「大川入山」の版間の差分
m 「浪合村」は2006年1月1日「阿智村」に編入されたため、該当部分を修正 |
各項目加筆 タグ: サイズの大幅な増減 |
||
1行目: | 1行目: | ||
{{Infobox 山 |
{{Infobox 山 |
||
|名称 = 大川入山 |
|名称 = 大川入山 |
||
|画像 = [[ファイル:Mount Okawairi from Mount Yoko s2.jpg|300px|南側の横岳方面から望む大川入山(2013年11月24日)]] |
|||
|画像 = [[画像:OokawairiyamaFromUmanose.jpg|300px]] |
|||
|画像キャプション = |
|画像キャプション = 南側の横岳方面から望む大川入山 |
||
|標高 = 1,907.<small>74</small><ref name="kijyun">{{Cite web |url=http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/ |title=基準点成果等閲覧サービス |publisher=[[国土地理院]] |accessdate=2013-12-04}}</ref> |
|||
|標高 = 1,907.7 |
|||
|座標 = {{ウィキ座標2段度分秒|35|22|55|N|137|38|38|E|type:mountain_region:JP-20|display=inline,title}} |
|座標 = {{ウィキ座標2段度分秒|35|22|55|N|137|38|38|E|type:mountain_region:JP-20|display=inline,title}}<ref name="kijyun" /> |
||
|所在地 = {{JPN}}<br />[[長野県]][[下伊那郡]][[阿智村]] |
|所在地 = {{JPN}}<br />[[長野県]][[下伊那郡]][[阿智村]]、[[平谷村]] |
||
|山系 = [[木曽山脈]] |
|山系 = [[木曽山脈]](中央アルプス) |
||
|種類 = |
|種類 = |
||
|初登頂 = |
|初登頂 = |
||
|地図 = {{Embedmap|137.6439|35.3819|300}} |
|地図 = {{Embedmap|137.6439|35.3819|300}}大川入山の位置{{日本の位置情報|35|22|55|137|38|38|大川入山|35.3819,137.6439|大川入山}} |
||
}} |
}} |
||
'''大川入山'''(おおかわいりやま)は、[[長野県]][[下伊那郡]][[阿智村]]と[[平谷村]]にまたがる[[木曽山脈]](中央アルプス)最南端にある[[標高]]1,908 [[メートル|m]]の[[山]]である<ref name="コンサイス日本山名辞典 (1992)、77頁">[[#コンサイス日本山名辞典|コンサイス日本山名辞典 (1992)、77頁]]</ref>。[[矢作川]][[水系]]および[[天竜川]]水系和知野川の[[支流]]の大川入川の[[水源|源流]]となる山である<ref name="日本山岳会 (2005)、995-996頁">[[#新日本山岳誌|日本山岳会 (2005)、995-996頁]]</ref>。 |
|||
'''大川入山'''(おおかわいりやま)は、[[長野県]]の[[木曽山脈]]最南端にある[[山]]である。[[標高]]1,908m。 |
|||
== 概要 == |
== 概要 == |
||
[[塩の道 (日本)|三州街道]]からは大きな山容を望むことができる<ref name="余呉 (2010)、98-99頁">[[#名古屋周辺の山|余呉 (2010)、98-99頁]]</ref>。山頂部は見晴らしが良く、[[御嶽山 (長野県)|御嶽山]]、[[飛騨山脈|北アルプス]]、中央アルプス、[[八ヶ岳]]、[[伊那谷]]、[[赤石山脈|南アルプス]]などの眺望がよい<ref name="余呉 (2010)、98-99頁" /><ref name="垣外 (2000)、177-179頁">[[#アルペンガイド|垣外 (2000)、177-179頁]]</ref><ref name="日本の山1000 (1992)、356頁">[[#日本の山1000|日本の山1000 (1992)、356頁]]</ref>。また、[[三河国|三河]]方面の山並みも望める。山頂部の南側と西側は[[原生林]]が伐採され、その後生育した[[クマザサ]]に覆われた笹原で<ref name="余呉 (2010)、98-99頁" /><ref name="垣外富士男 (1998)、70-71頁" />、[[コメツガ]]と[[トウヒ]]などが分布する[[亜高山帯針葉樹林]]<ref name="日本山岳会 (2005)、995-996頁" />。山名の「入」は[[谷]]の奥、山寄りを意味する<ref name="日本山岳会 (2005)、995-996頁" />。山域は長野県の[[中央アルプス県立自然公園]]の指定区域に含まれない<ref>{{Cite web |url=http://www.pref.nagano.lg.jp/shizenhogo/kurashi/shizen/koen/documents/map240331_1.pdf |title=長野県の自然公園・県自然環境保全地域マップPDFデータ |publisher=長野県 |date=2012-03-31 |format=PDF |accessdate=2013-12-03}}</ref>。 |
