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2007年7月に米国石油地質協会([[:en:American Association of Petroleum Geologists|AAPG]])が気候の基本的制御において人為的な二酸化炭素排出についての研究拡大が重要だと表明<ref name="APPG_statement">[http://dpa.aapg.org/gac/statements/climatechange.cfm Position Statement]([http://dpa.aapg.org/ AAPG])</ref>した。これ以来[[地球温暖化]]に対する人為的影響を否定する地質学関係の学術組織は無いとされる<ref name="AGU">[http://www.agu.org/fora/eos/pdfs/2006EO360008.pdf Petroleum Geologists Award to Novelist Crichton Is Inappropriate] ([http://www.agu.org AGU])</ref>。 |
2007年7月に米国石油地質協会([[:en:American Association of Petroleum Geologists|AAPG]])が気候の基本的制御において人為的な二酸化炭素排出についての研究拡大が重要だと表明<ref name="APPG_statement">[http://dpa.aapg.org/gac/statements/climatechange.cfm Position Statement]([http://dpa.aapg.org/ AAPG])</ref>した。これ以来[[地球温暖化]]に対する人為的影響を否定する地質学関係の学術組織は無いとされる<ref name="AGU">[http://www.agu.org/fora/eos/pdfs/2006EO360008.pdf Petroleum Geologists Award to Novelist Crichton Is Inappropriate] ([http://www.agu.org AGU])</ref>。 |
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日本語での反論も為されており<ref name="Hihan"/><ref name="Yasui">安井至「[http://eco.nikkei.co.jp/column/ecowatching/article.aspx?id=MMECcd012015102007&page=1 環境問題のウソと正解]」、日経エコロミー、2007年7月</ref><sup> |
日本語での反論も為されており<ref name="Hihan"/><ref name="Yasui">安井至「[http://eco.nikkei.co.jp/column/ecowatching/article.aspx?id=MMECcd012015102007&page=1 環境問題のウソと正解]」、日経エコロミー、2007年7月</ref><sup>''([[Wikipedia:出典を明記する#出典の示し方|何ページ?]])''</sup>、国立環境研究所の「[http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/qa_index-j.html Q&Aココが知りたい温暖化]」がある。 |
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前[[東京大学]]総長で[[三菱総研]]理事長の[[小宮山宏]]は、「全てについて反論は用意されている」「温暖化懐疑論が問題になっているのは日本だけ」と述べている<ref name="Nikkei_Komiyama">「[http://eco.nikkei.co.jp/interview/article.aspx?id=MMECi1000006042009 小宮山宏・三菱総研理事長(前東大総長)に聞く」日経エコロミー、2009年4月6日]</ref><sup> |
前[[東京大学]]総長で[[三菱総研]]理事長の[[小宮山宏]]は、「全てについて反論は用意されている」「温暖化懐疑論が問題になっているのは日本だけ」と述べている<ref name="Nikkei_Komiyama">「[http://eco.nikkei.co.jp/interview/article.aspx?id=MMECi1000006042009 小宮山宏・三菱総研理事長(前東大総長)に聞く」日経エコロミー、2009年4月6日]</ref><sup>''([[Wikipedia:出典を明記する#出典の示し方|何ページ?]])''</sup>。 |
