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{{Otheruses|抵抗の単位であるオーム}}
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{{出典の明記|date=2012年5月1日 (火) 09:55 (UTC)}}
{{単位
{{単位
|名称 = オーム
|名称 = オーム
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}}
}}
'''オーム'''({{Lang-en-short|ohm}})は、[[国際単位系]] ({{Lang|en|SI}}) 単位のひとつで、[[インピーダンス]]や[[電気抵抗]](''resistance'')、[[リアクタンス]]の[[単位]]である。
'''オーム'''({{Lang-en-short|ohm}}、記号: &Omega;)は、[[国際単位系]]{{en|SI}})において[[一貫性 (単位系)|一貫性]]のある[[電気抵抗]](レジスタンス)および[[インピーダンス]]や[[リアクタンス]]の[[物理単位|単位]]である。固有の名称をもつ[[SI組立単位]]のひとつであり、この名称は電気抵抗に関する[[オームの法則]]を発見した[[ドイツ]]の[[物理学者]][[ゲオルク・オーム|ゲオルク・ジーモン・オーム]]に由来する。


名称は、電気抵抗に関する[[オーム法則]]を発見した[[ドイツ]]の[[物理学者]]、[[ゲオルク・オーム|ゲオルク・ジーモン・オーム]]にちなむ。記号は[[ギリシャ文字]]のオメガ ([[Ω|'''&#x2126;''']]) を用いる。これはオームの頭文字である[[アルファベット]]の[[O]](オー)では、[[数字]]の[[0]](ゼロ)と混同されやすいからである(なお、オームの名前をギリシャ文字で表記すると'''Γκέοργκ Ωμ'''とな)
単位の記号は[[ギリシャ文字]]の[[大文字]]の[[Ω]](オメガ)が用いられる。これはオームの頭文字である[[ラテン文字]]の[[O]](オー)では、[[数字]]の[[0]](ゼロ)と混同されやすいからであるなお、ゲオルグ・オームの名前を[[ギリシャ文字]]で表記すると '''{{lang|de-Grek|Γκέοργκ Ωμ}}''' である。


電気抵抗を表すための単位は、初期の電信業務に関連して経験的にいくつか作られてきた。1861年に{{仮リンク|英国科学振興協会|en|British Association for the Advancement of Science}}が、[[メートル法]]の力学単位から組み立てられる絶対単位を、実用上便利な大きさとなるように10の[[冪乗]]の倍量単位としてオームを提唱した。オームの定義はその後何度か修正された。
== 概要 ==
オームは、[[アンペア]]と[[ボルト (単位)|ボルト]]から導出される[[SI組立単位]]である。オームの法則より、ある装置に[[印加]]する[[電圧]]''V''と、その装置に流れる[[電流]]''I''は、多くの場合、比例する(''V'' = ''R'' ・ ''I'')。その比例係数''R''を電気抵抗という。つまり、''R'' = ''V'' ・ ''I'' <sup>-1</sup>である。この''R''のSI単位がオームΩである。''V''のSI単位がボルトV, ''I''のSI単位がアンペアAなので, Ω=V・A<sup>-1</sup>である。


== 定義 ==
1ボルトの電圧を[[印加]]したときに1アンペアの電流が流れた場合、その装置は「1オームの電気抵抗を有している 」 という。[[電力]]''P''は、''P''=''V''・''I''と表せるので、''P''=''R''・''I''<sup>2</sup>となる。従って、''R'' = ''P'' ・ ''I'' <sup>-2</sup>となる。このことから、ある装置に1アンペアの電流を流したとき、1[[ワット]]の[[電力]]を消費した場合、その装置もまた1オームの電気抵抗を有している、ということができる。
現行の国際単位系(SI)では、7つの物理定数の数値を固定することでSIを定義し、すべてのSI単位が定義定数から直接に構成される。一貫性のある電気抵抗のSI単位であるオーム(記号: &Omega;)は、[[電気素量]] {{mvar|e}} と[[プランク定数]] {{mvar|h}} により
:<math>\Omega =\frac{h/e^2}{(6.626~070~15\times 10^{-34})/(1.602~176~634~\times 10^{-19})^2}
=\frac{h/e^2}{25~812.807~45\ldots}</math>
として構成される。


=== 他の単位との関係 ===
SI基本単位では、ボルトVが[[メートル|m]]<sup>2</sup>・[[キログラム|kg]]・[[秒|s]]<sup>-3</sup>・A<sup>-1</sup>となるので、Ω=V・A<sup>-1</sup>より、オームΩは[[メートル|m]]<sup>2</sup>・[[キログラム|kg]]・[[秒|s]]<sup>-3</sup>・A<sup>-2</sup>となる。
すべてのSI単位が7つの定義定数から直接に構成されるが、現行のSIでも基本単位と組立単位の分類は維持されており、組立単位であるオームは、基本単位の[[秒]](記号: s)、[[メートル]](記号: m)、[[キログラム]](記号: kg)、および[[アンペア]](記号: A)に
:<math>\Omega =\frac{\text{kg}\ \text{m}^2}{\text{s}^3\ \text{A}^2}</math>
で関係付けられる。


オームに関する主要な単位方程式としては、[[オームの法則]]に基づいて[[電圧]]と[[電流]]のSI単位[[ボルト (単位)|ボルト]](記号: V)とアンペアに関係付ける
[[複素数]]で表される[[インピーダンス]]は電気抵抗を一般化したものである。その[[実数]]部は電気抵抗であり、[[虚数]]部は[[リアクタンス]]である。一貫性のために、インピーダンス、リアクタンスは電気抵抗と同じオームの単位を用いる。
:<math>\Omega = \frac{\text{V}}{\text{A}}</math>
が挙げられる。
電気工学において基本的な3つの物理量の単位オーム、ボルト、アンペアを結びつけるこの関係式は、電気計測と電気単位の発展において重要な役割を果たした。
すなわち、電気計測における{{仮リンク|測定標準|en|Standard (metrology)}}は、単位の一貫性を保つためには抵抗標準、電圧標準、電流標準のすべてを独立に取ることはできない。


電気抵抗における発熱([[ジュール熱]])に関する[[ジュールの法則]]に基づいて[[仕事率]]のSI単位である[[ワット]](記号: W)と関係付ける
[[1988年]]の国際度量衡委員会の勧告により、[[1990年]]よりオームの値は[[量子ホール効果]]に基づき、[[フォン・クリッツィング定数]]の協定値(R<sub>{K-90}</sub> = 25812.807 &Omega;)を用いて決定されている。
:<math>\Omega =\frac{\text{W}}{\text{A}^2} =\frac{\text{V}^2}{\text{W}}</math>
も電気単位の発展に重要な役割を果たした関係式である。
ワットは力学単位であり、この関係式は力学と関係付けられた絶対単位による絶対測定と、電気標準により[[現示]]された単位による直接測定とを結びつける関係式の一つである。さらには精密な電気計測と力学計測の結びつきは[[ワット天秤]]法によるプランク定数の測定を可能として、現行のSIへの再定義に際して重要な役割を果たした。


