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{{生物分類表 |
{{生物分類表 |
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|名称 = クロトガリザメ |
|名称 = クロトガリザメ |
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|生息図キャプション = 濃い青は生息が確認された領域、薄い青は生息が予想される領域<ref name="bonfil"/> |
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|status_ref = <ref>Bonfil, R., Amorim, A., Anderson, C., Arauz, R., Baum, J., Clarke, S.C., Graham, R.T., Gonzalez, M., Jolón, M., Kyne, P.M., Mancini, P., Márquez, F., Ruíz, C. & Smith, W. 2007.0. [http://www.iucnredlist.org/apps/redlist/details/39370/0 ''Carcharhinus falciformis'']. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 27 October 2010.</ref> |
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|シノニム = |
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* ''Aprionodon sitankaiensis'' <small>Herre, 1934</small> |
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* ''Carcharhinus atrodorsus'' <small>Deng, Xiong & Zhan, 1981</small> |
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* ''Carcharhinus floridanus'' <small>Bigelow, Schroeder & S. Springer, 1943</small> |
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* ''Carcharias falciformis'' <small>J. P. Müller & Henle, 1839</small> |
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* ''Carcharias falcipinnis'' <small>R. T. Lowe, 1839</small> |
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* ''Carcharias menisorrah'' <small>J. P. Müller & Henle, 1839</small> |
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* ''Eulamia malpeloensis'' <small>Fowler, 1944</small> |
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* ''Gymnorhinus pharaonis'' <small>Hemprich & Ehrenberg, 1899</small> |
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* ''Squalus tiburo'' <small>Poey, 1860</small>(不明確) |
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[[画像:Carcharhinus falciformis distmap.png|thumb|クロトガリザメの生息域(青)|250px|right]] |
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'''クロトガリザメ''' ''Carcharhinus falciformis''(黒尖鮫、英: [[:en:Silky shark|Silky shark]])は、[[メジロザメ目]][[メジロザメ科]]に属する[[サメ]]。暖かい海の沿岸から外洋に生息し、全長3mを超える大型のサメである。 |
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'''クロトガリザメ''' {{Snamei|Carcharhinus falciformis}} は[[メジロザメ属]]に属する[[サメ]]の一種。全世界の熱帯の外洋域で見られ、最も個体数の多い外洋性サメの一つである。深度50mまでの表層を高速で[[回遊]]する。体は細い流線型で、通常2.5m程度。第一[[背鰭]]が小さく、第二背鰭の後端が長く伸び、鎌型の長い[[胸鰭]]を持つことが特徴である。背面は金属光沢のある灰褐色で、腹面は白い。皮膚は非常に滑らかに見え、ここから英名"Silky shark"が付けられた。 |
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==分布・生息域== |
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世界中の海洋に生息するが、特に熱帯から亜熱帯の海域を好む。基本的に外洋性であるが、沿岸にも出現する。 |
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高速で粘り強い捕食者で、主に[[硬骨魚]]や[[頭足類]]を食べる。連携して小魚の群れを襲うことや、好物であるマグロを追って長距離を移動することがある。[[胎生]]で、年中繁殖する。雌は1-2年ごとに16匹までの仔を産む。幼体は大陸棚の岩礁で成長し、その後外洋へ出て行く。大きさと歯の形状から、人に対して潜在的に危険だと考えられるが、外洋性のため遭遇する機会は少ない。個体数が多いことから[[フカヒレ]]などを目的に大量に漁獲され、マグロ漁による混獲数も多い。個体数は急激に減少しており、[[IUCN]]は[[保全状況]]を[[準絶滅危惧]]としている。 |
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==形態== |
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最大で全長350cm、体重346kg<ref name=fishbase>[http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.php?id=868 ''Carcharhinus falciformis''] FiahBase. 2010年10月27日。</ref>。平均的には250cm程度<ref name=fishbase/>。体型は細身の流線型で、胸鰭がやや大きい。吻は長く前方に伸び、やや丸みを帯びている。背側の体色はブロンズがかった暗灰色で、腹側は白色。[[楯鱗]]は小さく密に重なり合い、滑らかな体表面を構成している。英語の"Silky"、すなわち「[[絹]]のような」という表現はここに由来している。 |
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== 分類 == |
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[[ファイル:Carcharhinus falciformis.jpg|thumb|left|記載論文のイラスト。]] |
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あらゆる種類の魚や[[頭足類]]、[[甲殻類]]などを餌としている。[[マグロ]]類の群れに寄り付き、[[キハダ]]やその他小型のマグロ類をよく捕食する。 |
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ドイツの生物学者[[ヨハネス・ペーター・ミュラー]]と[[ヤーコブ・ヘンレ]]による1839年の著作 ''Systematische Beschreibung der Plagiostomen'' において、''Carcharias (Prionodon) falciformis'' の名で[[記載]]された。その後本種は''Carcharhinus'' 属に移された<ref name="compagno"/><ref name="muller and henle"/>。ミュラーとヘンレが[[キューバ]]から得られた53cmの胎児を[[タイプ標本]]に用いたため、成体は長年に渡って別の種として扱われ、1943年には[[w:Henry Bryant Bigelow|Henry Bigelow]]・[[w:William Charles Schroeder|William Schroeder]]・[[w:Stewart Springer|Stewart Springer]]によって''Carcharhinus floridanus'' として記載文が発表された。1964年に、[[w:Jack Garrick|Jack Garrick]]・Richard Backus・[[w:Robert Henry Gibbs|Robert Gibbs, Jr.]]によって''C. floridanus'' は''C. falciformis'' のシノニムとされた<ref name="garrick et al"/>。 |
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[[種小名]] ''falciformis'' はラテン語で"鎌型"を意味し、背鰭と胸鰭の形に因んだものである<ref name="bonfil"/>。英名silky sharkは、小さく密な[[皮歯]]によって、他のサメより皮膚の質感が繊細であることに由来する<ref name="knickle"/>。他の英名として、blackspot shark(通常は{{Snamei||Carcharhinus sealei}} を指す)・grey reef shark(通常は[[オグロメジロザメ]]を指す)・grey whaler shark・olive shark・reef shark・ridgeback shark・sickle shark・sickle silk shark・sickle-shaped shark・silk shark・silky whalerがある<ref name="fishbase"/>。 |
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[[胎生]]。約1年の妊娠期間を経て、80cm前後の子どもを2-14尾程度産む。産まれた子どもは沿岸域で成長し、大きくなると外洋に泳ぎ出す。寿命は22年以上と考えられている。 |
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== 系統 == |
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==人との関わり== |
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[[ノースカロライナ州]]の2個体の[[ヒゲクジラ]]の近く(一つは[[更新世]]-[[完新世]](約12,000年前)の泥岩、もう一つはグースクリークの後期[[鮮新世]](約3500万年前)の石灰岩)と、[[プンゴ川]]の[[中新世]](2300-530万年前)の層<ref name="cicimurri and knight"/><ref name="bourdon"/>、イタリア・[[トスカーナ州]]のCava Serredi[[採石場]]の鮮新世の地層から歯の化石が発見されている<ref name="carnevale et al"/>。さらに、滑らかな歯を持った、本種の系統の古い代表種である ''Carcharhinus elongatus'' が[[漸新世]](3400-2300万年前)の[[バージニア州]]のOld Church層・[[サウスカロライナ州]]のAshley層から得られており、記載が不十分ではあるが、[[エジプト]]の[[始新世]](5600-3400万年前)の層からも、この種に似た一揃いの歯が知られている<ref name="bourdon"/>。 |
