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2016年11月11日 (金) 02:43時点における版
船村徹 | |
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出生名 | 福田博郎 |
生誕 | 1932年6月12日(92歳) |
出身地 | 日本栃木県塩谷郡塩谷町 |
学歴 |
東洋音楽大学 (現・東京音楽大学)卒業 |
ジャンル | 演歌・歌謡曲 |
職業 | 作曲家・歌手 |
活動期間 | 1955年 - |
レーベル |
キングレコード(1955年-1956年) コロムビアレコード(1956年-1978年) |
共同作業者 | 高野公男 |
船村 徹(ふなむら とおる、1932年6月12日 - )は、日本の作曲家・歌手。日本音楽著作権協会(JASRAC)名誉会長、日本作曲家協会最高顧問。横綱審議委員会委員。「日本会議」会員でもある。本名は福田博郎(ふくだ ひろお)。戦後歌謡界を代表する作曲家の一人であり、手掛けた曲は5000曲以上にのぼる。
経歴
栃木県塩谷郡船生村(現塩谷町)出身。父親は獣医だった。栃木県立今市中学校(現・栃木県立今市高等学校)、東洋音楽学校(現・東京音楽大学)ピアノ科卒。
大学在学時はまだ駐留米軍が数多くいた時代であり、船村は米軍キャンプ専門のバンドでそのリーダーを務めたこともあったという。大学在学時に、作詞家の高野公男と組み作曲の活動を開始した(高野は1956年に肺結核のため、26歳の若さで死去)。ただ、高野とともに、生活は困窮を極め、バンド・リーダーのほか、流しの歌手なども経験する。
1953年、雑誌「平凡」コンクール曲第一席「たそがれのあの人」がレコード化され、作曲家としてデビュー。
作曲家としての本格的な作品は「別れの一本杉」(歌・春日八郎・1955年発表)。その後も、「ご機嫌さんよ達者かね」、「あの娘が泣いている波止場」(歌・三橋美智也)などが連続ヒットした。
1956年、キングレコードからコロムビアレコードに移り、「柿の木坂の家」、「早く帰ってコ」(歌・青木光一)が大ヒット。「王将」(歌・村田英雄)は戦後初のミリオンセラーを記録した。
1993年、日本作曲家協会理事長に就任し、1997年に吉田正の後を受けて第4代会長に就任、2005年に遠藤実へバトンタッチするまで務めた。
1995年、紫綬褒章受章、2002年、栃木県県民栄誉賞受賞、2003年、旭日中綬章受章、2008年、文化功労者、2014年、栃木県名誉県民[1]、2016年、文化勲章[2]受章。
妻は元歌手の能沢佳子、長男は作曲家・編曲家の蔦将包(つた まさかね)、長女は作詞家の真名杏樹、次女は元女優の福田渚子。
愛弟子は、男性歌手:北島三郎・鳥羽一郎・大下八郎・ムーディー松島・香田晋・静太郎・天草二郎・走裕介。女性歌手:森サカエ・森若里子である。このうち、松島・鳥羽・香田・静・天草・走は、船村宅に住み込み、師匠と寝食を共にした内弟子である。
作曲家として知られているが、「演歌巡礼」の活動の際、自ら歌唱する事もある。船村が自ら歌った作品を収めた「愛惜の譜」と言う通信販売限定のボックスCDも出ている。過去に数枚シングルも出している。
2015年4月27日には栃木県日光市今市にある「道の駅日光 日光街道 ニコニコ本陣」に併設して、「日本こころのうたミュージアム・船村徹記念館」がオープンした。同館は、鉄筋コンクリート3階建て、延べ約2800平方メートル。1階の「夢劇場」では、船村の生い立ちや活躍を、最新の映像技術で紹介する。2階には「王将」「みだれ髪」「兄弟船」など船村の代表作が聴けるメロディーボックスや、歌手らと船村とのエピソードを映像化したシアターを設置。3階は、レコードジャケットや交流のあった著名人らの手形などを展示するスペース、入場者が自分の歌う姿をDVDに収録できる「歌道場」と名付けたカラオケルームなどが設けられている。[3]
また、同館のオープニングセレモニーには親交の深かった北島三郎や鳥羽一郎、舟木一夫、由紀さおり、大月みやこ、瀬川瑛子など多くの著名人が参加した。 [4]
エピソード
東洋音楽学校に在学していた当時、一級上に黒柳徹子がいた。黒柳は声楽科でだったが、上級生の伴奏を勤めさせられることがあり、そのことを「指導」と呼び、船村も黒柳から、たびたびそのような「指導」を受けたことがあるという。