|||
山頂は見晴らしが良く、[[赤石山脈|南アルプス]]や[[恵那山]]の眺望がよい。また、[[三河国|三河]]方面の山並みも望める。 |
|||
以前はあまり知られていない山であったが、地元自治体により[[登山道]]が整備され、[[東海地方]]からの登山者が増えている。 |
|||
以前はあまり知られていない山であったが、地元自治体により[[ササ]]ヤブ刈りなどの[[登山道]]が整備され、[[東海地方]]からの登山者が増えている<ref name="垣外 (2000)、177-179頁" /><ref name="日本の山1000 (1992)、356頁" /><ref name="伊部 (2006)、344-347頁">[[#長野県中信・南信日帰りの山|伊部 (2006)、344-347頁]]</ref>。麓の治部坂では[[リゾート開発]]が行われ、スキー場、[[日帰り入浴施設|温泉施設]]、[[別荘|別荘地]]、観光センター、大[[駐車場]]などがある<ref name="垣外富士男 (1998)、70-71頁">[[#分県登山ガイド長野県の山|垣外富士男 (1998)、70-71頁]]</ref>。[[信州百名山]]のひとつに選定されている<ref>[[#信州百名山|清水榮一 (1990)]]</ref>。 |
|||
== 登山コース == |
|||
* 治部坂コース |
|||
* あららぎ高原コース |
|||
== |
== 登山 == |
||
大川入山は[[登山]]対象とされている山で、[[1970年]]ごろに<ref name="日本山岳会 (2005)、995-996頁" />治部坂と[[あららぎ高原スキー場]]の2方向からの[[登山道]]が開設された<ref name="垣外 (2000)、177-179頁" /><ref name="伊部 (2006)、344-347頁" />。治部坂峠のコースの方が多く利用されている<ref name="伊部 (2006)、344-347頁" />。春先まで残雪があり、登山適期は5-11月<ref name="垣外富士男 (1998)、70-71頁" />。山頂からは南アルプスの[[上河内岳]]と[[茶臼岳 (赤石山脈)|茶臼岳]]との間の稜線越しに[[富士山]]の山頂部をわずかに望むことができる。 |
|||
* 『新日本山岳誌』[[ナカニシヤ出版]]、ISBN 4-7795-0000-1 |
|||
=== 治部坂からのコース === |
|||
* 『新・分県登山ガイド(改訂版) 長野県の山』[[山と渓谷#山と溪谷社|山と溪谷社]]、ISBN 978-4-635-02365-8 |
|||
経路:治部坂 - 横岳(標高1,574 m) - 標高点1,616 m - [[ブナ林]] 四等三角点(点名「もみじ平」、標高1,683.<small>00</small> m)<ref name="kijyun" /> - コル - 大川入山<ref name="余呉 (2010)、98-99頁" /><ref name="垣外 (2000)、177-179頁" /> |
|||
* 『(改訂新版) 名古屋周辺の山』山と溪谷社、ISBN 978-4-635-18017-7 |
|||
横岳山頂には、三等三角点(点名が「横岳」、標高1574.<small>02</small> m)<ref name="kijyun" />とベンチが設置されていて、[[針葉樹林]]の中で展望がない<ref name="伊部 (2006)、344-347頁" />。横岳付近から大川入山までは阿智村(旧[[浪合村]])と平谷村との境界の尾根に沿ったルートであり、横岳の先の標高1,600 mほどの地点にはベンチが設置されていて、中央アルプスや[[赤石山脈|南アルプス]]などの展望が優れる<ref name="伊部 (2006)、344-347頁" />。中間の行程は緩やかな上り坂で、序盤と終盤は急な上り坂である。登山道では[[イワウチワ]]、[[ショウジョウバカマ]]、[[ツルリンドウ]]、[[マイヅルソウ]]などの花が見られる。 |
|||
=== あららぎ高原スキー場からのコース === |
|||
経路:あららぎ高原スキー場 - 標高点1,724 m - 大川入山北方稜線合流点 - 大川入山<ref name="伊部 (2006)、344-347頁" /> |
|||
尾根に沿った登山道には、コメツガ、トウヒ、[[モミ]]、[[ダケカンバ]]、[[ナナカマド]]、[[ドウダンツツジ]]などの植物が分布している<ref name="垣外 (2000)、177-179頁" />。 |
|||
=== 山頂部からの眺望 === |
|||
<gallery widths="150"> |
|||
Mount Ontake from Mount Okawairi.jpg|[[御嶽山 (長野県)|御嶽山]] |
