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ハマギギ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハマギギ科
オオサカハマギギ Netuma thalassina
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ナマズ目 Siluriformes
上科 : ギギ上科 Bagroidea
: ハマギギ科 Ariidae
学名
Ariidae
L. S. Berg, 1958

Amissidens
Amphiarius
Ariopsis
ハマギギ属 Arius
Aspistor
イトヒキハマギギ属[1]Bagre
Batrachocephalus
Brustiarius
Carlarius
エンガンハマギギ属[2]Cathorops
Cephalocassis
Cinetodus
Cochlefelis
Cryptarius
Galeichthys
Genidens
Hemiarius
Hexanematichthys
Ketengus
Nedystoma
Nemapteryx
Neoarius
Netuma
Notarius
Occidentarius
Osteogeneiosus
Plicofollis
Potamarius
Potamosilurus
Sciades

ハマギギ科(Ariidae)はナマズ目に属するのひとつである。ゴンズイ科とともに、ナマズ目の中でも海水魚を含む数少ない科のひとつとして知られている。本科に属するおよそ143のの中には、海域に生息する種のほかに汽水域を含めた淡水域に生息する種も多数いる。世界各地の温帯域から熱帯域でみられる。

分類

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本科内の系統関係は未だ明確ではない。本科に属していたのうち、Gogo 属とAncharius 属の2属は新たに独立のAnchariidae科に移されている[3]。ハマギギ科は二つの亜科に分けられる。ひとつはGaleichthys 属のみを含むGaleichthyinae亜科であり、もうひとつがその他の全ての属を含むハマギギ亜科(Ariinae)である[4]

Nelson(2006)は、本科をパンガシウス科ギギ科とともにギギ上科(Bagroidea)に分類した[5]。ただし、前述のAnchariidae科と本科をまとめて、Arioidea上科に分類する分類も提唱されている[6]

分布

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本科魚類はインド洋太平洋大西洋を含めた世界各地の水域に生息するが、主に熱帯域や温帯域でみられる[5]エスチュアリーラグーンなどの汽水域に生息する種が多いが、完全に海水域のみに生息する種、あるいは淡水域のみに生息する種もいる[4]

日本からはハマギギ(Arius maculatus)、オオサカハマギギ(Netuma thalassina[7])、トウカイハマギギ(Plicofollis nella[8] )の3種が記録されているが、いずれも稀種である[9][10]

形態

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尾鰭は深く二叉する。通常ヒゲは3対ある。頭部及び背鰭の近くには骨板が存在する[5]。少なくともいくつかの種では、背鰭や胸鰭に有毒の棘を持つ[11]脂鰭を持つ[12]

生態

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海洋に生息すること以外にも、本科の魚類は他のナマズ目魚類とは異なる独特な生態をみせる。その例としては、本科に属するほとんどの種はマウスブルーダーであることが挙げられる。オスは数10個ほどの卵を口の中に含んだまま、卵が孵化し子が自由遊泳を始めるまでの2か月ほどを過ごす[13][14]

人間との関係

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この科の中でもよく知られているAriopsis felis (英名:Hardhead catfish)は、マサチューセッツからメキシコに至る大西洋の西岸に豊富な種である。本種は最大で5.5kgに達し食用とすることもできるが、釣りの対象魚としては好みが分かれる魚であり、しばしば餌の横取りをするとして迷惑がられる[15]

より小型の種は、水族館や家庭における観賞魚としての価値を持つ場合もある。1972年にはシカゴシェッド水族館が飼育下でのAriopsis felis の繁殖に初めて成功し、その後も何度か成功させている。Sciades seemanni (英名:Colombian shark catfish) は観賞魚として人気があるが、Arius berneyi Arius graeffei といった誤った学名で流通していることが多い[16]

出典

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  1. ^ 松浦啓一 (1983年). “イトヒキハマギギ”. スリナム・ギアナ沖の魚類. 独立行政法人 水産総合研究センター 開発調査センター. 2016年11月6日閲覧。
  2. ^ 松浦啓一 (1983年). “エンガンハマギギ(新称)”. スリナム・ギアナ沖の魚類. 独立行政法人 水産総合研究センター 開発調査センター. 2016年11月6日閲覧。
  3. ^ Ng, Heok Hee; Sparks, John S. (2005). “Revision of the endemic Malagasy catfish family Anchariidae (Teleostei: Siluriformes), with descriptions of a new genus and three new species”. Ichthyol. Explor. Freshwaters 16 (4): 303–323. 
  4. ^ a b Acero P., Arturo; Betancur-R., Ricardo (June 2007). “Monophyly, affinities, and subfamilial clades of sea catfishes (Siluriformes: Ariidae)” (PDF). Ichthyol. Explor. Freshwaters 18 (2): 133–143. http://www.pfeil-verlag.de/04biol/pdf/ief18_2_06.pdf 2009年6月25日閲覧。. 
  5. ^ a b c Nelson, Joseph S. (2006). Fishes of the World. John Wiley & Sons, Inc. ISBN 0-471-25031-7 
  6. ^ Sullivan, JP; Lundberg JG; Hardman M (2006). “A phylogenetic analysis of the major groups of catfishes (Teleostei: Siluriformes) using rag1 and rag2 nuclear gene sequences”. Mol Phylogenet Evol. 41 (3): 636–62. doi:10.1016/j.ympev.2006.05.044. PMID 16876440. 
  7. ^ "Synonyms of Netuma thalassina (Rüppell, 1837)" in FishBase. 2016年11月6日閲覧
  8. ^ "Synonyms of Plicofollis nella (Valenciennes, 1840)" in FishBase. 2016年11月6日閲覧
  9. ^ 中坊徹次編 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』 東海大学出版会 2001年 ISBN 978-4486015055
  10. ^ 阿部宗明『原色魚類大圖鑑』北隆館、1987年、171-172頁。ISBN 4832600087 
  11. ^ Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2007). "Bagre marinus" in FishBase. May 2007 version.
  12. ^ ハマギギ科”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. コトバンク (2011年). 2016年11月6日閲覧。
  13. ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2007). "Ariidae" in FishBase. May 2007 version.
  14. ^ Ariopsis felis
  15. ^ Hardhead Catfish
  16. ^ The catfish family Ariidae