「ライトノベル」の版間の差分
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なお、10代を主なターゲットとしている文学ジャンルには他にも[[児童文学]]があるが、ライトノベルと異なるのは、健全な[[世界観]]や倫理性のもとに構築される作品が多い点や、読み手の対象年齢を考慮した上での教育的な性格が色濃い点である<ref>[[新城カズマ]]『ライトノベル「超」入門』p.42</ref><ref>[[杉浦由美子]] 『ケータイ小説のリアル』 [[中央公論新社]]、2008年、92-93頁。ISBN 978-4121502797。</ref>。 |
なお、10代を主なターゲットとしている文学ジャンルには他にも[[児童文学]]があるが、ライトノベルと異なるのは、健全な[[世界観]]や倫理性のもとに構築される作品が多い点や、読み手の対象年齢を考慮した上での教育的な性格が色濃い点である<ref>[[新城カズマ]]『ライトノベル「超」入門』p.42</ref><ref>[[杉浦由美子]] 『ケータイ小説のリアル』 [[中央公論新社]]、2008年、92-93頁。ISBN 978-4121502797。</ref>。 |
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ライトノベルにとっては、[[挿絵]]によるイメージと挿絵に対する読者層からの評価は、他ジャンルの小説以上に重要な意味を持つ。これは、ライトノベル読者のうち少なくない数が、[[イラストレーション]]で買う作品を選択する「イラスト買い」を行っていることに起因する。「イラスト買い」が多く行われる理由は、ライトノベルがメインのターゲットとしている層は活字よりもマンガ・アニメに親しんでいる層であるためとされている<ref name="bungakuron"/>。 |
ライトノベルにとっては、[[挿絵]]によるイメージと挿絵に対する読者層からの評価は、他ジャンルの小説以上に重要な意味を持つ。これは、ライトノベル読者のうち少なくない数が、[[イラストレーション]]で買う作品を選択する「イラスト買い」を行っていることに起因する。「イラスト買い」が多く行われる理由は、ライトノベルがメインのターゲットとしている層は活字よりもマンガ・アニメに親しんでいる層であるためとされている<ref name="bungakuron"/>。 |
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2013年12月2日 (月) 22:24時点における版
ライトノベルは、日本のサブカルチャーの中で生まれた小説の分類分けの一つ。英単語のLightとNovelを組み合わせた和製英語。略語としてはラノベ、ライノベ。稀にではあるが、軽文学や軽小説と表記される場合もある。
概要
ライトノベルの定義に関しては様々な考え方があり(後述)、現在においても出版業界で完全に明確な基準が確立されているというものではない。ただし、日経BP社『ライトノベル完全読本』においては「表紙や挿絵にアニメ調のイラスト(≒萌え絵)を多用している若年層向けの小説」とするものがあり[1]、また榎本秋は自身の著書における定義として「中学生〜高校生という主なターゲットにおいて読みやすく書かれた娯楽小説」としている[2]。
特徴としては、そのほとんどが文庫本の判型であり、比較的安価であることが挙げられる。ただし1990年代末以降においては読者層の変化や嗜好の細分化などから、より少ない発行部数でも採算の取りやすい新書(ノベルス)や四六判ソフトカバーなどでの発売も増えている。
読者の年齢層は、主として中高生を対象としているものの、その読者層は30代前後まで拡大しているとされる[3]。2000年代には市場は拡大基調となり、出版科学研究所の調査によると2004年の推定販売金額は265億円、2006年の推定販売金額は344億円と大きく伸びている[4][5]。
ライトノベルの発祥は、1975年のソノラマ文庫の創刊という説や、新井素子や氷室冴子などの人気作家が登場した1977年という説などがある[3]。また、ライトノベル作家の中里融司は、その源流は少年倶楽部にあるとしている[6]。
ジャンルとしては恋愛、SF、ファンタジー、ミステリー、ホラーと様々なものを含んでいる。主に、テレビゲームや映画、アニメや漫画などの作品を原作にしたノベライズ作品も多く発行されている。逆に、ライトノベルを原作とした漫画化やアニメ化、映画化やテレビゲーム化、玩具化(フィギュア等)などのメディアミックスも盛んに行われている[7]。
近年では、作品と読者年齢層の多様化が見られる。また、高殿円、森田季節、紅玉いづきなどライトノベルとそれ以外の小説の両方を出版する作家、乙一、冲方丁、桜庭一樹などライトノベル作家として文壇に登場し後に他ジャンルにも展開して直木賞など主に中堅作家を対象とした権威ある文学賞を受賞した作家の出現によって、それまでの概念から大きく広がりを見せている[8]。
名称とジャンル特性
ライトノベルの命名
「ライトノベル」の命名は、1990年初めにパソコン通信ニフティサーブの「SFファンタジー・フォーラム」において、それまでのSFやファンタジーから独立した会議室を、会議室のシスオペであった“神北恵太”[注 1]が「ライトノベル」と名付けたことが始まりであるとされる[9][10]。
