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'''希少糖'''(きしょうとう、{{lang-en-short|rare sugar}})とは、[[国際希少糖学会]]によって「自然界にその存在量が少ない[[単糖]]とその誘導体」と定義され<ref>{{Cite web|url= http://www.kagawa-u.ac.jp/rsrc/3.html |title=センター紹介|author=香川大学希少糖研究センター|date=|accessdate=2014年4月16日}}</ref>、単糖とその誘導体としての糖アルコールを加えると、60種類ほどになり、自然界に豊富に存在する<small>D</small>-[[グルコース]]や<small>D</small>-[[マンノース]]などを除いた単糖の大部分を占める。 |
'''希少糖'''(きしょうとう、{{lang-en-short|rare sugar}})とは、[[国際希少糖学会]]によって「自然界にその存在量が少ない[[単糖]]とその誘導体」と定義され<ref>{{Cite web|url= http://www.kagawa-u.ac.jp/rsrc/3.html |title=センター紹介|author=香川大学希少糖研究センター|date=|accessdate=2014年4月16日}}</ref>、単糖とその誘導体としての糖アルコールを加えると、60種類ほどになり、自然界に豊富に存在する<small>D</small>-[[グルコース]]や<small>D</small>-[[マンノース]]などを除いた単糖の大部分を占める。 |
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希少糖の中で研究が進んでいる<small>D</small>-プシコースは、砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロ。さらに、「食後の血糖値上昇を緩やかにする」、「内臓脂肪の蓄積を抑える」といった研究結果が報告されている<ref name="kagawa-univ-pamphlet1>{{Cite web |date=2010-01 |url=http://www.kagawa-u.ac.jp/rsrc/pamphlet.pdf |title=希少糖 無限の可能性を持つ夢の糖 |format=PDF |publisher=国立大学法人 香川大学 研究推進機構 希少糖研究センター |accessdate=2014-05-10}} p.3</ref>。 |
希少糖の中で研究が進んでいる<small>D</small>-プシコースは、砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロ。さらに、「食後の血糖値上昇を緩やかにする」、「内臓脂肪の蓄積を抑える」といった研究結果が報告されている<ref name="kagawa-univ-pamphlet1">{{Cite web |date=2010-01 |url=http://www.kagawa-u.ac.jp/rsrc/pamphlet.pdf |title=希少糖 無限の可能性を持つ夢の糖 |format=PDF |publisher=国立大学法人 香川大学 研究推進機構 希少糖研究センター |accessdate=2014-05-10}} p.3</ref>。 |
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希少糖の一つ[[エリトリトール|エリスリトール]]は、<small>D</small>-プシコース同様、砂糖の7割程度の甘味ながら血糖値を上昇させず、インスリンの分泌を誘導しない<ref>[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8039489 Oku T. et al. (1994) "Serum glucose and insulin levels and erythritol balance after oral administration of erythritol in healthy subjects.", Eur J Clin Nutr. Apr;48(4):286-92.]</ref>。 |
希少糖の一つ[[エリトリトール|エリスリトール]]は、<small>D</small>-プシコース同様、砂糖の7割程度の甘味ながら血糖値を上昇させず、インスリンの分泌を誘導しない<ref>[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8039489 Oku T. et al. (1994) "Serum glucose and insulin levels and erythritol balance after oral administration of erythritol in healthy subjects.", Eur J Clin Nutr. Apr;48(4):286-92.]</ref>。 |
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2017年1月11日 (水) 01:44時点における版
希少糖(きしょうとう、英: rare sugar)とは、国際希少糖学会によって「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義され[1]、単糖とその誘導体としての糖アルコールを加えると、60種類ほどになり、自然界に豊富に存在するD-グルコースやD-マンノースなどを除いた単糖の大部分を占める。
