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「大滝山 (飛騨山脈)」の版間の差分

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|名称 = 大滝山
|名称 = 大滝山
|画像 = [[File:大滝山(池田町中鵜).jpg|300px]]
|画像 = [[File:大滝山(池田町中鵜).jpg|300px]]
|画像キャプション = 池田町中鵜より
|画像キャプション = [[池田町 (長野県)|池田町]]中鵜から望む大滝山(2009年3月)
|標高 = 2,616<ref name="kokudo">{{Cite web|和書|url=https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41139.html |title=日本の主な山岳標高(長野県の山) |publisher=国土地理院 |accessdate=2015-12-20}}</ref>
|標高 = 2,616
|座標 = {{ウィキ座標2段度分秒|36|16|27|N|137|44|36|E|type:mountain_region:JP-20|display=inline,title}}
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|初登頂 = [[1828年]]、[[播隆]]、中田又重郎(登山記録上)<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />
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|地図 = {{Embedmap|137.7433|36.2742|300}}<small>大滝山の位置</small>{{日本の位置情報|36|16|27|137|44|36|大滝山|36.2742,137.7433|大滝山}}
|地図 = {{Location map|Japan Mapplot|coordinates={{Coord|36.2742|137.7433}}|caption=|width=300}}大滝山の位置{{日本の位置情報|36|16|27|137|44|36|大滝山|36.2742,137.7433|大滝山|nocoord=Yes}}
}}
}}
'''大滝山'''(おおたきやま)は、[[飛騨山脈]](北アルプス)南部に位置し、[[長野県]][[松本市]]と[[安曇野市]]にまたがる[[標高]]2,616 [[メートル|m]]の[[山]]<ref name="kokudo" />。[[最高峰|最高点]]は北峰。三等[[三角点]](点名が「大滝」、標高2,614.63 m)が南峰に設置されている<ref group="注釈">基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。</ref><ref name="kijyun">{{Cite web|和書|url=https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/top.html |title=基準点成果等閲覧サービス |publisher=[[国土地理院]] |accessdate=2015-12-20}}</ref>。別名が、大嶽(おおだけ、信府統記による)、崩岳(くずれだけ、[[安曇郡]]誌による)、手水嶽(ちょうずだけ、[[播隆]]絵図による)<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁">[[#新日本山岳誌|新日本山岳誌 (2005)、947-978頁]]</ref><!--(該当部の執筆者は古畑開太郎)-->。
'''大滝山'''(おおたきやま)は、[[飛騨山脈]](北アルプス)にある標高2,616mの[[山]]である。最高点は北峰。三角点は南峰にあり2,614.5m。