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[[海洋研究開発機構]]の[[近藤洋輝]]は、NatureやScienceなどの著名学術誌に採用されていない異論が、メディアに安易に取り上げられることに懸念を表明している<ref name="Saizensen">近藤洋輝『地球温暖化予測の最前線』成山堂書店、2009年9月、ISBN 978-4-425-51172-3</ref><sup> |
[[海洋研究開発機構]]の[[近藤洋輝]]は、NatureやScienceなどの著名学術誌に採用されていない異論が、メディアに安易に取り上げられることに懸念を表明している<ref name="Saizensen">近藤洋輝『地球温暖化予測の最前線』成山堂書店、2009年9月、ISBN 978-4-425-51172-3</ref><sup>''([[Wikipedia:出典を明記する#出典の示し方|何ページ?]])''</sup>。 |
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トンデモ本を批判的に楽しむ[[と学会]]の会長でSF作家の[[山本弘(作家)|山本弘]]は著書<ref name="UsoNoUso_291"/><sup> |
トンデモ本を批判的に楽しむ[[と学会]]の会長でSF作家の[[山本弘(作家)|山本弘]]は著書<ref name="UsoNoUso_291"/><sup>''([[Wikipedia:出典を明記する#出典の示し方|何ページ?]])''</sup>において、[[武田邦彦]]や[[槌田敦]]らによる懐疑論に関して、誤った解釈や信頼性の低い論拠などの問題点を指摘した上で「素人の印象を信じるな。専門家の言うことに耳を傾けろ。」と述べている。 |
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数学者[[イアン・スチュワート]]は『数学の魔法の宝箱』で「[[地球温暖化詐欺_(映画)]]」における気温と二酸化炭素のグラフに関する誤解を取り上げ、幼稚な推論が原因であるとして数学的に解説<sup> |
数学者[[イアン・スチュワート]]は『数学の魔法の宝箱』で「[[地球温暖化詐欺_(映画)]]」における気温と二酸化炭素のグラフに関する誤解を取り上げ、幼稚な推論が原因であるとして数学的に解説<sup>''([[Wikipedia:出典を明記する#出典の示し方|何ページ?]])''</sup>している。 |
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==各国における状況== |
==各国における状況== |
2016年11月15日 (火) 13:06時点における版
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地球温暖化に対する懐疑論(ちきゅうおんだんかにたいするかいぎろん、Skepticism to Global Warming)とは、地球温暖化は人為的なものでない、地球は温暖化していない等とする学説や意見である。この項目では実在する主張や反論をそのまま記載する。反論に対する再反論は記載しない。
概要
地球温暖化に関する科学的知見を最も包括的に評価した報告書がIPCC第4次評価報告書(以下AR4と略す)である[2][3][4]。この評価結果は科学的・国際的に広く認められ、世界の動きはこれを主軸としつつある。AR4にはいくつかの誤記がみつかったがAR4の主要な結論は変わっていない[5]。
一方、地球温暖化やその原因等に対し異論を主張する組織・個人が存在し、[6]主な異論は当該分野の専門家による反論がある[7]。
温暖化の科学的知見に対する議論・疑問
温暖化は二酸化炭素を主とした温室効果ガスの濃度増加に因るとの学術的知見に対する懐疑論や、気温上昇、氷河融解、海面上昇、動植物の生態系変化、気象の異常等が温暖化に起因して生じるとの学術的知見に対する懐疑論。
気温上昇に対する懐疑論
気温は上昇していない、もしくは、そのデータの信頼性に疑問がある。
- (主張)マイケル・マンらによる古気候復元(ホッケースティック曲線)の論文では、データの無断盗用・改竄が行われている。マンらの論文はAR4では使われなくなった。
- (反論)「無断盗用・改竄」については、後ほど訂正されている。AR4でもいくつかの古気候復元とあわせて使われており、それらはマンらが示した誤差範囲内である。(詳細はホッケースティック論争参照)
