「御嶽山」の版間の差分
ミヤマアキノキリンソウなど |
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|種類=[[成層火山]] [[活火山]]ランクB |
|種類=[[成層火山]] [[活火山]]ランクB |
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|地図={{Embedmap|137.480222|35.892748|300}}御嶽山の位置{{日本の位置情報|35|53|34|137|28|49|御嶽山(飯田)|35.892748,137.480222|御嶽山}}}} |
|地図={{Embedmap|137.480222|35.892748|300}}御嶽山の位置{{日本の位置情報|35|53|34|137|28|49|御嶽山(飯田)|35.892748,137.480222|御嶽山}}}} |
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'''御嶽山'''(おんたけさん)は、[[長野県]]と[[岐阜県]]にまたがり、[[火山帯#乗鞍火山帯|乗鞍火山帯]]の最南部位置する[[標高]]3,067 [[メートル|m]]の複合[[成層火山]]である。大きな裾野を広げる独立峰である。 |
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[[File:Mt.Ontake and Mt.Norikuradake from Mt.Yatsugatake 01.jpg|thumb|right|240px|[[八ヶ岳]]から望む御嶽山(左)と[[乗鞍岳]](右)]] |
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'''御嶽山'''(おんたけさん)は、[[長野県]]と[[岐阜県]]の境界にある[[標高]]3,067[[メートル|m]]の[[火山]]である。[[日本百名山]]<ref name="fukada">{{Cite book|和書 |author=[[深田久弥]] |year=1982 |month=7 |title=日本百名山 |publisher=[[朝日新聞社]] |isbn=4-02-260871-4 |pages=pp.227-230}}</ref>、[[新日本百名山]]<ref>{{Cite book|和書 |author=[[岩崎元郎]] |year=2006 |month=3 |title=新日本百名山登山ガイド〈下〉 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4635530477 |pages=pp.49-51}}</ref>、[[花の百名山]]<ref name="hana">{{Cite book|和書 |author=[[田中澄江]] |year=1997 |month=6 |title=花の百名山 |publisher=[[文春文庫]] |isbn=4-16-352790-7 |pages=pp.274-277}}</ref>に選定されている巨大な独立峰である。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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'''木曽御嶽山'''や'''御嶽'''とも称する。また、嶽の字体を新字体で表記した'''御岳山'''や'''御岳'''などと表記されることも多い。[[日本の山一覧 (3000m峰)|標高3,000mを超える山]]としては日本国内で最も西に位置する。<ref>厳密には御嶽山の最高点である剣ヶ峰の西北に位置する外輪山に、3,053.4mの小ピークがある。(1:5,000国土基本図(火山基本図)御岳山-国土地理院発行)</ref>山頂には[[一等三角点]](3,063.<small>41</small>m、点名「御岳山」)<ref name="kijyun">{{Cite web |url=http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/|title=基準点成果等閲覧サービス |publisher=[[国土地理院]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>と[[神社]]がある。 |
'''木曽御嶽山'''や'''御嶽'''とも称する。また、嶽の字体を新字体で表記した'''御岳山'''や'''御岳'''などと表記されることも多い。[[日本の山一覧 (3000m峰)|標高3,000mを超える山]]としては日本国内で最も西に位置する。日本には[[御嶽山|同名の山(御嶽山・御岳山)]]が多数あり、その最高峰である。<ref>厳密には御嶽山の最高点である剣ヶ峰の西北に位置する外輪山に、3,053.4mの小ピークがある。(1:5,000国土基本図(火山基本図)御岳山-国土地理院発行)</ref>山頂には[[一等三角点]](3,063.<small>41</small> m、点名「御岳山」)<ref name="kijyun">{{Cite web |url=http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/ |title=基準点成果等閲覧サービス |publisher=[[国土地理院]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>と[[御嶽神社]]がある。 |
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[[File:御嶽山三ノ池.JPG|thumb|right|200px|継子岳と三ノ池([[火口湖]])]] |
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古くから[[信仰]]の[[山]]として[[信者]]の畏敬を集めてきた巨峰で、いくつもの[[峰]]を連ねてそびえる[[活火山]]である。著名な[[民謡]]である[[木曽節]]にもこの山の名(木曽のおんたけさん)が歌われており、神聖な信仰の山であるとともに、木曽を代表する山として親しまれている。 |