== 概要 ==
== 概要 ==
古くは[[修験道]]の対象の山であり、東山麓の[[安曇野]]から見た山容が[[椀|お椀]]を伏せたように均斉がとれた広い山頂部を持つことから「大嶽」と呼ばれていた<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />。[[梓川]]の[[支流]][[島々谷川]]の上流部の大滝沢の源頭部の山であることが、山名の由来であるとみられている<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />。[[常念山脈]]の稜線を南下すると、[[常念岳]]、[[蝶ヶ岳]]の南にある。山体すべてが長野県に属する。山体は[[秩父帯|秩父古生層]]の黒色[[粘板岩]]が主体で、[[硬砂岩]]と[[チャート (岩石)|チャート]]を含み、山頂部から北にかけては硬砂岩が多い<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />。山域の西側は[[中部山岳国立公園]]の特別保護地区、上部の山域はその特別地域の指定を受けている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.env.go.jp/park/chubu/intro/files/area.pdf |format=PDF |title=中部山岳国立公園の区域図 |publisher=[[環境省]]自然環境局 |accessdate=2015-12-21}}</ref>。山頂部は[[森林限界]]をわずかに越え、[[ハイマツ]]に覆われていて<ref name="日本山名辞典 (1992)、86頁" /> 二重稜線の地形が見られ、大滝山荘付近では[[オオシラビソ]]、[[コメツガ]]、[[トウヒ]]などが分布し、その林床には[[カニコウモリ]]、[[イワカガミ]]、[[ヒメタケシマラン]]などが分布する<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />。山頂近くの稜線上の登山道付近には小さな[[池塘]]<ref name="熊沢 (2000)、192-194頁">[[#上高地・槍・穂高|熊沢 (2000)、192-194頁]]</ref> と[[高山植物]]などの群落([[コバイケイソウ]]、[[ミヤマキンポウゲ]]、[[ハクサンフウロ]]、[[シナノキンバイ]]など<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />)があり<ref name="日本登山図集 (1986)、43頁">[[#日本登山図集|日本登山図集 (1986)、43頁]]</ref>、盛夏には[[ミヤマモンキチョウ]]、[[ベニヒカゲ]]、[[コヒオドシ]]などの高山[[チョウ|蝶]]が見られる<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />。[[2015年]]には、常念岳山脈の[[燕岳]]から大滝山にかけての山域で[[絶滅]]が危惧されている[[ライチョウ]]生息実態緊急調査が実施された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pref.nagano.lg.jp/shizenhogo/happyou/150828press.html |title=ライチョウ生息実態緊急調査(H27調査)の緊急報告を行います |publisher=長野県 |date=2015-08-28 |accessdate=2015-12-21 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160305085400/https://www.pref.nagano.lg.jp/shizenhogo/happyou/150828press.html |archivedate=2016-03-05 }}</ref>。長野県松本市の大滝山の一帯は[[日本郵便]]により[[交通困難地]]に指定されているため、地外から当地へ郵便物を送付することは出来ない<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.post.japanpost.jp/about/yakkan/1-7.pdf |title=別冊(内国郵便約款第79条及び第97条関係) 交通困難地・速達取扱地域外一覧 |access-date=2022/05/01 |publisher=[[日本郵便]] |date=2022年2月21日}}</ref>。
[[常念山脈]]の稜線を南下すると、[[常念岳]]、[[蝶ヶ岳]]の南にある。山体すべてが[[長野県]]に属する。
山頂からは、[[槍ヶ岳|槍]][[穂高岳|穂高連峰]]が大展望となって望める。


== 登山 ==
小倉から[[鍋冠山]]、大滝山を経て、[[上高地]]へ、その先[[飛騨国|飛騨]]へと至る[[飛騨新道]]と呼ばれた道は、[[1837年]]に開かれた。
[[1828年]]([[文政]]11年[[旧暦]]7月20日)に、播隆が山麓の案内人の中田又重郎と[[槍ヶ岳]]登頂の際にこの山に登頂していて、これが登山記録上の初登頂である<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" />。山頂からは、蝶ヶ岳の長塀尾根越しに[[槍ヶ岳]]と[[穂高岳|穂高連峰]]が望める<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" /><ref name="日本山名辞典 (1992)、86頁">[[#日本山名辞典|日本山名辞典 (1992)、86頁]]</ref>。
=== 登山ルート ===
主な登山ルートを以下に示す。最も古いルートはかつて飛騨新道として利用されていた鍋冠山からのルート<ref name="金子 (1987)、149頁">[[#北アルプス山小屋案内|金子 (1987)、149頁]]</ref>。常念山脈主稜線上の大滝山から徳本峠へ至るルートは、大滝山荘を経営していた中村喜代三郎が[[1942年]](昭和17年)頃から数年かけて切り開かれたルートで「中村新道」と呼ばれている<ref name="金子 (1987)、149頁" />。上高地の[[徳沢]]から徳沢に沿って大滝山の北峰へ至るルート<ref name="日本登山図集 (1986)、43頁" /> は[[廃道]]となった<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" /><ref name="山と高原地図 (2011)" />。
* '''鍋冠山からのルート''':三郷スカイライン展望台 - 冷沢分岐 - 鍋冠山 - 蝶ヶ岳分岐 - 大滝山<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" /><ref name="熊沢 (2000)、192-194頁" />
[[ファイル:Hida Mountains from Mount Hachimori (with note).JPG|サムネイル|250px|[[鉢盛山]]から望む[[常念山脈]](手前の尾根)、徳本峠から大滝山へと至る中村新道]]
* '''徳本峠からの中村新道''':上高地 - 明神 - 白沢出合 - 徳本峠 - 大滝槍見台 - 大滝山南峰 - 大滝山荘 - 大滝山北峰<ref>[[#上高地・槍・穂高|熊沢 (2000)、188-192頁]]</ref>、徳本峠へは上高地へのバスが開通する[[昭和]]初期以前のメインルートであった南麓の[[島々]]からのルートもある<ref>[[#上高地・槍・穂高|渡辺 (2000)、39-43頁]]</ref>。大滝山から徳本峠に至る登山道の「大滝山徳本峠線」は中部山岳国立公園計画上の施設として位置づけられている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.env.go.jp/info/iken/h170926a/a-06.pdf |format=PDF |title=中部山岳国立公園の公園計画の変更について |publisher=環境省 |date=2005-09-26 |accessdate=2015-12-21}}</ref>。
* '''三股からのルート'''(蝶ヶ岳新道<ref name="日本登山図集 (1986)、43頁" />):三股 - 本沢[[吊橋]] - まめうち平 - 蝶ヶ岳分岐 - 大滝山<ref>[[#上高地・槍・穂高|熊沢 (2000)、183-187頁]]</ref>、上高地側からの徳沢と[[横尾 (松本市)|横尾]]から蝶ヶ岳経由で登頂されることもある。三股から隣接する蝶ヶ岳へ至る登山ルート(無雪期・天候良好時)は、長野県山岳総合センターによる「信州 山のグレーディング」で、技術的難易度が「ランクB/(A-E)」(低い-中程度)、体力度が「4/1-10」(中程度、1泊以上が適当)とされている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/documents/yamanogure-dexingu_matrix-20180411.pdf |title=信州 山のグレーディング~無雪期・天候良好時の「登山ルート別 難易度評価」~ |publisher=長野県 |format=PDF |date=2018-05-25 |accessdate=2019-01-10}}</ref>。