- (主張)現代気象学における温暖化論には物理学的な裏づけができない[20][要検証 ]。
- (反論)当該分野の専門家らが批判している[7]。
- (主張)世界の平均気温上昇は1998年以降停止している。また、太陽活動の低下により今後地球は寒冷化する可能性がある。[21][要検証 ]
原因に関する懐疑論
温暖化は二酸化炭素を主とした温室効果ガスの濃度増加に因るとの学術的知見に対して、太陽活動の影響、宇宙線の影響、地球内部の活動、磁気圏の活動などが原因と主張する懐疑論。
人為説全般
水蒸気
- (主張)二酸化炭素よりも、水蒸気の方が影響が大きい[要出典]。
太陽活動
- (宇宙線や太陽磁場の影響については#宇宙線・紫外線・太陽風節参照)
宇宙線・紫外線・太陽風
- (主張)可視光より変動の大きい紫外線や太陽磁場が気候変動に少なからず影響している[43]。宇宙線に誘起され形成される地球を覆う雲の量が変化して間接的に気温の変動をもたらしている(スベンスマルク効果)[44][45][要検証 ]。
小氷期からの回復過程
- (主張)産業革命前から昇温は起きていて、小氷期からの回復過程(自然由来の因子)が続いている[51][52][要検証 ]。
- (反論)そのような自然要因では、現在観測されている20世紀後半からの急激な温暖化を説明できない[53]。
- 人為的な温室効果ガスの増加がなければ、1900年代後半の気温はむしろ低下していたはずである[54]。
地球寒冷化説
- (主張)現在の温暖化は、過去にもあった自然の気候変動の繰り返しの一部である。過去にも完新世の気候最温暖期、中世の温暖期など温暖化があったからである[要出典]。
二酸化炭素の温室効果についての議論
- (主張)既に地球放射エネルギーのうち95%は吸収されて飽和状態に近く、二酸化炭素が今後増加しても、大気の窓領域と重なる波長は限られており、それほど気候に変化は起きない[要出典]。
- (反論)二酸化炭素が温暖化を促進する効果には、十分な物理学的な証拠がある[60]。
- (主張)二酸化炭素が原因ならば気候モデルの予測結果では非極地方に於いて対流圏中層の温暖化率は地表より高くなるはずであるが、衛星のデータでは逆に地表の温暖化率が高い[61][要検証 ]
人為的放熱
炭素循環に関する議論
ミッシング・シンク
- (主張)火山活動、落ち葉の腐敗、生物の呼吸や、海水からの二酸化炭素の排出量の方が、排気ガスや工場などの人為的な排出量を上回っている[71]。
- (反論)二酸化炭素は自然界で排出されているが、その一方で、ほぼ同量が吸収されてバランスを保っていた。それに加えて人為的に二酸化炭素などの温室効果ガスを増やしてきたことが、地球温暖化の原因と考えられる(IPCC第4次評価報告書#第一作業部会報告書:自然科学的根拠)。海洋は二酸化炭素の放出源ではなく、正味で吸収源である[72]。
海洋による吸収・排出
- (主張)海洋への二酸化炭素の吸収・放出の時間の長さが不明である。
濃度変化は温度変化の結果とする説
温室効果ガスの増加により気温上昇が生じているのではなく、気温上昇の結果二酸化炭素が増えているとの主張がある。
- (主張)短期的な変動では、温度変化よりも二酸化炭素の濃度変化の方が半年から1年遅れている[74][75][要検証 ]。
- (主張)20世紀全体の変動も、急激な温度変化が二酸化炭素の変化に先行して起こっている[33]。
- (主張)数万年規模では、氷床コアより過去3回の氷期を調べた研究で、気温上昇が二酸化炭素の上昇よりも600(±400)年先に生じている[76]。
これらの主張については、下記のように反論されている。
予測内容への批判
地球温暖化の原因や影響の予測には不確実性が伴い、科学的理解が不足する項目や専門家間での意見の不一致が残る項目がある(IPCC第4次評価報告書#使われている表記参照)。人為説は主に気候モデルの結果から導かれているが、以下のようにモデルの不完全さを批判する意見も見られる[78][79]。
予測精度に関するもの
モデルと現実の整合性や妥当性を問う批判[80]
- (主張)分解能が粗すぎて小規模の気象現象を表現できない。理解度が低い現象の影響は、過小・過大評価されたり、除外されたりしている[81]。
- (主張)1週間先の天気予報があまり当たらないのに、何故数十年以上先が予測できるのか。
- (主張)ベンジャミン・サンターが南半球の気温変化を示すグラフで1963~1987年のデータのみを抜き出し、シミュレーションの予測と温暖化の現状が一致すると主張し、IPCC第2次評価報告書の手直しを行った。しかし、サンターが排除した1950年代と1990年代のデータを加えると南半球の気温変化に有意な上昇傾向は現れない。[33]。