|||
Kiso Mountains from Mount Okawairi.jpg|[[木曽山脈|木曽山脈(中央アルプス)]] |
|||
Akaishi Mountains from Mount Okawairi with note.JPG|[[赤石山脈|赤石山脈(南アルプス)]] |
|||
Mount Fuji from Mount Okawairi.JPG|南アルプスの[[上河内岳]]と[[茶臼岳 (赤石山脈)|茶臼岳]]との間の稜線越しに[[富士山]]の山頂部 |
|||
</gallery> |
|||
== 地理 == |
|||
木曽山脈(中央アルプス)最南端に位置し、[[恵那山]]群の一峰で<ref name="コンサイス日本山名辞典 (1992)、77頁" />、恵那山から南東に延びる稜線上にある。 |
|||
=== 周辺の山 === |
|||
[[ファイル:Kiso Mountains from Mount Chausu with note.jpg|300px|サムネイル|右|[[:ja:茶臼山 (愛知県・長野県)|茶臼山]]から望む[[木曽山脈|中央アルプス]](左から焼山、[[:ja:恵那山|恵那山]]、大川入山、蛇峠山)]] |
|||
大川入山と恵那山との間にある標高1,921 mのピーク(四等三角点、点名が「波合山」、標高1,921<small>.10</small> m<ref name="kijyun" />)は、'''恩田大川入山'''と呼ばれている。 |
|||
{| class="wikitable" |
|||
!山容 |
|||
!山名 |
|||
![[標高]]<br>([[メートル|m]])<ref name="kijyun" /><ref name="kokudo">{{Cite web |url=http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MOUNTAIN/mountain.html |title=日本の主な山岳標高(岐阜県の山)|publisher=国土地理院 |accessdate=2013-12-02}}</ref> |
|||
![[三角点]]等級<br />基準点名<ref name="kijyun" /> |
|||
!大川入山からの<br>方角と[[距離]]([[キロメートル|km]]) |
|||
!備考 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Mount Ena from Mount Okawairi.jpg|80px|大川入山から望む恵那山(左奥)、手前に恩田大川入山、右奥に御嶽山(2013年11月24日)]] |
|||
|[[恵那山]] |
|||
|style="text-align:right;"|2,191 |
|||
|(一等)「恵那山」<br>(2,189.<small>81</small> m) |
|||
|{{direction2|NNW}} 8.1 |
|||
|<small>[[日本百名山]]、信州百名山<br />[[新・花の百名山]]、[[ぎふ百山]]</small> |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Mount_Yake_from_Mount_Ena_2010-12-12.jpg|80px|恵那山から望む焼山(2010年12月12日)]] |
|||
|[[焼山]] |
|||
|style="text-align:right;"|1,709.<small>17</small> |
|||
| 三等<br />「焼山」 |
|||
|{{direction2|WNW}} 7.6 |
|||
| |
|||
|- style="background-color:#ccc" |
|||
|[[ファイル:Mount Okawairi from Mount Chausu.JPG|80px|茶臼山から望む大川入山(2013年11月12日)]] |
|||
|'''大川入山''' |
|||
|style="text-align:right;"|1,907.<small>74</small> |
|||
| 二等<br />「大川入」 |
|||
|{{direction2|O}} 0 |
|||
|<small>[[信州百名山]]</small> |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Mount Jatoge from Mount Okawairi.jpg|80px|大川入山から望む蛇峠山(2013年11月24日)]] |
|||
|[[蛇峠山]] |
|||
|style="text-align:right;"|1,663.<small>58</small> |
|||
| 二等<br />「蛇峠」 |
|||
|{{direction2|SE}} 6.0 |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Mount Mikuni and Mount Ofuna from Mount Okawairi.jpg|80px|大川入山から望む三国山と大船山、その右側の大船牧場に上矢作風力発電所の13基の風車が並ぶ(2013年11月24日)]] |