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クロトガリザメはそのサイズから人間にとって潜在的に危険であると考えられているが、外洋性であるため海中で接触する機会はまれである。ただし、頭を持ち上げ、背中を湾曲させるメジロザメ類特有の威嚇の姿勢を見せることもある。 |
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初期の形態系統解析では{{Snamei||Carcharhinus sealei}} と近縁だとされ<ref name="garrick"/>、1988年には、[[ハナグロザメ]]・[[ツマグロ]]・{{Snamei||Carcharhinus cautus}} ・[[クロヘリメジロザメ]]・[[ナガハナメジロザメ]]とともに"transitional group"と命名された群に含められた<ref name="compagno2"/>。1992年の[[分子系統]]解析では、[[ペレスメジロザメ]]・[[ガラパゴスザメ]]・[[ヨゴレ (魚類)|ヨゴレ]]・[[ドタブカ]]・[[ヨシキリザメ]]を含むクレードの姉妹群に位置づけられた<ref name="naylor"/><ref name="dosay-abkulut"/>。2012年の包括的な解析結果ではこれと異なる系統樹が描かれているが、ヨシキリザメと近縁であることについては一貫した結果が得られている<ref name="naylor et al"/>。 |
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== 参考文献 == |
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<references /> |
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== 分布 == |
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[[ファイル:Silky Shark.jpg|thumb|alt=Underwater side view of a streamlined olive shark with a pointed snout and a small dorsal fin against blue water|典型的には外洋域で見られる。]] |
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[[汎存種]]であり、水温23℃以上の海域で見られる。大西洋では、北限はマサチューセッツ州-スペイン、南限はブラジル南部-アンゴラ北部。地中海・メキシコ湾・カリブ海にも分布する。インド洋では、南限はモザンビーク-西オーストラリアで、紅海・ペルシャ湾でも見られる。太平洋では、北限は中国南部・日本-バハカリフォルニア南部・カリフォルニア湾、南限はシドニー・ニュージーランド北部-チリ北部<ref name="bonfil"/><ref name="compagno"/>。生活史の差異から、北西大西洋、西部・中央太平洋、東部太平洋、インド洋の4つの個体群が識別される<ref name="bonfil"/>。 |
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主に[[外洋]]性で、最深で500m以上潜る可能性はあるが、海面から深度200mまででよく見られる<ref name="compagno"/>。東部太平洋とメキシコ湾北部でのデータロガーによる調査では、99%の時間を海面から深度50mまで、80–85%の時間を水温26-30℃の場所で過ごしていた。このパターンは昼夜を問わず見られた<ref name="kohin et al"/><ref name="hoffmayer et al"/>。[[大陸棚]]の縁を好み、深い[[岩礁]]の上や島の周辺でよく見られる。分布域は外洋よりも、大陸の縁に沿って長く南北に伸びる。稀に、水深18m程度の浅い沿岸に出没することもある<ref name="bonfil et al"/>。移動性が高く[[回遊]]を行うが、その詳細はあまり分かっていない。データロガーによる調査では、1日に60km、調査期間中の総計で最大1339kmを移動した<ref name="kohler et al"/>。大型個体は小型個体より長距離を移動する。少なくとも太平洋では、夏には少し高緯度に移動し、特に[[エルニーニョ]]による暖水塊が存在する場合は顕著である<ref name="strasburg"/><ref name="watson et al"/>。北大西洋では、ほとんどの個体が[[アメリカ合衆国東海岸]]に沿って、[[メキシコ湾流]]に乗って北に移動する<ref name="kohler et al"/>。[[アデン湾]]では、移動は晩春から夏に起こる<ref name="bonfil"/>。 |
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== 形態 == |
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{{Multiple image|direction=vertical|align=right|image1=Carcharhinus falciformis piro1.jpg|image2=Carcharhinus falciformis piro4.jpg|width=240|caption2=大きな胸鰭と小さな第一背鰭が特徴である。|alt1=A large bronze-colored shark lying on the deck of a boat|alt2=A shark lying on its side with its white belly towards the viewer; it has long pectoral fins with dark tips}} |
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体は細く流線型、吻は丸く、かなり長い。鼻孔の前鼻弁はあまり発達しない。眼は中程度の大きさで丸く、[[瞬膜]]を備える。口角の唇褶は短く浅い<ref name="compagno"/><ref name="mceachran and fechhelm"/>。片側の歯列は、上顎で14–16、下顎で13–17。典型的には両顎共に15である。上顎歯は三角形で強い鋸歯を持ち、後縁には凹みがある。中央の歯は直立するが、口角に近づくほど傾く。下顎歯は細く直立し、縁は滑らかである。[[鰓裂]]は5対で中程度の長さ<ref name="randall and hoover"/>。 |
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[[背鰭]]と[[胸鰭]]は独特で、本種を同定する助けとなる。第一背鰭は比較的小さく、高さは個体の全長の1/10に満たず、胸鰭の後端より後ろから起始する。先端は丸く、後縁はS字、遊離した後端の長さは高さの半分程度。第二背鰭は微小で、[[臀鰭]]より小さく、鰭の高さの3倍近い長い遊離端を持つ。背鰭の間には細い隆起線が走る。胸鰭は細く鎌型で、成体では特に長い。臀鰭は第二背鰭の少し前より起始し、後縁は深く凹む。[[尾鰭]]はかなり高く、下葉はよく発達する<ref name="compagno"/><ref name="mceachran and fechhelm"/>。 |
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皮膚は細かく重なり合った[[皮歯]]に密に覆われる。各皮歯は菱形で、前縁から後縁まで水平隆起線を持つ。線の数は個体の成長とともに増える<ref name="garrick et al"/><ref name="knickle"/>。背面は金属光沢のある金褐色から暗灰色。腹面は白で、体側にいは微かな淡い帯が伸びる。第一背鰭以外の鰭は先端が黒くなり、若い個体では特に顕著である<ref name="compagno"/><ref name="knickle"/>。体色は死後に急速に薄れ、鈍い灰色となる<ref name="bane"/>。メジロザメ属内では大型で、通常は2.5m程度だが、最長で3.5m、最重で346kgの記録がある<ref name="fishbase"/>。雌は雄より大きくなる<ref name="knickle"/>。 |
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== 生態 == |
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個体数は数千万と見積もられ、世界の大型海洋生物の中で最も個体数が多いものの一つだと推定される。[[ヨシキリザメ]]・[[ヨゴレ (魚類)|ヨゴレ]]とともに、[[外洋]]で最もよく見られるサメの一つでもある<ref name="fowler et al"/>。他の2種と比べ、本種は厳密に外洋性というわけではなく、真の外洋よりも餌が容易に得られる陸地に近い沖合に最も多い傾向がある。活動的で好奇心が強く、攻撃的な[[捕食者]]である。だが、餌を巡る争いでは、本種より泳ぎが遅いがより攻撃的であるヨゴレには敵わない<ref name="compagno"/>。興味あるものに近づいた場合、本種は頭を振りながらゆっくりとその周りを旋回するが、周囲の状況が変化した場合は非常に速く応答する<ref name="myrberg et al"/>。流木やブイなどの浮遊物の周辺でよく見られる<ref name="perrine"/>。 |
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若い個体はおそらく身を守るため、緩く大きな群れを作ることが知られる<ref name="martin"/>。回遊中には1千匹を超える個体が集合することがある<ref name="villegas and sesana"/>。これらの群れは個体サイズごとに分かれており、太平洋ではおそらく性別によっても分離している<ref name="knickle"/><ref name="strasburg"/><ref name="branstetter"/>。群れの内部では、互いに体を斜めにして体側を見せつけあう、口や鰓を広げる、などの行動が観察されている。時折、突如垂直に浮上し、水面に達する直前に方向転換して戻っていくという行動も見られる。これらの行動の意義は明らかではない<ref name="myrberg et al"/>。脅威に曝されると威嚇行動を行う。背を弓なりに曲げ、尾と胸鰭を下ろして頭を持ち上げた姿勢をとり、強張った動きで体側を相手に向けながら小さなループを描いて泳ぐ<ref name="martin2"/>。 |
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大型のサメや[[シャチ]]が潜在的な捕食者として挙げられる<ref name="myrberg"/>。寄生虫として、[[ウミクワガタ]]類の ''Gnathia trimaculata''<ref name="ota and euichi"/>、[[カイアシ類]]の ''Kroeyerina cortezensis''<ref name="deets"/>、[[条虫]]の''Dasyrhynchus variouncinatus'' ・''Phyllobothrium'' 属の一種<ref name="beveridge and campbell"/><ref name="whittaker et al"/>などがある。頻繁に[[アカシュモクザメ]]との混群を作り、また、[[海獣]]に付いていくことも知られている。[[紅海]]でのある記録では、25匹の本種に加え、25匹の[[オグロメジロザメ]]、1匹の[[ツマジロ]]が[[ハンドウイルカ属]]の大きなポッドに追従していた。本種自体に追従する魚類として、サメの前方の圧力波に乗る[[ブリモドキ]]の幼体や、餌の断片を拾ったり体を擦り付けて寄生虫を落としたりする[[アジ科]]魚類などがある<ref name="martin"/><ref name="stafford-deitsch"/>。 |
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=== 摂餌 === |
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[[ファイル:Yellowfin tuna nurp.jpg|thumb|left|alt=several spindle-shaped, silvery fish with crescent-shaped tails|マグロを好み、群れを追いかける姿もよく見られる。]] |