容量性と誘導性の[[リアクタンス]]の関係から、[[静電容量]]と[[インダクタンス]]の単位[[ファラド]](記号: F)と[[ヘンリー (単位)|ヘンリー]](記号: H)とは
== 歴史 ==
: <math>\Omega =\frac{\text{s}}{\text{F}} = \frac{\text{H}}{\text{s}}</math>
現在のオームにほぼ等しい単位は、[[1860年]]、ドイツの[[ヴェルナー・フォン・ジーメンス]]が導入した。ジーメンスは、断面積1mm{{sup|2}}、長さ1m、温度0[[℃]]の水銀柱の電気抵抗を1とした。現在のオームで正確に表せば、0.9534Ωとなる。定義に水銀が使われるのは、常温で液体の水銀は断面積の調整が容易なためである。この定義により、水銀の[[電気抵抗率]]は約1&micro;Ωmとなっている。なおジーメンスの名は、[[電気伝導度]](電気抵抗の[[逆数]])の単位[[ジーメンス]]に残っている。
で関係付けられる。また、[[コンダクタンス]]の単位[[ジーメンス]](記号: S)とは
: <math>\Omega =\frac{1}{\text{S}}</math>
で関係付けられる。


== 倍量・分量単位 ==
当初はこの単位は、オーム、オーマ (ohma)、オーマド (ohmad) など様々に呼ばれた。
{{Right|

{{SI multiples
[[1874年]]、[[英国科学振興協会]] (BAAS) は、電圧の単位[[ボルト (単位)|ボルト]]と共に、新しく定義したオームを採用した。これにより、オームの大きさは現在と同じになった。ただし、定義の仕方は異なる。
|symbol=Ω
|unit=オーム
|note=よく使われる単位を太字で示す
|m=|mc=|k=|M=|G=
}}
}}
電気・電子の分野で一般的に用いられる倍量・分量単位は、マイクロオーム、ミリオーム、キロオーム、メガオーム、ギガオームである。英語圏において、キロオーム (kiloohm)、メガオーム (megaohm) について接頭辞の最後の母音が欠落した「キルオーム」(kilohm)、「メグオーム」(megohm) の形で表記・発音されることがあり、[[NIST]]は慣習としてこれらを容認している<ref group="注釈">The [http://physics.nist.gov/Pubs/SP811/sec09.html ''NIST Guide to the SI: 9.3 Spelling unit names with prefixes''] reports that IEEE/ASTM SI 10-2002 ''IEEE/ASTM Standard for Use of the International System of Units (SI): The Modern Metric System'' states that there are three cases in which the final vowel of an SI prefix is commonly omitted: '''megohm''', '''kilohm''', and '''hectare'''. "In all other cases in which the unit name begins with a vowel, both the final vowel of the prefix and the vowel of the unit name are retained and both are pronounced."</ref>。同様に、ギガオーム (gigaohm) についても非公式に「ギグオーム」(gigohm)と表記・発音されることがある<ref>{{cite web|url=http://www.answers.com/topic/gigohm |title=gigohm: Definition from |publisher=Answers.com |date= |accessdate=2013-09-16}}</ref>。


[[日本]]においては、かつてはメグオームの読みが使われていたが、若年の技術者を中心にメガオームという読みが広まっており、年配の技術者がこれを誤りと指摘する場面がしばしば見られる。法令では、「メガオーム」という正式な表記が、[[電気通信事業法]]などにある<ref group="注釈">電気通信事業法「端末設備等規則」第十三条二項一号「直流回路の直流抵抗値は、一メガオーム以上であること。 」</ref><ref group="注釈">「事業用電気通信設備規則」第二十九条三・四項「一メガオーム以上の直流抵抗値」。</ref>。
当時の単位系の標準は[[電磁気の単位#CGS電磁単位系|CGS-emu]]単位系で、CGS-emuの電気抵抗の単位(CGS-emuは[[3元系]]なので本来は単位名称を使わないが、便宜上[[アブオーム]] ({{en|abohm}}) と呼ばれる)は{{1e-|9}}オームに等しい。オームは「CGS-emu単位の{{1e|9}}倍」言い換えれば「{{1e|9}}アブオーム」として定義された。この係数{{1e|9}}は、従来のオームとほぼ同じ量になるように選ばれた。つまり当時のオームは、現在のオームのように基本単位から組み立てられた単位ではなく、実験室で再現可能な量を[[SI接頭辞|単位接頭辞]]なしで表すための、[[倍量単位]]の便利な別名であり、[[実用単位]] ({{en|practice unit}}) と呼ばれた。にもかかわらず現在、オームが基本単位アンペアから導出できるのは、アンペアもかつては実用単位で、恣意的に選ばれた係数を含むからである。

オームは[[1881年]]には国際電気会議(現在の[[国際電気標準会議]](IEC))により承認された。ただしこのときの定義は、大きさは実用上変わらないが、断面積1mm{{sup|2}}・長さ1.063m・温度0℃の水銀の電気抵抗とされていた。

== メグオーム ==
[[日本]]には{{要出典範囲|古く|date=2012年7月|title=いつ?}}から10<sup>6</sup> オームのことを 1 '''メグオーム''' (M&Omega;、megohm) と呼ぶ慣習がある。一般に10<sup>6</sup>を示す接頭辞 '''M''' (Mega)が[[メガ]]と読まれることからすれば特異であるともいえる。{{要出典範囲|英語では ohm など単位の語が母音で始まる場合、接頭辞の末尾の母音が除される(Mega- では Meg- になる)という規則があり|date=2012年7月}}、これに関係があると思われる。最近は若年の技術者を中心に'''メガオーム'''という読みが広まっていて、年配の技術者がこれを誤りと指摘する場面がしばしば見られる。

ただし、「メガオーム」という正式な表記が、[[電気通信事業法]]などにある<ref>電気通信事業法「端末設備等規則」第十三条二項一号「直流回路の直流抵抗値は、一メガオーム以上であること。 」</ref><ref>「事業用電気通信設備規則」第二十九条三・四項「一メガオーム以上の直流抵抗値」。</ref>。
{{節stub}}