従来、これらの分類に対して出版社がつけていた名称としては「ジュヴナイル」「ヤングアダルト」または「ジュニア小説」などがある。しかし、「ジュヴナイル」は小学生向けの教育的かつ健全な物語というイメージがあり、欧米の図書館が由来の「ヤングアダルト」は日本では「ヤングのアダルト小説」とも解釈されて異なった印象を与えがちなことから、これらとは違う、気軽に扱うことの出来る名称として作られた。現在では、各種メディアでも、「ジュヴナイルノベル」や「ヤングアダルト小説」ではなく「ライトノベル」と呼ばれるようになり、定着している[10]。なお「ライトノベル」という呼称は、発祥してからすぐに定着したわけではなく、一般にも呼称されるようになったのはインターネットが広く普及しそれまで以上に読者同士が交流を行うようになった2000年頃だとされている[2]。たとえば、東京BBSのファンタジーノベルボードの、ボードで扱う話題の説明には "(富士見ファンタジア文庫・朝日ソノラマ文庫等)" とあり、今日ではライトノベルと認識される範疇を「ファンタジーノベル」とくくっていた。
「ライトノベル」という呼称については、和製英語なので国際的には通用しないと誤解されていること(現在は「MANGA」「ANIME」などと同様に日本独自の分類分けとして知られている)、英語として直訳すると「軽い小説」と訳されることもあり、読者がどのように受け入れているのかを考慮することなく「ライトノベル」と呼ばれることを敬遠する出版社や作家などもいる[11]。また、文学事典などの学術的な事典においても「ライトノベル」を採用している例は少ない[12]。さらに図書館学の分野においては国際的な学術用語として「ヤングアダルト」が採用されている[13]。
定義の曖昧さ
ライトノベルとその他の小説の境界は曖昧であり、そもそもはっきりとした定義を持たないことから、「ライトノベルの定義」についてさまざまな説がある。
- ライトノベルを発行しているレーベルから出ている
- ライトノベルは出版側のマーケティングにより創られた「ジャンル」であるため、出版社がその旨宣言した作品
- マンガ・萌え絵のイラストレーション、挿絵を多用し、登場人物のキャラクターイメージや世界観設定を予め固定化している。
- キャラクターを中心として作られている
- 青少年(あるいは中高生)を読者層に想定して執筆されている
など、様々な定義が作られたが、いずれも一長一短があり、循環的な定義もあるので、どの定義も結論とはなっていない。そのため、通常「ライトノベルの定義」について語るときには、以上に挙げたものを複合的に採用しつつも「はっきりとは決めない」というスタンスに立つことが多い。その顕著な例が、巨大匿名掲示板『2ちゃんねる』内の「ライトノベル板」における定義「あなたがライトノベルと思うものがライトノベルです。ただし、他人の賛同を得られるとは限りません。」である[2]。
先掲、『このライトノベルがすごい』の作品一覧(インデックス)では、1970年代以降のSFを含む広義のファンタジー全般がライトノベルに含められており、ライトノベルレーベルで執筆した経験が皆無なベテラン作家[注 2]もライトノベル作家ということになっている。ただし、架空戦記専門の作家による架空戦記だけはライトノベルには含められていない。
また、『源氏物語』や『南総里見八犬伝』にもライトノベルと共通する特徴があるとする議論もある[14]。 これらは、読者の大部分が個々の作品や作家のファンであり、分類としての「ライトノベル」に関心を寄せているわけではないこと、それぞれの小説が分類分けとして一括りにできるほど共通性が無いことに由来する。作家側にしても発行レーベルや対象読者層等、ライトノベルとそれ以外の小説を必ずしも区別して執筆していない。また、出版社側にしても明確にライトノベルと謳っているレーベル以外では、ライトノベルとそれ以外の小説の線引きを行って出版しているわけではない。角川書店で毎年夏に展開される「発見。角川文庫 夏の100冊」においても、一般小説に混じってライトノベルが紹介されていた(2010年度版以降は『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』・『海の底』など角川文庫から刊行されている作品を除いて全く収録されていない)。
現状では「ライトノベル系レーベルから発売されている、アニメや漫画調のイラストを利用している作品群」ということで、完全ではないにしろおおむね区別できる。ただし、小野不由美や乙一の作品のようにアニメ調のイラストを使わずライトノベルレーベル以外からも発行されるケース(ライトノベル作家の一般文芸への越境)が頻繁にみられる。また、西尾維新や仁木英之の作品など、元々別の分類だと思われていたものが、後からライトノベルに含まれることもある。
大塚英志は、著書『キャラクター小説の作り方』(2003年)において、ライトノベルを「キャラクター小説」として「私小説」と対置し、マンガやアニメの中に展開されるような虚構の世界を写生する小説として、現実の(ような)世界を写生する「自然主義文学」とも対置している。また、批評家の東浩紀は、内的な基準(物語の内容)も外的な基準(レーベルやパッケージ)もライトノベルを定義するには不適当とした上で、「データベース消費」をキーワードとして「キャラクターのデータベースを環境として書かれる小説」をライトノベルであるとしている[15]。