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日和見的な[[捕食者]]である。餌は主に遊泳性から底生の[[硬骨魚]]で、[[マグロ]]・[[サバ]]・[[イワシ]]・[[ボラ]]・[[ハタ (魚類)|ハタ]]・[[フエダイ科]]・[[ムロアジ属]]・[[イスズミ科]]・[[ハマギギ科]]・[[ウナギ]]・[[ハダカイワシ]]・[[カワハギ科]]・[[モンガラカワハギ科]]・[[ハリセンボン]]が含まれる。[[イカ]]・[[カイダコ]]・[[ワタリガニ科]]なども食べる可能性があり、化石記録からはクジラの死骸を漁ることも推測される<ref name="bonfil"/><ref name="compagno"/><ref name="cicimurri and knight"/>。複数個体が連携して効率よく狩りをすることも知られる。その一例として、太平洋で、小魚の群れを取り囲んで密な塊とし([[ベイト・ボール]])、これを水面に追い詰めて群れ全体を捕食することが記録されている<ref name="bonfil"/>。捕食時には、その塊に突入し、顎を開いたまま通り抜けて顎の端で獲物を引っ掛ける。複数個体が一度に突入することはあるが、各攻撃は独立して行われる<ref name="martin"/>。 |
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フロリダとバハマでの研究から、本種は音、特に10–20 [[ヘルツ|Hz]]の低周波音や不規則なパルスに敏感であることが示された。実験では、これらの音は数百mの距離から本種を惹き寄せた。この音は鳥やイルカが獲物を捕食するときの音に似ており、自然下では獲物の存在を意味するものと考えられる<ref name="myrberg et al"/><ref name="martin"/>。これらの研究では、音の振幅や特性が変化した場合、それが別の捕食者によるものであるかどうかに関わりなく、本種は反転して離れていくことも示された。繰り返し音の変化に暴露することで[[馴化]]を起こして近づいてくるようになるが、より大胆なヨゴレと比べ、これにかかる時間は長い<ref name="myrberg"/>。 |
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咬合力は、2mの個体で890[[ニュートン|N]]と測定されている<ref name="evans and gilbert"/>。本種はマグロに強く引き寄せられる。[[ガーナ]]ではほぼ全てのマグロの群れが後方に本種を伴っており、東太平洋では捕えたマグロやその漁具を破壊するため、漁業者から"net-eating shark"と呼ばれる<ref name="compagno"/><ref name="bane"/>。本種とハンドウイルカが同じ群れを獲物として競合することがあり、イルカが食べられる分は本種が食べる分だけ減少する。サメの数が多い場合、イルカは群れの辺縁に留まり、サメの捕食行動による偶発的な傷害を避ける傾向にある。逆にイルカが十分に多い場合、獲物の群れから本種は追い払われる。どちらが勝利したかにかかわらず、この2種の捕食者はお互いに対して明白な攻撃行動に及ぶことはない<ref name="acevedo-gutierrez"/>。 |
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=== 生活史 === |
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[[ファイル:Silky shark esb.jpg|thumb|left|alt=a shark, smaller than the adults previously shown but otherwise similar, lying on the deck of a ship|幼体。]] |
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他のメジロザメ類同様に[[胎生]]で、[[卵黄]]を使い果たした[[胎児]]は[[卵黄嚢]]を[[胎盤]]に転換する。他の胎生のサメと比較し、本種の胎盤は[[哺乳類]]のものとの共通点が少なく、胎児と母体の組織が相互に嵌合していない。さらに、哺乳類とは逆に、胎児の方が母体より[[赤血球]]が小さい。成体雌は右側の[[卵巣]]と左右の[[子宮]]が機能し、子宮内は胚が1個ずつ収められる区画に分かれている<ref name="gilbert and schlernitzauer"/>。 |
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ほとんどの場所では年中繁殖すると見られるが、メキシコ湾では[[交尾]]と出産は晩春か初夏(5-8月)に起こる<ref name="bonfil et al"/><ref name="branstetter"/>。だが、データのバイアスによって、繁殖に見かけ上の季節性が見られているだけである可能性もある<ref name="bonfil"/>。[[妊娠期間]]は12ヶ月で、毎年、または2年毎に繁殖する<ref name="iucn"/>。産仔数は1-16(典型的には6-12)で、母体の大きさにつれて増加する<ref name="bonfil"/>。大型の外洋性サメを避けられることと、十分な餌が得られることから、大陸棚外縁の岩礁を幼体の成育場として用いる。捕食の危険性を減らすため幼体の成長は早く、初年度には25-30cm成長する。数ヶ月後(メキシコ湾では最初の冬)には成育場を離れて外洋に移動する<ref name="bonfil"/><ref name="martin"/><ref name="branstetter"/>。 |
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{| class="wikitable sortable" style="float: right; align: right; margin-left: 1.0em" |
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|+ 出生時・性成熟時の大きさ |
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|- |
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! 地域 !! 出生時 !! 性成熟(雄) !! 性成熟(雌) |
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|- |
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| 北西大西洋 ||68-84cm<ref name="bonfil"/> ||2.15-2.25m<ref name="fowler et al"/> ||2.32-2.46m<ref name="fowler et al"/> |
|||
|- |
|||
| 東部大西洋 ||? ||2.20m<ref name="cadenat and blanche"/> ||2.38-2.50m<ref name="bane"/><ref name="cadenat and blanche"/> |
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|- |
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| インド洋 ||56-87cm<ref name="bonfil"/> ||2.39-2.40m<ref name="bonfil"/><ref name="stevens"/> ||2.16-2.60m<ref name="bonfil"/><ref name="stevens"/> |
|||
|- |
|||
| 西部太平洋 ||? ||2.10-2.14m<ref name="stevens2"/><ref name="stevens and mcloughlin"/> ||2.02-2.20m<ref name="stevens2"/><ref name="joung et al"/> |
|||
|- |
|||
| 中部太平洋 ||65-81cm<ref name="joung et al"/> ||1.86m<ref name="oshitani et al"/> ||2.00-2.18m<ref name="strasburg"/><ref name="oshitani et al"/> |
|||
|- |
|||
| 東部太平洋 ||70cm<ref name="bonfil"/> ||1.80-1.82m<ref name="iucn"/><ref name="bonfil"/> ||1.80-1.82m<ref name="iucn"/><ref name="bonfil"/> |
|||
|} |
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生活史の詳細は地域により異なる(表を参照)。北西大西洋では中部・西部太平洋より大きく、東部太平洋では他の地域より小さい傾向がある。東部大西洋とインド洋では北西大西洋より大きいようだが、調査個体数が少ないため更なるデータが必要である<ref name="bonfil"/>。 |
|||
全体的な成長速度で見れば、本種は他のサメと同程度で、雌雄の成長速度も似ている。だが、個体差はかなり大きい。中部太平洋での調査では、雌は雄より成長が遅いとされたが、このデータには大型の雌が含まれていないため結果が不正確となっているかもしれない<ref name="bonfil et al"/>。報告された中で、最も成長が速いのはメキシコ湾北部、最も遅いのは台湾北東部である<ref name="joung et al"/>。雄は6-10歳・雌は7-12+歳で[[性成熟]]する<ref name="bonfil"/>。温帯域の個体は熱帯域の個体より成長・性成熟が遅い<ref name="joung et al"/>。寿命は最低でも22年<ref name="fowler et al"/>。 |
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== 人との関わり == |
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[[ファイル:Carcharhinus falciformis mexico.jpg|thumb|alt=a brown shark half hauled out of the water by a fishing line coming from the corner of its mouth|釣り人に捕獲された個体。多くの地域で大量に漁獲されている。]] |
|||
その大きさと歯の形から、潜在的に危険だと考えられているが、外洋性であるため人と接触することは少ない<ref name="knickle"/>。好奇心が強く大胆であるためダイバーに繰り返し近づき、餌の存在下では危険なほど興奮する。外洋よりも岩礁域での遭遇ではより攻撃的になる傾向がある。各個体が持続的にダイバーに圧力をかけ、最終的に水中から追い出したケースもある<ref name="stafford-deitsch"/><ref name="stafford-deitsch2"/>。 2009年の[[国際サメ被害目録]]は6件の攻撃を記録しており、その内3件が非挑発例で死亡例はない<ref name="isaf"/>。 |
|||
メキシコ・グアテマラ・エルサルバドル・コスタリカ・米国・エクアドル・スペイン・ポルトガル・スリランカ・モルディブ・イエメン・コートジボワールで行われる、複数種のサメを対象とした商業漁業・地域漁業で大量に漁獲されている。さらに、これより多数が分布域全域でのマグロ[[延縄]]・[[巻網]]で混獲され、[[魚群収集装置]] (FAD) が用いられた場合は特に多い。東太平洋とメキシコ湾では最も[[混獲]]される量の多いサメで、全世界でも[[ヨシキリザメ]]に次いで2番目である<ref name="bonfil"/><ref name="camhi et al"/>。鰭は[[フカヒレ]]の材料とされ、鰭のみを切り取って体は海上で捨てる[[フィニング]]も行われる。鰭は年間50-150万個体が取引されていると見られる。[[香港]]のフカヒレ市場では2-3番目に多い種で、全世界では取引量の半分以上を占めている<ref name="iucn"/><ref name="bonfil"/>。肉は生・干物・塩漬けで販売され、鮫皮・[[肝油]]も利用される<ref name="compagno"/>。また、熱帯で骨董品として観光客に販売されるサメの顎標本の主な供給源ともなっている<ref name="martin"/>。[[遊漁者]]にも捕獲される<ref name="knickle"/>。 |
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=== 保護 === |