=== 周辺の山小屋 ===
[[長野県]][[松本市]]大滝山の一帯は[[日本郵便]]により[[交通困難地]]に指定されているため、地外から当地へ郵便物を送付することは出来ない。
周辺の山上には以下の[[山小屋]]<ref>[[#山の便利手帳|山の便利手帳 (2010)、160頁]]</ref> と[[キャンプ]]指定地<ref>[[#山の便利手帳|山の便利手帳 (2010)、150頁]]</ref> がある。大滝山の北峰直下南には、'''大滝山荘'''がある<ref name="山と高原地図 (2011)" />。[[1925年]]([[大正]]14年)に地元の[[三郷村 (長野県)|三郷村]]の有志らにより建設とされ運営が行われた<ref name="柳原 (1990)、74頁">[[#北アルプス山小屋物語|柳原 (1990)、74頁]]</ref>。その後[[1931年]](昭和6年)に中村喜代三郎が山小屋を買い取り、経営を行うようになった<ref name="柳原 (1990)、74頁" />。[[1936年]](昭和11年)に従来の小屋の隣に新しい本館が建てられた<ref name="柳原 (1990)、74頁" />。収容人数は30人の小規模な山小屋で、営業期間は夏期の約一カ月のみ<ref name="PEAKS (2015)、100頁">[[#日本山小屋ガイド|PEAKS (2015)、100頁]]</ref>。[[ツキノワグマ|クマ]]出没情報などが小屋の戸に張られることも多い<ref name="PEAKS (2015)、100頁" />。
{| class="wikitable"
|-
!外観
!名称
!所在地
![[標高]]<br />([[メートル|m]])
!大滝山からの<br />方角と[[距離]]([[キロメートル|km]])<br /><ref group="注釈">大滝山からの山小屋までの距離は、登山経路上の距離ではなく、2地点の直線距離。</ref>


!収容<br />人数
== 近隣の小屋 ==
!キャンプ<br />指定地
* [[大滝山荘]]
!備考
|-
|[[ファイル:Chogatake Hutte camp site and Mount Yari.JPG|120px|蝶ヶ岳ヒュッテと槍ヶ岳(2015年7月11日)]]
|style="white-space:nowrap"|[[蝶ヶ岳ヒュッテ]]
|[[蝶ヶ岳]]山頂直下北の肩
|style="text-align:right;"|2,668
|{{Direction2|NW}} 2.3
|style="text-align:right;"|250
|style="text-align:right;"|テント30張
|[[1958年]]開業<ref>[[#日本山小屋ガイド|PEAKS (2015)、99頁]]</ref>
|-
|[[ファイル:Otakisanso 2000-8-14.jpg|120px|大滝山荘(2000年8月14日)]]
|'''大滝山荘'''
|大滝山北峰直下南
|style="text-align:right;"|2,614
|{{Direction2|SW}} 0.1
|style="text-align:right;"|30
|style="text-align:right;"|テント10張
|[[1925年]]建造<ref name="柳原 (1990)、74頁" />
|}