なお、10代を主なターゲットとしている文学ジャンルには他にも児童文学があるが、ライトノベルと異なるのは、健全な世界観や倫理性のもとに構築される作品が多い点や、読み手の対象年齢を考慮した上での教育的な性格が色濃い点である[16][17]。
挿絵・イラストの重要性
ライトノベルにとっては、挿絵によるイメージと挿絵に対する読者層からの評価は、他ジャンルの小説以上に重要な意味を持つ。これは、ライトノベル読者のうち少なくない数が、イラストレーションで買う作品を選択する「イラスト買い」を行っていることに起因する。「イラスト買い」が多く行われる理由は、ライトノベルがメインのターゲットとしている層は活字よりもマンガ・アニメに親しんでいる層であるためとされている[2]。
初期のライトノベルの挿絵担当者は、安彦良和や天野喜孝に見られるような油絵・水彩画のような絵画手法をもった人物や、永井豪などのアクション作品系の漫画家、いのまたむつみ・美樹本晴彦などアニメ業界出身の当時の若手・中堅イラストレーター、都築和彦などのパソコンゲーム業界出身のイラストレーターなどが主流であった。少女文学のジャンルで1987年に花井愛子が講談社X文庫ティーンズハートの創刊に際して企画から関わり、同年、『一週間のオリーブ』を第一線で活躍する人気漫画家のイラストを採用した華やかな少女小説として出版し、これが人気を集めたのに続いて、ライトノベルでも1990年代初頭、神坂一『スレイヤーズ』の挿絵を手掛けたあらいずみるいの登場を契機としていわゆるアニメ塗りのイラストへの変革が発生した[18]。これはアニメを見慣れた世代の読者が増加するとともにそうした絵柄が支持を集めるようになったことと、ライトノベルの需要増加とともに短時間で大量のイラストを生産できる体制を確立する必要があったことに起因している[19]。1990年代後半に入るとパソコンと画像ソフトウェアの発達からCGを利用した作品も増加するようになり、美少女ゲームなどからも人気を集める絵柄のエッセンスが取り込まれるなどの動きがみられた[20]。近年のヒットメーカーのイラストレーターとしてはいとうのいぢ、ヤスダスズヒト、ブリキなどが知られている[2]。
ライトノベルでは人気イラストレーターが表紙(および挿絵)を担当するとそれだけで売り上げが伸びる効果があるとされている。榎本秋は「もちろんヒットしたのは作品が魅力的であるため」と前置きした上で、「イラストの力がそれ(売り上げ)を押し上げたのは間違いない」としている[2]。ライトノベルとは異なるジャンルの事例ではあるが、2007年に集英社が過去の名作の新装版を発行するにあたって、太宰治著『人間失格』の表紙イラストに漫画家の小畑健を起用したところ、その年の『人間失格』の売り上げが異例の9万部を記録したことがある(例年は1〜2万部)[21]。またライトノベル系挿絵画家の越境はこれに留まらず、近年では学術書・学術系小説にも進出している。2009年12月に発売された経営学系小説に分類される岩崎夏海著の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の表紙イラスト・挿絵をゆきうさぎが担当しており、ミリオンセラーを記録するヒット作となった。
この様に、ライトノベルの販売戦略において挿絵イラストにかかる割合は大きく、それだけに挿絵を描くイラストレーターの手腕やセンスは極めて重要視される。だがその裏返しとして、挿絵担当のイラストレーターが降板する事態が起きれば、小説シリーズ自体の存続にも直接に大きな影響を及ぼし、最悪の場合には打ち切りへと追い込まれることも起きてくる。なお、挿絵担当者の降板については、小説本文の作者や編集部とのトラブルや、メディアミックス展開を巡る悶着などその作品に直接係る問題以外にも、健康問題、借金や破産(任意整理)などの経済問題や知的財産権の問題、創作活動の行き詰まりによる製作放棄といった、イラストレーター側の個人的な問題やトラブル・契約違反などその理由・事情は様々である。ただし、本人や出版社・編集部や小説本文の作者は降板に至る経緯や真相を詳らかにしないことが多い[22]。
そこまでの小説自体の売れ行きが好調で、本文を書く作者に挿絵担当者の降板に関する問題や責任が無いならば、新たな挿絵担当者を起用したり全面的なリニューアルを図るなどして作品を継続させるのがその後の方針の基本と言えるが、イラストレーターの降板が起き、小説側のストックがあってもシリーズの長期中断を余儀なくされたり、あるいはその後に出版社が別の挿絵担当者を用意してシリーズを再開しても全盛期の勢いが戻らず、その後の短期間に駆け足で完結に向かう展開になったシリーズも存在する[23]。
大多数の作品に挿絵イラストが使用されている一方で、あえて挿絵やイラストを使用しない方針を取る作品もある。これは「本屋で買うのが恥ずかしい」という中高生より上の年齢層の読者の敬遠や、「イラストがあると却ってイメージが制限される」という読者に対応したものである[2]。
ライトノベルの歴史
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ライトノベル勃興期
明確なライトノベル専門のレーベルとしてではなく、後にレーベル中にライトノベルが含まれているとされている物を挙げる[24]。
- ソノラマ文庫 - 代表作『クラッシャージョウ』(1977年)、『吸血鬼ハンターD』(1983年)、『妖精作戦』(1984年)、等