== 組立単位 ==
== 組立単位 ==
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=== オーム・メートル ===
=== オーム・メートル ===
電気抵抗<math>R</math>(&Omega;)は<math>R = \rho \frac{L}{A}</math>と表される(<math>L</math>: 導体長(m)、<math>A</math>: 導体断面積(m<sup>2</sup>))。比例係数<math>\rho</math>を[[電気抵抗率]]といい、その単位は&Omega;&middot;m<sup>2</sup>/m = &Omega;&middot;m('''オーム・メートル''')となる。1オームメートルは、「長さ1メートル、断面積1平方メートルの導体の電気抵抗が1オームであるときの導体の電気抵抗率」と定義できる。
電気抵抗 ''R''(&Omega;) ''R'' = ''&rho;L''/''A'' と表される(''L'': 導体長 (m)、''A'': 導体断面積 (m<sup>2</sup>))。比例係数 ''&rho;'' を[[電気抵抗率]]といい、その単位は &Omega;&middot;m<sup>2</sup>/m = &Omega;&middot;m('''オーム・メートル''')となる。1オームメートルは、「長さ1メートル、断面積1平方メートルの導体の電気抵抗が1オームであるときの導体の電気抵抗率」と定義できる。

==歴史==
19世紀後半の電気工学の急速な発達は、電気に関する物理量のための、合理的で、[[一貫性 (単位系)|一貫性]]のある、矛盾のない、国際的な単位系の需要を引き起こした。19世紀の電信技手や他の初期の電気の利用者は、実際的で標準的な電気抵抗のための計測単位を必要とした。電気抵抗は、しばしば基準とする長さの電信用[[電線]]の抵抗の倍数として表されたが、異なる機関では異なる基準を使われたので、単位はすぐに換算できなかった。このように定義された電気の単位は、エネルギーや時間などの力学単位と一貫性がないため、エネルギーや仕事率と電気抵抗を関連付ける計算においては、変換係数が必要であった<ref>{{cite journal|last=Hunt|first=Bruce J|title=The Ohm Is Where the Art Is: British Telegraph Engineers and the Development of Electrical Standards|journal=Osiris|year=1994|volume=9|series=2nd|pages=48–63|url=https://webspace.utexas.edu/huntbj/1994-Ohm-Osiris.pdf|accessdate=27 February 2014|doi=10.1086/368729}}</ref>。

電気の単位系を構成するに当たって、異なる2つの方法を選ぶことができた。1つは定まった大きさの電気抵抗や電圧などを与える電気標準として、特定の長さの電線や標準電池などの人工物を指定する方法である。もう1つは、電気の単位を力学の単位に関連づけて定義する方法である。例えば、電流の単位は2本の電線に電流を流した時に電線に働く力により定義することができるし、電荷の単位は2つの荷電した物体に働く力により定義することができる。後者の方法は、エネルギーの単位との間で一貫性を確実にする。エネルギーや時間の単位と一貫性のある抵抗の単位を定義するためには、実際には電圧と電流の定義も必要となる。「1単位の電圧が1単位の電気抵抗に1単位の電流を流し、このとき1単位の時間で1単位の電気量が運ばれ、1単位の仕事が行われる」というように定義できれば望ましい<ref name="BAAS-32nd"/>。そうでなければ、あらゆる電気に関する計算に換算が必要になる。

電気抵抗の測定標準として、様々な人工物が提案された。1860年に[[ヴェルナー・フォン・ジーメンス]]は再現可能な電気抵抗の標準についての提案を行った<ref>{{Cite journal|author= Werner Siemens |journal= [[アナーレン・デア・フィジーク|Annalen der Physik und Chemie]] |title= Vorschlag eines reproducirbaren Widerstandsmaaßes |volume=186 |issue=5 |pages= 1-20 |year=1860 |language=de |doi=10.1002/andp.18601860502
}}</ref>。彼の提案は断面積 {{val|1|u=mm{{sup|2}}}}、長さ {{val|1|u=m}} の[[水銀]]柱の温度 {{val|0|u=[[セルシウス度|{{℃}}]]}} における電気抵抗を単位とするもので、[[ジーメンス水銀単位]]と呼ばれる。水銀を用いて定義されたのは、常温で液体の金属(電気[[電気伝導体|導体]])である水銀は断面積の調整が容易なためである。ジーメンス水銀単位は後に定義されたオームにほぼ等しく、およそ {{val|0.9534|u=Ω}} であり、したがって温度 {{val|0|u=[[セルシウス度|{{℃}}]]}} における水銀の[[電気抵抗率]]はおよそ {{val|0.9534|u=&micro;Ω m}} である。このジーメンスの提案による単位は他の単位との一貫性がない。水銀柱の長さを調整して、一貫性を持った単位に値を合わせるという提案もあった。要求される精度で計測学実験を行うためのリソースを単位の全てのユーザーが持っているわけではないので、物理的な定義に基づいた標準は必要とされた。

電荷と電流のいわゆる「絶対単位」 (absolute units)が質量・長さ・時間の単位の組合せとして表されるので、電圧・電流・電気抵抗の間の[[次元解析]]により、電気抵抗は時間あたりの長さ、つまり速度の単位で表されることが示される。初期の電気抵抗の単位の定義は、例えば、単位抵抗を「1秒につき地球の外周の四半分(={{val|e=9|u= cm/s}})」のように定義した。

絶対単位系は、磁気的・静電的な量を質量・時間・長さの[[メートル法]]の基本単位と関連づけた。これらの単位には、電磁気の問題の解決で使われる方程式を単純化するという大きな利点があり、電気に関する量についての計算で換算が不要になった。しかし、CGS単位では、実際的な寸法のために非実用的な大さきを持つことがわかった。

1861年の英国科学振興協会(BAAS)の第31回会議において、[[ジョサイア・ラティマー・クラーク]]と{{仮リンク|チャールズ・ティルストン・ブライト|en|Charles Tilston Bright}}らは、電気計測における標準の必要性を指摘し、電圧、電気量、電流および電気抵抗の標準を提案すると同時に、それらの名称として著名な学者に由来する「オーマ」({{en|Ohma}})、「ファラド」({{en|Farad}})、「ガルバ」({{en|Galvat}})および「ボルト」({{en|Volt}})を提案した<ref>{{cite journal2
|df=ja
|first1=Latimer|last1=Clark|author1-link=ジョサイア・ラティマー・クラーク
|first2=Sir Charles|last2=Bright |author2-link=チャールズ・ティルストン・ブライト
|title=Measurement of Electrical Quantities and Resistance|journal=[[The Electrician]]|date=1861-11-09|volume=1|issue=1|pages=3–4|url=https://books.google.com.au/books?id=7BdbAAAAYAAJ&pg=PA3#v=onepage&q&f=false|accessdate=27 February 2014}}</ref><ref>{{Cite conference
|df= ja
|title= Rep.Br.Ass.Advmt Sci
|conference= 31st Meeting
|date=September 1861
|pages= 37-38
|url= https://www.biodiversitylibrary.org/page/29360577
}}</ref>。同会議において、[[ウィリアム・トムソン]]らを電気抵抗の標準について報告させる委員として指名した<ref>{{cite conference
|df= ja
|title= Rep.Br.Ass.Advmt Sci
|conference= 31st Meeting
|date= September 1861
|pages= xxxix-xl
|url= https://www.biodiversitylibrary.org/page/29360137
}}</ref>。翌1862年のBAASの第32回会議の報告書では、最も利便性の高い電気抵抗の単位を決定する要件として
# 使いやすい大きさであること
# 電気計測のための完全なシステムの一部であること
# エネルギーの単位と一貫性があること
# 補正や置換えが要求されず、不変であること
# 正確に再現可能であること
が挙げられた<ref name="BAAS-32nd">{{cite conference
|df= ja
|title= Provisional Report of the Committee appointed by the British Association on Standards of Electrical Resistance
|date= October 1862
|conference= 32nd Meeting
|author= Prof. A. Williamson |author1-link = アレキサンダー・ウィリアムソン
|author2= Prof. C. Wheatstone |author2-link = チャールズ・ホイートストン
|author3 = Prof. W. Thomson |author3-link = ウィリアム・トムソン
|author4 = Prof. W.H. Miller |author4-link = ウィリアム・ハロウズ・ミラー
|author5 = Dr. A. Matthiessen |author5-link = オーガスタス・マシーセン
|author6 = Mr. F. Jenkin |author6-link = フリーミング・ジェンキン
|publisher= John Murray
|location= London
|pages = 125–163
|url= https://www.biodiversitylibrary.org/page/29361871
|accessdate= 2014-02-27
}}</ref><ref>[[#NBS-Monograph-56|Silsbee (1962)]]</ref>。同時にフランスの計量体系(メートル法)に基づくべきであるとの見解も示された。