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地球上で最も豊富で分布域の広いサメとして、漁獲による死亡率の高さにもかかわらず、一時は乱獲に耐性があると考えられていた。1989年だけで、90万個体が太平洋南部・中部でのマグロ延縄漁によって混獲されたが、一見して個体数には影響はないように見える<ref name="fowler et al"/>。本種の漁獲データは、種レベルでの混同や疑問のある同定による過小報告によって混乱したものとなっている。それでも、本種の繁殖力はそれほど高くないためこのレベルの乱獲には耐えられず、実際には全世界で減少していることを示す多数の証拠がある。[[FAO]]による全世界での年間漁獲量は、2000年の11,680 tから2004年には4,358 tに減少している。地域的にも傾向は同じで、中部太平洋では1950年代-1990年代で90%・コスタリカでは1991-2000年で60%・[[メキシコ湾]]では1950年代-1990年代で91%・北西大西洋では(他の大型メジロザメ類を含め)1950年代-1990年代で85%減少したと見られている。スリランカでは、1994年の25,400 tをピークとして2006年には1,960 tに減少したと報告されており、資源が枯渇したと見られる。対照的に、太平洋とインド洋での日本の漁業では1970年代-1990年代の間で変化は見られず<ref name="iucn"/>、メキシコ湾と北西大西洋の資源量評価に用いた方法論の妥当性についても多くの議論がある<ref name="burgess et al"/><ref name="baum et al"/><ref name="burgess et al2"/>。 |
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最新の知見から、2007年に[[IUCN]]は本種の全世界での[[保全状況]]を[[軽度懸念]]から[[準絶滅危惧]]に変更した。大西洋南西部・インド洋・太平洋中西部では同じく準絶滅危惧、太平洋中東部・南東部、大西洋北西部・中西部では[[危急種]]とされている。[[海洋法に関する国際連合条約]]では高度回遊性魚種として附属書Iに載せられているが、特別な保護政策は取られていない。多くの国家や超国家的機関により進められている、フィニング禁止活動は本種の保護に繋がる<ref name="iucn"/>。[[大西洋まぐろ類保存国際委員会]] (ICCAT) や[[全米熱帯まぐろ類委員会]] (IATTC) のような機関も、サメの混獲を減らすことを最終目標とした漁業監視の改善措置を講じている<ref name="bonfil"/>。だが、マグロを追って広範囲を回遊する習性から、水産活動に影響を与えずに混獲を減らすのは容易ではないと考えられる<ref name="watson et al"/>。 |
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== 脚注 == |
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{{reflist|colwidth=30em|refs= |
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<ref name="acevedo-gutierrez">{{cite journal |author=Acevedo-Gutiérrez, A. |title=Interactions between marine predators: dolphin food intake is related to number of sharks |journal=Marine Ecology Progress Series |volume=240 |pages=267–271 |year=2002 |doi=10.3354/meps240267}}</ref> |
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<ref name="bane">{{cite journal |title=Observations on the Silky shark, ''Carcharhinus falciformis'', in the Gulf of Guinea |author=Bane, G.W. (Jr.) |journal=Copeia |volume=1966 |issue=2 |date=June 21, 1966 |pages=354–356 |doi=10.2307/1441150 |jstor=1441150 |publisher=American Society of Ichthyologists and Herpetologists}}</ref> |
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<ref name="baum et al">{{cite journal |author=Baum, J.K.; Kehler, R.A. and Myers, R.A. |year=2005 |title=Robust estimates of decline for pelagic shark populations in the northwest Atlantic and Gulf of Mexico |journal=Fisheries |volume=30 |issue=10 |pages=27–30 |url=http://www.soest.hawaii.edu/pfrp/large_pelagics/Baum_etal_05-Response.pdf}}</ref> |
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<ref name="beveridge and campbell">{{cite journal |title=A revision of ''Dasyrhynchus'' Pintner (Cestoda: Trypanorhyncha), parasitic in elasmobranch and teleost fishes |author=Beveridge, I. and Campbell, R.A.|journal=Systematic Parasitology |volume=24 |issue=2 |pages=129–157 |date=February 1993 |doi=10.1007/BF00009597}}</ref> |
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<ref name="burgess et al">{{cite journal |author=Burgess, G.H. ''et al''. |title=Is the collapse of shark populations in the Northwest Atlantic Ocean and Gulf of Mexico real? |journal=Fisheries |volume=30 |issue=10 |pages=19–26 |date=October 2005 |url=http://afsjournals.org/doi/abs/10.1577/1548-8446%282005%2930%5B19:ITCOSP%5D2.0.CO%3B2 |doi=10.1577/1548-8446(2005)30[19:ITCOSP]2.0.CO;2}}</ref> |
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<ref name="burgess et al2">{{cite journal |author=Burgess, G.H. ''et al''. |title=Reply to 'Robust estimates of decline for pelagic shark populations in the Northwest Atlantic and Gulf of Mexico' |journal=Fisheries |volume=30 |issue=10 |pages=30–31 |date=October 2005 |url=http://www.soest.hawaii.edu/PFRP/large_pelagics/Burgess_etal_05-Reply.pdf}}</ref> |
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<ref name="bonfil">{{cite book |chapter=The Biology and Ecology of the Silky Shark, ''Carcharhinus falciformis'' |pages=114–127 |author=Bonfil, R. |title=Sharks of the Open Ocean: Biology, Fisheries and Conservation |editor=Camhi, M., Pikitch, E.K. and Babcock, E.A. |publisher=Blackwell Science |year=2008 |isbn=0-632-05995-8}}</ref> |
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<ref name="bonfil et al">Bonfil, R., Mena R. and de Anda, D. (September 1993). Biological parameters of commercially exploited silky sharks, ''Carcharhinus falciformis'', from the Campeche Bank, Mexico. NOAA Technical Report NMFS 115:73–86.</ref> |
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<ref name="bourdon">Bourdon, J. (May 2009). [http://www.elasmo.com/frameMe.html?file=genera/cenozoic/sharks/carcharhinus.html&menu=bin/menu_genera-alt.html Fossil Genera: ''Carcharhinus'']. The Life and Times of Long Dead Sharks. Retrieved on April 18, 2010.</ref> |
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<ref name="branstetter">{{cite journal |author=Branstetter, S. |title=Age, growth and reproductive biology of the silky shark, ''Carcharhinus falciformis'', and the scalloped hammerhead, ''Sphyrna lewini'', from the northwestern Gulf of Mexico |journal=Environmental Biology of Fishes |volume=19 |issue=3 |date=July 1987 |pages=161–173 |doi=10.1007/BF00005346}}</ref> |
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<ref name="cadenat and blanche">{{cite journal |author=Cadenat, J. and Blache, J.|year=1981 |title=Requins de Méditerranée et d’Atlantique (plus particulièrement de la côte occidentale d’Afrique) |journal=ORSTOM |volume=21 |pages=1–330}}</ref> |
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<ref name="camhi et al">{{cite book |title=The Conservation Status of Pelagic Sharks and Rays: Report of the IUCN Shark Specialist Group Pelagic Shark Red List Workshop |author=Camhi, M.D., Valenti, S.V.; Fordham, S.V.; Fowler, S.L. and Gibson, C.|publisher=IUCN Species Survival Commission Shark Specialist Group |year=2009 |place=Newbury |isbn=978-0-9561063-1-5 |pages=24–25, 55–56}}</ref> |