希少糖の中で研究が進んでいるD-プシコースは、砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロ。さらに、「食後の血糖値上昇を緩やかにする」、「内臓脂肪の蓄積を抑える」といった研究結果が報告されている[2]。 希少糖の一つエリスリトールは、D-プシコース同様、砂糖の7割程度の甘味ながら血糖値を上昇させず、インスリンの分泌を誘導しない[3]。
代表的な希少糖
国際希少糖学会[4]による。
発見の歴史
- 1852年ナナカマドの実からL-ソルボースが発見された[5]。当時はD型糖のみが自然界に存在すると考えられており、また追試に成功した者がいなかったので、この報告は間違いだと思われていた。
- 1896年、ベルトランが、酢酸菌がD-ソルビトールをL-ソルボースに変換することを発見した(L-ソルボース発酵)[6]。
- 1994年、香川大学の何森健らによって、フルクトースをプシコースに変換する酵素、D-タガトース3-エピメラーゼ(DTE)が発見された[7]。これにより希少糖を体系的に生産するシステム(イズモリング[8])が考案され、大量生産への道が拓かれた。
研究
香川大学は希少糖研究センター[9]を持ち、希少糖の生産や生理活性に関する研究開発を行っているほか、2001年からは国際希少糖学会が置かれている。
希少糖のいくつかには血糖上昇抑制作用が認められるものがある。L-アラビノースは砂糖の50%程度の甘味を持ち、小腸で吸収されにくく、α-グルコシダーゼの活性を抑えるためにグルコースの吸収を抑える作用があり、血糖値を抑制する作用がある。味噌、パン、ビール、緑茶、紅茶などにアラビノースが少量含まれている。D-キシロースにもL-アラビノースと同様の活性が認められる[10]。アラビノースはダイエットに利用されている。プシコースにも同様の作用がある[11]。
行政の取組み
- 香川県は、希少糖に関するプロジェクトを重点施策に位置付け、希少糖の普及などに積極的に取り組むこととしている(同県の希少糖サイト[12]では、香川大学を中心とした研究・開発等が紹介されているほか、希少糖のPR動画[13]や香川大学特任教授の何森によるコラムなどが掲載されている)。
- 2014年3月29・30日(土・日)に、「かがわ希少糖フェア2014」が、サンポート高松(JR高松駅北側)で開催され、パティシエ辻口博啓を招いての料理教室・コンテスト、華道家假屋崎省吾のトークショー、希少糖関連商品の展示・販売(人気スイーツ店など30店舗が出展)、血糖値等測定・健康相談、香川大学教授による希少糖講座(一般向け)、希少糖スイーツの試食、ゲーム大会、紙芝居、アンパンマンショーなどが実施された(国際希少糖学会も同時開催)。
- 香川県では、希少糖産業の基盤形成を促進するため、希少糖の生産や試験研究を行う企業の施設・設備に対して、企業誘致助成制度を活用した手厚い支援(投下固定資産額の30%を助成)を行うこととしている。
希少糖を含む製品
市販されている希少糖の中には液体タイプ、粉末タイプがある。液体タイプはD-プシコースを含む製品など。粉末タイプはエリスリトールやキシリトールなどの希少糖が販売されている。100%希少糖の製品は粉末タイプで手にはいる。
脚注・出典
- ^ 香川大学希少糖研究センター. “センター紹介”. 2014年4月16日閲覧。
- ^ “希少糖 無限の可能性を持つ夢の糖” (PDF). 国立大学法人 香川大学 研究推進機構 希少糖研究センター (2010年1月). 2014年5月10日閲覧。 p.3
- ^ Oku T. et al. (1994) "Serum glucose and insulin levels and erythritol balance after oral administration of erythritol in healthy subjects.", Eur J Clin Nutr. Apr;48(4):286-92.
- ^ 国際希少糖学会. “Activity of ISRS”. 2009年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月16日閲覧。
- ^ Pelouze, J. (1852). “Sur une nouvelle matiere sucree extraite des baies de sorbier”. Ann. Chim. Phys. 35: 222.
- ^ Bertrand, G. (1896). “Preparation biochimique du sorbose”. Compt. Rend. 122: 900–903.
- ^ Itoh, H.; Okaya, H.; Khan, A. R.; Tajima, S.; Hayakawa, S.; Izumori, K. (1994). “Purification and characterization of D-tagatose 3-epimerase from Pseudomonas sp. ST-24”. Biosci. Biotechnol. Biochem. 58: 2168–2171. doi:10.1271/bbb.58.2168 .
- ^ Izumori, K. (2002). “Bioproduction strategies for rare hexose sugars”. Naturwissenschaften 89 (3): 120-124. doi:10.1007/s00114-002-0297-z .
- ^ 希少糖研究センター
- ^ L-アラビノースの栄養・生理的機能と用途、檜作進、Journal of Applied Glycoscience Vol.46 (1999) No.2 P159-165
- ^ 松尾達博:ラットにおけるD-プシコースの血糖値上昇抑制作用 日本栄養・食糧学会誌 Vol.59 (2006) No.2 P119-121
- ^ “かがわ希少糖プロジェクト”. 2014年2月26日閲覧。
- ^ “希少糖PR動画「希少糖は夢の糖」”. 2014年2月26日閲覧。
外部リンク
- 一般社団法人希少糖普及協会
- 香川大学希少糖研究センター
- 松谷化学工業株式会社 - 希少糖製品の製造会社。