- コバルト文庫 - 代表作『なんて素敵にジャパネスク』(1984年)、『丘の家のミッキー』(1984年)、等
1990年代以降
ライトノベル販売上位作品を多く出している主な少年向けレーベルを下記に記載する。
- 電撃文庫(アスキー・メディアワークス) - KADOKAWA社内ブランド
- 富士見ファンタジア文庫(富士見書房) - KADOKAWA社内ブランド
- 角川スニーカー文庫(角川書店) - KADOKAWA社内ブランド
- ファミ通文庫(エンターブレイン) - KADOKAWA社内ブランド
- スーパーダッシュ文庫(集英社) - 一ツ橋グループ系
- MF文庫J(メディアファクトリー) - KADOKAWA社内ブランド
- HJ文庫(ホビージャパン)
- GA文庫(ソフトバンククリエイティブ)
- KCG文庫(エンターブレイン) - KADOKAWA社内ブランド
- ガガガ文庫(小学館) - 一ツ橋グループ系
- 一迅社文庫(一迅社)
- メガミ文庫(学習研究社)
- なごみ文庫(ハーヴェスト出版)
- 徳間デュアル文庫(徳間書店)
- スマッシュ文庫(PHP研究所)
- KAエスマ文庫(京都アニメーション)
- このライトノベルがすごい!文庫(宝島社)
- 講談社ラノベ文庫(講談社)- 音羽グループ系
- 星海社文庫(星海社)- 音羽グループ系
- 創芸社クリア文庫(創芸社)
先述の通りライトノベルという用語が成立したのは1990年とされる。 また、1988年に角川スニーカー文庫と富士見ファンタジア文庫が刊行されると同時に『ドラゴンマガジン』が創刊され、紙面の半分程度を同文庫に収録される作品等のライトノベルに割いていた。富士見書房は1989年からファンタジア大賞(当時はファンタジア長編小説大賞)の選考を開始し、準入選に神坂一らが選ばれた。当時のミリオンセラーを列挙すると『ロードス島戦記』や『スレイヤーズ』、『フォーチュンクエスト』、『魔術士オーフェン』、『風の大陸』等が挙げられ、ここからファンタジー小説が中心にヒットしていたと言える。富士見ファンタジア文庫を持つ富士見書房は、角川書店の子会社として設立された経緯から角川書店との関係が深く、元々は国文学主体の出版社であった角川書店が出版しない書籍を富士見書房の名前で発売するという形態をとり続けた。その後、角川書店に合併されてからは角川書店富士見事業部となり、「書房」とは名乗っているものの角川書店の一部門であった。
1992年、経営上の対立から角川書店の当時の社長角川春樹の弟である角川歴彦らを中心としたメンバーが、角川書店を退社してメディアワークス(後にアスキー・メディアワークス)を設立した。角川スニーカー文庫から水野良・深沢美潮・中村うさぎ・あかほりさとる等の人気作家を引き連れて電撃文庫を創刊する。電撃文庫は当初、主婦の友社と提携し販売を行なっていたが、春樹は1993年8月29日にコカイン密輸事件で逮捕され、角川書店から事実上追放された。これによって歴彦は、角川書店側に請われて角川書店の社長も兼務することになり、メディアワークスも1999年に主婦の友社との提携を解消して角川ホールディングス傘下となる。メディアワークスは電撃小説大賞(当初は電撃ゲーム小説大賞)を1994年より開始した。1996年の川上稔、1997年の上遠野浩平、橋本紡といった受賞者が現れた。最終候補作からミリオンセラーとなった『キノの旅』、『とある魔術の禁書目録』なども出現する。
ファミ通文庫は1998年に創刊されたもので、オリジナル作品という意味では、かつてログアウト文庫で不振に終わったアスペクトのライトノベル業界への事実上の再参入であった。しかし、1999年頃、経営を悪化させた当時のアスキー(旧社)はグループ再編を行い、『週刊ファミ通』を始めとするゲーム雑誌や子会社のアスペクト(現在は独立)が手がけていたファミ通文庫などのエンターテイメント系事業を、完全子会社であるエンターブレインに集約した。その後、グループの持ち株会社であるメディアリーヴスは、ユニゾンキャピタル傘下を経て2005年に角川ホールディングスの傘下となり、旧社より社名と『月刊アスキー』他の出版事業を継承したアスキー(新社)は2008年にメディアワークスと合併し、アスキー・メディアワークスとなった。
MF文庫Jは2002年にリクルートの子会社メディアファクトリーのレーベルとして創刊され、非角川系・非一ツ橋系では最大勢力であったが、2011年に角川グループホールディングスがメディアファクトリーを買収し傘下に収めた。
このような複雑な経緯により、角川グループは少年向けライトノベルレーベルだけでも、
- 角川スニーカー文庫
- 富士見ファンタジア文庫
- MF文庫J
- 電撃文庫
- ファミ通文庫
の5つを傘下に収め、市場の7割[4][5]から8割[25](2007年。MF文庫Jは含まれていない)という圧倒的なシェアを誇るに至った。以降もそれぞれのブランドを存続し、競合させる中で個々の特色と方向性を打ち出すと共に、2007年には上記4レーベル(開催当時はグループ外のMF文庫Jを除く)で読者投票により大賞を決める「ライトノベルアワード」を開催した。
そのようなライトノベルの角川グループ寡占状態の中にあって、一般全国新聞への記事の掲載などにより注目されたためか、2000年代中盤から竹書房や小学館(ガガガ文庫、ルルル文庫、小学生向けのちゃおノベルズ、ジュニアシネマ文庫、ジュニア文庫)などの再参入(竹書房は2007年をもって再度撤退)以外にソフトバンククリエイティブ、ホビージャパン、一迅社、PHP研究所、そして講談社や京都アニメーションが独自レーベルで新規参入している。その他にも、様々な自費出版系の出版社などもライトノベルのレーベルを出版している。