|||
|[[三国山 (岐阜県)#岐阜県・長野県・愛知県境|三国山]] |
|||
|style="text-align:right;"|1,161.<small>62</small> |
|||
| 二等<br />「三国」 |
|||
|{{direction2|SW}} 12.7 |
|||
|長野県と[[岐阜県]]と[[愛知県]]との国境 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Mount Chausu from Mount Yoko.jpg|80px|大川入山(横岳付近)から望む茶臼山(2013年11月24日)]] |
|||
|[[茶臼山 (愛知県・長野県)|茶臼山]] |
|||
|style="text-align:right;"|1,415.<small>23</small> |
|||
| 二等<br />「茶臼山」 |
|||
|{{direction2|S}} 17.2 |
|||
|[[各都道府県の最高峰|愛知県の最高峰]] |
|||
|} |
|||
=== 源流の河川 === |
|||
以下の[[太平洋側]]へ流れる[[河川]]の源流となる山である。 |
|||
* 柳川 - [[矢作川]]の[[支流]]<ref name="日本山岳会 (2005)、995-996頁" />。[[三河湾]]へ流れる。 |
|||
* 大川入川、治部坂川の支流 - [[天竜川]][[水系]]和知野川の支流<ref name="日本山岳会 (2005)、995-996頁" />。[[遠州灘]]へ流れる。 |
|||
=== 周辺の峠 === |
|||
周辺には以下の[[峠]]がある。 |
|||
* [[治部坂峠]] - 大川入山と蛇峠山との鞍部。標高1,187 m。国道153号が通る。 |
|||
* [[寒原峠]] - 三階峰と松沢山との鞍部。標高1,073 m。国道153号が通る。 |
|||
=== 周辺のスキー場 === |
|||
周辺には以下の[[スキー場]]がある。 |
|||
* [[治部坂高原スキー場]] - 大川入山の南東にある蛇峠山の北西山腹にある。 |
|||
* [[あららぎ高原スキー場]] - 大川入山の北東山腹にある。 |
|||
=== 交通・アクセス === |
|||
東側の山麓に[[国道153号]]が通る。国道153号の治部坂の登山道入口には[[デンソー]]リゾート治部坂こまくさの[[保養所]]がある<ref name="垣外富士男 (1998)、70-71頁" />。 |
|||
* [[東海旅客鉄道|JR東海]][[中央本線]]の[[中津川駅]]の南東18 kmに位置し<ref name="コンサイス日本山名辞典 (1992)、77頁" />、JR東海[[飯田線]]の[[飯田駅]]の南西22 kmに位置する。 |
|||
* [[三遠南信自動車道]]との[[ジャンクション (道路)|ジャンクション]]を兼ねた[[中央自動車道]]の[[飯田山本インターチェンジ]]の南西14 kmに位置する。 |
|||
== 脚注 == |
|||
{{脚注ヘルプ}} |
|||
{{reflist|2}} |
|||
== 参考文献 == |
|||
* {{Cite book|和書 |author=伊部高夫 |year=2006 |month=09 |title=長野県中信・南信日帰りの山―120山/188コース |publisher=[[章文館]] |isbn=4901742051 |ref=長野県中信・南信日帰りの山}} |
|||
* {{Cite book|和書 |date=1998-09-15 |author=垣外富士男、津野祐司、池上立、中山秀幸 |title=長野県の山 |series=分県登山ガイド |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |isbn=4635021750 |ref=分県登山ガイド長野県の山}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author=垣外富士男、羽場崎清人|date=2000-04 |title=中央アルプス |series=ヤマケイ アルペンガイド20 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4635013200 |ref=アルペンガイド}} |
|||
* {{Cite book|和書 |editor=徳久球雄(編集) |date=1992-10 |title=コンサイス日本山名辞典 |publisher=[[三省堂]] |isbn=4-385-15403-1 |edition=修訂版 |ref=コンサイス日本山名辞典}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author=清水榮一 |year=1990 |month=5 |title=決定版 信州百名山 |publisher=[[桐原書店]] |edition=改訂版 |isbn=4342752700 |ref=信州百名山}} |