温暖化の影響に関する議論
氷河融解と海面上昇
南極やグリーンランドなどに大量にある氷河、氷床は降雪と融解が均衡していれば一定量を保つが、この均衡が崩れると海水準変動に繋がる。地球の平均気温が上昇すると融解(減少)が速まり、海面上昇の要因となる一方で、降水量(降雪量も含む)が増加し海面低下の要因となるとされる。
- (主張)IPCCのAR4時点の全球気候モデルによる予測の一部には、南極大陸の内陸部で降雪が増えることで氷床が増加して、海面が下がると書いてある。[要出典]
- (反論)南極大陸では内陸部で氷床が増加している部分もあるものの[83]、大陸全体では氷量が減少している[84]。さらに近年は氷床の融解の加速により、AR4の見積もり以上に海面上昇が速まる可能性が指摘されている[85]。(南極氷床、南極の気候参照)。AR4時点の全球気候モデルでは取り入れられていないが、西南極やグリーンランドの氷河の流出速度の加速が海面上昇量を顕著に促進するとされている[86]、近年の各国の衛星の観測結果からも南極氷床は明らかに減少傾向を示していると報告されている[87]。AR4の海面上昇量の予測には、当時の知見不足を理由として、氷床等の流下速度の変化が織り込まれていない[88]。また南極氷床の融解はAR4記載の数値よりも急速に発生する可能性があり、AR4の記述が楽観的すぎると指摘されてきた[89]。実際にAR4以後は予測より速い融解を示唆する観測結果の報告が相次いでおり[90][91]、海面上昇量がAR4に書かれた値の倍以上になる危険性が指摘されている[92](海面上昇#南極氷床の融解参照)。
- (主張)2005年頃までの一部の観測データでわずかに気温の低下傾向が見られるので、南極やグリーンランドの氷は寒冷化して増加するはずである[93][94][95][96][97]。
- (主張)AR4のヒマラヤの氷河の消滅時期に関する記述に誤りが見つかった(AR4参照)。
- (主張)海面上昇の象徴として取り上げられるモルディブやツバルでは、長期的に海水面が変動していない、あるいは低下している[104][105]。
- (反論)世界中の地質学的に安定な観測点のデータは明らかな上昇傾向を示す(右図)。ツバルで現在発生している問題は主に(地球規模よりも)ローカルな要因によるが、それにより今後予想される海面上昇に対して脆弱になっていると見られる[106]。
IPCCに対する批判
コンセンサス主義に対する批判
AR4では、数千人の専門家の見解を勘案して、その時点で最も確からしいと思われる結論を記している。このため参加した専門家間でも見解の相違やばらつきがあり、報告書でも断りがある。このような合意(コンセンサス)形成方法に反発する意見がみられる[107]。また、異論のある人物を集めて合意が形成されていないと主張する例が見られる。
- (主張)温暖化人為説は政治的な目的で作られ科学的な合意は得られていない(米国上院議員のJames M. Inhofe)[108][109]。
気候研究ユニット・メール流出事件(クライメートゲート)
クラッキングにより暴露された気候研究者らのメールをもとに、懐疑論者らが地球温暖化が陰謀であると攻撃した事件。英国議会等の複数の調査で、具体的な不正や誤りの証拠は見当たらないとされた。(気候研究ユニット・メール流出事件参照)
対策に関する懐疑論
メディアに関する懐疑論
政治的圧力・陰謀説
地球温暖化に限らず、自然科学においては客観的な研究がなされることが理論が成立するための前提であるが、地球温暖化に関しては、政治的な圧力がかけられたり、いわゆる陰謀だとする主張(陰謀論)がある。たとえば下記のようなものである。
- 温暖化は欧米などの優位性を保ったり、利益を拡大するために利用され、誇張されている[115]。
- 地球温暖化説が唱えられるようになった1980年代は、ちょうど軍事産業が低迷した時期と重なっている。軍事ビジネスに変わるものとして環境ビジネスがターゲットとなり、地球温暖化がその理屈作りに利用されたのではないか[116]。
- 「(人為的に/二酸化炭素によって)温暖化することを前提にした気候モデルで計算をしているので、結果もその通りになるのは当たり前である」と主張する者もいる[117]。
- 気候学者はIPCCのメンバーの三分の一にしか過ぎず、政治的に任命された非気候学者、非科学者がはるかに数で勝っており、さらにIPCCの報告書は極端な気候変動を主張するものを偏重して採用している[118]。
