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[[ペリレン]]顔料は、ペリレンテトラカルボン酸二無水物の六員環を構成している酸素原子2個を脱落させた構造を有する顔料である。赤から紫、そして、緑(但し黒い緑)といった幅広い色相を持つ顔料グループであり、一般に着色力、堅牢性に優れる。緑色のペリレン顔料であるPigment Black 31は、緑味を呈する黒色顔料であるが、色相は[[濃度]]や[[バインダー]]などの条件により相違する。 |
[[ペリレン]]顔料は、ペリレンテトラカルボン酸二無水物の六員環を構成している酸素原子2個を脱落させた構造を有する顔料である。赤から紫、そして、緑(但し黒い緑)といった幅広い色相を持つ顔料グループであり、一般に着色力、堅牢性に優れる。緑色のペリレン顔料であるPigment Black 31は、緑味を呈する黒色顔料であるが、色相は[[濃度]]や[[バインダー]]などの条件により相違する。 |
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緑色の[[染料]]および[[レーキ顔料]]についてはここで述べる。顔料の世界では、[[アゾメチン]]の[[前駆体]]、特に[[イミン]]を構造中に有する顔料をアゾメチン顔料と称する。 |
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[[クロウメモドキ科]]の熟成した[[液果]]から抽出することが可能な緑色成分があり、これが本来の「[[サップグリーン]]」である。サップグリーンは、今日では専ら名称として残る。色素として[[ラムネチン]] [[:en:Rhamnetin|Rhamnetin (en)]]や[[エモジン]] [[:en:Emodin|Emodin (en)]]を含んでいる。 |
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前述のように、[[クロウメモドキ科]]の熟成した[[液果]]から抽出することが出来る成分のラムネチンは、[[フラボン]]染料に数えられる。 |
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[[アゾメチン]]系の緑色顔料としては、緑色の[[ニトロソ]]染料のナフトールグリーン [[:en:Naphthol Green B|Naphthol Green B (en)]]のレーキ顔料(Pigment Green 8)がある。印象的な深い緑を呈する。堅牢であるが耐水性にやや劣るところがある。 |
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2017年8月28日 (月) 13:49時点における版
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16進表記 | #008000 |
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RGB | (0, 128, 0) |
CMYK | (70, 0, 70, 0) |
HSV | (120°, 150%, 100%) |
マンセル値 | 2.5G 6.5/10 |
表示されている色は一例です |
緑(みどり、綠)は、寒色の一つ。植物の葉のような色で、黄色と青の中間色。光の三原色の一つは緑であり、1931年、国際照明委員会は546.1nmの波長を緑 (G) と規定した。500-570nmの波長の色相はおよそ緑である。色材においては例えば、シアンとイエローを混合して作ることができる。緑色(リョクショク、みどりいろ)は同義語。
緑は(緑色の、特に新緑のころの)草・木、新芽・若葉、植物一般、転じて、森林、自然などを指す語としても用いられる。
緑という色名
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16進表記 | #00B16B |
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RGB | (0, 177, 107) |
CMYK | (82, 0, 80, 0) |
HSV | (156°, 100%, 69%) |
マンセル値 | 2.5G 5.5/10 |
表示されている色は一例です |
16進表記 | #00793D | |