|||
* {{Cite book|和書 |editor=[[日本山岳会]] |year=2005 |month=11 |title=新日本山岳誌 |publisher=[[ナカニシヤ出版]] |isbn=4-779-50000-1|ref=新日本山岳誌}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author= |year=1992 |month=08 |title=日本の山1000 |series=山溪カラー名鑑 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4635090256 |ref=日本の山1000}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author=余呉日出夫 |editor=山と溪谷社(編集) |date=2010-07-28 |title=改訂新版 名古屋周辺の山 |series=週末登山コースの百科事典 |publisher=山と溪谷社 |isbn=978-4635180177 |ref=名古屋周辺の山}} |
|||
* 『新・分県登山ガイド(改訂版) 長野県の山』山と溪谷社、ISBN 978-4-635-02365-8 |
|||
* 『東海・北陸の200秀山 下(東海・信州編)』[[中日新聞社]]、ISBN 978-4-8062-0599-9 |
* 『東海・北陸の200秀山 下(東海・信州編)』[[中日新聞社]]、ISBN 978-4-8062-0599-9 |
||
== 関連項目 == |
|||
{{Commonscat|Mount Ōkawairi}} |
|||
* [[木曽山脈]] |
|||
== 外部リンク == |
|||
* [http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=137.64225888889&latitude=35.382879527778 地図閲覧サービス・大川入山] [[国土地理院]] |
|||
* [http://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/kad.html?code=20150055&type=15&ba=kk 大川入山の天気] [[日本気象]] |
|||
{{mountain-stub|pref=長野県}} |
{{mountain-stub|pref=長野県}} |
2013年12月4日 (水) 13:03時点における版
大川入山 | |
---|---|
南側の横岳方面から望む大川入山 | |
標高 | 1,907.74[1] m |
所在地 |
日本 長野県下伊那郡阿智村、平谷村 |
位置 | 北緯35度22分55秒 東経137度38分38秒 / 北緯35.38194度 東経137.64389度座標: 北緯35度22分55秒 東経137度38分38秒 / 北緯35.38194度 東経137.64389度[1] |
山系 | 木曽山脈(中央アルプス) |
大川入山の位置 | |
プロジェクト 山 |
大川入山(おおかわいりやま)は、長野県下伊那郡阿智村と平谷村にまたがる木曽山脈(中央アルプス)最南端にある標高1,908 mの山である[2]。矢作川水系および天竜川水系和知野川の支流の大川入川の源流となる山である[3]。
概要
三州街道からは大きな山容を望むことができる[4]。山頂部は見晴らしが良く、御嶽山、北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、伊那谷、南アルプスなどの眺望がよい[4][5][6]。また、三河方面の山並みも望める。山頂部の南側と西側は原生林が伐採され、その後生育したクマザサに覆われた笹原で[4][7]、コメツガとトウヒなどが分布する亜高山帯針葉樹林[3]。山名の「入」は谷の奥、山寄りを意味する[3]。山域は長野県の中央アルプス県立自然公園の指定区域に含まれない[8]。
以前はあまり知られていない山であったが、地元自治体によりササヤブ刈りなどの登山道が整備され、東海地方からの登山者が増えている[5][6][9]。麓の治部坂ではリゾート開発が行われ、スキー場、温泉施設、別荘地、観光センター、大駐車場などがある[7]。信州百名山のひとつに選定されている[10]。
登山
大川入山は登山対象とされている山で、1970年ごろに[3]治部坂とあららぎ高原スキー場の2方向からの登山道が開設された[5][9]。治部坂峠のコースの方が多く利用されている[9]。春先まで残雪があり、登山適期は5-11月[7]。山頂からは南アルプスの上河内岳と茶臼岳との間の稜線越しに富士山の山頂部をわずかに望むことができる。
治部坂からのコース
経路:治部坂 - 横岳(標高1,574 m) - 標高点1,616 m - ブナ林 四等三角点(点名「もみじ平」、標高1,683.00 m)[1] - コル - 大川入山[4][5]