- フレッド・シンガー(Fred Singer)、ロジャー・レヴェルらは地球温暖化に対処するために直ちに行動は起こす必要はないとする論文を発表したが、その論文の再掲の話が上った際、レヴェルが論文に発表した内容との矛盾が指摘される『地球の掟』を記したアル・ゴア議員は、知り合いの科学者に頼みレヴェルの名前を論文から削除するよう求めたが、シンガーがそれを断ると、シンガーがレヴェルに強制し名前を載せたとのネガティブ・キャンペーンが張られた。ゴアがシンガーの信用を貶めようと圧力をかけたりメディアを利用したことは、テッド・コッペルのナイトラインという番組において後に明らかにされた[118]。
- IPCCのパチャウリ議長が温室効果ガスの排出量取引などで儲けている銀行の顧問を務め、その報酬として数十万ドルがパチャウリが理事長を務めるエネルギー資源研究所(TERI)に振り込まれていると英紙テレグラフのC.Booker記者がコラムに書き、”パチャウリゲート”と呼んだ[120]。
- →OnEarth誌編集責任者のG.Blackは、その資金はTERIを通じてインドの貧困家庭の支援プロジェクト[121]などに「まっすぐ」振り向けられており、個人への報酬と見なすべきではない、と指摘している[122]。
なお、支持派・懐疑派双方に見られる陰謀論は本質的な議論を遠ざけてしまうと懸念する意見もある[123]。
原発産業に関する陰謀説
二酸化炭素による地球温暖化説が広まった背景には、原発産業による意向が政府などを通して強く働いていたのではないか、いわゆる陰謀があるのではないか、との見方がある。原発産業による陰謀、とする説が生じてしまう背景には、次のような要因があげられる。
- チャールズ・デービッド・キーリングによる二酸化炭素の観測は軍事予算や原子力予算の転用による支援によって行われており、さらに原発業界は各国政府に働きかけることによって、CO2温暖化説の科学者に研究費を出させた[75]。
- AR4の第2作業部会の統括執筆責任者をつとめたスティーブン・H・シュナイダーは過去に地球寒冷化説を唱えており、地球温暖化説に変説する以前に原発の推進を唱えていた[124]。
- IPCC第1次評価報告書には、原子力エネルギーの利用を図った場合のシナリオが温暖化の抑制効果が高いとされ[125]、IPCC第2次評価報告書には地球温暖化の対策オプションとして「原子力エネルギーへの転換」という項目がある[126]。それらの結果を踏まえ、電力中央研究所は、「日本の温暖化対策の大きな柱は原子力発電の拡大であり、2010年で原子力約6600~7000万キロワットの目標」を掲げることとなった[127]。
- 「火力発電所に比べ二酸化炭素の排出量が少ないとの宣伝を行ってきた原発の建設推進派による陰謀である」との主張がある[128]。
石油業界に関する陰謀説
一方で、支持派からは懐疑論への石油メジャーなどの関与が指摘されている[7][119]。
- 「オレゴン嘆願書(en:Oregon Petition)」と呼ばれる文書と共に論拠として論文が配布されたが、これは著名な学会(米国科学アカデミー)の論文に見かけが酷似しているものの実際に掲載された論文ではなく、学会側が正式に抗議する事態となった。また、嘆願書に賛同したとされる人物のリストにも疑惑が指摘されている[7][119]。またこれに似た文書として、「ライプツィヒ宣言(en:Lepzig Declaration)と呼ばれるものもある[7][119]。
- 「地球温暖化科学に関して公衆を混乱させようとする」団体に約18億円を提供した[119]。またIPCCから特定の科学者を解任させるようにブッシュ政権に要求し、実現させた[119]。
懐疑論への反論および学者や団体による見解
地球温暖化は温室効果ガスの増加と人間活動の拡大によるものであるとして懐疑論は反論されている[129]。
2007年7月に米国石油地質協会(AAPG)が気候の基本的制御において人為的な二酸化炭素排出についての研究拡大が重要だと表明[130]した。これ以来地球温暖化に対する人為的影響を否定する地質学関係の学術組織は無いとされる[131]。
日本語での反論も為されており[7][132](何ページ?)、国立環境研究所の「Q&Aココが知りたい温暖化」がある。
前東京大学総長で三菱総研理事長の小宮山宏は、「全てについて反論は用意されている」「温暖化懐疑論が問題になっているのは日本だけ」と述べている[133](何ページ?)。
海洋研究開発機構の近藤洋輝は、NatureやScienceなどの著名学術誌に採用されていない異論が、メディアに安易に取り上げられることに懸念を表明している[134](何ページ?)。
トンデモ本を批判的に楽しむと学会の会長でSF作家の山本弘は著書[119](何ページ?)において、武田邦彦や槌田敦らによる懐疑論に関して、誤った解釈や信頼性の低い論拠などの問題点を指摘した上で「素人の印象を信じるな。専門家の言うことに耳を傾けろ。」と述べている。