[[ファイル:Jonen Mountains from Mount Mugikusa (with note).JPG|サムネイル|250px|[[木曽駒ヶ岳]]の[[麦草岳]]から望む[[鉢盛山]]と大滝山周辺の[[常念山脈]]、手前に[[味噌川ダム]](2007年4月)]]

== 地理 ==
飛騨山脈南東部の常念山脈の主稜線上にあり、北峰付近でその枝尾根が東の[[鍋冠山 (長野県)|鍋冠山]]へと延びる<ref name="山と高原地図 (2011)">[[#山と高原地図|山と高原地図 (2011)]]</ref>。北峰と鍋冠山との中間点付近のなだらかな稜線部は「八丁ダルミ」と呼ばれている<ref name="熊沢 (2000)、192-194頁" /><ref name="山と高原地図 (2011)" />。
=== 周辺の主な山 ===
周辺の主要な山を以下に示す。
{| class="wikitable"
|-
!山容
!山名
![[標高]]([[メートル|m]])<br /><ref name="kokudo" /><ref name="kijyun" />
![[三角点]]等級<br />基準点名<ref name="kijyun" />
!大滝山からの<br />[[方位|方角]]と[[距離]]([[キロメートル|km]])
!備考
|-
|[[ファイル:Mount Nabekanmuri from Mount Cho (2013-10-08).JPG|100px|蝶ヶ岳から望む鍋冠山、遠景は八ヶ岳(2013年10月8日)]]
|[[鍋冠山 (長野県)|鍋冠山]]
| style="text-align:right"|2,194.<small>24</small> 
|三等<br />「鍋冠」
|{{direction2|E}} 3.7
|
|-
|[[ファイル:Chogatake from Choyari 1999-8-1.jpg|100px|蝶槍から望む蝶ヶ岳の朝焼け、左奥に大滝山、最奥に富士山と南アルプス(1999年8月1日)]]
|[[蝶ヶ岳]]
| style="text-align:right"|2,677
|(三等)<br />「蝶ケ岳」
|{{direction2|NW}} 2.1
|(基準点の標高2664.<small>48</small> m)
|- style="background-color:#ccc"
|[[ファイル:Otakiyama from Cyogatake 2001-11-11.jpg|100px|蝶ヶ岳から望む大滝山(2001年11月11日)]]
|'''大滝山'''
| style="text-align:right"|2,616
|(三等)<br />「大滝」
|{{direction2|O}} 0
|(基準点の標高2614.<small>63</small> m)
|-
|[[ファイル:Mount Kasumizawa from Mount Cho.JPG|100px|Mount Kasumizawa from Mount Cho.JPG(2014年7月8日)]]
|[[霞沢岳]]
| style="text-align:right"|2,645.<small>77</small> 
|二等<br />「霞沢岳」
|{{direction2|WSW}} 10.9
|<small>[[日本二百名山]]</small>
|}
=== 周辺の峠 ===
* 常念乗越 - 山頂の南西6.7&nbsp;km、横通岳と常念岳との[[峠|鞍部]]。標高2,466 m。
* 東峠 - 鍋冠山と角蔵山との鞍部
* [[徳本峠]](とくごうとうげ) - 山頂の南西7.8&nbsp;km、大滝山と霞沢岳との鞍部。標高約2,140 m。
=== 源流の河川 ===
[[信濃川]][[水系]]の以下の支流の[[水源|源流]]となる山で[[日本海]]へ流れる。
* 大滝沢、小滝沢<ref name="日本山名辞典 (1992)、86頁" />、徳沢 - 島々谷川の支流
* 崩沢 - [[烏川 (長野県)|烏川]]の支流
=== 交通・アクセス ===
[[アルピコ交通]][[アルピコ交通上高地線|上高地線]]の[[新島々駅]]の北西12 [[キロメートル|km]]、[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)[[大糸線]][[中萱駅]]の西14 kmに位置する<ref name="山と高原地図 (2011)" />。[[長野自動車道]][[安曇野インターチェンジ]]の西北西 18kmに位置する<ref name="山と高原地図 (2011)" />。北麓の烏川沿いには烏川林道が通り、登山口の三股には大規模な[[駐車場]]が整備されている<ref name="山と高原地図 (2011)" />。山域の南側には[[国道158号]]が通り、南麓の梓川の支流の島々谷沿いに島々谷[[林道]]が通る<ref name="山と高原地図 (2011)" />。山域の東側の三郷スカイライン展望台に[[長野県道495号豊科大天井岳線]]が通る<ref name="山と高原地図 (2011)" />。