2013年10月1日、角川書店および富士見書房、アスキー・メディアワークス、エンターブレイン、メディアファクトリーの5社はKADOKAWAに吸収合併されそれぞれ社内ブランド化したが各社内ブランドのレーベルは従前通り存続する。
ライトノベル作家の一般文芸への越境
昔から赤川次郎や夢枕獏、桐野夏生などライトノベルとのかかわりが深い作家は存在していたが、近年はライトノベルから一般文芸へと越境する傾向が強まってきている。中には『十二国記』や『氷菓』、『おいしいコーヒーのいれ方』など、当初はライトノベルレーベルから刊行されたものを一般文芸として売り出しているものもある。
最近ではライトノベルを読まない層にもライトノベルへの関心は広まっており、全国新聞や雑誌でもライトノベルの書評や特集が掲載されることもある[注 3]。
テレビドラマ化された「失踪HOLIDAY」や「メイド刑事」、映画化された「ブギーポップは笑わない」、テレビドラマ化された後に映画化された「半分の月がのぼる空」などのように、最近では実写化も目立つようになった。また、「All You Need Is Kill」は2014年にトム・クルーズ主演でハリウッド映画化・公開されることが決まっている。
ライトノベルレーベルも一般層向けの戦略に力を入れ始めており、各レーベルはアニメ的イラストを入れないハードカバー作品(メディアワークス)や「イラストのないライトノベル」(メディアワークス、ソフトバンククリエイティブ、集英社)などの発売を行っている。角川スニーカー文庫や富士見ミステリー文庫は宮部みゆきの『ブレイブ・ストーリー』、綾辻行人の『Another』など、一般文芸で活躍する作家のライトノベル化などを行っている。
単行本形式でのライトノベルの発表は、現在かなりの頻度で行われている[26]。単行本での発表は特にKADOKAWAの各社内ブランドや講談社、早川書房、東京創元社が精力的である。
KADOKAWA社内ブランドのアスキー・メディアワークス、角川書店は単行本発表の中心を担っており、桜庭一樹や橋本紡などのライトノベル作家を多数起用している。アスキー・メディアワークスは2009年冬に高年齢層向けの「メディアワークス文庫」を設立し、当レーベルから刊行された三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』はベストセラーとなり、ライトノベル原作としては史上初めて月9ドラマとなった。角川文庫にもライトノベルを明確に意識した作品やライトノベルの新装版(『ばいばい、アース』、『〈古典部〉シリーズ』など)が存在している。野心的な試みとして、予告映像を用意した単行本レーベル『クロス・エンタテイメント』を新設した。中高生層に人気が高い山田悠介などを起用し、ライトノベルを強烈に意識していることが伺える。2007年6月からは富士見書房がペーパーバックでのレーベルを開始した。ファミ通文庫を擁するエンターブレインは比較的、一般文芸戦略には積極的ではないが、芥川賞受賞作家である長嶋有の短編集『エロマンガ島の三人』やライトノベル的イラストを付けた海外児童文学、web小説などを中心に文芸単行本で発売している。また、2008年2月にはファミ通文庫から出ていた桜庭一樹の『赤×ピンク』を角川文庫から新装版発売した。2009年3月には『スレイヤーズ』、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『鋼殻のレギオス』など角川系のライトノベルを小学生向けに読みやすくした作品や、いとうのいぢ、okama、鶴田謙二などの人気イラストレーターを起用した作品を含む「角川つばさ文庫」をグループ各社の協力出版形式で創刊した。
集英社も、小学生向けのライトノベルレーベルである『集英社みらい文庫』を2011年4月に刊行開始し、ジャンプJブックス、スーパーダッシュ文庫、コバルト文庫で反響の大きかった作品やオリジナル作品を出している。
講談社からは、ライトノベルと一般文芸の狭間にあるものとして、2003年に文芸雑誌『ファウスト』が創刊された。レーベルでは「講談社BOX」・「ミステリーランド」の2つの単行本レーベルがライトノベルとしての側面を持つ。「講談社BOX」には西尾維新や奈須きのこの作品が、「ミステリーランド」には上遠野浩平や小野不由美の作品が存在している。また、講談社ノベルスにも林田球や副島成記ら人気漫画家・イラストレーターを起用した作品が存在しており、越前魔太郎『魔界探偵冥王星O』シリーズでは、舞城王太郎、乙一、入間人間、新城カズマらが参加して電撃文庫とのコラボレーション企画を行った。また、古参の児童文学レーベルでライトノベル的作品がラインナップに含まれる青い鳥文庫や小学生女児に特化したライトノベルレーベルのなかよし文庫も刊行している。