緑に相当する色はかなり広範に及ぶ色の総称であるが、それぞれの色には多く「柳色」や「モスグリーン」などの固有の色名が付いている。より黄色に近い色は黄緑として、より青に近い色は青緑として総称されることも多い。英語のグリーン(green)をはじめ欧米人が感じる対応する色名は、日本人にとっての緑よりも明るく鮮やかな色である傾向がある。緑はまた漢字で碧や翠とも表記されるが、この場合やや青みの強い色を表すことが多く、比較的藍緑色に近い色合いである。翠は本来、カワセミの羽根の色をさす名前である。詩的な、あるいは文語的な表現として、海の深く青い色や、艶やかな黒髪の色を表すのに、「緑」を使うことがある。
語源
「みどり」という語が登場するのは平安時代になってからであるが、これは本来「瑞々しさ」を表す意味[1]であったらしい。それが転じて新芽の色を示すようになったといわれる。英語のグリーンも「草」(grass)や「育つ」(grow)と語源を同じくするといわれ、いずれにしても新鮮さのイメージを喚起する色である。
光源色としての緑
green (webcolor) | ||
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16進表記 | #008000 |
lime (webcolor) | ||
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16進表記 | #00FF00 |
緑(green)は光の三原色のひとつである。ウェブブラウザ等でgreenと名前で指定もできるが、その色はRGBで#008000であり純色ではない。純色(原色)の緑の名前はlimeで、そちらであれば#00FF00となる。具体的には「明るい緑」として感じられる色が表示される。
緑の光源は、色合いとしては日常的に目にする緑色よりも明るく鮮やかに感じられる。
JIS規格としての緑
緑(JIS慣用色名) | ||
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マンセル値 | 2.5G 6.5/10 |
グリーン(JIS慣用色名) | ||
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マンセル値 | 2.5G 5.5/10 |
JISの規格では緑およびグリーンがそれぞれ定義されている。この両者の色は微妙に異なる色として定義されている。
緑の色料
天然に大量に存在する緑色は葉緑素で、化学的にはポルフィリン構造(ポルフィリン環)と呼ばれる特殊な有機構造を持つ分子の中心に金属元素(マグネシウム)を配位している。よく似た構造の鮮明な緑色顔料としてはフタロシアニングリーンがある。着色材料用途のポルフィリン系以外のピロール系化合物としては、ジケトピロロピロールがあり、橙から赤にかけての重要な顔料である。
古くから顔料として使われたのは孔雀石の粉末で、銅の錆(緑青)と同じく、塩基性炭酸銅を主成分とする。無機顔料では有害性の低いビリジアン、酸化クロム(酸化クロム緑)がよく使われる。ピーコックと呼ばれるセラミック顔料も緑色無機顔料である。
緑色無機顔料
緑土
緑土は海緑石と灰緑石からなる。これら鉱物は水酸化鉄、水酸化マグネシウム、硅酸アルミニウム、カリウムなどからなる。硅酸錯塩と同様緑土の組成は様々である。色合いは鈍い黄緑色から淡緑灰色のものまで様々ある。このように発色する原因は2価の鉄(第一鉄)にあるが、大半の鉄は3価の鉄(第二鉄)として存在している。緑土は透明性が高く、着色力は強くない。イタリアの画家が好んでテンペラにおいて下層に用いた。 太古よりヨーロッパで使用されて来た顔料で、比較的広範囲において産出するが、良質の顔料用途になるものの産地は限られる。
銅系緑色顔料
- 岩緑青 Mountain Green
- 岩緑青・マウンテン グリーンは、マラカイト(Malachite)つまり天然の塩基性炭酸銅で組成式はCu2(CO3)(OH)2、世界中に産する孔雀石の粉末である。最も古くから知られた鮮明な緑色顔料であると考えられている。今日では使用頻度は高くないが、日本画では未だ重要な位置にある。岩緑青の古名は青丹(物理的に青色と丹色の物質を混合すると緑青色になるが、そういう意味ではない)。
- ベルデグリ Verdigris
- ベルデグリは二塩基性酢酸銅である。酢酸臭を伴う緑青色の粉末である。中心製造地はかつてモンペリエ周辺にあった。銅系顔料の内では反応性が高く、水に一部溶解し、酸には溶解する。差熱すると分解してCuO酸化銅が残る。硫黄を含む顔料と反応すると黒変する。ヴァトーは硫黄系顔料であるウルトラマリンと混合して用いたようであるが、色合いを鮮明なまま残しているというように、この理屈に反する事例も知られている。D.V.トンプソンはイタリア初期風景画において愛用された顔料であるが黒変した事例が数多いとしている。ファンエイクグリーン (Van Eyck Green) と強い関係がある。場合によっては炭酸銅、銅、黄銅、青銅から出来る青若しくは緑の錆を指す。Colour Index Generic Name、Pigment Green 20。