=== 飛騨新道 ===
[[ファイル:Mount Otaki and Mount Nabekanmuri from Mount Cho.JPG|サムネイル|左の[[:ja:鍋冠山 (長野県)|鍋冠山]]から右の大滝山へと続く稜線は、かつて飛騨新道として利用されていた。]]
岩岡村([[梓川村]])の[[庄屋]]の判次郎(当時の[[上高地温泉]]の経営者<ref name="柳原 (1990)、75頁">[[#北アルプス山小屋物語|柳原 (1990)、75頁]]</ref>)と[[三郷村 (長野県)|三郷村]]小倉の中田又重郎が中心となり、[[信濃国|信州]]と[[飛騨国|飛騨]]とを結ぶ最短距離の道として'''飛騨新道'''<ref name="日本山名辞典 (1992)、86頁" /><ref name="PEAKS (2015)、100頁" />(小倉街道<ref name="柳原 (1990)、75頁" />)を[[1835年]]([[天保]]6年)に開いた<ref name="金子 (1987)、149頁" />。山麓の三郷村小倉から[[鍋冠山 (長野県)|鍋冠山]]と大滝山を経て[[上高地]]に至る32 kmの区間が[[1830年]](天保元年)に開通し、上高地から中尾峠を経て中尾村までの12 kの区間が1835年(天保6年)に開通した。利用者が少なく冬は[[雪]]に閉ざされ、夏は雨により崩壊が相次いで、25年後の[[1861年]](文久元年)に廃道となった<ref name="新日本山岳誌 (2005)、947-978頁" /><ref name="金子 (1987)、149頁" />。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注釈}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書 |author=金子博文 |year=1987 |month=6 |title=北アルプス山小屋案内 |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |isbn=4635170225 |ref=北アルプス山小屋案内}}
* {{Cite book|和書 |editor=徳久球雄 |date=1992-10 |title=コンサイス日本山名辞典 |publisher=[[三省堂]] |isbn=4-385-15403-1 |edition=修訂版 |ref=日本山名辞典}}
* {{Cite book|和書 |author=日本山岳会|authorlink=日本山岳会 |year=2005 |month=11 |title=新日本山岳誌 |publisher=[[ナカニシヤ出版]] |isbn=4-779-50000-1 |ref=新日本山岳誌}}
* {{Cite book|和書 |year=1986 |month=10 |title=日本登山図集 |publisher=[[日地出版]] |isbn=4527002333 |ref=日本登山図集}}
* {{Cite book|和書 |editor=PEAKS特別編集 |date=2015-03-19 |title=日本山小屋ガイド |series=エイ[[ムック (出版)|ムック]]3043 |publisher=[[エイ出版社]] |isbn=978-4777935079 |ref=日本山小屋ガイド}}
* {{Cite book|和書 |editor=山と溪谷社 |year=2010 |month=12 |title=山と溪谷2011年1月号付録 |series=山の便利手帳2011 |publisher=山と溪谷社 |pages=|asin= B004DPEH6G |ref=山の便利手帳}}
* {{Cite book|和書 |author=柳原修一 |year=1990 |month=6 |title=北アルプス山小屋物語 |publisher=[[東京新聞]]出版局 |isbn=4808303744 |ref=北アルプス山小屋物語}}
* {{Cite book|和書| date=2011-03 |title=槍ヶ岳・穂高岳 上高地 |series=[[山と高原地図]] 2011年版 |publisher=[[昭文社]] |isbn=9784398757777 |ref=山と高原地図}}
* {{Cite book|和書 |author=渡辺幸雄、次田経雄、熊沢正幸、中村成勝 |year=2000 |month=4 |title=[[上高地]]・[[槍ヶ岳|槍]]・[[穂高岳|穂高]] |series=ヤマケイアルペンガイド19 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4-635-01319-7 |ref=上高地・槍・穂高}}

