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「ニルヴァーナ (ジャイナ教)」の版間の差分

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==モークシャとしてのニルヴァーナ==
==モークシャとしてのニルヴァーナ==
「[[モクシャ (ジャイナ教)|モークシャ]]」と「ニルヴァーナ」という用語はジャイナ経典においてしばしば同じ意味で使われる<ref>{{cite book | last =Jaini | first =Padmanabh | title =Collected Papers on Jaina Studies | publisher =Motilal Banarsidass Publ. | date =2000 | location =Delhi | isbn =81-208-1691-9 }}: ''"Moksa and Nirvana are synonymous in Jainism".'' p.168</ref><ref>Michael Carrithers, Caroline Humphrey (1991) ''The Assembly of listeners: Jains in society'' Cambridge University Press. ISBN-0521365058: ''"Nirvana: A synonym for liberation, release, moksa."'' p.297</ref>。
「[[モクシャ (ジャイナ教)|モークシャ]]」と「ニルヴァーナ」という用語はジャイナ経典においてしばしば同じ意味で使われる<ref>{{cite book | last =Jaini | first =Padmanabh | title =Collected Papers on Jaina Studies | publisher =Motilal Banarsidass Publ. | date =2000 | location =Delhi | isbn =81-208-1691-9 }}: ''"Moksa and Nirvana are synonymous in Jainism".'' p.168</ref><ref>Michael Carrithers, Caroline Humphrey (1991) ''The Assembly of listeners: Jains in society'' Cambridge University Press. ISBN 0521365058: ''"Nirvana: A synonym for liberation, release, moksa."'' p.297</ref>。


ウッタラディヤーナ・スートラではパルシュヴァの弟子のケシにニルヴァーナの意味を説明するガウタマについて書かれている<ref>{{cite book | last =Jacobi | first =Hermann | coauthors =Ed. F. Max Müller | title =Uttaradhyayana Sutra, Jain Sutras Part II, Sacred Books of the East, Vol. 45 | publisher =The Clarendon Press | date =1895 | location =Oxford | url =http://www.sacred-texts.com/jai/sbe45/index.htm }} </ref>。
ウッタラディヤーナ・スートラではパルシュヴァの弟子のケシにニルヴァーナの意味を説明するガウタマについて書かれている<ref>{{cite book | last =Jacobi | first =Hermann | coauthors =Ed. F. Max Müller | title =Uttaradhyayana Sutra, Jain Sutras Part II, Sacred Books of the East, Vol. 45 | publisher =The Clarendon Press | date =1895 | location =Oxford | url =http://www.sacred-texts.com/jai/sbe45/index.htm }} </ref>。

2016年11月15日 (火) 16:53時点における版

ニルヴァーナもしくはニッヴァーナ(サンスクリット語: निर्वाण, Nirvāṇa; プラークリット: णिव्वाण Nivvāṇa涅槃)は、ジャイナ教においてはカルマの呪縛からの最終的な開放を意味する。アリハントティールタンカラのような悟りを開いた人は自身に残っているアガーティヤー・カルマを消滅させて自身のこの世界における存在を消滅させる。これがニルヴァーナ(nirvāṇa)である。用語として厳密には、アリハントの死がアリハントのニルヴァーナと呼ばれる、というのは死ぬことで世界における存在を終わらせて解脱するからである。モークシャ、すなわち解脱はニルヴァーナに引き続いて起きる。アリハントはニルヴァーナに至ったのちにシッダ、つまり解脱した者になる。しかし、ニルヴァーナという用語はしばしばモークシャの同義語としても使われる。まとめるとニルヴァーナの意味は:

  1. アリハントの死
  2. モークシャ(解脱)そのもの

となる。

ジャイナ経典におけるティールタンカラのニルヴァーナに関する記述

カルパスートラではマハーヴィーラのニルヴァーナが入念に説明されている[1]

尊い苦行者マハーヴィーラのアガーティヤー・カルマが消滅したのは、このアヴァサルピニーのドゥーシャマスシャマーの時代の大部分が終わり残り3年8か月半となったころであった。マハーヴィーラは36の問われなかった質問とカルマによって引き起こされるものを詳説する55の講義を説いて聞かせた(ウッタラディヤーナ・スートラ)。パパの町で早朝に月とスヴァーティの星群の合が観測され、ハスティパーラ王の著述家の事務所でマハーヴィーラは一人サンパリヤーカの姿勢をとって座し、肉体を残してニルヴァーナに至り、あらゆる苦痛から自由となった。 (147)

その雨季の4か月目、14週目、カルッティカの闇の2週間、15日目、昨夜、パパの町の、ハスティパーラ王の著述家の事務所で、尊い苦行者マハーヴィーラは死に、世を去り、生まれ、老い、死にゆく連鎖を断ち切った。シッダ、ブッダ、ムクタ、(全ての悲しみを)終わらせるものとなり、解脱してあらゆる苦痛から解放された。(123)

尊い苦行者マハーヴィーラが死に、あらゆる苦痛から解放され、上昇したり下降したりする神々に祝福された夜 (125)

偉大なる苦行者マハーヴィーラが死に、あらゆる苦痛から解放された夜に、カーシーとコーサラの同盟した諸王、9人のマッラキと9人のリッチャヴィが新月の日に、ポシャダで灯りをともし、その日断食が行われた。彼らが言うところによれば、「知性の光が行ってしまったから、物質的な光をともそう!」(128)

モークシャとしてのニルヴァーナ

モークシャ」と「ニルヴァーナ」という用語はジャイナ経典においてしばしば同じ意味で使われる[2][3]

ウッタラディヤーナ・スートラではパルシュヴァの弟子のケシにニルヴァーナの意味を説明するガウタマについて書かれている[4]

あらゆる観点から言って安全だが行くのが難しい場所がある。そこでは老いることも死ぬこともなく、痛みも病もない。そこはニルヴァーナ、つまりあらゆる観点からの痛みからの解放と呼ばれている場所である。そこは安全で、幸福で、静寂な場所であって、偉大な賢者だけがそこへ行ける。そこはあらゆる観点から言って永遠の場所だが行くのが難しい。そこへたどり着いた賢者は悲しみから解放される。彼らは流れゆく存在を終わらせる。(81-4)

脚注

  1. ^ Jacobi, Hermann; Ed. F. Max Müller (1884). Kalpa Sutra, Jain Sutras Part I, Sacred Books of the East, Vol. 22. Oxford: The Clarendon Press. http://www.sacred-texts.com/jai/sbe22/index.htm 
  2. ^ Jaini, Padmanabh (2000). Collected Papers on Jaina Studies. Delhi: Motilal Banarsidass Publ.. ISBN 81-208-1691-9 : "Moksa and Nirvana are synonymous in Jainism". p.168
  3. ^ Michael Carrithers, Caroline Humphrey (1991) The Assembly of listeners: Jains in society Cambridge University Press. ISBN 0521365058: "Nirvana: A synonym for liberation, release, moksa." p.297
  4. ^ Jacobi, Hermann; Ed. F. Max Müller (1895). Uttaradhyayana Sutra, Jain Sutras Part II, Sacred Books of the East, Vol. 45. Oxford: The Clarendon Press. http://www.sacred-texts.com/jai/sbe45/index.htm