「本居長世」の版間の差分
本居家は血が繋がってる松阪学党、繋がってない和歌山学党とあり、長世は和歌山学党の筋に当たるので加筆した。 |
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2016年6月8日 (水) 05:30時点における版
本居長世 もとおり ながよ | |
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1910年頃 | |
基本情報 | |
出生名 | 本居長世 |
別名 | 本居長豫 |
生誕 | 1885年4月4日 |
出身地 | 日本 東京府下谷区御徒町 |
死没 | 1945年10月14日(60歳没) |
学歴 | 東京音楽学校卒業 |
ジャンル | 童謡 |
職業 | 作曲家 |
本居 長世(もとおり ながよ、1885年(明治18年)4月4日 - 1945年(昭和20年)10月14日)は、日本の男性童謡作曲家。晩年は長豫と称した。
生涯
1885年(明治18年)東京府下谷区御徒町に生まれる。国学者として著名な本居宣長の和歌山学党6代目に当たる。
生後1年で母と死別。養子であった父が家を出たため、やはり国学者であった祖父、本居豊穎に育てられる。祖父の期待に反して音楽家を志すようになり、1908年(明治41年)東京音楽学校本科を首席で卒業、日本の伝統音楽の調査員補助として母校に残る。なお、同期にやはり作曲家となる山田耕筰がいる。1909年(明治42年)器楽部のピアノ授業補助、翌1910年(明治43年)にはピアノ科助教授となり、ピアニストを志すが、指の怪我で断念。このときの教え子に中山晋平や弘田龍太郎がいる。1918年(大正7年)「如月社」を結成。この如月社で本居長世の作品を独唱したのが美しいテノールの音色を持つバリトン歌手、藤山一郎(東京音楽学校声楽科出身で、慶應義塾普通部のころから本居長世のところに出入りしていた)である。また、本居長世は宮城道雄や吉田晴風らの新日本音楽運動に参加、洋楽と邦楽の融合を模索した。
折から、鈴木三重吉による児童雑誌『赤い鳥』が創刊され、従来の唱歌に代わる「童謡」と呼ばれる新しい歌が人気を博していた。これに呼応し1920年(大正9年)中山晋平の紹介によって斎藤佐次郎による児童雑誌『金の船』より『葱坊主』を発表。同年、新日本音楽大演奏会で発表した『十五夜お月さん』は、長女みどりの歌によって一躍有名となり[1]、以後野口雨情等と組んで次々に童謡を発表する(みどりは童謡歌手の第1号となり、童謡歌手のレコード吹き込み第1号ともなった[2])。その後、次女貴美子(後に三女若葉も)等とともに日本各地で公演を行った。1923年(大正12年)関東大震災により甚大な被害が発生すると、日系米国人を中心に多くの援助物資が贈られた。その返礼として日本音楽の演奏旅行が企画され、本居長世も2人の娘等とともに参加し、アメリカ合衆国各地で公演を行った[3]。1945年(昭和20年)肺炎により死去。
代表作
など
親族
本居長世の長女・みどりは童謡歌手の第1号であることは既に述べたが、みどりの夫・堤徳ニ[4]は堤甲子三の義弟である。甲子三は男子に恵まれなかったので政治家・小川平吉の五男・平五を婿養子に迎えた。平五の娘、すなわち甲子三の孫娘・敦子は鈴木善幸の長男で環境大臣を務めた鈴木俊一に嫁いでいる。本居家は堤家(西武グループの創業者一族とは無関係)を通じて鈴木家や小川家と姻戚関係で結ばれているといえる。
伝記
- 金田一春彦『十五夜お月さん 本居長世 人と作品』三省堂、1983
脚注
- ^ 長田暁二『童謡歌手からみた日本童謡史』大月書店、1994年11月1日、23頁。ISBN 4-272-61066-X。
- ^ 長田暁二『童謡歌手からみた日本童謡史』大月書店、1994年11月1日、22頁。ISBN 4-272-61066-X。
- ^ 長田暁二『童謡歌手からみた日本童謡史』大月書店、1994年11月1日、26頁。ISBN 4-272-61066-X。
- ^ 長田暁二『童謡歌手からみた日本童謡史』大月書店、1994年11月1日、27頁。ISBN 4-272-61066-X。
参考文献
- 小林弘忠『「金の船」ものがたり』(毎日新聞社、2002年) ISBN 4-620-10656-9
- 藍川由美『「演歌」のススメ』(文春新書、2002年) ISBN 4-16-660282-9
- 伝統的な日本の音楽構造と、洋楽とを融合させる上で、本居長世の果たした功績について分析している。