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<ref name="carnevale et al">{{cite journal |author=Carnevale, G.; Marsili, S.; Caputo, D. and Egisti, L. |title=The Silky Shark, ''Carcharhinus falciformis'' (Bibron, 1841), in the Pliocene of Cava Serredi (Fine Basin, Italy) |journal=Neues Jahrbuch fur Geologie und Palaontologie Abhandlungen |volume=242 |issue=2–3 |pages=357–370 |date=December 2006}}</ref> |
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<ref name="cicimurri and knight">{{cite journal |doi=10.1656/058.008.0107 |title=Two Shark-bitten Whale Skeletons from Coastal Plain Deposits of South Carolina |author=Cicimurri, D.J. and Knight, J.L. |journal=Southeastern Naturalist |volume=8 |issue=1 |pages=71–82 |year=2009}}</ref> |
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<ref name="compagno">{{cite book |author=Compagno, L.J.V. |year=1984 |title=Sharks of the World: An Annotated and Illustrated Catalogue of Shark Species Known to Date |publisher=Food and Agricultural Organization |isbn=92-5-101384-5 |pages=470–472}}</ref> |
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<ref name="compagno2">{{cite book |title=Sharks of the Order Carcharhiniformes |author=Compagno, L.J.V. |publisher=Princeton University Press |year=1988 |isbn=0-691-08453-X |pages=319–320}}</ref> |
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<ref name="deets">{{cite journal |title=Phylogenetic analysis and revision of ''Kroeyerina'' Wilson, 1932 (Siphonostomatoida: Kroyeriidae), copepods parasitic on chondrichthyans, with descriptions of four new species and the erection of a new genus, ''Prokroyeria'' |author=Deets, G.B. |journal=Canadian Journal of Zoology |volume=65 |issue=9 |pages=2121–2148 |year=1987 |doi=10.1139/z87-327}}</ref> |
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<ref name="dosay-abkulut">{{cite journal |author=Dosay-Akbulut, M. |title=The phylogenetic relationship within the genus ''Carcharhinus'' |journal=C. R. Biologies |volume=331 |year=2008 |pages=500–509 |doi=10.1016/j.crvi.2008.04.001 |pmid=18558373 |issue=7}}</ref> |
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<ref name="naylor et al">{{cite journal |author=Naylor, G.J.; Caira, J.N.; Jensen, K.; Rosana, K.A.; Straube, N.; Lakner, C. |year=2012 |chapter=Elasmobranch phylogeny: A mitochondrial estimate based on 595 species |title=The Biology of Sharks and Their Relatives |pages=31–57 |edition=second |editor=Carrier, J.C.; Musick, J.A.; Heithaus, M.R., eds |publisher=CRC Press |isbn=1-4398-3924-7|url=http://prosper.cofc.edu/~sharkevolution/pdfs/Naylor_et_al_Carrier%20Chapter%202.pdf}}</ref> |
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<ref name="evans and gilbert">Evans, W.R. and P.W. Gilbert. (1971). The force of bites by the Silky Shark (''Carcharhinus falciformis'') measured under field conditions. Naval Undersea Research and Development Center, San Diego. pp. 1–12.</ref> |
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<ref name="fishbase">{{fishbase species |genus=Carcharhinus |species=falciformis |month=August |year=2009}}</ref> |
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<ref name="fowler et al">{{cite book |author=Fowler, S.L. ''et al.''|title=Sharks, Rays and Chimaeras: The Status of the Chondrichthyan Fishes |publisher=International Union for Conservation of Nature and Natural Resources |year=2005 |isbn=2-8317-0700-5 |pages=288–290 |url=http://books.google.com/?id=z6scNrsln2MC&pg=RA2-PA288}}</ref> |
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<ref name="garrick">Garrick, J.A.F. (1982). Sharks of the genus ''Carcharhinus''. NOAA Technical Report, NMFS Circ. 445: 1–194.</ref> |
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<ref name="garrick et al">{{cite journal |title=''Carcharhinus floridanus'', the Silky Shark, a Synonym of ''C. falciformis'' |author=Garrick, J.A.F., Backus, R.H. and Gibbs, R.H. (Jr.) |journal=Copeia |volume=1964 |issue=2 |date=June 30, 1964 |pages=369–375 |doi=10.2307/1441029 |jstor=1441029 |publisher=American Society of Ichthyologists and Herpetologists}}</ref> |
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<ref name="gilbert and schlernitzauer">{{cite journal |title=The Placenta and Gravid Uterus of ''Carcharhinus falciformis'' |author=Gilbert, P.W. and Schlernitzauer, D.A. |journal=Copeia |volume=1966 |issue=3 |date=September 7, 1966 |pages=451–457 |doi=10.2307/1441064 |jstor=1441064 |publisher=American Society of Ichthyologists and Herpetologists}}</ref> |
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<ref name="hoffmayer et al">Hoffmayer, E.R., Franks, J.S., Driggers, W.B. (III) and Grace, M.A. (March 26, 2009). "Movements and Habitat Preferences of Dusky (''Carcharhinus obscurus'') and Silky (''Carcharhinus falciformis'') Sharks in the Northern Gulf of Mexico: Preliminary Results." 2009 MTI Bird and Fish Tracking Conference Proceedings.</ref> |
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<ref name="isaf">[http://www.flmnh.ufl.edu/fish/sharks/statistics/species2.htm ISAF Statistics on Attacking Species of Shark]. ''International Shark Attack File''. Florida Museum of Natural History, University of Florida. Retrieved on September 12, 2009.</ref> |
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<ref name="iucn">{{IUCN2010 |assessors=Bonfil, R. ''et al.''|year=2007 |id=39370 |title=Carcharhinus falciformis |version=2010.1 |downloaded=April 16, 2010}}</ref> |