== 関連項目 ==
{{Commonscat|Mount Otaki (Hida Mountains)}}
* [[常念山脈]]
* [[大滝山]](同名の山)

== 外部リンク ==
* [https://maps.gsi.go.jp/?z=15&ll=36.274166666666666,137.7433333333333#15/36.274167/137.743333 地理院地図(電子国土Web)・「大滝山」] [[国土地理院]]
* [http://www.inett.or.jp/mt-chou/ootakiyama.html 歴史のロマンを感じる大滝山] [[蝶ヶ岳ヒュッテ]]
* [http://www8.shinmai.co.jp/yama/guide/00020.html 信州山岳ガイド「大滝山」] [[信濃毎日新聞社]]
* [https://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/kad.html?code=20150135&type=15&ba=kk 大滝山の天気] [[日本気象]]

{{信州百名山}}
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[[Category:山岳名目録]]
[[Category:安曇野]]
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31行目: 155行目:
[[Category:安曇野市の地理]]
[[Category:安曇野市の地理]]
[[Category:交通困難地]]
[[Category:交通困難地]]
[[Category:2000メートル峰]]

2023年11月17日 (金) 20:59時点における最新版

大滝山
池田町中鵜から望む大滝山(2009年3月)
標高 2,616[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県松本市安曇野市
位置 北緯36度16分27秒 東経137度44分36秒 / 北緯36.27417度 東経137.74333度 / 36.27417; 137.74333座標: 北緯36度16分27秒 東経137度44分36秒 / 北緯36.27417度 東経137.74333度 / 36.27417; 137.74333[1]
山系 飛騨山脈常念山脈
初登頂 1828年播隆、中田又重郎(登山記録上)[2]
大滝山 (飛騨山脈)の位置(日本内)
大滝山 (飛騨山脈)
大滝山の位置
プロジェクト 山
テンプレートを表示

大滝山(おおたきやま)は、飛騨山脈(北アルプス)南部に位置し、長野県松本市安曇野市にまたがる標高2,616 m[1]最高点は北峰。三等三角点(点名が「大滝」、標高2,614.63 m)が南峰に設置されている[注釈 1][3]。別名が、大嶽(おおだけ、信府統記による)、崩岳(くずれだけ、安曇郡誌による)、手水嶽(ちょうずだけ、播隆絵図による)[2]

概要

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古くは修験道の対象の山であり、東山麓の安曇野から見た山容がお椀を伏せたように均斉がとれた広い山頂部を持つことから「大嶽」と呼ばれていた[2]梓川支流島々谷川の上流部の大滝沢の源頭部の山であることが、山名の由来であるとみられている[2]常念山脈の稜線を南下すると、常念岳蝶ヶ岳の南にある。山体すべてが長野県に属する。山体は秩父古生層の黒色粘板岩が主体で、硬砂岩チャートを含み、山頂部から北にかけては硬砂岩が多い[2]。山域の西側は中部山岳国立公園の特別保護地区、上部の山域はその特別地域の指定を受けている[4]。山頂部は森林限界をわずかに越え、ハイマツに覆われていて[5] 二重稜線の地形が見られ、大滝山荘付近ではオオシラビソコメツガトウヒなどが分布し、その林床にはカニコウモリイワカガミヒメタケシマランなどが分布する[2]。山頂近くの稜線上の登山道付近には小さな池塘[6]高山植物などの群落(コバイケイソウミヤマキンポウゲハクサンフウロシナノキンバイなど[2])があり[7]、盛夏にはミヤマモンキチョウベニヒカゲコヒオドシなどの高山が見られる[2]2015年には、常念岳山脈の燕岳から大滝山にかけての山域で絶滅が危惧されているライチョウ生息実態緊急調査が実施された[8]。長野県松本市の大滝山の一帯は日本郵便により交通困難地に指定されているため、地外から当地へ郵便物を送付することは出来ない[9]

登山

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1828年文政11年旧暦7月20日)に、播隆が山麓の案内人の中田又重郎と槍ヶ岳登頂の際にこの山に登頂していて、これが登山記録上の初登頂である[2]。山頂からは、蝶ヶ岳の長塀尾根越しに槍ヶ岳穂高連峰が望める[2][5]

登山ルート

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主な登山ルートを以下に示す。最も古いルートはかつて飛騨新道として利用されていた鍋冠山からのルート[10]。常念山脈主稜線上の大滝山から徳本峠へ至るルートは、大滝山荘を経営していた中村喜代三郎が1942年(昭和17年)頃から数年かけて切り開かれたルートで「中村新道」と呼ばれている[10]。上高地の徳沢から徳沢に沿って大滝山の北峰へ至るルート[7]廃道となった[2][11]