数学者イアン・スチュワートは『数学の魔法の宝箱』で「地球温暖化詐欺_(映画)」における気温と二酸化炭素のグラフに関する誤解を取り上げ、幼稚な推論が原因であるとして数学的に解説(何ページ?)している。
各国における状況
アメリカ
懐疑派のサイトとして "The Week That Was" (TWTW)[135]、支持派のサイトとして"RealClimate" [136]などが挙げられる[137]。両者とも各国の論文を集めているが、前者の論文は減っているとされる[137]。世論は2008年5月の調査では平均約7割が地球温暖化が実際に起こっていると回答したが、支持政党によって大きな違いが見られた[138]。また現政権は環境・エネルギー分野への投資を戦略の柱の一つに据え、環境保護に積極的な人材の登用を決めている[139]。
ヨーロッパ
懐疑論は10年以上前から見られ[137]、今でも『地球温暖化詐欺』[140]のような映画が作成されたりしている(その他の懐疑論については上記を参照)。 このような懐疑論に対し2008年5月、欧州議会は「科学に不確実性はつきものであるが、気候変動の原因や影響に関する科学的な研究結果を、科学に基づかずに不確実もしくは疑わしいものに見せかけようとする試みを非難する」と表明している[141]。世論は対策を支持しており、長期目標として気温上昇量を2℃で安定化することを掲げている[142]。2008年12月には2020年までに温室効果ガスを1990年比で20%削減することを可決するなど、対策を進めている[143]。
日本
2007年頃から懐疑論が目立ち始め、関連書籍はセンセーショナルな内容で売れ行きをのばした[137][140]。そのような議論では海外の当該分野学術誌に発表していない「専門家」を名乗る人物などにより、温暖化の否定、CO2原因説や人為説の否定[137]、リサイクルなど対策の有効性の否定が主張されている(この項目で上述した内容、および武田邦彦を参照)。一方、そうした懐疑論に関してはその信憑性に関して様々な問題点が指摘され[119]、また反論もなされている(#反論および学術的評価参照)。このような「遅れてやってきた」[137]懐疑論が目立つ状況について、そのような主張はまともな議論とはみなされず、国際的にも通用しない、との危機感が表明され[144]、行政・公的機関・専門家らによる懐疑論への反論サイトが相次いで設置されている(#外部リンク参照)。また専門家チームによる「懐疑派バスターズ」などの取り組みも行われている[145]。
姿勢を転換した研究者、研究機関
- カリフォルニア大学バークレー校の物理学者Richard Mullerは、気候学者の気温解析手法に批判的で、懐疑論者に理解を示していたが、懐疑派団体からの資金提供を受けて気温再解析した結果、CRUと合致する結果を得て[146]、気温上昇が確かだとしてそれを正式に撤回した。(詳細はen:Richard A. Muller参照)
- 石油業界関係の学会が最後まで人為説に批判的だったが、近年は温暖化への人為的影響を否定する国際的かつ公的な学術組織は無い(#反論および学術的評価)。
脚注
- ^ 世界の年平均気温の偏差の経年変化、気象庁
- ^ IPCC第4次評価報告書 統合報告書概要(公式版)、環境省
- ^ IPCCの原則と手続に関する声明(環境省仮訳)、2010年2月
- ^ Understanding Climate Change: 22 years of IPCC assessment, November 2010, Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC)
- ^ IPCC AR4 公式サイト、環境省によるIPCC AR4関連情報のまとめ
- ^ List of scientists opposing the mainstream scientific assessment of global warming [1]
- ^ a b c d e f g h i j k l 明日香壽川、河宮未知生、高橋潔、吉村純、江守正多、伊勢武史、増田耕一、野沢徹、川村賢二、山本政一郎 『地球温暖化懐疑論批判』 東京大学 IR3S/TIGS叢書 2009年
- ^ Ross R. McKitrick and Patrick J. Michaels "Quantifying the influence of anthropogenic surface processes and inhomogeneities on gridded global climate data", Journal of Geophysical Research, 112, D24S09 (2007)