1864年の委員会の第3報告書では、抵抗の単位は「B.A.単位 (B.A. unit) 」または「オーマド (Ohmad)」と呼ばれていた<ref>{{cite conference
|title=Report of the Committee on Standards of Electrical Resistance
|date=September 1864
|conference= Thirty-fourth Meeting of the British Association for the Advancement of Science
|first1 = Professor A |last1 = Williamson |author1-link = アレキサンダー・ウィリアムソン
|first2 = Professor C |last2 = Wheatstone |author2-link = チャールズ・ホイートストン
|first3 = Professor W |last3 = Thomson |author3-link = ウィリアム・トムソン
|first4 = Professor WH |last4 = Miller |author4-link = ウィリアム・ハロウズ・ミラー
|first5 = Dr. A |last5 = Matthiessen |author5-link = オーガスタス・マシーセン
|first6 = Mr. Fleeming |last6 = Jenkin |author6-link = フリーミング・ジェンキン
|first7 = Sir Charles |last7 = Bright |author7-link =チャールズ・ティルストン・ブライト
|first8 = Professor |last8 = Maxwell |author8-link = ジェームズ・クラーク・マクスウェル
|first9 = Mr. CW |last9 = Siemens |author9-link = カール・ウィルヘルム・シーメンス
|first10 = Mr. Balfour |last10 = Stewart |author10-link = バルフォー・スチュワート
|first11 = Dr. |last11 = Joule |author11-link = ジェームズ・プレスコット・ジュール
|first12 = Mr. CF|last12 = Varley|author12-link = C・F・バーリー
|publisher= John Murray
|location= London
|page = Foldout facing page 349
|url= http://www.biodiversitylibrary.org/item/93072#page/434/mode/1up
|accessdate= 2014-02-27}}</ref>。1867年までに、単位は単に「オーム (Ohm)」と呼ばれるようになった<ref>{{cite conference
|title=Report of the Committee on Standards of Electrical Resistance
|date=September 1867
|conference= Thirty-seventh Meeting of the British Association for the Advancement of Science
|first1 = Professor A |last1 = Williamson |author1-link = アレキサンダー・ウィリアムソン
|first2 = Professor C |last2 = Wheatstone |author2-link = チャールズ・ホイートストン
|first3 = Professor W |last3 = Thomson |author3-link = ウィリアム・トムソン
|first4 = Professor WH |last4 = Miller |author4-link = ウィリアム・ハロウズ・ミラー
|first5 = Dr. A |last5 = Matthiessen |author5-link = オーガスタス・マシーセン
|first6 = Mr. Fleeming |last6 = Jenkin |author6-link = フリーミング・ジェンキン
|first7 = Sir Charles |last7 = Bright |author7-link =チャールズ・ティルストン・ブライト
|first8 = Professor |last8 = Maxwell |author8-link = ジェームズ・クラーク・マクスウェル
|first9 = Mr. CW |last9 = Siemens |author9-link = カール・ウィルヘルム・シーメンス
|first10 = Mr. Balfour |last10 = Stewart |author10-link = バルフォー・スチュワート
|first11 = Mr. CF |last11 = Varley|author11-link = C・F・バーリー
|first12 = Professor GC |last12 = Foster |author12-link =
|first13 = Mr. Latimer |last13 = Clark |author13-link = ジョサイヤ・ラティマー・クラーク
|first14 = Mr. D. |last14 = Forbes |author14-link =
|first15 = Mr. Charles |last15 = Hockin |author15-link =
|first16 = Dr. |last16 = Joule |author16-link = ジェームズ・プレスコット・ジュール
|publisher= John Murray
|location= London
|page = 488
|url= http://www.biodiversitylibrary.org/item/93115#page/578/mode/1up
|accessdate= 2014-02-27}}</ref>。1874年、BAASは、電圧の単位[[ボルト (単位)|ボルト]]と共に、新しく定義したオーム(B.A.オーム)を採用した。B.A.オームは現行のオームとほぼ同じ大きさであるが、定義の仕方は異なる。当時の単位系の標準はCGS-emu単位系であり、B.A.オームはCGS-emuの電気抵抗の単位<ref group="注釈">CGS-emuは[[三元系]]なので本来は単位名称を使わないが、便宜上[[アブオーム]] ({{en|abohm}}) と呼ばれる</ref>の{{1e|9}}倍とすることを意図していたが、計算誤りにより1.3%小さく定義された。この{{1e|9}}という係数は、ジーメンスの水銀単位とほぼ同じ量になるように選ばれたものである。これは、実験室で再現可能な量を[[SI接頭語]]なしで表すための、[[倍量単位]]の便利な別名であり、[[実用単位]] ({{en|practice unit}}) と呼ばれた。

1881年9月21日、[[国際電気会議]]([[国際電気標準会議]] (IEC)の前身)は実用単位としてのオームを承認した。その定義は、ジーメンスの水銀単位とほぼ同じである。1884年にパリで開かれた国際電気会議で、再現可能な標準である「法的オーム (legal ohm) 」を、指定された重さで長さ106cmの水銀柱の電気抵抗と定義した。この106cmという値は、B.A.単位(104.7cmに等しい)、シーメンス単位(定義上100cm)、CGS単位の間の妥協によるものである。「法的」という名称にもかかわらず、この標準はどの国も国家標準として採用しなかった。「国際オーム (international ohm) 」は、1893年にシカゴで開かれた国際電気会議で採択されたもので、長さ106.3cm、質量14.4521[[グラム|g]]、温度0{{℃}}の水銀柱の電気抵抗と定義された。この定義は、いくつかの国で採用された。