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<ref name="joung et al">{{cite journal |author=Joung, S.J., Chen, C.T.; Lee H.H. and Liu, K.M. |title=Age, growth, and reproduction of silky sharks, ''Carcharhinus falciformis'' in northeastern Taiwan waters |journal=Fisheries Research |volume=90 |date=April 2008 |pages=78–85 |doi=10.1016/j.fishres.2007.09.025 |issue=1–3}}</ref> |
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<ref name="knickle">Knickle, C. [http://www.flmnh.ufl.edu/fish/Gallery/Descript/silkyshark/silkyshark.html Biological Profiles: Silky Shark]. Florida Museum of Natural History Ichthyology Department. Retrieved on August 12, 2009.</ref> |
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<ref name="kohin et al">{{cite book |author=Kohin, S., Arauz, R.; Holts D. and Vetter, R. |chapter=Preliminary Results: Behavior and habitat preferences of silky sharks (''Carcharhinus falciformis'') and a big eye thresher shark (''Alopias superciliosus'') tagged in the Eastern Tropical Pacific |pages=17–19 |editor=Rojas M., R. Zanella and I. Zanella. |year=2006 |title=Primer Seminario-Taller del Estado del Conocimiento de la Condrictiofauna de Costa Rica |publisher=INBIO}}</ref> |
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<ref name="kohler et al">{{cite journal |author=Kohler, N.E., Casey, J.G. and Turner, P.A. |year=1998 |title=NMFS Cooperative Shark Tagging Program 1962–63: An atlas of shark tag and recapture data |journal=Marine Fisheries Review |volume=60 |issue=2 |pages=1–87|url=http://findarticles.com/p/articles/mi_m3089/is_2_60/ai_55671825/}}</ref> |
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<ref name="martin">Martin, R.A. [http://www.elasmo-research.org/education/ecology/ocean-silky.htm Open Ocean: Silky Shark]. ReefQuest Centre for Shark Research. Retrieved on September 12, 2009.</ref> |
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<ref name="martin2">{{cite journal |author=Martin, R.A. |date=March 2007 |title=A review of shark agonistic displays: comparison of display features and implications for shark-human interactions |journal=Marine and Freshwater Behaviour and Physiology |volume=40 |issue=1 |pages=3–34 |doi=10.1080/10236240601154872}}</ref> |
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<ref name="mceachran and fechhelm">{{cite book |title=Fishes of the Gulf of Mexico: Myxiniformes to Gasterosteiformes |author=McEachran, J.D. and Fechhelm, J.D. |publisher=University of Texas Press |year=1998 |isbn=0-292-75206-7 |page=77|url=http://books.google.com/?id=SV7tMdvdC0EC&pg=PA77}}</ref> |
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<ref name="muller and henle">{{cite book |author=Müller, J. and Henle, F.G.J. |year=1839 |title=Systematische Beschreibung der Plagiostomen (volume 2) |publisher=Veit und Comp. |page=47 |url=http://www.biodiversitylibrary.org/item/30065#5}}</ref> |
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<ref name="myrberg">{{cite journal |author=Myrberg, A.A. (Jr.) |title=The Acoustical Biology of Elasmobranchs |journal=Environmental Biology of Fishes |volume=60 |issue=1–3 |date=February 2001 |pages=31–46 |doi=10.1023/A:1007647021634}}</ref> |
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<ref name="myrberg et al">{{cite journal |author=Myrberg, A.A. (Jr.); Ha, S.J.; Walewski, S. and Banbury, J.C. |title=Effectiveness of Acoustic Signals in Attracting Epipelagic Sharks to an Underwater Sound Source |journal=Bulletin of Marine Science |volume=22 |issue=4 |date=October 1972 |pages=926–949}}</ref> |
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<ref name="naylor">{{cite journal |author=Naylor, G.J.P. |title=The phylogenetic relationships among requiem and hammerhead sharks: inferring phylogeny when thousands of equally most parsimonious trees result |journal=Cladistics |volume=8 |year=1992 |pages=295–318 |doi=10.1111/j.1096-0031.1992.tb00073.x}}</ref> |
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<ref name="oshitani et al">{{cite journal |year=2003 |author=Oshitani, S.; Nakano, S. and Tanaka, S. |title=Age and growth of the silky shark ''Carcharhinus falciformis'' from the Pacific Ocean |journal=Fishery Science |volume=69 |pages=456–464|doi=10.1046/j.1444-2906.2003.00645.x}}</ref> |
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<ref name="ota and euichi">{{cite journal |title=Description of ''Gnathia maculosa'' and a new record of ''Gnathia trimaculata'' (Crustacea, Isopoda, Gnathiidae), ectoparasites of elasmobranchs from Okinawan coastal waters |author=Ota, Y. and Euichi, H. |journal=Zootaxa |volume=2114 |pages=50–60 |date=May 22, 2009}}</ref> |
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<ref name="perrine">{{cite book |title=Sharks |author=Perrine, D. |publisher=Voyager Press |year=2002 |isbn=0-89658-604-9 |page=67}}</ref> |
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<ref name="randall and hoover">{{cite book |title=Coastal Fishes of Oman |author=Randall, J.E. and Hoover, J.P. |publisher=University of Hawaii Press |year=1995 |isbn=0-8248-1808-3 |pages=30–31|url=http://books.google.com/?id=LSuT-3GQL-QC&pg=PA30}}</ref> |
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<ref name="stafford-deitsch">{{cite book |title=Red Sea Sharks |author=Stafford-Deitsch, J. |publisher=Trident Press |year=1999 |isbn=1-900724-28-6 |pages=24, 34, 49|url=http://books.google.com/?id=0yDMbkKdt-oC&pg=PA24}}</ref> |
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<ref name="stafford-deitsch2">{{cite book |title=Sharks of Florida, the Bahamas, the Caribbean and the Gulf of Mexico |author=Stafford-Deitsch, J. |publisher=Trident Press |year=2000 |isbn=1-900724-45-6 |page=72}}</ref> |
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<ref name="stevens">{{cite journal |author=Stevens, J.D. |year=1984 |title=Life-history and ecology of sharks at Aldabra Atoll, Indian Ocean |journal=Proceedings of the Royal Society of London B |volume=222 |pages=79–106 |doi=10.1098/rspb.1984.0050}}</ref> |