大瀧詠一との対談の中で、次のようなエピソードを話している。1959年の東映アニメ映画『少年猿飛佐助』の音楽を担当し、グランプリを受賞した際に招待されヨーロッパ滞在中ロンドンで、あるオーディションに立ち会う。その中にデビュー前のビートルズがおり、オーディションに参加した面々の中で唯一のバンドだった。「どの組がよいか?」と尋ねられた船村は「あの汚い4人組が一番面白いのでは」と答えたという[5]。 それを聴いた大瀧は驚愕し、周りのスタッフに「凄いでしょう!船村先生は、ビートルズが誕生したオーディションに立ち合っているんですよ」と述べた。
船村の代表曲のひとつ『矢切の渡し』は元々ちあきなおみに提供した楽曲だったが、細川たかしが歌ったものがヒットし、第25回日本レコード大賞を受賞した。しかし、船村は細川盤のほうがヒットしたことに対して「大複雑」と発言し、「ちあきの歌は(楽曲のイメージの)手漕ぎの櫓で、細川の歌はモーター付の船だ。」という評価を下している。また、ちあきの歌は「鑑賞用」なのに対して、細川の歌は省略法でありカラオケのような誰でも歌える歌い方になってしまっているとも発言している[6]
美空ひばりに関して、高音(裏声)に良いものを持っていると発言しており、実際に船村がひばりに提供した作品には、高音部分がある楽曲が多い。ただし、母の喜美枝には「苦手だからやめて」と拒否されていた。また、船村自身が高く評価しているちあきなおみと美空ひばりを対比し、「美空ひばりとちあきなおみの決定的な違いは、裏声の出るか出ないかだ」とも発言している[7]。
シングル
- 新宿情話/宗谷岬
- 追憶/サヨナラ
- 「追憶」と「サヨナラ」は共にビートたけしが作詞
- のぞみ(希望)/母のいない故郷
- 五木ひろしがシングル『細雪』のB面で歌っていたが、こちらは何故か発売数日で別の曲に差し替えられている。この作品は女子刑務所の収容者に贈られた中の1曲であり、発売目的で作られたものではない。
- あけみ/思い出にぬれながら
主な作曲作品
- 柿の木坂の家(青木光一)
- 花うた河内山(山形英夫)
- ブルースを唄う女(吉岡妙子)
- 王将(村田英雄)
- 夕笛(舟木一夫)
- 別れの一本杉(春日八郎)
- 傘ん中(五木ひろし)
- 心(五木ひろし)
- 北物語(五木ひろし)
- 女の港(大月みやこ)
- 豊予海峡(大月みやこ)
- なみだ船(北島三郎)
- 風雪ながれ旅(北島三郎)
- 兄弟船(鳥羽一郎)
- 白馬のルンナ(内藤洋子)
- さだめ川(ちあきなおみ、細川たかし)
- 酒場川(ちあきなおみ)
- 矢切の渡し(ちあきなおみ)(細川たかし他競作)
- 紅とんぼ(ちあきなおみ)
- 東京だよおっ母さん(島倉千代子)
- 祇園まつり音頭(島倉千代子&山形英夫)
- 三味線マドロス(美空ひばり)
- 波止場だよ、お父つぁん(美空ひばり)
- 哀愁波止場(美空ひばり)
- 俺達の歌今どこに(美空ひばり)
- ひばりの佐渡情話(美空ひばり)
- みだれ髪(美空ひばり)
- 塩屋崎(美空ひばり)
- 宗谷岬(ダ・カーポ、芹洋子)
- 梦で泣け(北原謙二)
- 上で記述しているが、船村自身も歌っている。
- あの娘が泣いてる波止場、さすらい船/ど根性船唄、津軽涙唄/北の別れ唄(三橋美智也)
- 新宿挽歌(藤圭子)
- ダイナマイトが百五十屯(小林旭)
- 港の潮暦(石川さゆり)
- スナッキーで踊ろう(海道はじめとスナッキーガールズ=羽太幸得子・吉沢京子・小山ルミ)
- 寒椿(森昌子)
- おんなの出船(松原のぶえ)
- 宇都宮(みや)の防人 - 陸上自衛隊宇都宮駐屯地愛唱歌
テレビ出演
- 新・事件 断崖の眺め(1984年、NHK) - 本人 役
脚注
- ^ 佐藤太郎 (2014年5月3日). “兄弟船の船村さん・サックスのナベサダさん、故郷の誇り”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). オリジナルの2014年5月31日時点におけるアーカイブ。 2015年11月22日閲覧。
- ^ “文化勲章に6人決まる 大隅良典氏や草間彌生氏ら”. 朝日新聞. (2016年10月28日) 2016年10月28日閲覧。
- ^ 石川徹也 (2013年8月9日). “船村徹記念館15年春開業へ 日光・今市地区”. 東京新聞. オリジナルの2013年9月5日時点におけるアーカイブ。
- ^ “栃木・日光に船村徹記念館オープン ひばり、サブちゃんの3D映像も”. 産経新聞. (2015年4月27日)
- ^ “「作家で聴く音楽」 JASRAC会員作家インタビュー 第17回 舩村徹vs大瀧詠一”. 日本音楽著作権協会web. p. 2. 2015年11月22日閲覧。
- ^ 「たけしの誰でもピカソ」(テレビ東京、2007年2月16日放送)[出典無効]
- ^ 「歌伝説・ちあきなおみの世界」(NHK-BS2、2005年11月6日放送)