  • 鍋冠山からのルート:三郷スカイライン展望台 - 冷沢分岐 - 鍋冠山 - 蝶ヶ岳分岐 - 大滝山[2][6]
鉢盛山から望む常念山脈(手前の尾根)、徳本峠から大滝山へと至る中村新道
  • 徳本峠からの中村新道:上高地 - 明神 - 白沢出合 - 徳本峠 - 大滝槍見台 - 大滝山南峰 - 大滝山荘 - 大滝山北峰[12]、徳本峠へは上高地へのバスが開通する昭和初期以前のメインルートであった南麓の島々からのルートもある[13]。大滝山から徳本峠に至る登山道の「大滝山徳本峠線」は中部山岳国立公園計画上の施設として位置づけられている[14]
  • 三股からのルート(蝶ヶ岳新道[7]):三股 - 本沢吊橋 - まめうち平 - 蝶ヶ岳分岐 - 大滝山[15]、上高地側からの徳沢と横尾から蝶ヶ岳経由で登頂されることもある。三股から隣接する蝶ヶ岳へ至る登山ルート(無雪期・天候良好時)は、長野県山岳総合センターによる「信州 山のグレーディング」で、技術的難易度が「ランクB/(A-E)」(低い-中程度)、体力度が「4/1-10」(中程度、1泊以上が適当)とされている[16]

周辺の山小屋

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周辺の山上には以下の山小屋[17]キャンプ指定地[18] がある。大滝山の北峰直下南には、大滝山荘がある[11]1925年大正14年)に地元の三郷村の有志らにより建設とされ運営が行われた[19]。その後1931年(昭和6年)に中村喜代三郎が山小屋を買い取り、経営を行うようになった[19]1936年(昭和11年)に従来の小屋の隣に新しい本館が建てられた[19]。収容人数は30人の小規模な山小屋で、営業期間は夏期の約一カ月のみ[20]クマ出没情報などが小屋の戸に張られることも多い[20]

外観 名称 所在地 標高
(m)
大滝山からの
方角と距離(km)
[注釈 2]
収容
人数
キャンプ
指定地
備考
蝶ヶ岳ヒュッテと槍ヶ岳(2015年7月11日) 蝶ヶ岳ヒュッテ 蝶ヶ岳山頂直下北の肩 2,668 北西 2.3 250 テント30張 1958年開業[21]
大滝山荘(2000年8月14日) 大滝山荘 大滝山北峰直下南 2,614 南西 0.1 30 テント10張 1925年建造[19]
木曽駒ヶ岳麦草岳から望む鉢盛山と大滝山周辺の常念山脈、手前に味噌川ダム(2007年4月)

地理

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飛騨山脈南東部の常念山脈の主稜線上にあり、北峰付近でその枝尾根が東の鍋冠山へと延びる[11]。北峰と鍋冠山との中間点付近のなだらかな稜線部は「八丁ダルミ」と呼ばれている[6][11]

周辺の主な山

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周辺の主要な山を以下に示す。

山容 山名 標高(m)
[1][3]
三角点等級
基準点名[3]
大滝山からの
方角距離(km)
備考
蝶ヶ岳から望む鍋冠山、遠景は八ヶ岳(2013年10月8日) 鍋冠山 2,194.24  三等
「鍋冠」
東 3.7
蝶槍から望む蝶ヶ岳の朝焼け、左奥に大滝山、最奥に富士山と南アルプス(1999年8月1日) 蝶ヶ岳 2,677 (三等)
「蝶ケ岳」
北西 2.1 (基準点の標高2664.48 m)
蝶ヶ岳から望む大滝山(2001年11月11日) 大滝山 2,616 (三等)
「大滝」
0 (基準点の標高2614.63 m)
Mount Kasumizawa from Mount Cho.JPG(2014年7月8日) 霞沢岳 2,645.77  二等
「霞沢岳」
西南西 10.9 日本二百名山

周辺の峠

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  • 常念乗越 - 山頂の南西6.7 km、横通岳と常念岳との鞍部。標高2,466 m。
  • 東峠 - 鍋冠山と角蔵山との鞍部
  • 徳本峠(とくごうとうげ) - 山頂の南西7.8 km、大滝山と霞沢岳との鞍部。標高約2,140 m。