- ファンエイクグリーン Van Eyck Green
- 13世紀から14世紀末にかけて、装飾写本にしばしば見受けられる特徴的な緑がある。それは、油を含んでいるような外観を呈し、顕微鏡で観察しても銅塩の結晶は見えないが、銅を含んでいる。断面や脆弱性から、バインダーが樹脂質であると判断される。希塩酸には溶解する。これを研究したA.P.ローリーはこれをファン エイク グリーンと呼んだ。ファン エイクの作品の多くで使用されている。ド・マイエルヌの文献がこれを記述した最古のものとして知られる。銅塩と純粋なバルサムとで絵具を作ると青緑色になるので、これより黄味の、暖かみのある緑は、ケルシトロンレーキ、サフラン、ガンボージなどを添加することによって顕色したとの説をローリーは提出している。この色は、樹脂系バインダーの保護力が高いために保存状態の良いものが多い。
- シェーレ緑 Sheele's Green
- シェーレ緑は酸性亜ヒ酸銅で組成式はCuHAsO3で、1778年、カール・ヴィルヘルム・シェーレが初めて合成した、合成緑色顔料の嚆矢である。品質はそれ程高くなかったので、これに続くエメラルド緑に直ちに取って代わられる。硫黄や硫化物、鉛に触れると黒変し、酸では分解する。黄緑色を呈するがすぐさま褪色現象が現れる。毒性は極めて高い。18世紀から19世紀初頭には絵画にも使用されたとされている。Colour Index Generic Name、Pigment Green 22。
- エメラルド緑 Emerald Green
- エメラルド緑はアセト亜ヒ酸銅で組成式はCu(C2H3O2)3⋅Cu(AsO2)2で、1814年ドイツのシュバインフルト(de:Schweinfurt)で初めて合成された。かなり鮮明な緑色無機顔料で、亜鉛緑ともコバルトクロム緑とも全く異なる。硫黄を含む空気や物質で黒変する。酸や温アルカリで分解される。毒性が高いことから、パリグリーンと呼ばれ殺虫剤に使用された。油性の媒材(Binder)で用いた場合の耐久性は高い。絵画における使用例は少なく、ド ヴェルトの報告では1例のみである。中国の古銅器の緑青のイミテーションとしての使用がある。Colour Index Generic Name、Pigment Green 21。
コバルト系緑色顔料
- 亜鉛緑/コバルト緑 Zinc Green / Cobalt Green
- 亜鉛緑・コバルト緑は亜鉛とコバルトの酸化物固溶体。1780年ドイツ人リンマンによって発見された。A.P.ローリーによれば、最初に文献に登場するのは1835年である。コバルトの亜鉛に対する比率は僅かであり、コバルトと亜鉛の比率を多少変えても色合いは殆ど変化しない。耐光性が高く、濃酸には侵されるがアルカリには侵されない。加えて、かなりの高温でも影響を受けない。しかしながら、不透明な無機顔料としては透明性が高く、彩度もそれ程高くないのに高価である為、美術家には喜ばれていない。マグネシウムを添加したものは暗緑色であり、そうでないものは淡い青緑色になる。Colour Index Generic Name、Pigment Green 19。
- チタンコバルト緑 Cobalt Titanate Green
- チタンとコバルトの酸化物固溶体。亜鉛やニッケルが加えられて製品化されたものも多く流通している。Colour Index Generic Name、Pigment Green 50。
- コバルトクロム緑 Cobalt Chromium Green
- コバルトとクロムとアルミニウムの酸化物固溶体。堅牢性は極めて高く、絵画技法をはじめ、耐熱性を要求される分野、例えば窯業に至る広い用途を持っている。Colour Index Generic Name、Pigment Green 26。類縁の顔料にコバルトクロム青がある。これはクロム含有量が少ないコバルトクロム緑である。
クロム系緑色顔料
- 酸化クロム緑 Chromium Oxide Green
- 酸化クロム緑は酸化クロムで組成式はCr2O3。最も安定した緑色顔料である。不透明で、硬度が高い。ヴォークランは1809年に陶器の釉薬への使用を提出している。美術家用絵具に採用されたのは1862年頃である。Colour Index Generic Name、Pigment Green 17。Chromium Oxide Green Brilliantは後述の含水酸化クロムを指す。
