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2016年6月8日 (水) 04:08時点における版
林 望 | |
---|---|
ペンネーム | 沢嶋 優 |
誕生 |
1949年2月20日(75歳) 東京都墨田区 |
職業 |
小説家 国文学者 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 | 慶應義塾大学文学部国文学科 |
活動期間 | 1991年 - |
ジャンル |
随筆 小説 |
デビュー作 | 『帰らぬ日遠い昔』(1992年) |
親族 | 林雄二郎(父) |
公式サイト | 林望公式ホームページ |
林 望(はやし のぞむ、1949年2月20日 - )は、日本の作家、日本文学者。かつては沢嶋 優(さわしま ゆう)のペンネームも使用していた。
経歴
東京都墨田区に、後に情報化社会を予見(1969年)した著名な未来学者、林雄二郎の次男として生まれる。武蔵野市立第二中学校から東京都立戸山高等学校を経て、慶應義塾大学文学部国文学科卒業。同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
日本文学者としての専攻は近世書誌学である。慶應義塾大学斯道文庫の研究員を目指したがかなわず、魚津短期大学への赴任が決まって失意のうちにあった時、東横学園女子短期大学に採用が決まった。
1984年から1987年まで、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の双方で研究のためイギリスに滞在し、この間にケンブリッジ大学のピーター・コーニツキ(Peter Kornicki)との共著である『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』を完成、1992年度国際交流基金国際交流奨励賞を受賞した。編纂作業には、当時まだ非力だったコンピュータ(Macintosh)を工夫・活用したという。
イギリス滞在中の体験から、イギリスの食文化・イギリス人の食生活に関する随筆『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)を執筆して、東横学園女子短期大学助教授時代の1991年に作家デビューを果たし、同作で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。1993年『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で講談社エッセイ賞受賞。
その後、東京藝術大学助教授となったが、より自由な創作活動をめざして同大学を退職し、随筆・小説などを執筆している。自伝ふうの作品は『東京坊ちゃん』と『帰らぬ日遠い昔』で、そこに過去の思い出が記してある。
著作リストで後述するように、「リンボウ先生」の綽名を書名で用いることがたびたびある。欧文ではRymbowと表記するが、これはフランス詩人のアルチュール・ランボー(Arthur Rimbaud)や、米右派・タカ派の代表的ラジオ・パーソナリティーとして有名なラッシュ・リンボー(Rush Limbaugh)や、カトリック教会で「辺獄」または「辺土」を表す英語のlimbo(ラテン語ではlimbus)との混同を避けたものと理解できる。
近年は東京・吉祥寺の事務所で『源氏物語』の現代語訳に取り組む[1]。2013年、『謹訳 源氏物語』全10巻で毎日出版文化賞特別賞を受賞。
家族親族
系譜
季樹┳健太郎 ┣雄二郎━望 ┗四郎
著作
随筆
- 『イギリスはおいしい』(平凡社、1991年)のち文春文庫
- 『イギリスは愉快だ』(平凡社、1991年)のち文春文庫
- 『ホルムヘッドの謎』(文藝春秋、1992年)のち文庫
- 『テーブルの雲』(新潮社、1993年)のち文庫
- 『林望のイギリス観察辞典』(平凡社、1993年)のち「イギリス観察辞典」の題で平凡社ライブラリー
- 『音の晩餐』(徳間書店、1993年)のち集英社文庫
- 『リンボウ先生、イギリスへ帰る』(文藝春秋、1994年)のち文庫
- 『子育てノート』(徳間書店、1995年)
- 『リンボウ先生偏屈読書録』(丸善ライブラリー、1995年)
- 『リンボウ先生のへそまがりなる生活』(PHP研究所、1996年)
