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Ω

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギリシア文字
Αα アルファ Νν ニュー
Ββ ベータ Ξξ クサイ
Γγ ガンマ Οο オミクロン
Δδ デルタ Ππ パイ
Εε エプシロン Ρρ ロー
Ζζ ゼータ Σσς シグマ
Ηη イータ Ττ タウ
Θθ シータ Υυ ウプシロン
Ιι イオタ Φφ ファイ
Κκ カッパ Χχ カイ
Λλ ラムダ Ψψ プサイ
Μμ ミュー Ωω オメガ
使われなくなった文字

()
ディガンマ サン
ヘータ ショー
ギリシアの数字
スティグマ
()
サンピ

()
コッパ

Ω, ω(オメガ、古代ギリシア語: オーギリシア語: ωμέγα オメガ, : omega)は、ギリシア文字の第24番目(最後)の文字。ギリシア数字の数価は800。

キリル文字Ѡ(現在は使われていない)はこの文字を起源とする。また、「⍜」(Οの下に横棒)という書体もよく使われる。

起源

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この文字はフェニキア文字には由来せず、長く広い円唇後舌半広母音/ɔː/を表すために考案された。古い時代にはこの音は短母音とおなじくο(オミクロン)によって表されていたが[1]、東イオニア地方では短い「ε」と長い「η」を区別したのにならって、後に長母音のための専用の文字を作った。文字の字形は「Ο」の変形により、地方によっては「」のように書かれた[2]。イオニア式アルファベットは紀元前5世紀以降にギリシア世界全体の標準として使われるようになった。

古代での文字名称は単に(オー)と言ったが、西暦2-3世紀に母音の長短の区別が失われると、短い「Ο」と長い「Ω」を区別するため、前者を「小さなオ」(ὂ μικρόν) すなわち「オミクロン」、後者を「大きなオ」(ὦ μέγα) すなわち「オメガ」と呼んで区別した[3]

文法書によってはこの文字の発音を「オーメガ」とするものもあるが、歴史的経緯を考えれば適切とはいえない[4]

象徴としての用法

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最後の文字であることから最終・究極の意味で用いられる。

  • アルファからオメガまで(最初から最後まで)
  • 「私はアルファでありオメガである」は、新約聖書ヨハネの黙示録第22章13節の言葉。これはヨハネに世界終末の光景を幻視させた存在の表明である。一般的な解釈はギリシャアルファベットの最初と最後から、私は(森羅万象総ての)始まりと終わりであると言い換えれる。これは暗に私は総てを始め、終えることの出来る神であるとの表明と捉えられている。

記号としての用法

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符号位置

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大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Ω U+03A9 1-6-24 Ω
Ω
Ω
ω U+03C9 1-6-56 ω
ω
ω
Ώ U+038F - Ώ
Ώ
ώ U+03CE - ώ
ώ

オームの単位記号(Ω)はこの文字に由来するが、Unicodeでは別の文字として定義されている。Unicodeのオーム記号は、既存の文字コードとの互換性のために用意されている互換文字であり、Unicode標準ではこの文字の代わりに「オメガ大文字」を使うことを推奨している。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+2126 - Ω
Ω
オーム
OHM SIGN
U+2127 - ℧
℧
INVERTED OHM SIGN

脚注

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  1. ^ Allen (1987) p.79
  2. ^ Allen (1987) p.90
  3. ^ Allen (1987) pp.172-173
  4. ^ 田中利光『新ギリシャ語入門』大修館書店、1994年9月、p.5。ISBN 4-469-21191-5

参考文献

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  • W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558 

関連項目

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  • ジーメンス#モー - かつて使われた単位。Ωを上下逆さにした「℧」を使用する。
  • ラウンドオメガ - 初期キリル文字の「Ѻ, ѻ」をUnicodeではこの名前で呼んでいる。
  • Ωカーブ - 勾配緩和や難工事個所を迂回して建設されたため、地形図上で視ると「Ω」に類似した箇所が視受けられる。