- ビリジアン Viridian
- ビリジアンは含水酸化クロムで、組成式はCr2O3⋅2H2Oで表す場合がある。含水量は約40%。ヨーロッパで製造されている伝統的なやや不透明で明るいエメラルドグリーンを呈するもの、これより不透明だが不鮮明なもの、透明性が高く色感に乏しいものなど、様々ある。1838年フランス人パンヌティエが発見したが1859年ギネーが特許を公告させ普及した。このため、ギネーの緑とも呼ばれる。鮮明な青味のある緑を呈する、耐光性の高い顔料である。Colour Index Generic Name、Pigment Green 18。
緑色有機顔料
レーキ顔料でない純然たる有機顔料で緑色のものの種類はそれ程豊富ではない。フタロシアニンの普及に伴い、緑色顔料の生産は大きく変化したと言える。
フタロシアニン
葉緑素に似た化学構造を持つフタロシアニンは1933年、ICI(インペリアル ケミカル インダストリーズ)社のリンステッドたちがフタロシアニンと命名、1935年に工業化され、モナストラルブルーの名で商品顔料になった。アメリカでは、1936年に別の名で取引が始まる。鮮明で着色力が非常に強く、プロシア青の倍程の着色力がある。 フタロシアニン緑はフタロシアニン青に続いて開発され、塩素化銅フタロシアニンは1838年に商品化された。Colour Index Generic NameにはPigment Green 7、臭素化塩素化フタロシアニンのPigment Green 36、臭素化塩素化亜鉛フタロシアニンのPigment Green 58が記載されている。液晶テレビを含む液晶ディスプレイのカラーフィルタの緑には、構成要素としてPigment Green 36が使われている。
緑のほかに、緑青・ターコイズを呈する無金属フタロシアニン、鮮明な緑気味の青であるフタロシアニン青がある。いずれも化学的に安定な構造で、比較的安価に大量生産されている。
ペリレン
ペリレン顔料は、ペリレンテトラカルボン酸二無水物の六員環を構成している酸素原子2個を脱落させた構造を有する顔料である。赤から紫、そして、緑(但し黒い緑)といった幅広い色相を持つ顔料グループであり、一般に着色力、堅牢性に優れる。緑色のペリレン顔料であるPigment Black 31は、緑味を呈する黒色顔料であるが、色相は濃度やバインダーなどの条件により相違する。
緑色染料および緑色レーキ顔料
緑色の染料およびレーキ顔料についてはここで述べる。顔料の世界では、アゾメチンの前駆体、特にイミンを構造中に有する顔料をアゾメチン顔料と称する。
クロウメモドキ科の熟成した液果から抽出することが可能な緑色成分があり、これが本来の「サップグリーン」である。サップグリーンは、今日では専ら名称として残る。色素としてラムネチン Rhamnetin (en)やエモジン Emodin (en)を含んでいる。
アントラキノン
前述のように、クロウメモドキ科の熟成した液果から抽出することが出来る成分のエモジンは、アントラキノン染料に数えられる。
フラボン
前述のように、クロウメモドキ科の熟成した液果から抽出することが出来る成分のラムネチンは、フラボン染料に数えられる。
アゾメチン
アゾメチン系の緑色顔料としては、緑色のニトロソ染料のナフトールグリーン Naphthol Green B (en)のレーキ顔料(Pigment Green 8)がある。印象的な深い緑を呈する。堅牢であるが耐水性にやや劣るところがある。
マラカイトグリーンは、カルボニウム系の塩基性染料である。このレーキは、安価な水性絵具などにも用いられる。
複合による緑色
現在使われている緑は、黄と青の物質を混合したものや併用したもの、黄と青緑の物質を混合したものや併用したものが多い。例としてカドミウム黄とウルトラマリンブルー、フタロシアニン緑、若しくはビリジアンの混合物であるカドミウムグリーン、かつて代表的だった例として黄鉛と紺青の混合物であるクロムグリーンがある。
これらは顔料を混合しただけのものを用いるものあれば、共沈顔料と呼ばれる、複数の顔料を組み合わせた顔料を用いる場合もある。
緑に関する事項
緑をさす「青」
古代日本語の固有の色名は、アカ・クロ・シロ・アヲの四語のみだったとの説が存在する[2]。緑が色名として明確に扱われてこなかったため、現在緑色と言われる色そのものは日本語では「青」によって表現されてきた。例えば、
- 「青々とした葉っぱ」「青野菜」など。
- 「青信号」: 青信号は実際には青緑色になっているが、色覚に特性がある人を考慮したためである。古い信号機では本当の緑色が使われることもある。
