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「モーリツ・ベニョヴスキー」の版間の差分

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== 登場する作品 ==
== 登場する作品 ==
*『[[風雲児たち]]』([[みなもと太郎]])
*『[[風雲児たち]]』([[みなもと太郎]])
*『日本人の西洋発見』([[ドナルド・キーン]]著 芳賀徹訳 中公文庫 1982年 M11-5 ISBN4-12-200926-XC1121)
*『日本人の西洋発見』([[ドナルド・キーン]]著 芳賀徹訳 中公文庫 1982年 M11-5 ISBN 4-12-200926-XC1121)


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2016年11月15日 (火) 17:36時点における版

モーリツ・ベニョヴスキー
Móric Benyovszky
生誕 1746年9月20日
ハンガリー王国の旗 ハンガリー王国
死没 (1786-03-23) 1786年3月23日(39歳没)
メリナ王国の旗 メリナ王国
死因 流れ弾に被弾
別名 ファン・ベンゴロ
はんべんごろう
職業 マダガスカルフランス軍司令官 (2回)
罪名 殺人
詐欺
反政府活動
脱獄
刑罰 流刑 (1771年前後)
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モーリツ・ベニョヴスキーMóric Benyovszky1746年9月20日 - 1786年3月23日)は、東欧出身の犯罪者であり、鎖国中の日本をはじめ、多くの国で犯罪を犯した人物。男爵を自称した。

生涯

出自

生年は自身の回想記では1741年としているが、実際は1746年である(七年戦争への従軍歴を偽るために繰り上げたものである)[1]。生まれはハンガリーであるが、ポーランドロシアなどとも称していた。若い頃から詐欺や殺人、反政府活動など悪事を繰り返し、ロシアで逮捕されてカムチャツカ半島に流刑にされた。そこで他の囚人と共謀して看守らを殺害して脱獄し、帆船を奪って「聖ピョートル号」と名づけ、1771年日本に向かった。船上でも自分に反感を抱いた仲間を、途中のクリル諸島の島に置き去りにするなどした。

日本に来航

1771年7月8日、ベニョヴスキーは阿波国徳島藩日和佐(現徳島県美波町)に来航する。しかし徳島藩は江戸幕府に咎められることを恐れて上陸を許さず、無償で水と食料・燃料を与えて追い返した。このとき、ベニョヴスキーは長崎オランダ商館長宛の手紙を徳島藩に渡したが、これが後に「手紙事件」につながる。

「ベンヨスキーの臺灣探撿」

阿波を追い出されたベニョヴスキーは土佐国高知藩の佐喜浜(現高知県室戸市)に向かったが、ここでも上陸を許されずに追い返された。このため当時の日本の窓口だった長崎を目指したが、方向を見失って奄美大島に流れ着いた。奄美大島でも上陸は許されずに追い返され、台湾島に寄港してそこでも現地住民と紛争を起こし、ベニョヴスキーはマカオに向かった。

手紙事件

ベニョヴスキーが残した手紙は神聖ローマ帝国陸軍中佐名義で高地ドイツ語で書かれていた。長崎オランダ商館長ダニエル・アーメナウルトが解読を依頼されたが、内容はルス国(ロシア帝国)が松前近辺を占拠するためにクリル諸島に要塞を築いているという根も葉もない荒唐無稽な内容であった[2]。ベニョヴスキーをオランダ語読みした「ファン・ベンゴロ」は日本で「はんべんごろう」と呼ばれることになり、幕府は書簡の存在を秘匿したものの、工藤平助林子平らがロシア関連書籍を刊行して世に警鐘を鳴らすきっかけとなった。

最期

マカオでベニョヴスキーは聖ピョートル号を売却して金を手に入れ、さらに脱獄仲間も奴隷として売り払った(仲間はのちにロシアに逮捕され、シベリアに流罪にされた)。そして自らを貴族や皇族と称して詐欺を働き、1772年3月にはフランスに渡航する。どのような裏工作を行ったかは不明だが、マダガスカルのフランス軍司令官として表世界に躍り出た。この間、台湾国後島・奄美大島などに根拠地を築き日本と通商関係を樹立することも提言し、大島住民からの許可状もあると主張したが、フランス政府からは相手にされなかった[3]。その後同僚を殺害したことからフランスからも追われる身となり、イギリスに逃亡する。イギリスでは嘘の回想録を出版したり他人の作品を盗作したりしたが、これが当時は大当たりしたという。欧州では脚本化されて舞台劇にまでなった。

1786年、またもどのような裏工作を働いたかは不明であるが、マダガスカルの司令官として復帰する。しかしそこで住民を煽動してフランス軍と戦い、流弾に当たって死亡したと伝わる。

登場する作品

脚注

  1. ^ 渡辺2010、11頁。
  2. ^ 渡辺2010、9頁。
  3. ^ 渡辺2010、14頁。

参考文献

関連項目