワローズ、1970年-1993年)
- 佐藤義則(オリックス・ブルーウェーブ、1977年-1998年)
- 伊東勤(西武ライオンズ、1982年-2003年)
- 山本昌(中日ドラゴンズ、1984年-2015年)
- 田中幸雄(日本ハムファイターズ、1986年-2007年)
- 前田智徳(広島東洋カープ、1990年-2013年)
- 桧山進次郎(阪神タイガース、1992年-2013年)
- 三浦大輔(横浜大洋ホエールズ、1992年-2016年)
- 西村弥(東北楽天ゴールデンイーグルス、2006年-2015年)
メジャーリーグ
- メル・オット(ニューヨーク・ジャイアンツ、1926年-1947年)
- ルーク・アップリング(シカゴ・ホワイトソックス、1930年-1943年、1945年-1950年)
- ボブ・フェラー(クリーブランド・インディアンス、1936年-1941年、1945年-1956年)
- スタン・ミュージアル(セントルイス・カージナルス、1941年-1944年、1946年-1963年)
- アーニー・バンクス(シカゴ・カブス、1953年-1971年)
- アル・ケーライン(デトロイト・タイガース、1953年-1971年)
- ロベルト・クレメンテ(ピッツバーグ・パイレーツ、1955年-1972年)
- カール・ヤストレムスキー(ボストン・レッドソックス、1959年-1983年)
- エド・クレインプール(ニューヨーク・メッツ、1962年-1979年)
- ビル・ラッセル(ロサンゼルス・ドジャース、1966年-1986年)
- デーブ・コンセプシオン(シンシナティ・レッズ、1970年-1988年)
- スティーブ・ロジャーズ(モントリオール・エクスポズ、1971年-1985年)
- マイク・シュミット(フィラデルフィア・フィリーズ、1971年-1989年)
- ジョージ・ブレット(カンザスシティ・ロイヤルズ、1971年-1993年)
- ロビン・ヨーント(ミルウォーキー・ブルワーズ、1974年-1993年)
- カル・リプケン(ボルチモア・オリオールズ、1978年-2001年)
- トニー・グウィン(サンディエゴ・パドレス、1982年-2001年)
- カービー・パケット(ミネソタ・ツインズ、1984年-1995年)
- クレイグ・ビジオ(ヒューストン・アストロズ、1987年-2007年)
- エドガー・マルティネス(シアトル・マリナーズ、1987年-2004年)
- ティム・サーモン(ロサンゼルス・エンゼルス、1989年-2004年、2006年)
- チッパー・ジョーンズ(アトランタ・ブレーブス、1990年-2012年)
- マリアノ・リベラ(ニューヨーク・ヤンキース、1990年-2013年)
- トッド・ヘルトン(コロラド・ロッキーズ、1995年-2013年)
サッカー
Jリーグ
- 福田正博(三菱重工業サッカー部/浦和レッドダイヤモンズ、1989年-2002年)
- 澤登正朗(清水エスパルス、1992年-2005年)
- 松波正信(ガンバ大阪、1993年-2005年)
- 高橋健二(NEC山形/モンテディオ山形、1994年-2006年)
- 實好礼忠(ガンバ大阪、1995年-2007年)
- 森島寛晃(ヤンマー/セレッソ大阪、1991年-2008年)
- 鈴木秀人(ヤマハ/ジュビロ磐田、1993年-2009年)
- 千葉直樹(ブランメル仙台/ベガルタ仙台、1996年-2010年)
- 平井直人(京都パープルサンガ/京都サンガF.C.、1994年-2010年)
- 山田暢久(浦和レッドダイヤモンズ、1994年-2013年)
- 伊藤宏樹(川崎フロンターレ、2001年-2013年)
- 中村直志(名古屋グランパス、2001年-2014年)
- 鈴木啓太(浦和レッズ、2000年-2015年)
- 中山博貴(京都サンガF.C.、2004年-2015年)
- 森崎浩司(サンフレッチェ広島、1997年-2016年)
セリエA
- フランコ・バレージ(ACミラン、1977年-1997年)
- パオロ・マルディーニ(ACミラン、1984年-2009年)
- ジュゼッペ・ベルゴミ(インテル・ミラノ、1980年-1999年)
- アレッサンドロ・デル・ピエロ(ユヴェントス、1993年-2012年)※
- ハビエル・サネッティ(インテル・ミラノ、1995年-2014年)※
- フランチェスコ・トッティ(ASローマ、1992年-2017年)
プレミアリーグ
- トニー・アダムス(アーセナル、1980年-2002年)
- マット・ル・ティシエ(サウサンプトン、1986年-2002年)
- ライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッド、1990年-2014年)
- ガリー・ネヴィル(マンチェスター・ユナイテッド、1992年-2011年)
- ポール・スコールズ(マンチェスター・ユナイテッド、1994年-2011年、2012年-2013年)(一度現役引退した後に再度現役復帰したため)
- ジェイミー・キャラガー(リヴァプール、1996年-2013年)
- スティーブン・ジェラード(リヴァプール、1997年-2015年)※
- ギャリー・ケリー(リーズ・ユナイテッド、1991年-2007年)
- レドリー・キング(トッテナム・ホットスパー、1998年-2012年)
- トニー・ヒバート(エヴァートン、2000年-2016年)
リーガ・エスパニョーラ
- ルイス・カルロス・クアルテーロ(レアル・サラゴサ、1993年-2009年)
- ホセバ・エチェベリア(アスレティック・ビルバオ、1995年-2010年)※
- カルレス・プジョル(FCバルセロナ、1996年-2014年)
ブンデスリーガ
- フリッツ・ヴァルター(1.FCカイザースラウテルン、1937年-1959年)
- ゼップ・マイヤー(バイエルン・ミュンヘン、1958年-1979年)※
- フィリップ・ラーム(バイエルン・ミュンヘン、2002年-2017年)※
リーグアン
- ジェレミー・ジャノ(ASサンテティエンヌ、1995年-2012年)※
カンピオナート・ブラジレイロ
バスケットボール
NBA
- ラリー・バード(ボストン・セルティックス、1978-1992)
- ジョン・ストックトン(ユタ・ジャズ、1984-2003)
- レジー・ミラー(インディアナ・ペイサーズ、1987年-2005年)
- 姚明(ヒューストン・ロケッツ、2002年-2011年)
- コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ、1996年-2016年)
- ティム・ダンカン(サンアントニオ・スパーズ、1997年-2016年)