- 「青二才」など:おそらく果実の熟し具合からの転用で「幼い」「若い」「未熟である」ことを英語では “green”、ポルトガル語でも “verde” と緑色をさす語で表しているが、日本では「青い」という。
少なくとも過去において緑色と青色を明確に切り分けなかった言語は日本語に限らず非常に多く、東アジアの漢字文化圏、東南アジア、インド、アフリカ、マヤ語など中南米の言語にみられる。緑色(green)と青色(blue)とを分節しない語彙を表すため、しばしば言語学者はグルー(grue)という語を使用しており、こうした言語はグルー言語ともよばれる。さらにこのような言語では黒色とも区別されず、いわば「暗い色」として表されることがあり、これは特に赤道直下の言語に多い[3]。
言語ごとの色の分節の食い違いは、最も一般的には色の分け方に物理学的な根拠がなく、ソシュール言語学が主張するように最終的にはそれが文化によって分節されていることによる[4]。しかし、グルー言語が熱帯をはじめ比較的温暖な地域に多いことから、これは野外活動により浴びる紫外線から網膜を保護するために加齢とともに水晶体が黄変して、青色のような短波長の感度が低下し、実際に区別が困難になるためであるとする学説もある (lens-brunescence hypothesis)[5]。現代でも高齢者は白内障による視界の黄変化により白と黄色、青と黒、緑と青などの区別が困難となる。
手術用敷布が緑である理由
医療機関では、手術の際に緑色もしくは青色の手術着や敷布を使用する。血の赤色を長時間凝視し続けると補色残像という色の錯覚を引き起こし、赤の補色である青緑色の残像が視界全体に生じて手術の妨げになるため、赤の補色を多用することで補色残像の影響を緩和する効果を利用している[6]。
近似色
脚注
- ^ 現在でも「みどりの黒髪」、「嬰児(みどりご)」などの用法が残っている
- ^ 新村出編 (1998/11). 『広辞苑 第五版』. 岩波書店. ISBN 978-4000801126
- ^ Paul Kay and Luisa Maffi. “Feature/Chapter 134: Green and Blue”. The World Atlas of Language Structures Online, WALS. 2009年12月25日閲覧。
- ^ 鈴木孝夫. 『ことばと文化』. <岩波新書>
- ^ D. T. Lindsey and A. M. Brown (2002). “Color Naming and the Phototoxic Effects of Sunlight on the Eye”. Psychological Science 13: 506–512.
- ^ 宮本サナエ『いろ色なお話: 色彩の世界への招待状』文芸社、2000年、ISBN 4-8355-0727-4、pp.31-32。
参考文献
- 『顔料の事典』 伊藤 征司郎(編集) 朝倉書店 2000/10 ISBN 978-4254252439
- 『絵具の科学』 ホルベイン工業技術部編 中央公論美術出版社 1994/5(新装普及版) ISBN 480550286X
- 『絵具材料ハンドブック』 ホルベイン工業技術部編 中央公論美術出版社 1997/4(新装普及版) ISBN 4805502878
- 『カラー版 絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』森田 恒之監修 森田 恒之ほか執筆 美術出版社 2000.3 ISBN 4568300533
- 『絵画材料事典』 ラザフォード・J・ゲッテンス・ジョージ・L・スタウト著 森田恒之訳 美術出版社 1999/6 ISBN 4254252439
- 近江源太郎・監修 『色々な色』 光琳社出版 1996年 ISBN 4771302324
- 清野恒介・島森功 『色名事典』 新紀元社、2005年7月。ISBN 4-7753-0384-8。
- 永田泰弘・監修 『新版 色の手帖』 小学館 2002年 ISBN 4095040025
- 福田邦夫・著 『色の名前はどこからきたか』 青娥書房 1999年 ISBN 4790601803
- 福田邦夫・著 『色の名前507』主婦の友社 2006年 ISBN 4072485403
- 藤井健三・監修 『京の色事典330』 平凡社 2004年 ISBN 4582634125
関連項目
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08 | 銀色(0C) | 灰色 | マルーン | オリーブ | 緑 | ティール | ネイビー | 紫 |