源流の河川

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信濃川水系の以下の支流の源流となる山で日本海へ流れる。

  • 大滝沢、小滝沢[5]、徳沢 - 島々谷川の支流
  • 崩沢 - 烏川の支流

交通・アクセス

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アルピコ交通上高地線新島々駅の北西12 km東日本旅客鉄道(JR東日本)大糸線中萱駅の西14 kmに位置する[11]長野自動車道安曇野インターチェンジの西北西 18kmに位置する[11]。北麓の烏川沿いには烏川林道が通り、登山口の三股には大規模な駐車場が整備されている[11]。山域の南側には国道158号が通り、南麓の梓川の支流の島々谷沿いに島々谷林道が通る[11]。山域の東側の三郷スカイライン展望台に長野県道495号豊科大天井岳線が通る[11]

飛騨新道

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左の鍋冠山から右の大滝山へと続く稜線は、かつて飛騨新道として利用されていた。

岩岡村(梓川村)の庄屋の判次郎(当時の上高地温泉の経営者[22])と三郷村小倉の中田又重郎が中心となり、信州飛騨とを結ぶ最短距離の道として飛騨新道[5][20](小倉街道[22])を1835年天保6年)に開いた[10]。山麓の三郷村小倉から鍋冠山と大滝山を経て上高地に至る32 kmの区間が1830年(天保元年)に開通し、上高地から中尾峠を経て中尾村までの12 kの区間が1835年(天保6年)に開通した。利用者が少なく冬はに閉ざされ、夏は雨により崩壊が相次いで、25年後の1861年(文久元年)に廃道となった[2][10]

脚注

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注釈

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  1. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。
  2. ^ 大滝山からの山小屋までの距離は、登山経路上の距離ではなく、2地点の直線距離。

出典

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  1. ^ a b c d 日本の主な山岳標高(長野県の山)”. 国土地理院. 2015年12月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 新日本山岳誌 (2005)、947-978頁
  3. ^ a b c 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2015年12月20日閲覧。
  4. ^ 中部山岳国立公園の区域図” (PDF). 環境省自然環境局. 2015年12月21日閲覧。
  5. ^ a b c d 日本山名辞典 (1992)、86頁
  6. ^ a b c 熊沢 (2000)、192-194頁
  7. ^ a b c 日本登山図集 (1986)、43頁
  8. ^ ライチョウ生息実態緊急調査(H27調査)の緊急報告を行います”. 長野県 (2015年8月28日). 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月21日閲覧。
  9. ^ 別冊(内国郵便約款第79条及び第97条関係) 交通困難地・速達取扱地域外一覧”. 日本郵便 (2022年2月21日). 2022年5月1日閲覧。
  10. ^ a b c d 金子 (1987)、149頁
  11. ^ a b c d e f g h i 山と高原地図 (2011)
  12. ^ 熊沢 (2000)、188-192頁
  13. ^ 渡辺 (2000)、39-43頁
  14. ^ 中部山岳国立公園の公園計画の変更について” (PDF). 環境省 (2005年9月26日). 2015年12月21日閲覧。
  15. ^ 熊沢 (2000)、183-187頁
  16. ^ 信州 山のグレーディング~無雪期・天候良好時の「登山ルート別 難易度評価」~” (PDF). 長野県 (2018年5月25日). 2019年1月10日閲覧。
  17. ^ 山の便利手帳 (2010)、160頁
  18. ^ 山の便利手帳 (2010)、150頁
  19. ^ a b c d 柳原 (1990)、74頁
  20. ^ a b c PEAKS (2015)、100頁
  21. ^ PEAKS (2015)、99頁
  22. ^ a b 柳原 (1990)、75頁

参考文献

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  • 金子博文『北アルプス山小屋案内』山と溪谷社、1987年6月。ISBN 4635170225 
  • 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 『日本登山図集』日地出版、1986年10月。ISBN 4527002333 
  • PEAKS特別編集 編『日本山小屋ガイド』エイ出版社〈エイムック3043〉、2015年3月19日。ISBN 978-4777935079 
  • 山と溪谷社 編『山と溪谷2011年1月号付録』山と溪谷社〈山の便利手帳2011〉、2010年12月。ASIN B004DPEH6G 
  • 柳原修一『北アルプス山小屋物語』東京新聞出版局、1990年6月。ISBN 4808303744 
  • 『槍ヶ岳・穂高岳 上高地』昭文社山と高原地図 2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757777 
  • 渡辺幸雄、次田経雄、熊沢正幸、中村成勝『上高地穂高』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイド19〉、2000年4月。ISBN 4-635-01319-7 

関連項目

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外部リンク

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