早川書房はSF系の、東京創元社はミステリ系のライトノベル作家の作品を刊行している。早川書房は2003年開始のレーベル「次世代型作家のリアル・フィクション」(ハヤカワ文庫JA)で冲方丁、小川一水、桜坂洋、新城カズマなどSF系ライトノベル作家の作品を刊行した。また、野尻抱介の単行本刊行、『微睡みのセフィロト』や『大久保町シリーズ』、『ふわふわの泉』などライトノベルとして刊行された旧作の復刊、藤間千歳・瀬尾つかさ・野崎まどらSF系の新鋭ライトノベル作家の新作刊行などを行っている。東京創元社はライトノベル作家としてデビューした桜庭一樹・米澤穂信の作品を刊行し、また谷原秋桜子のライトノベル作品を復刊、新作を刊行している。この2社はいわゆるライトノベル系の作品を、単行本ではなく当初から文庫本で刊行することも多い。また、近年では表紙イラストに前嶋重機やミギー、竹岡美穂らライトノベル系のイラストレーターを起用し始めている。
一方、新潮社や角川書店など、ライトノベル専門ではない大手出版社でも越境作家の作品に力をいれているところもある。新潮社は「ヤングアダルト」作品と題し、人気漫画家のイラストを表紙にした作品の発売や、『図書館内乱』の表紙でのメディアワークスとのコラボレーション(新潮社から出版された同作者の『レインツリーの国』がメディアワークスから発売された『図書館内乱』の表紙に登場している)を行っており、ライトノベル読者からの関心を寄せつつある。角川書店は積極的にライトノベル作家の越境作品を発売している。また、一般文芸誌『野性時代』『小説屋sari-sari』にも、桜庭一樹や有川浩などのライトノベル作家の作品を数多く載せている。
児童文学や純文学への越境者や一般文芸からライトノベルへやってくる作家は、一般文芸へ越境する作家に比べて非常に少ない。児童文学への越境は深沢美潮や阿智太郎、純文学への越境は舞城王太郎や佐藤友哉、一般文芸からの越境は黒史郎や清涼院流水、円城塔が存在している。また、SFや純文学の領域で活躍している筒井康隆が「史上最高齢のライトノベル作家」を自称し、ライトノベル『ビアンカ・オーバースタディ』を発表し、話題になった。
村山由佳、桜庭一樹の直木賞、乙一の本格ミステリ大賞、冲方丁の本屋大賞、佐藤友哉の三島由紀夫賞、小野不由美の山本周五郎賞などのように、ライトノベル出身でありながら、メジャーな賞を受賞する者も増えている。
ライトノベルの販売戦略
現在のライトノベルはアニメ・ゲーム業界とはメディアミックスを通じて、事実上不可分と言えるほどに密接な関係を構築している。挿絵やコミカライズなどを多くは漫画家が担当しているため、漫画業界との関係は更に深い。
そのため、ライトノベルにしてもメディアミックス展開を販売戦略の主軸に据えており、長期の人気シリーズになっている作品についてはそのほとんどが、コミカライズ及びタイアップによりアニメ化やゲーム化をされている。この傾向は特に角川系ライトノベルレーベルの作品において顕著である。ゲーム化される作品も少なくない。例として1990年代に大ヒットした富士見書房の『スレイヤーズ』などがある。人気アニメやゲームがノベライズ化され、ライトノベルのレーベルより出版される逆パターンのケースも多い。
出版社の多くはメディアミックスを重視する販売戦略の一環として、大手チェーンのアニメショップや漫画専門店などの販売データを重視している。また、これらへの重点的な配本や販売キャンペーンを行うなど、配本の特定の書店チェーンへの偏りという意味では他の文芸ジャンルとは一線を画しており、むしろ漫画本の配本方式に近いものといえる。ライトノベルの主な購買層が漫画・アニメ世代であり、この種の店舗の主たる利用者とほぼ一致するため、極めて大きな効果を上げている。
アスキー・メディアワークスは、売上げの多い書店・チェーン店を重点的に配本する販売店として指定し(「電撃組」と呼ばれる)、ある作家の前作の売り上げ数を次作の初回配本数とする、というシステムを構築している[1]。他のKADOKAWA社内ブランドも特約店制度を導入して優先的な配本を行なっている他、KADOKAWA以外の出版社も実績配本を行なっている[27]。
日本国外の動向
台湾・香港
台湾・香港では角川書店の現地法人・台湾国際角川書店がスニーカー文庫や電撃文庫の一部作品を繁体字中文に翻訳して発売している[28]。2007年には青文出版集団が集英社と独占契約を締結し「菁英文庫」(Elite Novels) のレーベル名でスーパーダッシュ文庫・コバルト文庫のタイトルを刊行[29]しているのを始め、日本では後発参入であるGA文庫やHJ文庫もそれぞれ、現地の出版社と独占ないし優先契約を締結している。太字は独占契約。
2008年には、台湾角川が主催する台湾でのライトノベル新人賞・台湾角川ライトノベル大賞が始まった。またそれ以前には、雑誌『ファウスト(台湾版)』で募集された浮文誌新人賞があった。この賞は、もともとはジャンルを限らず短編小説を募集していたが、2009年より名称を浮文字新人賞に変更し、長編のライトノベルを募集する賞として刷新された。
- 青文出版集団
- 菁英文庫(Elite Novels) - スーパーダッシュ文庫・コバルト文庫・ジャンプj-Books
- 青文文庫(CW Novels) - ファミ通文庫・ジャンプ j-Books・EXノベルズ・なごみ文庫
- 莉莉絲文庫
- 尖端出版
- 浮文字 - 電撃文庫・富士見ミステリー文庫・ファミ通文庫・ガガガ文庫・ルルル文庫・MF文庫J・GA文庫・講談社ノベルス・講談社BOX・ハヤカワ文庫JA・徳間デュアル文庫・角川スニーカー文庫
- 台湾国際角川書店
- Fantastic Novels - 角川スニーカー文庫・角川ビーンズ文庫・富士見ファンタジア文庫・富士見ミステリー文庫・電撃文庫・ファミ通文庫
- Midori Novels - 角川ビーンズ文庫・ファミ通文庫