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<ref name="stevens2">{{cite journal |author=Stevens, J.D. |year=1984 |title=Biological observations on sharks caught by sport fishermen off New South Wales |journal=Australian Journal of Marine and Freshwater Research |volume=35 |pages=573–590|doi=10.1071/MF9840573 }}</ref> |
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<ref name="stevens and mcloughlin">{{cite journal |author=Stevens, J.D. and McLouhlin, K.J. |year=1991 |title=Distribution, size and sex composition, reproductive biology and diet of sharks from northern Australia |journal=Australian Journal of Marine and Freshwater Research |volume=42 |pages=151–199|doi=10.1071/MF9910151}}</ref> |
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<ref name="strasburg">{{cite journal |author=Strasburg, D.W. |year=1958 |title=Distribution, abundance, and habits of pelagic sharks in the central Pacific Ocean |journal=U.S. Fishery Bulletin |volume=58 |pages=335–361}}</ref> |
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<ref name="villegas and sesana">{{cite book |title=Colombia Natural Parks |author=Villegas, B. and L. Sesana |publisher=Villegas Asociados |year=2007 |isbn=958-8156-87-4 |page=335|url=http://books.google.com/?id=HoDPr04hHCQC&pg=PA335}}</ref> |
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<ref name="watson et al">{{cite journal |doi=10.1111/j.1523-1739.2008.01121.x |author=Watson, J.T.; Essington, T.E.; Lennert-Cody, C.E. and Hall, M.A. |title=Trade-Offs in the Design of Fishery Closures: Management of Silky Shark Bycatch in the Eastern Pacific Ocean Tuna Fishery |journal=Conservation Biology |volume=23 |issue=3 |pages=626–635 |year=2009 |pmid=19040650}}</ref> |
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<ref name="whittaker et al">{{cite journal |doi=10.2307/3282025 |title=Scanning electron microscopy of the scolices of the cestodes ''Parachristianella monomegacantha'' Kruse 1959 (Trypanorhyncha) and ''Phyllobothrium'' sp. Beneden 1849 (Tetraphyllidea) |jstor=3282025 |author=Whittaker, F.H.; Apkarian, R.P.; Curless, B. and Carvajal, G.J. |journal=Journal of Parasitology |volume=71 |issue=3 |pages=376–381 |year=1985}}</ref> |
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}} |
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== 外部リンク == |
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==関連項目== |
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{{Commons category|Carcharhinus falciformis}} |
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*[[魚の一覧]] |
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* [http://shark-references.com/species/view/Carcharhinus-falciformis Species Description of Carcharhinus falciformis at www.shark-references.com] |
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*[[サメ]] |
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{{CommonsCat|Carcharhinus falciformis}} |
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{{DEFAULTSORT:くろとかりさめ}} |
{{DEFAULTSORT:くろとかりさめ}} |
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[[Category:メジロザメ |
[[Category:メジロザメ科]] |
2014年12月8日 (月) 08:49時点における版
クロトガリザメ | |||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Carcharhinus falciformis (Müller & Henle, 1839) | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||
Silky shark | |||||||||||||||||||||
濃い青は生息が確認された領域、薄い青は生息が予想される領域[2]
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クロトガリザメ Carcharhinus falciformis はメジロザメ属に属するサメの一種。全世界の熱帯の外洋域で見られ、最も個体数の多い外洋性サメの一つである。深度50mまでの表層を高速で回遊する。体は細い流線型で、通常2.5m程度。第一背鰭が小さく、第二背鰭の後端が長く伸び、鎌型の長い胸鰭を持つことが特徴である。背面は金属光沢のある灰褐色で、腹面は白い。皮膚は非常に滑らかに見え、ここから英名"Silky shark"が付けられた。
高速で粘り強い捕食者で、主に硬骨魚や頭足類を食べる。連携して小魚の群れを襲うことや、好物であるマグロを追って長距離を移動することがある。胎生で、年中繁殖する。雌は1-2年ごとに16匹までの仔を産む。幼体は大陸棚の岩礁で成長し、その後外洋へ出て行く。大きさと歯の形状から、人に対して潜在的に危険だと考えられるが、外洋性のため遭遇する機会は少ない。個体数が多いことからフカヒレなどを目的に大量に漁獲され、マグロ漁による混獲数も多い。個体数は急激に減少しており、IUCNは保全状況を準絶滅危惧としている。
分類
ドイツの生物学者ヨハネス・ペーター・ミュラーとヤーコブ・ヘンレによる1839年の著作 Systematische Beschreibung der Plagiostomen において、Carcharias (Prionodon) falciformis の名で記載された。その後本種はCarcharhinus 属に移された[3][4]。ミュラーとヘンレがキューバから得られた53cmの胎児をタイプ標本に用いたため、成体は長年に渡って別の種として扱われ、1943年にはHenry Bigelow・William Schroeder・Stewart SpringerによってCarcharhinus floridanus として記載文が発表された。1964年に、Jack Garrick・Richard Backus・Robert Gibbs, Jr.によってC. floridanus はC. falciformis のシノニムとされた[5]。
種小名 falciformis はラテン語で"鎌型"を意味し、背鰭と胸鰭の形に因んだものである[2]。英名silky sharkは、小さく密な皮歯によって、他のサメより皮膚の質感が繊細であることに由来する[6]。他の英名として、blackspot shark(通常はCarcharhinus sealei を指す)・grey reef shark(通常はオグロメジロザメを指す)・grey whaler shark・olive shark・reef shark・ridgeback shark・sickle shark・sickle silk shark・sickle-shaped shark・silk shark・silky whalerがある[7]。
系統
ノースカロライナ州の2個体のヒゲクジラの近く(一つは更新世-完新世(約12,000年前)の泥岩、もう一つはグースクリークの後期鮮新世(約3500万年前)の石灰岩)と、プンゴ川の中新世(2300-530万年前)の層[8][9]、イタリア・トスカーナ州のCava Serredi採石場の鮮新世の地層から歯の化石が発見されている[10]。さらに、滑らかな歯を持った、本種の系統の古い代表種である Carcharhinus elongatus が漸新世(3400-2300万年前)のバージニア州のOld Church層・サウスカロライナ州のAshley層から得られており、記載が不十分ではあるが、エジプトの始新世(5600-3400万年前)の層からも、この種に似た一揃いの歯が知られている[9]。
初期の形態系統解析ではCarcharhinus sealei と近縁だとされ[11]、1988年には、ハナグロザメ・ツマグロ・Carcharhinus cautus ・クロヘリメジロザメ・ナガハナメジロザメとともに"transitional group"と命名された群に含められた[12]。1992年の分子系統解析では、ペレスメジロザメ・ガラパゴスザメ・ヨゴレ・ドタブカ・ヨシキリザメを含むクレードの姉妹群に位置づけられた[13][14]。2012年の包括的な解析結果ではこれと異なる系統樹が描かれているが、ヨシキリザメと近縁であることについては一貫した結果が得られている[15]。
分布
汎存種であり、水温23℃以上の海域で見られる。大西洋では、北限はマサチューセッツ州-スペイン、南限はブラジル南部-アンゴラ北部。地中海・メキシコ湾・カリブ海にも分布する。インド洋では、南限はモザンビーク-西オーストラリアで、紅海・ペルシャ湾でも見られる。太平洋では、北限は中国南部・日本-バハカリフォルニア南部・カリフォルニア湾、南限はシドニー・ニュージーランド北部-チリ北部[2][3]。生活史の差異から、北西大西洋、西部・中央太平洋、東部太平洋、インド洋の4つの個体群が識別される[2]。