- 『リンボウ先生東京珍景録』(彰国社、1996年)『東京珍景録』と改題、新潮文庫、1999年)
- 『知性の磨きかた』 (PHP新書)1996
- 『リンボウ先生の役立たず試乗記』(徳間書店、1997年)
- 『イギリスは不思議だ』(平凡社、1997年)
- 『イギリスびいき』(共著、講談社、1997年)
- 『ホーソンの樹の下で』(文藝春秋、1997年)『落第のスゝメ』と改題、文春文庫、2000年)
- 『くりやのくりごと-リンボウ先生家事を論ず』(小学館、1998年)
- 『イギリス人の食卓』(角川春樹事務所・ランティエ叢書、1998年)
- 『リンボウ先生ディープ・イングランドを行く』(文藝春秋、1998年)
- 『リンボウ先生遠めがね』(小学館、1998年)
- 『リンボウ先生の閑雅なる休日』(PHP研究所、1999年)のち集英社文庫
- 『りんぼう先生昔噺』(文化出版局、1999年)
- 『恋せよ妻たち-リンボウ先生本音で女を叱り女を励ます』(小学館、2000年)『リンボウ先生から「おんなたちへ!」』と改題、小学館文庫、2005年)
- 『書斎の造りかた-知のための空間・時間・道具』(光文社カッパ・ブックス、2000年)
- 『日本語の磨きかた』(PHP新書、2000年)
- 『日本語へそまがり講義』(PHP新書、2000年)
- 『リンボウ先生の「是はうまい!」』(平凡社、2000年)
- 『思い通りの家を造る』(光文社新書、2001年)
- 『買いも買ったり』(光文社、2001年)
- 『パソコン徹底指南』(文春新書、2001年)
- 『新味珍菜帖 リンボウ先生の料理十二ヶ月』小学館 2001 のち文庫
- 『私の好きな日本』JAF MATE社, 2001
- 『魅力ある知性をつくる24の方法』(青春出版社、2001年)「品格ある知性をつくる24の方法」と改題、文庫
- 『文章術の千本ノック-どうすれば品格ある日本語が書けるか 』(小学館、2002年)「リンボウ先生の文章術教室」と改題、文庫
- 『私は女になりたい』(集英社、2002年)
- 『「考える子ども」の育てかた-父親よ、子育てをしよう』(PHPエル新書、2002年)
- 『「芸術力」の磨きかた-鑑賞、そして自己表現へ』(PHP新書、2003年)
- 『リンボウ先生のオペラ講談』光文社新書 2003
- 『帰宅の時代』(新潮社、2005年)のち文庫
- 『知的な大人へのヒント』青春出版社 2006 「インテリジェンス・トレーニング」文庫
- 『リンボウ先生の〈超〉低脂肪お料理帖』ソニー・マガジンズ 2006 のち日経ビジネス人文庫
- 『「どこへも行かない」旅』光文社 2006 のち文庫
- 『リンボウ先生の大人の知的旅行術』オータパブリケイションズ 2006
- 『ついこの間あった昔』弘文堂 2007 のちちくま文庫
- 『日本語は死にかかっている』(NTT出版・ライブラリーレゾナント、2008年)
- 『風邪はひかぬにこしたことはない』ちくま文庫、2008
- 『旬菜膳語』岩波書店 2008 のち文春文庫
- 『新個人主義のすすめ』集英社新書 2008
- 『文章の品格』朝日出版社 2008
- 『かくもみごとな日本人』光文社 2009
- 『節約の王道』日経プレミアシリーズ 2009
- 『思想する住宅』東洋経済新報社 2011 のち文春文庫
- 『「時間」の作法』角川SSC新書 2011
- 『臨終力』ベスト新書 2011
- 『いつも食べたい!』ちくま文庫 2013
- 『家めしの王道 家庭料理はシンプルが美味しい』角川SSC新書 2014
- 『イギリスからの手紙』東京堂出版 2014
小説
- 『帰らぬ日遠い昔』(講談社、1992年)のち文庫
- 『幻の旅』(マガジンハウス、1993年)のち文春文庫
- 『僕の哀しい失敗』(角川書店、1994年)のち文庫
- 『スパゲッティ・ジャンクション』 沢嶋優 集英社 1995(のち『マーシャに』と改題、林望名義で集英社文庫、1998年)
- 『巾箱小説集』平凡社 1998
- 『トッカータ 光と影の物語 洋画編』(文藝春秋、2001年)
- 『トッカータ 光と影の物語 日本画編』(文藝春秋、2001年)
- 『東京坊ちゃん』(小学館、2004年)のち文庫
- 『メイフェア劇場の亡霊』日本放送出版協会 2006
- 『二つの風景』水、木 青菁社 2006