1946年の[[国際度量衡委員会]] (CIPM) の決議により、人工物による定義に代えて、ボルトとアンペアから組み立てる現行の定義になった。元が実用単位であったにもかかわらず、オームが基本単位アンペアから導出できるのは、アンペアもかつては実用単位で、恣意的に選ばれた係数を含むからである。

=== 歴史的な電気抵抗の単位 ===
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! align=left | 単位<ref>Gordon Wigan (trans. and ed.), ''Electrician's Pocket Book'', Cassel and Company, London, 1884</ref>
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| トムソン単位(Thomson's unit)
| [[FPS単位系]]
| 0.3202
| 10<sup>8</sup> フィート毎秒。1884年時点で既に時代遅れであるとみなされていた。

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| ヤコビの抵抗単位(Jacobi's unit of resistance)
| 特定の銅の合金でできた、直径1ミリメートルの円形の横断面による1メートルの銅線の電気抵抗<ref>{{cite web|url=http://sizes.com/units/jacobis_unit.htm|title=Jacobi's unit|accessdate=2016-08-01}}</ref>
| 0.6367
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|
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| 1863年にキュー天文台に預けられた標準コイルの電気抵抗<ref>[https://books.google.co.uk/books?id=OkxGT9mfNGkC&pg=PA32&dq=%22Siemens+mercury+unit%22&hl=en&sa=X&ei=kmhBT_mMPIOx0QX6o72PDw&ved=0CEEQ6AEwAQ#v=onepage&q=%22Siemens%20mercury%20unit%22&f=false Historical Studies in International Corporate Business. Teich p34]</ref>
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| Digney, Breguet, Swiss
|
| 9.266–10.420
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|
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|
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| [[CGS単位系]]の電磁単位
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|[[スタットオーム]] (statohm)
|
| 8.987551787×10<sup>11</sup>
| [[CGS単位系]]の静電単位
|}

==標準の現示==
水銀柱によるオームの標準の現示法は再現が難しいことがわかった。これは、ガラス管の断面積が一定でないためである。様々な抵抗コイルが英国学術協会やその他の団体によって造られ、抵抗の単位の物理的な人工物基準として使用された。温度・気圧・湿気・時間の標準に対する効果が見つけられ分析されたため、これらの人工物の長期の安定性と再現可能性は研究の進行中の分野となった。

人工物による標準は未だに使われているが、正確に形成された誘導子とコンデンサによる計測学の実験により、基本的な基礎がオームの定義に提供された。1988年の国際度量衡委員会の勧告により、1990年よりオームの値は[[量子ホール効果]]に基づき、フォン・クリッツィング定数({{math|''R''{{sub|K}}{{=}}{{val|25812.8074593045|end=...|u=Ω}}}})を用いて決定されている。較正のために扱いやすい値を持つ他の標準の安定性をチェックするのに、量子ホール効果は使われる<ref>R. Dzuiba and others, ''Stability of Double-Walled Maganin Resistors'' in ''NIST Special Publication Proceedings of SPIE--the International Society for Optical Engineering'', The Institute, 1988 pages 63-64</ref>。

== 符号位置 ==
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オームの単位記号は、コードポイント{{unichar|2126|ohm sign}}で[[Unicode]]にコード化されている。しかしこれは、既存の文字コードとの互換性のために用意されている[[Unicodeの互換文字|互換文字]]である。Unicode標準では、この文字の代わりに{{unichar|03A9|Greek Capital Letter Omega}}、つまりギリシャ文字の大文字の[[Ω]](オメガ)を使うことを推奨している。「次の3つの[[文字様記号]]は、普通の文字と正準等価である: {{unichar|2126|ohm sign}}、{{unichar|212A|kelvin sign}}、{{unichar|212B|angstrom sign}}。これら3つの全ての文字については、普通の文字が使われなければならない。」<ref>{{cite book|title=The Unicode Standard, Version 8.0|date=August 2015|publisher=The Unicode Consortium|location=Mountain View, CA, USA|isbn=978-1-936213-10-8 |section=22.2|url=https://www.unicode.org/versions/Unicode8.0.0/ch22.pdf|accessdate=6 September 2015}}</ref>

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また、Unicodeには、オームおよびその倍量単位を表す上記の文字が収録されている。これらは[[CJK互換用文字]]であり、既存の文字コードに対する後方互換性のために収録されているものであるので、使用は推奨されない<ref>{{cite web|url=https://www.unicode.org/charts/PDF/U3300.pdf|title=CJK Compatibility|accessdate=2016-02-21|date=2015}}</ref><ref>{{cite web|publisher=The Unicode Consortium|title=The Unicode Standard, Version 8.0.0|location=Mountain View, CA|date=2015|isbn=978-1-936213-10-8|url=http://www.unicode.org/versions/Unicode8.0.0|accessdate=2016-02-21}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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{{Notelist}}
<!-- == 参考文献 == -->
=== 出典 ===
{{Reflist|40em}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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* [[オームの法則]]
* [[オームの法則]]
* [[インピーダンス]]・[[電気抵抗]](''resistance'')・[[リアクタンス]]
* [[電気抵抗]]・[[インピーダンス]]・[[リアクタンス]]
* [[ジーメンス]]
* [[ジーメンス]]
* [[国際電気単位]]
* [[協定電気単位]]


== 参考文献 ==
<!-- == 外部リンク == -->
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|author= Francis B. Silsbee
|date= January 19, 1962
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|publisher= [[アメリカ国立標準技術研究所|National Bureau of Standards]]
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[[Category:無線工学]]
[[Category:エポニム]]

2024年11月16日 (土) 17:20時点における最新版

オーム
Ohm

抵抗器
記号 Ω
度量衡 メートル法
国際単位系 (SI)
種類 組立単位
電気抵抗
組立 V/A
定義 (h/e2)/25812.80745...
由来 絶対単位で 107 m/s の電気抵抗[1]
語源 ゲオルク・オーム
テンプレートを表示

オーム: ohm、記号: Ω)は、国際単位系SI)において一貫性のある電気抵抗(レジスタンス)、およびインピーダンスリアクタンス単位である。固有の名称をもつSI組立単位のひとつであり、この名称は電気抵抗に関するオームの法則を発見したドイツ物理学者ゲオルク・ジーモン・オームに由来する。

単位の記号にはギリシャ文字大文字Ω(オメガ)が用いられる。これはオームの頭文字であるラテン文字O(オー)では、数字0(ゼロ)と混同されやすいからである。なお、ゲオルグ・オームの名前をギリシャ文字で表記すると Γκέοργκ Ωμ である。

電気抵抗を表すための単位は、初期の電信業務に関連して経験的にいくつか作られてきた。1861年に英国科学振興協会英語版が、メートル法の力学単位から組み立てられる絶対単位を、実用上便利な大きさとなるように10の冪乗の倍量単位としてオームを提唱した。オームの定義はその後何度か修正された。