- Ruby Series - 角川ルビー文庫
- BLOOM Series Novels
- 東立出版社
- 東立軽小説(LIGHT NOVELS) - 電撃文庫・ファミ通文庫・ガガガ文庫・ルルル文庫・MF文庫J・HJ文庫・徳間デュアル文庫・富士見ミステリー文庫
- 炫小説(SHINE NOVELS) - 集英社のジャンプj-Booksと独占契約
- 酷小説(COOL NOVELS) - ジャンプ系以外のノベライズ小説
- 銘顕文化事業
- 銘顕文化日系小説 - MF文庫J
- 台湾のオリジナルライトノベル作品も刊行している。
中国本土
天聞角川において角川系作品の翻訳版が出されている。日本のライトノベルだけでなく台湾作家の著作、中国本土作家のオリジナル作品もある。天漫軽小説というライトノベル専門誌も存在する。新人賞を設けており、長編優秀作には日本での発表もあり得るとうたっている。それ以外に西尾維新の刀語なども翻訳版が出されている。
韓国
韓国では主に大元CIや鶴山文化社、ソウル文化社が日本で人気が出たタイトルを軒並み翻訳しており、一部の大型書店であれば簡単に手に入れることができる。刊行ペースもかなり早く、日本国外では最も日本産ライトノベルを受容している国の1つといえる。
鶴山文化社はライトノベルも含め幅広いジャンル小説を対象にしたファウスト小説賞を募集している。またエクストリームノベルやD&Cメディアのシードノベルでは、賞という形を取らずに、期限などを設けず国内作家のライトノベルを募集している。
- 大元CI(DAEWON CI)
- NT Novel - 角川スニーカー文庫・富士見ファンタジア文庫・富士見ミステリー文庫・電撃文庫・スーパーダッシュ文庫・MF文庫J・ファミ通文庫
- (NTは「Newtype」の意味。大元メディアは韓国語版「Newtype」を発行している)
- Issue Novels - 角川スニーカー文庫・角川ビーンズ文庫・講談社X文庫ホワイトハート・C★NOVELS
- 鶴山文化社
- エクストリームノベル(Extreme Novel) - 角川スニーカー文庫・電撃文庫・富士見ファンタジア文庫・富士見ミステリー文庫・ファミ通文庫・MF文庫J・スーパーダッシュ文庫・EXノベルズ。韓国オリジナル作品もある。
- メイクイーンノベル(May Queen Novel) - 角川ビーンズ文庫・コバルト文庫
- ファウストノベルズ(Faust Novels) - 講談社ノベルス(雑誌『ファウスト(韓国版)』)
- Book Holic - 乙一、米澤穂信、桂望実、天野節子、舞城王太郎、有栖川有栖、橋本紡など。ライトノベル以外の作品も含む。
- ソウル文化社
- J-novel - 日本の作品の翻訳のほか、韓国作家の作品も出版する
- Wink Novels - コバルト文庫・角川ビーンズ文庫
- 映像ノート
- ノベルエンジン(NovelEngine) - 韓国作家のライトノベルを出版すると同時に日本の作品を翻訳して出版している。毎年2回くらい大賞公募が行っている。
- D&Cメディア
- シードノベル(Seed Novel) - 韓国作家のライトノベルを出版する。特に期限を設けず、ライトノベル作品の公募を行っている。
- Lノベル(L Novel) - 日本の作品の翻訳
北米
アメリカでは2004年にTOKYOPOPが「スレイヤーズ」を刊行して以降、VIZ Mediaが「灼眼のシャナ」を刊行するなど紹介されたタイトルは少数で、漫画作品に比べると翻訳出版は進んでいなかったがセブンシーズ・エンターテインメントがメディアワークスやメディアファクトリーからライセンス供与を受け2007年より「lightnovel」レーベルを新設し「しにがみのバラッド。」、「ヴぁんぷ!」、「かのこん」や「ゼロの使い魔」などを刊行[30]。台湾・韓国に続き2008年夏には講談社『ファウスト(アメリカ版)』が発売し、西尾維新、奈須きのこなどの作品が掲載された。
- TOKYOPOP
- TOKYOPOP Novels - 角川スニーカー文庫・富士見ファンタジア文庫・富士見ミステリー文庫・電撃文庫・ハヤカワ文庫JA
- Seven Seas Entertainment
- lightnovel - 電撃文庫・MF文庫J
ヨーロッパ
ヨーロッパではTOKYOPOPがドイツで主に角川グループ系やコバルト文庫の作品を翻訳出版している[31]。
ロシア
ロシアでは日本における略称「ラノベ」がそのまま単語として定着しつつある。表記は「ранобэ」で、元の略語が英語の「light novel」の省略形であることを考えると「ланове」の方がより正確だと思われるが、既に「кавасаки」(カワサキ。カニ籠漁船の意味。造船メーカー・川崎重工業が由来)と同様に日本からの外来語としてローマ字表記「ranobe」の転写である「ранобэ」が主流になっている[33]。
ガイドブック
ライトノベルの関連ジャンル
関連項目
- ライトノベル系レーベル一覧
- ライトノベル作家一覧
- ライトノベルの挿絵画家一覧
- 小説化
- オンライン作家
- ライトノベルのアニメ化作品一覧
- ライトノベルのゲーム化作品一覧
- ライトノベルの漫画化作品一覧
- ライトノベルの実写化作品一覧
注釈
- ^ テレビアニメ『無敵超人ザンボット3』の「神北恵子」を男性形に変えたハンドル。
- ^ 栗本薫、高千穂遙、富野由悠季、福井晴敏等。
