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「電磁式カタパルト」の版間の差分

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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 世界の空母 坂本明 文林堂 ISBN4-89319-116-0
* 世界の空母 坂本明 文林堂 ISBN 4-89319-116-0


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2016年11月15日 (火) 19:52時点における版

電磁式カタパルトの構造図

電磁式カタパルト(でんじしきカタパルト、Electromagnetic Aircraft Launch System、EMALS、イーマルス)とは、アメリカ海軍イギリス海軍で現在開発中のリニアモーターによって航空母艦から固定翼機を発射するシステムである。電磁カタパルト電磁力航空機発射システムとも呼ばれる。

従来用いられてきた蒸気カタパルトを更新するものとして開発が進められている。

概要

電磁力を使用して航空機を加速する。原理は1912年にEmile Bachelet英語版によって考案された。アメリカ合衆国特許第 1,088,511号

利点と欠点

電磁式カタパルトの利点と欠点

利点
  • 航空機に与える加速度を適切にコントロール出来るので無理な荷重を機体にかけない
  • 蒸気式に比べて滑走距離を短く出来る可能性がある
  • 比較的軽い
  • コンパクト
  • メンテナンスが簡単
  • 蒸気発生装置(ボイラー)、蒸気配管がいらない
  • 効率性が高い、長寿命
  • 従来のカタパルト(主に蒸気式)と異なる点が多いため、カタパルト開発技術がない又はカタパルト開発に失敗していても、新規に開発を行い易い。
  • 機器配置の制約が蒸気式よりも低い
欠点

従来型蒸気カタパルトの利点と欠点

利点
  • 成熟した技術なので技術的・工学的な確実性がある
  • 原子力空母においては原子炉から得られる蒸気を流用できる
  • 原子力空母に比べて、発電能力に劣る通常動力空母でもカタパルト用ボイラーを用意することで運用できる。
欠点

各国の状況

アメリカ/イギリス

アメリカ海軍イギリス海軍と共同で開発しており、ジェラルド・R・フォード級航空母艦から電磁式カタパルトが採用される予定である。計画当初ではニミッツ級航空母艦原子力空母)の最後の第10番艦「ジョージ・H・W・ブッシュ」(USS George H. W. Bush、CVN-77)の電磁式カタパルトを採用するつもりであったが、開発が間に合わないため従来通りのスチーム式カタパルトが搭載された。

イギリス海軍は2017年就役を計画中のクイーン・エリザベス級航空母艦での採用を検討していた[2]。しかし搭載予定機だったF-35Cの開発が大幅に遅れる事になったため搭載機を当初のF-35Bに戻したことにより今後の予定は不透明である。

中国

2014年1月24日に中国網は、中国が電磁カタパルトの試験機テスト設備を建造していることを報じた[3]。なお、電磁カタパルトの技術を含めた多くの技術が、大手防衛産業企業 L-3 コミュニケーションズの子会社 Power Paragon のエンジニアで中国系アメリカ人のチ・マクによって盗まれて中華人民共和国に持ち出されたとして起訴され2007年に有罪判決を受けている(Level 3 Communications とは全く別の会社)[4]

ロシア

アドミラル・クズネツォフ」の後継となる将来空母用に電磁カタパルトを開発している[5]

出典

  1. ^ 蓄電器フライホイールによって一時的に蓄電する事で発電設備への負担を平準化可能
  2. ^ - CVF - Royal Navy Future Aircraft Carrier
  3. ^ 中国、米に次ぎ世界で2番目の電磁式カタパルトを建造
  4. ^ Chi Mak, Tai Wang Mak Espionage-Spy Case
  5. ^ ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている

参考文献

関連項目

外部リンク