定義

[編集]

現行の国際単位系(SI)では、7つの物理定数の数値を固定することでSIを定義し、すべてのSI単位が定義定数から直接に構成される。一貫性のある電気抵抗のSI単位であるオーム(記号: Ω)は、電気素量 eプランク定数 h により

として構成される。

他の単位との関係

[編集]

すべてのSI単位が7つの定義定数から直接に構成されるが、現行のSIでも基本単位と組立単位の分類は維持されており、組立単位であるオームは、基本単位の(記号: s)、メートル(記号: m)、キログラム(記号: kg)、およびアンペア(記号: A)に

で関係付けられる。

オームに関する主要な単位方程式としては、オームの法則に基づいて電圧電流のSI単位ボルト(記号: V)とアンペアに関係付ける

が挙げられる。 電気工学において基本的な3つの物理量の単位オーム、ボルト、アンペアを結びつけるこの関係式は、電気計測と電気単位の発展において重要な役割を果たした。 すなわち、電気計測における測定標準英語版は、単位の一貫性を保つためには抵抗標準、電圧標準、電流標準のすべてを独立に取ることはできない。

電気抵抗における発熱(ジュール熱)に関するジュールの法則に基づいて仕事率のSI単位であるワット(記号: W)と関係付ける

も電気単位の発展に重要な役割を果たした関係式である。 ワットは力学単位であり、この関係式は力学と関係付けられた絶対単位による絶対測定と、電気標準により現示された単位による直接測定とを結びつける関係式の一つである。さらには精密な電気計測と力学計測の結びつきはワット天秤法によるプランク定数の測定を可能として、現行のSIへの再定義に際して重要な役割を果たした。

容量性と誘導性のリアクタンスの関係から、静電容量インダクタンスの単位ファラド(記号: F)とヘンリー(記号: H)とは

で関係付けられる。また、コンダクタンスの単位ジーメンス(記号: S)とは

で関係付けられる。

倍量・分量単位

[編集]
オーム (Ω) の倍量・分量単位
分量 倍量
記号 名称 記号 名称
10−1 Ω デシオーム 101 Ω daΩ デカオーム
10−2 Ω センチオーム 102 Ω ヘクトオーム
10−3 Ω ミリオーム 103 Ω キロオーム
10−6 Ω µΩ マイクロオーム 106 Ω メガオーム
10−9 Ω ナノオーム 109 Ω ギガオーム
10−12 Ω ピコオーム 1012 Ω テラオーム
10−15 Ω フェムトオーム 1015 Ω ペタオーム
10−18 Ω アトオーム 1018 Ω エクサオーム
10−21 Ω ゼプトオーム 1021 Ω ゼタオーム
10−24 Ω ヨクトオーム 1024 Ω ヨタオーム
10−27 Ω ロントオーム 1027 Ω ロナオーム
10−30 Ω クエクトオーム 1030 Ω クエタオーム
よく使われる単位を太字で示す

電気・電子の分野で一般的に用いられる倍量・分量単位は、マイクロオーム、ミリオーム、キロオーム、メガオーム、ギガオームである。英語圏において、キロオーム (kiloohm)、メガオーム (megaohm) について接頭辞の最後の母音が欠落した「キルオーム」(kilohm)、「メグオーム」(megohm) の形で表記・発音されることがあり、NISTは慣習としてこれらを容認している[注釈 1]。同様に、ギガオーム (gigaohm) についても非公式に「ギグオーム」(gigohm)と表記・発音されることがある[2]

日本においては、かつてはメグオームの読みが使われていたが、若年の技術者を中心にメガオームという読みが広まっており、年配の技術者がこれを誤りと指摘する場面がしばしば見られる。法令では、「メガオーム」という正式な表記が、電気通信事業法などにある[注釈 2][注釈 3]

組立単位

[編集]

ジーメンス、モー

[編集]

オームの測定値の逆数は、コンダクタンスの単位であるジーメンスの測定値となる。コンダクタンスの単位は、かつては ohm を逆につづった mho(モー)が用いられていた。

オーム・メートル

[編集]

電気抵抗 R(Ω) は R = ρL/A と表される(L: 導体長 (m)、A: 導体断面積 (m2))。比例係数 ρ電気抵抗率といい、その単位は Ω·m2/m = Ω·m(オーム・メートル)となる。1オーム・メートルは、「長さ1メートル、断面積1平方メートルの導体の電気抵抗が1オームであるときの導体の電気抵抗率」と定義できる。

歴史

[編集]

19世紀後半の電気工学の急速な発達は、電気に関する物理量のための、合理的で、一貫性のある、矛盾のない、国際的な単位系の需要を引き起こした。19世紀の電信技手や他の初期の電気の利用者は、実際的で標準的な電気抵抗のための計測単位を必要とした。電気抵抗は、しばしば基準とする長さの電信用電線の抵抗の倍数として表されたが、異なる機関では異なる基準を使われたので、単位はすぐに換算できなかった。このように定義された電気の単位は、エネルギーや時間などの力学単位と一貫性がないため、エネルギーや仕事率と電気抵抗を関連付ける計算においては、変換係数が必要であった[3]

電気の単位系を構成するに当たって、異なる2つの方法を選ぶことができた。1つは定まった大きさの電気抵抗や電圧などを与える電気標準として、特定の長さの電線や標準電池などの人工物を指定する方法である。もう1つは、電気の単位を力学の単位に関連づけて定義する方法である。例えば、電流の単位は2本の電線に電流を流した時に電線に働く力により定義することができるし、電荷の単位は2つの荷電した物体に働く力により定義することができる。後者の方法は、エネルギーの単位との間で一貫性を確実にする。エネルギーや時間の単位と一貫性のある抵抗の単位を定義するためには、実際には電圧と電流の定義も必要となる。「1単位の電圧が1単位の電気抵抗に1単位の電流を流し、このとき1単位の時間で1単位の電気量が運ばれ、1単位の仕事が行われる」というように定義できれば望ましい[1]。そうでなければ、あらゆる電気に関する計算に換算が必要になる。

電気抵抗の測定標準として、様々な人工物が提案された。1860年にヴェルナー・フォン・ジーメンスは再現可能な電気抵抗の標準についての提案を行った[4]。彼の提案は断面積 1 mm2、長さ 1 m水銀柱の温度 °C における電気抵抗を単位とするもので、ジーメンス水銀単位と呼ばれる。水銀を用いて定義されたのは、常温で液体の金属(電気導体)である水銀は断面積の調整が容易なためである。ジーメンス水銀単位は後に定義されたオームにほぼ等しく、およそ 0.9534 Ω であり、したがって温度 °C における水銀の電気抵抗率はおよそ 0.9534 µΩ m である。このジーメンスの提案による単位は他の単位との一貫性がない。水銀柱の長さを調整して、一貫性を持った単位に値を合わせるという提案もあった。要求される精度で計測学実験を行うためのリソースを単位の全てのユーザーが持っているわけではないので、物理的な定義に基づいた標準は必要とされた。