- 『薩摩スチューデント、西へ』(光文社、2007年)のち文庫
- 『天網恢々 お噺奉行清談控』光文社 2011 のち文庫
日本文学
- 『林望が能を読む』(青土社、1994年)のち集英社文庫
- 『能に就いて考える十二帖』(東京書籍、1995年)「能は生きている」と改題、集英社文庫
- 『古今黄金譚 古典の中の糞尿物語 1999 (平凡社新書)
- 『往生の物語 死の万華鏡『平家物語』』(集英社新書、2000年)
- 『恋の歌、恋の物語-日本古典を読む楽しみ』(岩波ジュニア新書、2002年)
- 『本当はとてもえっちな古典文学』(扶桑社、2003年)「古典文学の秘密」光文社文庫
- 『すらすら読める風姿花伝』(講談社、2003年)
- 『すらすら読める土佐日記』(講談社、2005年)
- 『これならわかる、能の面白さ』淡交社 2006
- 『リンボウ先生が読む漱石「夢十夜」』ぴあ 2006
- 『リンボウ先生の日本の恋歌』集英社文庫、2007
- 『能よ古典よ!』檜書店 2009
- 『夕顔の恋 最高の女のひみつ』朝日出版社 2009
- 『リンボウ先生のうふふ枕草子』祥伝社 2009
- 『謹訳 源氏物語』全10巻(祥伝社、2011-13年)
- 『女うた恋のうた』淡交社 2014
詩
- 『夕暮れ巴水』(講談社、1998年)
- 『新海潮音』(駿台曜曜社、2000年)
- 『愛詩てる。』実業之日本社 2002
- 『しのびねしふ 宇虚人俳句集』祥伝社 2015
書誌学
- 『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Early Japanese Books in Cambridge University Library: A Catalogue of the Aston, Satow and Von Siebold Collections (University of Cambridge Oriental Publications))』(ケンブリッジ大学出版局、1991年)
- 『書誌学の回廊』(日本経済新聞社、1995年)『リンボウ先生の書物探偵帖』と改題、講談社文庫
- 『書薮巡歴』(新潮社、1995年)のち文庫、ちくま文庫
講演CD
- 夕学セレクション林望「言葉と心で見つめる、日本人のアイデンティティ」(日本音声保存)
共編著
- 『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録 アストン・サトウ・シーボルト・コレクション』ピーター・コーニッキー共編 ケンブリッジ大学出版局 1991
- 『イギリスびいき アクアスキュータムの美学』西尾忠久、江國滋、西木正明、川口敦子、板坂元、枝川公一、市川森一、河村幹夫共著 講談社 1992 のちプラスアルファ文庫
- 『子育てノート いつも父親,ときに母親』福島瑞穂共著 徳間書店 1995
- 『イギリスはかしこい』出口保夫共著 PHP研究所 1997 のち文庫
- 『英国田園譜』全2巻 キャロン・クーパー共著 テイム・マクミラン写真 東京書籍 1997
- 『日本の名随筆 別巻 75 紳士』編 作品社 1997
- 『知的生活・楽しみのヒント』渡部昇一共著 PHP研究所 1998
- 『買いも買ったり』選 日本ペンクラブ編 光文社文庫 2001
- 『イタリア音楽散歩』永竹由幸,池田匡克・愛美共著 世界文化社 ほたるの本 2006
- 『教養脳を磨く!』茂木健一郎共著 NTT出版 2009
- 『能舞幻』津村礼次郎舞人 森田拾史郎写真 野田秀樹,丸木康隆共著・対談 ビイング・ネット・プレス 2010
- 『金遣いの王道』岡本和久共著 日経プレミアシリーズ 2013
監修
- 福沢諭吉『女大学評論』講談社学術文庫 2001
翻訳
- デズモンド・モリス,ケイト・フォックス『イギリスpubウォッチング』平凡社 1995
- ハワード・ファーガソン『独奏的生活 イギリス人作曲家の優雅な料理生活』全2巻 訳注 研究社出版 1996-97
- ダイアナ・ボストン『ボストン夫人のパッチワーク』平凡社 2000
- ヘンリー・F.マクブライト『日本再見録 ヘンリー君の現代日本ウォッチング!』PHP研究所 2002
- レイモンド・ブリッグズ『おぢさん』小学館 2004
ラジオ出演
- ミュージックバード「リンボウ先生の『謹訳 源氏物語』」(2010年10月~)