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「尾上松也 (2代目)」の版間の差分

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2016年6月8日 (水) 00:07時点における版

にだいめ おのえまつや
二代目 尾上松也

2014年12月
屋号 音羽屋
定紋 抱き若松
生年月日 (1985-01-30) 1985年1月30日(39歳)
本名 井上 龍一
襲名歴 1.二代目尾上松也
出身地 東京都中央区
六代目尾上松助
兄弟 春本由香(妹)

二代目尾上松也(にだいめ おのえ まつや、1985年1月30日 - )は歌舞伎俳優屋号音羽屋、紋は抱き若松。本名は井上 龍一(いのうえ りゅういち)。父は六代目尾上松助、叔父は大谷桂三(初代尾上松也)、妹は女優の春本由香[1]松竹エンタテインメント所属。身長178cm。

名前は、「也」アクセントが付く(これについては、中村獅童が報道陣に注意を促したことがある)[2]

略歴

1990年(平成2年)5月、5歳のとき、歌舞伎座で父・松助の襲名披露に併せ、二代目尾上松也として『伽羅先代萩』の鶴千代役で初舞台。父・松助の襲名披露記者会見の前日に、当時の松竹会長の「息子はいくつになった?出しちゃえ」という鶴の一声で初舞台が決まった[3][4]

以後、名子役だった父・松助の血を受け継ぎ、数々の子役で多くの賞を受ける。

10代後半から20代前半は、「弁天娘女男白浪」の伜宗之助などの若衆役や、「人情噺文七元結」の長兵衛娘お七、「児雷也豪傑譚話」成金コギャルお辰などの女形を中心に、父・松助が所属する、七代目尾上菊五郎率いる菊五郎劇団で活動してきた。

2005年(平成17年)12月、20歳のとき、父・松助が死去した。父の弟子であった3人には「何もできないから他の方に弟子入りし直してくれて構わない」と話したが、全員がこのまま松也の弟子となると言ってくれたという。「父親から受け継いだ一番の財産が、この3人の弟子であると考えている」と発言している[3]

父の死去後、「これまでのようにゆったりと過ごしているわけにはいかない」と、市川猿之助 (4代目)(当時は亀治郎)の自主公演出演をきっかけに、自らも2009年から自主公演『挑む』を年1回のペースで継続して主催している。

20代後半からは、「寿曽我対面」の曽我五郎時政、「隅田川花御所染」の猿島惣太、「菅原伝授手習鑑」の舎人桜丸、武部源蔵など立役を中心に活躍。

2014年は、端正な容姿と涼やかなよく通る声を活かし、一気に開花する年となった。6月にはコクーン歌舞伎にて「三人吉三」のお坊吉三に抜擢され、連日立ち見が出るほどの大成功を収めた(和尚吉三 中村勘九郎、お嬢吉三 中村七之助)。

以降バラエティー番組にも多数出演し、知名度も大きく上がった。12月にはNHK紅白歌合戦のゲスト審査員を務めた。

2015年1月の新春浅草歌舞伎では、中心となる花形全員が20歳代という一気に世代交代した中で、リーダー役を務め、「仮名手本忠臣蔵5.6段目」の早野勘平などを演じた。課題はあるが、実年齢に近い、絵になる勘平との評価を得た[5]
同年3月には京都南座で、1月の新春浅草歌舞伎とほぼ同じ若いメンバーで1か月の公演がなされ、松也は「鳴神」の鳴神上人、「弁天娘女男白浪」の弁天小僧菊之助などを演じた。また、9月には、新作歌舞伎「あらしのよるに」で、前月まで演じていたミュージカル「エリザベート」のルキーニ役とは180度異なる ヤギめい役を演じ(座頭はガブ役の中村獅童)、好評を得た。

近年では、歌舞伎と並行してミュージカルにも年1回のペースで出演している。2012年は「ボクの四谷怪談」、2013年は「ロミオ&ジュリエット」、2014年は「スリル・ミー」に出演した。2015年は6月から8月まで、帝国劇場にて、「エリザベート」でルイジ・ルキーニを演じた。

人物

趣味は、野球とフットサル。

野球は、父の影響を受けて読売ジャイアンツの大ファンである。小学生の頃は軟式の少年野球チームに属し、学校や歌舞伎座に行く際も必ず鞄にグローブとボールを入れて持ち歩いていた。現在は歌舞伎役者や大道具スタッフらの草野球チームに属しており、市川染五郎 (7代目)率いるアダルトチームと松也が属するヤングチームで、東京ドームを借り切って対戦したこともある。その際の国歌斉唱は、松本幸四郎 (9代目)が行った[6]