電荷と電流のいわゆる「絶対単位」 (absolute units)が質量・長さ・時間の単位の組合せとして表されるので、電圧・電流・電気抵抗の間の次元解析により、電気抵抗は時間あたりの長さ、つまり速度の単位で表されることが示される。初期の電気抵抗の単位の定義は、例えば、単位抵抗を「1秒につき地球の外周の四半分(=109 cm/s)」のように定義した。

絶対単位系は、磁気的・静電的な量を質量・時間・長さのメートル法の基本単位と関連づけた。これらの単位には、電磁気の問題の解決で使われる方程式を単純化するという大きな利点があり、電気に関する量についての計算で換算が不要になった。しかし、CGS単位では、実際的な寸法のために非実用的な大さきを持つことがわかった。

1861年の英国科学振興協会(BAAS)の第31回会議において、ジョサイア・ラティマー・クラークチャールズ・ティルストン・ブライト英語版らは、電気計測における標準の必要性を指摘し、電圧、電気量、電流および電気抵抗の標準を提案すると同時に、それらの名称として著名な学者に由来する「オーマ」(Ohma)、「ファラド」(Farad)、「ガルバ」(Galvat)および「ボルト」(Volt)を提案した[5][6]。同会議において、ウィリアム・トムソンらを電気抵抗の標準について報告させる委員として指名した[7]。翌1862年のBAASの第32回会議の報告書では、最も利便性の高い電気抵抗の単位を決定する要件として

  1. 使いやすい大きさであること
  2. 電気計測のための完全なシステムの一部であること
  3. エネルギーの単位と一貫性があること
  4. 補正や置換えが要求されず、不変であること
  5. 正確に再現可能であること

が挙げられた[1][8]。同時にフランスの計量体系(メートル法)に基づくべきであるとの見解も示された。

1864年の委員会の第3報告書では、抵抗の単位は「B.A.単位 (B.A. unit) 」または「オーマド (Ohmad)」と呼ばれていた[9]。1867年までに、単位は単に「オーム (Ohm)」と呼ばれるようになった[10]。1874年、BAASは、電圧の単位ボルトと共に、新しく定義したオーム(B.A.オーム)を採用した。B.A.オームは現行のオームとほぼ同じ大きさであるが、定義の仕方は異なる。当時の単位系の標準はCGS-emu単位系であり、B.A.オームはCGS-emuの電気抵抗の単位[注釈 4]の109倍とすることを意図していたが、計算誤りにより1.3%小さく定義された。この109という係数は、ジーメンスの水銀単位とほぼ同じ量になるように選ばれたものである。これは、実験室で再現可能な量をSI接頭語なしで表すための、倍量単位の便利な別名であり、実用単位 (practice unit) と呼ばれた。

1881年9月21日、国際電気会議国際電気標準会議 (IEC)の前身)は実用単位としてのオームを承認した。その定義は、ジーメンスの水銀単位とほぼ同じである。1884年にパリで開かれた国際電気会議で、再現可能な標準である「法的オーム (legal ohm) 」を、指定された重さで長さ106cmの水銀柱の電気抵抗と定義した。この106cmという値は、B.A.単位(104.7cmに等しい)、シーメンス単位(定義上100cm)、CGS単位の間の妥協によるものである。「法的」という名称にもかかわらず、この標準はどの国も国家標準として採用しなかった。「国際オーム (international ohm) 」は、1893年にシカゴで開かれた国際電気会議で採択されたもので、長さ106.3cm、質量14.4521g、温度0°Cの水銀柱の電気抵抗と定義された。この定義は、いくつかの国で採用された。

1946年の国際度量衡委員会 (CIPM) の決議により、人工物による定義に代えて、ボルトとアンペアから組み立てる現行の定義になった。元が実用単位であったにもかかわらず、オームが基本単位アンペアから導出できるのは、アンペアもかつては実用単位で、恣意的に選ばれた係数を含むからである。

歴史的な電気抵抗の単位

[編集]
単位[11] 定義 B.A.オームによる値 備考
絶対フィート毎秒(absolute foot/second) × 107 FPS単位系 0.3048 1884年時点で既に時代遅れであるとみなされていた。
トムソン単位(Thomson's unit) FPS単位系 0.3202 108 フィート毎秒。1884年時点で既に時代遅れであるとみなされていた。
ヤコビの抵抗単位(Jacobi's unit of resistance) 特定の銅の合金でできた、直径1ミリメートルの円形の横断面による1メートルの銅線の電気抵抗[12] 0.6367 1850年代に使用された
ウェーバーの絶対単位(Weber's absolute unit) × 107 メートルと秒に基づく 0.9191
ジーメンス水銀単位 1860年 0.9537 断面積1 mm2、長さ100 cmの純粋な水銀柱の0 °Cにおける電気抵抗
B.A.オーム 1863年 1.000 1863年にキュー天文台に預けられた標準コイルの電気抵抗[13]
Digney, Breguet, Swiss 9.266–10.420 断面積4 mm2、長さ1 kmの鉄線の電気抵抗
Matthiessen 13.59 直径1/16インチ、長さ1マイルのなまし銅線の15.5 °Cにおける電気抵抗
Varley 25.61 直径1/16インチ、長さ1マイルの銅線の電気抵抗
German mile 57.44 直径1/6インチ、長さ1ドイツマイル(8238ヤード)の鉄線の電気抵抗
アブオーム (abohm) 10−9 CGS単位系の電磁単位
スタットオーム (statohm) 8.987551787×1011 CGS単位系の静電単位

標準の現示

[編集]

水銀柱によるオームの標準の現示法は再現が難しいことがわかった。これは、ガラス管の断面積が一定でないためである。様々な抵抗コイルが英国学術協会やその他の団体によって造られ、抵抗の単位の物理的な人工物基準として使用された。温度・気圧・湿気・時間の標準に対する効果が見つけられ分析されたため、これらの人工物の長期の安定性と再現可能性は研究の進行中の分野となった。

人工物による標準は未だに使われているが、正確に形成された誘導子とコンデンサによる計測学の実験により、基本的な基礎がオームの定義に提供された。1988年の国際度量衡委員会の勧告により、1990年よりオームの値は量子ホール効果に基づき、フォン・クリッツィング定数(RK=25812.8074593045... Ω)を用いて決定されている。較正のために扱いやすい値を持つ他の標準の安定性をチェックするのに、量子ホール効果は使われる[14]

符号位置

[編集]
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+2126 - &#x2126;
&#8486;
オーム
Ω U+03A9 1-6-24 &Omega;
&#x3A9;
&#937;
オメガ