横岳山頂には、三等三角点(点名が「横岳」、標高1574.02 m)[1]とベンチが設置されていて、針葉樹林の中で展望がない[9]。横岳付近から大川入山までは阿智村(旧浪合村)と平谷村との境界の尾根に沿ったルートであり、横岳の先の標高1,600 mほどの地点にはベンチが設置されていて、中央アルプスや南アルプスなどの展望が優れる[9]。中間の行程は緩やかな上り坂で、序盤と終盤は急な上り坂である。登山道ではイワウチワ、ショウジョウバカマ、ツルリンドウ、マイヅルソウなどの花が見られる。
あららぎ高原スキー場からのコース
経路:あららぎ高原スキー場 - 標高点1,724 m - 大川入山北方稜線合流点 - 大川入山[9]
尾根に沿った登山道には、コメツガ、トウヒ、モミ、ダケカンバ、ナナカマド、ドウダンツツジなどの植物が分布している[5]。
山頂部からの眺望
地理
木曽山脈(中央アルプス)最南端に位置し、恵那山群の一峰で[2]、恵那山から南東に延びる稜線上にある。
周辺の山
大川入山と恵那山との間にある標高1,921 mのピーク(四等三角点、点名が「波合山」、標高1,921.10 m[1])は、恩田大川入山と呼ばれている。
山容 | 山名 | 標高 (m)[1][11] |
三角点等級 基準点名[1] |
大川入山からの 方角と距離(km) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
恵那山 | 2,191 | (一等)「恵那山」 (2,189.81 m) |
北北西 8.1 | 日本百名山、信州百名山 新・花の百名山、ぎふ百山 | |
焼山 | 1,709.17 | 三等 「焼山」 |
西北西 7.6 | ||
大川入山 | 1,907.74 | 二等 「大川入」 |
0 | 信州百名山 | |
蛇峠山 | 1,663.58 | 二等 「蛇峠」 |
南東 6.0 | ||
三国山 | 1,161.62 | 二等 「三国」 |
南西 12.7 | 長野県と岐阜県と愛知県との国境 | |
茶臼山 | 1,415.23 | 二等 「茶臼山」 |
南 17.2 | 愛知県の最高峰 |
源流の河川
周辺の峠
周辺には以下の峠がある。
周辺のスキー場
周辺には以下のスキー場がある。
- 治部坂高原スキー場 - 大川入山の南東にある蛇峠山の北西山腹にある。
- あららぎ高原スキー場 - 大川入山の北東山腹にある。
交通・アクセス
東側の山麓に国道153号が通る。国道153号の治部坂の登山道入口にはデンソーリゾート治部坂こまくさの保養所がある[7]。
- JR東海中央本線の中津川駅の南東18 kmに位置し[2]、JR東海飯田線の飯田駅の南西22 kmに位置する。
- 三遠南信自動車道とのジャンクションを兼ねた中央自動車道の飯田山本インターチェンジの南西14 kmに位置する。
脚注
- ^ a b c d e f g “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2013年12月4日閲覧。
- ^ a b c コンサイス日本山名辞典 (1992)、77頁
- ^ a b c d e f 日本山岳会 (2005)、995-996頁
- ^ a b c d 余呉 (2010)、98-99頁
- ^ a b c d e 垣外 (2000)、177-179頁
- ^ a b 日本の山1000 (1992)、356頁
- ^ a b c d 垣外富士男 (1998)、70-71頁
- ^ “長野県の自然公園・県自然環境保全地域マップPDFデータ” (PDF). 長野県 (2012年3月31日). 2013年12月3日閲覧。
- ^ a b c d e f 伊部 (2006)、344-347頁
- ^ 清水榮一 (1990)
- ^ “日本の主な山岳標高(岐阜県の山)”. 国土地理院. 2013年12月2日閲覧。
参考文献
- 伊部高夫『長野県中信・南信日帰りの山―120山/188コース』章文館、2006年9月。ISBN 4901742051。
- 垣外富士男、津野祐司、池上立、中山秀幸『長野県の山』山と溪谷社〈分県登山ガイド〉、1998年9月15日。ISBN 4635021750。
- 垣外富士男、羽場崎清人『中央アルプス』山と溪谷社〈ヤマケイ アルペンガイド20〉、2000年4月。ISBN 4635013200。
- 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。
- 清水榮一『決定版 信州百名山』(改訂版)桐原書店、1990年5月。ISBN 4342752700。
- 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1。
- 『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月。ISBN 4635090256。
- 余呉日出夫 著、山と溪谷社(編集) 編『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2010年7月28日。ISBN 978-4635180177。
- 『新・分県登山ガイド(改訂版) 長野県の山』山と溪谷社、ISBN 978-4-635-02365-8
- 『東海・北陸の200秀山 下(東海・信州編)』中日新聞社、ISBN 978-4-8062-0599-9