フットサルでは、中村七之助なども属するチームのキャプテンを務めている[7]

市川猿之助 (4代目)(当時は亀治郎)に連れられて「ライオンキング」を鑑賞したことがきっかけで、ミュージカルに興味を持つ。

カラオケ等で歌ったミュージカルソングを仲間内で誉められ、オーディションを受けるなどするうちに(ただしこの段階ではすべて落選していた)、蜷川幸雄演出の「ボクの四谷怪談」に出演する機会を得た[8]

俳優の生田斗真堀越高校時代の同級生で、高校時代は互いの家を頻繁に行き来していた仲である。中村七之助 (2代目)や嵐の松本潤は一学年上であるが、ホームルーム等が一緒だったこともあり仲が良く、今も交流がある[9]

出演作

歌舞伎(主なもの)

  • 伽羅先代萩 - 足利鶴千代(1990年5月初舞台)、一子千松(1991年、1993年)
  • 源平布引滝 - 伜太郎吉(1990年9月、1993年1月(国立劇場特別賞受賞))
  • 重の井子別れ - 自然生の三吉 実は 与作子与之助(1990年12月、1992年4月、9月)
  • 盛綱陣屋 - 高綱一子小四郎(1991年10月(国立劇場特別賞受賞)、1994年、1997年)
  • 仮名手本忠臣蔵 - 大星力弥(2001年3月)
  • 人情噺文七元結 - 長兵衛娘お久(2001年7月、2002年2月)
  • 傾城反魂香 - 土佐修理之助(2001年10月、2011年11月)
  • 弁天娘女男白浪 - 伜宗之助(2003年1月、2004年7月)、赤星十三郎(2004年10月、2006年11月)
  • 児雷也豪傑譚話 - 娘・お辰(2004年4月、2005年3月、11月)
  • 磯異人館 - 集成館警固役 岡野周三郎(2007年8月)
  • 双蝶々曲輪日記 - 山崎屋与五郎/放駒長吉(2008年4月)
  • 夏祭浪花鑑 - 一寸徳兵衛(2008年4月)、五島磯之丞(2011年3月)
  • 源平布引滝 - 御台葵御前(2008年9月)
  • 三人吉三 - 手代十三郎(2009年11月)
  • 連獅子 - 仔獅子(2010年3月)※親獅子は中村獅童
  • 葛の葉 - 安部保名(2011年12月、2015年4月)
  • 仮名手本忠臣蔵 - 顔世御前(2012年4月)
  • 寿曽我対面 - 曽我五郎時政(2013年1月)
  • 極付幡随長兵衛 - 出尻清兵衛(2013年1月)
  • 隅田川花御所染 - 猿島惣太(粟津七郎)(2013年3月)
  • 太刀盗人 - すっぱの九郎兵衛(2013年5月)
  • 権三と助十 - 駕籠舁助十(2013年11月)
  • 吹雪峠 - 助蔵(2014年3月)
  • 菅原伝授手習鑑 - 舎人桜丸、武部源蔵(2014年4月)
  • コクーン歌舞伎「三人吉三」 - お坊吉三(2014年6月)
  • 仮名手本忠臣蔵 5・6段目 - 早野勘平(2015年1月 浅草公会堂)
  • 鳴神 - 鳴神上人(2015年3月 南座)
  • 弁天娘女男の白浪 - 弁天小僧菊之助(2015年3月 南座)
  • 新作歌舞伎 あらしのよるに - ヤギめい(2015年9月 南座)
  • 音羽嶽だんまり - 音羽夜叉五郎(2015年10月 歌舞伎座)
  • 本朝廿四孝 - 武田勝頼(2015年12月 歌舞伎座)
  • 重戀雪関扉 - 良峯少将宗貞(2015年12月 歌舞伎座)
  • 妹背山婦女庭訓 - 烏帽子折求女(藤原淡海)(2015年12月 歌舞伎座)
  • 与話情浮名横櫛 源氏店の場 - 切られ与三郎(2016年1月 浅草公会堂)
  • 義経千本桜 川連法眼館の場 - 佐藤忠信・忠信(源九郎狐)(2016年1月 浅草公会堂)
  • 不知火検校 - 丹治弟玉太郎(2016年4月 歌舞伎座)
  • 幻想神空海 - 橘逸勢(2016年4月 歌舞伎座)