オームの単位記号は、コードポイントU+2126 ohm signUnicodeにコード化されている。しかしこれは、既存の文字コードとの互換性のために用意されている互換文字である。Unicode標準では、この文字の代わりにU+03A9 Ω greek capital letter omega、つまりギリシャ文字の大文字のΩ(オメガ)を使うことを推奨している。「次の3つの文字様記号は、普通の文字と正準等価である: U+2126 ohm signU+212A kelvin signU+212B angstrom sign。これら3つの全ての文字については、普通の文字が使われなければならない。」[15]

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+330A - &#x330A;
&#13066;
全角オーム
U+33C0 - &#x33C0;
&#13248;
キロオーム
U+33C1 - &#x33C1;
&#13249;
メガオーム

また、Unicodeには、オームおよびその倍量単位を表す上記の文字が収録されている。これらはCJK互換用文字であり、既存の文字コードに対する後方互換性のために収録されているものであるので、使用は推奨されない[16][17]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ The NIST Guide to the SI: 9.3 Spelling unit names with prefixes reports that IEEE/ASTM SI 10-2002 IEEE/ASTM Standard for Use of the International System of Units (SI): The Modern Metric System states that there are three cases in which the final vowel of an SI prefix is commonly omitted: megohm, kilohm, and hectare. "In all other cases in which the unit name begins with a vowel, both the final vowel of the prefix and the vowel of the unit name are retained and both are pronounced."
  2. ^ 電気通信事業法「端末設備等規則」第十三条二項一号「直流回路の直流抵抗値は、一メガオーム以上であること。 」
  3. ^ 「事業用電気通信設備規則」第二十九条三・四項「一メガオーム以上の直流抵抗値」。
  4. ^ CGS-emuは三元系なので本来は単位名称を使わないが、便宜上アブオーム (abohm) と呼ばれる

出典

[編集]
  1. ^ a b c Prof. A. Williamson; Prof. C. Wheatstone; Prof. W. Thomson; Prof. W.H. Miller; Dr. A. Matthiessen; Mr. F. Jenkin (1862年10月). Provisional Report of the Committee appointed by the British Association on Standards of Electrical Resistance. 32nd Meeting. London: John Murray. pp. 125–163. 2014年2月27日閲覧
  2. ^ gigohm: Definition from”. Answers.com. 2013年9月16日閲覧。
  3. ^ Hunt, Bruce J (1994). “The Ohm Is Where the Art Is: British Telegraph Engineers and the Development of Electrical Standards”. Osiris. 2nd 9: 48–63. doi:10.1086/368729. https://webspace.utexas.edu/huntbj/1994-Ohm-Osiris.pdf 27 February 2014閲覧。. 
  4. ^ Werner Siemens (1860). “Vorschlag eines reproducirbaren Widerstandsmaaßes” (ドイツ語). Annalen der Physik und Chemie 186 (5): 1-20. doi:10.1002/andp.18601860502. 
  5. ^ Clark, Latimer; Bright, Sir Charles (1861年11月9日). "Measurement of Electrical Quantities and Resistance". The Electrician. 1 (1): 3–4. 2014年2月27日閲覧
  6. ^ Rep.Br.Ass.Advmt Sci. 31st Meeting. 1861年9月. pp. 37–38.
  7. ^ Rep.Br.Ass.Advmt Sci. 31st Meeting. 1861年9月. pp. xxxix–xl.
  8. ^ Silsbee (1962)
  9. ^ Williamson, Professor A; Wheatstone, Professor C; Thomson, Professor W; Miller, Professor WH; Matthiessen, Dr. A; Jenkin, Mr. Fleeming; Bright, Sir Charles; Maxwell, Professor; Siemens, Mr. CW; Stewart, Mr. Balfour; Joule, Dr.; Varley, Mr. CF (September 1864). Report of the Committee on Standards of Electrical Resistance. Thirty-fourth Meeting of the British Association for the Advancement of Science. London: John Murray. p. Foldout facing page 349. 2014年2月27日閲覧
  10. ^ Williamson, Professor A; Wheatstone, Professor C; Thomson, Professor W; Miller, Professor WH; Matthiessen, Dr. A; Jenkin, Mr. Fleeming; Bright, Sir Charles; Maxwell, Professor; Siemens, Mr. CW; Stewart, Mr. Balfour; Varley, Mr. CF; Foster, Professor GC; Clark, Mr. Latimer; Forbes, Mr. D.; Hockin, Mr. Charles; Joule, Dr. (September 1867). Report of the Committee on Standards of Electrical Resistance. Thirty-seventh Meeting of the British Association for the Advancement of Science. London: John Murray. p. 488. 2014年2月27日閲覧
  11. ^ Gordon Wigan (trans. and ed.), Electrician's Pocket Book, Cassel and Company, London, 1884
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関連項目

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参考文献

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国際単位系(SI)の電磁気の単位
名称 記号 次元 組立 物理量
アンペアSI基本単位 A I A 電流
クーロン C T I A·s 電荷(電気量)
ボルト V L2 T−3 M I−1 J/C = kg·m2·s−3·A−1 電圧電位
オーム Ω L2 T−3 M I−2 V/A = kg·m2·s−3·A−2 電気抵抗インピーダンスリアクタンス
オーム・メートル Ω·m L3 T−3 M I−2 kg·m3·s−3·A−2 電気抵抗率
ワット W L2 T−3 M V·A = kg·m2·s−3 電力放射束
ファラド F L−2 T4 M−1 I2 C/V = kg−1·m−2·A2·s4 静電容量
ファラド毎メートル F/m L−3 T4 I2 M−1 kg−1·m−3·A2·s4 誘電率
毎ファラド(ダラフ) F−1 L2 T−4 M I−2 V/C = kg1·m2·A−2·s−4 エラスタンス
ボルト毎メートル V/m L T−3 M I−1 kg·m·s−3·A−1 電場(電界)の強さ
クーロン毎平方メートル C/m2 L−2 T I C/m2= m−2·A·s 電束密度
ジーメンス S L−2 T3 M−1 I2 Ω−1 = kg−1·m−2·s3·A2 コンダクタンスアドミタンスサセプタンス
ジーメンス毎メートル S/m L−3 T3 M−1 I2 kg−1·m−3·s3·A2 電気伝導率(電気伝導度・導電率)
ウェーバ Wb L2 T−2 M I−1 V·s = J/A = kg·m2·s−2·A−1 磁束
テスラ T T−2 M I−1 Wb/m2 = kg·s−2·A−1 磁束密度
アンペア回数 A I A 起磁力
アンペア毎メートル A/m L−1 I m−1·A 磁場(磁界)の強さ
アンペアウェーバ A/Wb L−2 T2 M−1 I2 kg−1·m−2·s2·A2 磁気抵抗(リラクタンス、: reluctance
ヘンリー H L2 T−2 M I−2 Wb/A = V·s/A = kg·m2·s−2·A−2 インダクタンスパーミアンス
ヘンリー毎メートル H/m L T−2 M I−2 kg·m·s−2·A−2 透磁率