- ^ Victor Goldschmidt "Global warming and CO2: Highlights of differing perspectives", Ingenierias, 10(37), pp.38-47(2007)
- ^ Hans-Martin Füssel, An updated assessment of the risks from climate change based on research published since the IPCC Fourth Assessment Report, Climatic Change (2009) 97:469–482, DOI 10.1007/s10584-009-9648-5
- ^ 「地球全体の平均気温の求め方」ココが知りたい温暖化、国立環境研究所
- ^ Vladimir Petoukhov, Vladimir A. Semenov. A link between reduced Barents-Kara sea ice and cold winter extremes over northern continents. Journal of Geophysical Research, 2010; 115 (D21): D21111(原論文)
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- ^ Jiping Liu, Judith A. Curry, Huijun Wang, Mirong Song, and Radley M. Horton. Impact of declining Arctic sea ice on winter snowfall. Proceedings of the National Academy of Sciences, February 27, 2012 DOI: 10.1073/pnas.1114910109
- ^ Unusual Weather: Arctic Sea Ice Decline May Be Driving Snowy Winters Seen in Recent Years in N. Hemisphere, ScienceDaily, Feb. 27, 2012(解説記事)
- ^ 温暖化科学の虚実 研究の現場から「斬る」!、江守正多、2010年3月
- ^ Global Temperatures Push March 2010 to Hottest March on Record, ScienceDaily, 2010.4.21
- ^ 2010年(平成22年)の世界と日本の年平均気温について(速報)、気象庁
- ^ 世界の平均気温、陸地で過去最高 今年、日本は4番目の高温、日本経済新聞、2010/12/21日
- ^ 『CO2温暖化説は間違っている (誰も言わない環境論)』(06年、ほたる出版)
- ^ [2]
- ^ 温暖化は停止した(SkepticalScienceによる日本語の解説。科学的論拠は別記出典を参照)
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- ^ L.F.Khilyuk and G.V.Chilingar,"On global forces of nature driving the Earth's climate. Are humans involved?", Environmental Geology, 50(6),pp.899-910(2006)
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関連項目
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外部リンク
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- 環境省地球環境局地球温暖化対策課「チーム・マイナス6%」
- 気象庁「地球環境・気候」
- 外務省「地球温暖化問題」
- 経済産業省産業技術環境局環境政策課環境調和産業推進室「地球温暖化防止ポータルサイト」
- 明日香壽川ほか『地球温暖化懐疑論批判』(IR3S/TIGS叢書;東京大学)
- 安井至「市民のための環境学ガイド 時事編」
- 江守正多「温暖化科学の虚実 研究の現場から「斬る」!」
- 近藤純正「近藤純正ホームページ」
対談
- 赤祖父俊一・伊藤公紀・江守正多・草野完也・丸山茂徳「新春e-mail 討論 地球温暖化:その科学的真実を問う」エネルギー・資源会誌,エネルギー・資源学会、2009年1月号、2009年3月号
懐疑的
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