自主公演

  • 挑む 若き歌舞伎役者の舞(2009年11月28日、前進座劇場) - 松の羽衣、太刀盗人
  • 挑む 歌舞伎役者の華麗な舞(2010年11月29日、玉川区民会館) - 鶴亀、二人椀久、棒しばり
  • 挑む 歌舞伎役者の粋と意気(2011年8月20日・21日前進座劇場) - 子宝三番叟、三社祭、与話情浮名横櫛-源氏店-
  • 挑む 〜外伝〜(2012年8月6日・7日、セルリアンタワー能楽堂) - 翁千歳三番叟、狂言 樋の梅、素襖落
  • 挑む 傾く者の繋ぐ技量(2013年8月22日・23日、日本橋公会堂) - 助六、三人吉三巴白浪-大川端庚申塚の場-、身替座禅
  • 挑む 熱き役者の新たな軌跡(2014年8月13日 - 15日、日本橋公会堂) - 双蝶々曲輪日記-引窓-、お祭り
  • 挑む 更なる幕へ勇みし気迫(こころ)(2015年8月8日、神奈川芸術劇場) - 操り三番叟、二人椀久、二人袴

ラジオ

映画

テレビドラマ

バラエティ・教養

ドキュメンタリー

舞台

CM

やわもちアイス(2016年4月 - )[15]
あずきバー(2016年4月 - )[16]

受賞

  • 国立劇場特別賞(1991年) - 盛綱陣屋高綱 一子小四郎役にて受賞
  • 国立劇場特別賞(1993年) - 源平布引滝 倅太郎吉役にて受賞
  • 歌舞伎座賞(1993年) - 実録先代萩 一子千代松役にて受賞
  • 国立劇場特別賞(1996年) - 妹背山婦女庭訓 倅三作役にて受賞 
  • 第11回日本映画批評家大賞(2001年) - 「シベリア超特急2」で新人賞
  • ネイルクイーン2014(2014年) - メンズ部門
  • 第37回松尾芸能賞新人賞(2016年)[17]

脚注

  1. ^ “尾上松也そっくり!妹・春本由香が新派女優デビュー”. 日刊スポーツ. (2016年3月29日). http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1623374.html 2016年3月29日閲覧。 
  2. ^ 獅童、後輩松也の名前で注意「間違えてる」”. 日テレNEWS24 (2015年7月14日). 2015年11月7日閲覧。
  3. ^ a b TVでた蔵「2014年12月7日放送 フジテレビ ウチくる!?」”. ワイヤーアクション (2014年12月7日). 2015年11月7日閲覧。
  4. ^ TVでた蔵「2014年9月26日放送 TBS いっぷく!」”. ワイヤーアクション (2014年12月7日). 2015年11月7日閲覧。
  5. ^ 2015年3月号 演劇界 その他
  6. ^ TVでた蔵「2014年6月7日放送 日本テレビ メレンゲの気持ち」”. ワイヤーアクション (2014年6月7日). 2015年11月7日閲覧。
  7. ^ 尾上松也さんの趣味はフットサルとスター・ウォーズ!”. TOKYO FMアポロン』 (2015年8月5日). 2015年11月7日閲覧。
  8. ^ 2015/4/9「TVガイドPERSON」(東京ニュース通信社 刊)より
  9. ^ 尾上松也INTERVIEWS 2011年6月〜12月(7月11日国立劇場楽屋にて)”. 尾上松也オフィシャルウェブサイト (2011年7月11日). 2015年11月7日閲覧。
  10. ^ まんたんウェブ (2014年7月2日). “<尾上松也>役作りで丸刈りに ドラマ「永遠の0」に出演”. 2014年7月2日閲覧。
  11. ^ “尾上松也ドラマ初主演 真田幸村乗り移る!りりしい甲冑姿も”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2015年11月7日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/11/07/kiji/K20151107011463300.html 2015年11月7日閲覧。 
  12. ^ “尾上松也、『メレンゲの気持ち』を卒業”. ORICON STYLE. (2016年3月24日). http://www.oricon.co.jp/news/2068962/full/ 2016年3月24日閲覧。 
  13. ^ 尾上松也、冠番組レギュラー化「うれしい」 若手歌舞伎俳優も参加”. ORICON STYLE (2015年10月5日). 2015年10月5日閲覧。
  14. ^ 尾上松也(歌舞伎俳優):情熱大陸 この男、すこぶるモテる!今もっとも旬な歌舞伎俳優・尾上松也、29歳の本性とは?”. 毎日放送 (2014年7月20日). 2015年1月14日閲覧。
  15. ^ 新CMキャラクターに尾上松也さんを起用!”. 井村屋グループ株式会社・ニュースリリース (2016年4月1日). 2016年4月1日閲覧。
  16. ^ 井村屋 公式Twitter 2016年4月1日付
  17. ^ “ジャンルに留まらない部類の表現力”で、平幹二朗が松尾芸能賞大賞受賞”. ステージナタリー (2016年2月16日). 2016年2月16日閲覧。

外部リンク