- ^ 例えば「ライトノベル進化論」『読売新聞』2006年11月7日・14日・21日や『クイック・ジャパン Vol.54』 太田出版、2004年など。
出典
- ^ a b “ライトノベル完全読本”. 日経BP. 2006年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g 榎本秋『ライトノベル文学論』2008年10月、NTT出版、ISBN 978-4-7571-4199-5。
- ^ a b 『このミステリーがすごい!』編集部 『このライトノベルがすごい! 2005』 宝島社、2004年、ISBN 4-7966-4388-5。
- ^ a b 「オタク出版の研究」『出版月報』、2007年9月。
- ^ a b 「続々創刊、ライトノベル」『コラム』 出版科学研究所、2007年10月10日、2007年10月13日閲覧。
- ^ 日経キャラクターズ編集部 『ライトノベル完全読本 vol.2』 日経BP〈日経BPムック〉、2004年、ISBN 4-8222-1708-6。
- ^ 川崎拓人・飯倉義之「ラノベキャラは多重作品世界の夢を見るか?」『ライトノベル研究序説』、27-30頁。
- ^ 『ライトノベル「超」入門』(新城カズマ著)p.69
- ^ 「ライトノベル進化論】(下)「良質な青春小説」のような…?」 読売新聞社、2006年11月21日、2007年9月29日閲覧。
- ^ a b 新城カズマ 『ライトノベル「超」入門』 ソフトバンク〈ソフトバンク新書〉、2006年、ISBN 4-7973-3338-3。
- ^ 『ライトノベル「超」入門』(新城カズマ)p.35-50
- ^ 2004年に明治書院より刊行された『日本現代小説大事典』(ISBN 978-4-625-60303-7)では、コバルト文庫やスニーカー文庫を「ジュニア小説」もしくは「キャラクター小説」と分類する(P1439-1441)。
- ^ 大橋崇行「<読者>としての<ヤングアダルト>」『ライトノベル研究序説』、187頁。
- ^ 『ライトノベル「超」入門』(新城カズマ)p.205-208
- ^ 東浩紀 『ゲーム的リアリズムの誕生』 講談社、2007年、45頁。ISBN 978-4-06-149883-9。
- ^ 新城カズマ『ライトノベル「超」入門』p.42
- ^ 杉浦由美子 『ケータイ小説のリアル』 中央公論新社、2008年、92-93頁。ISBN 978-4121502797。
- ^ 『ライトノベル「超」入門』(新城カズマ)p.100-104
- ^ 『ライトノベル「超」入門』(新城カズマ)p.105-109
- ^ 『ライトノベル「超」入門』(新城カズマ)p.109-116
- ^ 「人間失格:「デスノート」の小畑健が表紙描く 異例の9万部突破」毎日jp、2007年8月23日
- ^ 例えば、『迷い猫オーバーラン』シリーズでぺこが降板したケースでは、その後に別作品に関連して作者の松智洋へのインタビューが行われた際に取材者側から質問がなされ、集英社スーパーダッシュ文庫の編集長が「編集上の事情」という理由を述べて自身が一件の全責任を負う旨の発言をしているが、詳細については伏せられたままであった。アニメ『パパのいうことを聞きなさい!』放映記念! 松智洋先生インタビュー(後編) - アキバBlog
- ^ 秋津透『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』は、シリーズ途中の第9巻で挿絵のあろひろしが降板して約1年半中断し、後につなき亜樹を起用して再開したものの、その後は3巻(全12巻)でシリーズ完結となった。同時期に秋津の別作品の挿絵を手掛けて降板した経緯を持つ真鍋譲治が自身のホームページで記しているところでは、中断当時、秋津の作品に関与していたフリーの編集者と挿絵を描いていた漫画家たちの間でトラブルがあったという。[1]
- ^ 大森望、三村美衣 『ライトノベル☆めった斬り!』太田出版、2004年。ISBN 9784872339048。
- ^ 「ガガガ文庫とルルル文庫」 全国書店新聞、2007年3月21日。
- ^ 『ライトノベル「超」入門』(新城カズマ)p.52
- ^ 「ライトノベル研究」『出版月報』 全国出版協会、2005年5月号。
- ^ Walkers Net・輕小說
- ^ CHiNGWiN Novel
- ^ gomanga.com「SEVEN SEAS ENTERTAINMENT LAUNCHES NEW "LIGHT NOVEL" IMPRINT」
- ^ TOKYOPOP - 「Romane」参照。
- ^ http://www.carlsen.de/web/manga/nippon_novel
- ^ Словарь Аниме-Терминологии(アニメ用語事典)の「ранобэ」を参照。
参考文献
- 『ライトノベル研究序説』 青弓社、2009年。ISBN 978-4-7872-9188-2。
- 榎本秋 『ライトノベル文学論』 NTT出版、2008年。ISBN 978-4-7571-4199-5。
- 大森望・三村美衣 『ライトノベル☆めった斬り!』 太田出版、2004年。ISBN 978-4-87233-904-8。
- 新城カズマ 『ライトノベル「超」入門』 ソフトバンククリエイティブ、2006年。ISBN 978-4-7973-3338-1。