主に外洋性で、最深で500m以上潜る可能性はあるが、海面から深度200mまででよく見られる[3]。東部太平洋とメキシコ湾北部でのデータロガーによる調査では、99%の時間を海面から深度50mまで、80–85%の時間を水温26-30℃の場所で過ごしていた。このパターンは昼夜を問わず見られた[16][17]。大陸棚の縁を好み、深い岩礁の上や島の周辺でよく見られる。分布域は外洋よりも、大陸の縁に沿って長く南北に伸びる。稀に、水深18m程度の浅い沿岸に出没することもある[18]。移動性が高く回遊を行うが、その詳細はあまり分かっていない。データロガーによる調査では、1日に60km、調査期間中の総計で最大1339kmを移動した[19]。大型個体は小型個体より長距離を移動する。少なくとも太平洋では、夏には少し高緯度に移動し、特にエルニーニョによる暖水塊が存在する場合は顕著である[20][21]。北大西洋では、ほとんどの個体がアメリカ合衆国東海岸に沿って、メキシコ湾流に乗って北に移動する[19]。アデン湾では、移動は晩春から夏に起こる[2]。
形態
体は細く流線型、吻は丸く、かなり長い。鼻孔の前鼻弁はあまり発達しない。眼は中程度の大きさで丸く、瞬膜を備える。口角の唇褶は短く浅い[3][22]。片側の歯列は、上顎で14–16、下顎で13–17。典型的には両顎共に15である。上顎歯は三角形で強い鋸歯を持ち、後縁には凹みがある。中央の歯は直立するが、口角に近づくほど傾く。下顎歯は細く直立し、縁は滑らかである。鰓裂は5対で中程度の長さ[23]。
背鰭と胸鰭は独特で、本種を同定する助けとなる。第一背鰭は比較的小さく、高さは個体の全長の1/10に満たず、胸鰭の後端より後ろから起始する。先端は丸く、後縁はS字、遊離した後端の長さは高さの半分程度。第二背鰭は微小で、臀鰭より小さく、鰭の高さの3倍近い長い遊離端を持つ。背鰭の間には細い隆起線が走る。胸鰭は細く鎌型で、成体では特に長い。臀鰭は第二背鰭の少し前より起始し、後縁は深く凹む。尾鰭はかなり高く、下葉はよく発達する[3][22]。
皮膚は細かく重なり合った皮歯に密に覆われる。各皮歯は菱形で、前縁から後縁まで水平隆起線を持つ。線の数は個体の成長とともに増える[5][6]。背面は金属光沢のある金褐色から暗灰色。腹面は白で、体側にいは微かな淡い帯が伸びる。第一背鰭以外の鰭は先端が黒くなり、若い個体では特に顕著である[3][6]。体色は死後に急速に薄れ、鈍い灰色となる[24]。メジロザメ属内では大型で、通常は2.5m程度だが、最長で3.5m、最重で346kgの記録がある[7]。雌は雄より大きくなる[6]。
生態
個体数は数千万と見積もられ、世界の大型海洋生物の中で最も個体数が多いものの一つだと推定される。ヨシキリザメ・ヨゴレとともに、外洋で最もよく見られるサメの一つでもある[25]。他の2種と比べ、本種は厳密に外洋性というわけではなく、真の外洋よりも餌が容易に得られる陸地に近い沖合に最も多い傾向がある。活動的で好奇心が強く、攻撃的な捕食者である。だが、餌を巡る争いでは、本種より泳ぎが遅いがより攻撃的であるヨゴレには敵わない[3]。興味あるものに近づいた場合、本種は頭を振りながらゆっくりとその周りを旋回するが、周囲の状況が変化した場合は非常に速く応答する[26]。流木やブイなどの浮遊物の周辺でよく見られる[27]。
若い個体はおそらく身を守るため、緩く大きな群れを作ることが知られる[28]。回遊中には1千匹を超える個体が集合することがある[29]。これらの群れは個体サイズごとに分かれており、太平洋ではおそらく性別によっても分離している[6][20][30]。群れの内部では、互いに体を斜めにして体側を見せつけあう、口や鰓を広げる、などの行動が観察されている。時折、突如垂直に浮上し、水面に達する直前に方向転換して戻っていくという行動も見られる。これらの行動の意義は明らかではない[26]。脅威に曝されると威嚇行動を行う。背を弓なりに曲げ、尾と胸鰭を下ろして頭を持ち上げた姿勢をとり、強張った動きで体側を相手に向けながら小さなループを描いて泳ぐ[31]。
大型のサメやシャチが潜在的な捕食者として挙げられる[32]。寄生虫として、ウミクワガタ類の Gnathia trimaculata[33]、カイアシ類の Kroeyerina cortezensis[34]、条虫のDasyrhynchus variouncinatus ・Phyllobothrium 属の一種[35][36]などがある。頻繁にアカシュモクザメとの混群を作り、また、海獣に付いていくことも知られている。紅海でのある記録では、25匹の本種に加え、25匹のオグロメジロザメ、1匹のツマジロがハンドウイルカ属の大きなポッドに追従していた。本種自体に追従する魚類として、サメの前方の圧力波に乗るブリモドキの幼体や、餌の断片を拾ったり体を擦り付けて寄生虫を落としたりするアジ科魚類などがある[28][37]。
摂餌
日和見的な捕食者である。餌は主に遊泳性から底生の硬骨魚で、マグロ・サバ・イワシ・ボラ・ハタ・フエダイ科・ムロアジ属・イスズミ科・ハマギギ科・ウナギ・ハダカイワシ・カワハギ科・モンガラカワハギ科・ハリセンボンが含まれる。イカ・カイダコ・ワタリガニ科なども食べる可能性があり、化石記録からはクジラの死骸を漁ることも推測される[2][3][8]。複数個体が連携して効率よく狩りをすることも知られる。その一例として、太平洋で、小魚の群れを取り囲んで密な塊とし(ベイト・ボール)、これを水面に追い詰めて群れ全体を捕食することが記録されている[2]。捕食時には、その塊に突入し、顎を開いたまま通り抜けて顎の端で獲物を引っ掛ける。複数個体が一度に突入することはあるが、各攻撃は独立して行われる[28]。
フロリダとバハマでの研究から、本種は音、特に10–20 Hzの低周波音や不規則なパルスに敏感であることが示された。実験では、これらの音は数百mの距離から本種を惹き寄せた。この音は鳥やイルカが獲物を捕食するときの音に似ており、自然下では獲物の存在を意味するものと考えられる[26][28]。これらの研究では、音の振幅や特性が変化した場合、それが別の捕食者によるものであるかどうかに関わりなく、本種は反転して離れていくことも示された。繰り返し音の変化に暴露することで馴化を起こして近づいてくるようになるが、より大胆なヨゴレと比べ、これにかかる時間は長い[32]。
咬合力は、2mの個体で890Nと測定されている[38]。本種はマグロに強く引き寄せられる。ガーナではほぼ全てのマグロの群れが後方に本種を伴っており、東太平洋では捕えたマグロやその漁具を破壊するため、漁業者から"net-eating shark"と呼ばれる[3][24]。本種とハンドウイルカが同じ群れを獲物として競合することがあり、イルカが食べられる分は本種が食べる分だけ減少する。サメの数が多い場合、イルカは群れの辺縁に留まり、サメの捕食行動による偶発的な傷害を避ける傾向にある。逆にイルカが十分に多い場合、獲物の群れから本種は追い払われる。どちらが勝利したかにかかわらず、この2種の捕食者はお互いに対して明白な攻撃行動に及ぶことはない[39]。
生活史
他のメジロザメ類同様に胎生で、卵黄を使い果たした胎児は卵黄嚢を胎盤に転換する。他の胎生のサメと比較し、本種の胎盤は哺乳類のものとの共通点が少なく、胎児と母体の組織が相互に嵌合していない。さらに、哺乳類とは逆に、胎児の方が母体より赤血球が小さい。成体雌は右側の卵巣と左右の子宮が機能し、子宮内は胚が1個ずつ収められる区画に分かれている[40]。
ほとんどの場所では年中繁殖すると見られるが、メキシコ湾では交尾と出産は晩春か初夏(5-8月)に起こる[18][30]。だが、データのバイアスによって、繁殖に見かけ上の季節性が見られているだけである可能性もある[2]。妊娠期間は12ヶ月で、毎年、または2年毎に繁殖する[1]。産仔数は1-16(典型的には6-12)で、母体の大きさにつれて増加する[2]。大型の外洋性サメを避けられることと、十分な餌が得られることから、大陸棚外縁の岩礁を幼体の成育場として用いる。捕食の危険性を減らすため幼体の成長は早く、初年度には25-30cm成長する。数ヶ月後(メキシコ湾では最初の冬)には成育場を離れて外洋に移動する[2][28][30]。
地域 | 出生時 | 性成熟(雄) | 性成熟(雌) |
---|---|---|---|
北西大西洋 | 68-84cm[2] | 2.15-2.25m[25] | 2.32-2.46m[25] |
東部大西洋 | ? | 2.20m[41] | 2.38-2.50m[24][41] |
インド洋 | 56-87cm[2] | 2.39-2.40m[2][42] | 2.16-2.60m[2][42] |
西部太平洋 | ? | 2.10-2.14m[43][44] | 2.02-2.20m[43][45] |
中部太平洋 | 65-81cm[45] | 1.86m[46] | 2.00-2.18m[20][46] |
東部太平洋 | 70cm[2] | 1.80-1.82m[1][2] | 1.80-1.82m[1][2] |
生活史の詳細は地域により異なる(表を参照)。北西大西洋では中部・西部太平洋より大きく、東部太平洋では他の地域より小さい傾向がある。東部大西洋とインド洋では北西大西洋より大きいようだが、調査個体数が少ないため更なるデータが必要である[2]。
全体的な成長速度で見れば、本種は他のサメと同程度で、雌雄の成長速度も似ている。だが、個体差はかなり大きい。中部太平洋での調査では、雌は雄より成長が遅いとされたが、このデータには大型の雌が含まれていないため結果が不正確となっているかもしれない[18]。報告された中で、最も成長が速いのはメキシコ湾北部、最も遅いのは台湾北東部である[45]。雄は6-10歳・雌は7-12+歳で性成熟する[2]。温帯域の個体は熱帯域の個体より成長・性成熟が遅い[45]。寿命は最低でも22年[25]。
人との関わり
その大きさと歯の形から、潜在的に危険だと考えられているが、外洋性であるため人と接触することは少ない[6]。好奇心が強く大胆であるためダイバーに繰り返し近づき、餌の存在下では危険なほど興奮する。外洋よりも岩礁域での遭遇ではより攻撃的になる傾向がある。各個体が持続的にダイバーに圧力をかけ、最終的に水中から追い出したケースもある[37][47]。 2009年の国際サメ被害目録は6件の攻撃を記録しており、その内3件が非挑発例で死亡例はない[48]。
メキシコ・グアテマラ・エルサルバドル・コスタリカ・米国・エクアドル・スペイン・ポルトガル・スリランカ・モルディブ・イエメン・コートジボワールで行われる、複数種のサメを対象とした商業漁業・地域漁業で大量に漁獲されている。さらに、これより多数が分布域全域でのマグロ延縄・巻網で混獲され、魚群収集装置 (FAD) が用いられた場合は特に多い。東太平洋とメキシコ湾では最も混獲される量の多いサメで、全世界でもヨシキリザメに次いで2番目である[2][49]。鰭はフカヒレの材料とされ、鰭のみを切り取って体は海上で捨てるフィニングも行われる。鰭は年間50-150万個体が取引されていると見られる。香港のフカヒレ市場では2-3番目に多い種で、全世界では取引量の半分以上を占めている[1][2]。肉は生・干物・塩漬けで販売され、鮫皮・肝油も利用される[3]。また、熱帯で骨董品として観光客に販売されるサメの顎標本の主な供給源ともなっている[28]。遊漁者にも捕獲される[6]。
保護
地球上で最も豊富で分布域の広いサメとして、漁獲による死亡率の高さにもかかわらず、一時は乱獲に耐性があると考えられていた。1989年だけで、90万個体が太平洋南部・中部でのマグロ延縄漁によって混獲されたが、一見して個体数には影響はないように見える[25]。本種の漁獲データは、種レベルでの混同や疑問のある同定による過小報告によって混乱したものとなっている。それでも、本種の繁殖力はそれほど高くないためこのレベルの乱獲には耐えられず、実際には全世界で減少していることを示す多数の証拠がある。FAOによる全世界での年間漁獲量は、2000年の11,680 tから2004年には4,358 tに減少している。地域的にも傾向は同じで、中部太平洋では1950年代-1990年代で90%・コスタリカでは1991-2000年で60%・メキシコ湾では1950年代-1990年代で91%・北西大西洋では(他の大型メジロザメ類を含め)1950年代-1990年代で85%減少したと見られている。スリランカでは、1994年の25,400 tをピークとして2006年には1,960 tに減少したと報告されており、資源が枯渇したと見られる。対照的に、太平洋とインド洋での日本の漁業では1970年代-1990年代の間で変化は見られず[1]、メキシコ湾と北西大西洋の資源量評価に用いた方法論の妥当性についても多くの議論がある[50][51][52]。
最新の知見から、2007年にIUCNは本種の全世界での保全状況を軽度懸念から準絶滅危惧に変更した。大西洋南西部・インド洋・太平洋中西部では同じく準絶滅危惧、太平洋中東部・南東部、大西洋北西部・中西部では危急種とされている。海洋法に関する国際連合条約では高度回遊性魚種として附属書Iに載せられているが、特別な保護政策は取られていない。多くの国家や超国家的機関により進められている、フィニング禁止活動は本種の保護に繋がる[1]。大西洋まぐろ類保存国際委員会 (ICCAT) や全米熱帯まぐろ類委員会 (IATTC) のような機関も、サメの混獲を減らすことを最終目標とした漁業監視の改善措置を講じている[2]。だが、マグロを追って広範囲を回遊する習性から、水産活動に影響を与えずに混獲を減らすのは容易ではないと考えられる[21]。
脚注
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