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古くから[[信仰]]の[[山]]として[[信者]]の畏敬を集めてきた巨峰で、いくつもの[[峰]]を連ねてそびえる[[活火山]]である。著名な[[民謡]]である[[木曽節]]にもこの山の名(木曽のおんたけさん)が歌われており、神聖な信仰の山であるとともに、木曽を代表する山として親しまれている。[[日本百名山]]<ref name="fukada">{{Cite book|和書 |author=[[深田久弥]] |year=1982 |month=7 |title=日本百名山 |publisher=[[朝日新聞社]] |isbn=4-02-260871-4 |pages=pp.227-230}}</ref>、[[新日本百名山]]<ref>{{Cite book|和書 |author=[[岩崎元郎]] |year=2006 |month=3 |title=新日本百名山登山ガイド〈下〉 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4635530477 |pages=pp.49-51}}</ref>、[[花の百名山]]<ref name="hana">{{Cite book|和書 |author=[[田中澄江]] |year=1997 |month=6 |title=花の百名山 |publisher=[[文春文庫]] |isbn=4-16-352790-7 |pages=pp.274-277}}</ref>、[[ぎふ百山]]<ref>{{Cite book|和書 |author=岐阜県山岳連盟 |year=1987 |month=7 |title=ぎふ百山 |publisher=[[岐阜新聞社]] |pages= |isbn=4905958474}}</ref>に選定されている。 |
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[[国立公園]]に指定されている[[飛騨山脈]]や[[赤石山脈]]と異なり、[[木曽山脈]]とともに[[国定公園]]にさえも指定されていない。長野県の[[御岳県立自然公園]]および岐阜県の[[御嶽山県立自然公園]]には指定されているものの、国立・国定公園に指定されなかったのは、木曽[[ヒノキ]]を主とする[[林業]]の盛んな地域であるという事情がある。 |
[[国立公園]]に指定されている[[飛騨山脈]]や[[赤石山脈]]と異なり、[[木曽山脈]]とともに[[国定公園]]にさえも指定されていない。長野県の[[御岳県立自然公園]]および岐阜県の[[御嶽山県立自然公園]]には指定されているものの、国立・国定公園に指定されなかったのは、木曽[[ヒノキ]]を主とする[[林業]]の盛んな地域であるという事情がある。山腹は深い森で覆われ多くの滝があり、[[木曽川]][[水系]]の源流部の山であり、その下流部である[[中京圏]]の水がめとなっている。 |
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== 山名の由来 == |
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古くは修験者がこの山に対する[[尊称]]として「王の御嶽」(おうのみたけ)と称して、「王嶽」(おうたけ)となった<ref name="sangakushi">{{Cite book|和書 |editor=[[日本山岳会]] |year=2005 |month=11 |title=新日本山岳誌 |publisher=[[ナカニシヤ出版]] |isbn=4-779-50000-1|pages=pp.972-973}}</ref>。その後「御嶽」に変わったとされている<ref name="hinoseiyaku">{{Cite web |url=http://hino-seiyaku.com/try/020.html |title=御嶽山整備事業 |publisher=[[日野製薬]] |accessdate=2011-10-05}}</ref>。 |
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御嶽山は[[北アルプス]]こと[[飛騨山脈]]の延長線上にあり、[[北アルプス]]に含めるという説もあるが、北側の[[乗鞍岳]]との間には稜線らしき峰々はほとんどないため、一般的には御嶽山は飛騨山脈は含まれないというのが定説である(ただし、旧[[乗鞍火山帯]]には含まれる)。しかし、間を横切る河川は1本もないのも事実であり、明確な結論は出ていない。著名登山家でも意見は分かれている。なお、ガイドブック等で[[日本アルプス]]を3つに分けて紹介する場合、[[木曽山脈|中央アルプス]]の山数が少ないので御嶽山を中央アルプスと合わせて掲載されるケースが多々ある。このため、御嶽山を中央アルプスの山と思いこんでいる人も数多く存在するが、中央アルプスとの間には[[木曽川]]が流れており、明らかに中央アルプスには属さない。[[国土地理院]]の日本の主な山岳標高の一覧では、[[鎌ヶ峰]]までが「飛騨山脈南部」、御嶽山は「御嶽山とその周辺」とされている<ref name="kokudo" />。 |
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== 地勢 == |
== 火山・地勢 == |
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[[File:Mount Ontake from Nomugitoge ski resort 2008-04-25.jpg|thumb|right|240px|[[信州松本野麦峠スキー場 ]]から望む雲海に浮かぶ御嶽山、右端が「日和田富士」と呼ばれる継子岳]] |
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[[File:御嶽山三ノ池.JPG|thumb|right|240px|継子岳と三ノ池([[火口湖]])]] |
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剣ヶ峰を主峰にして、摩利支天山 |
剣ヶ峰を主峰にして、摩利支天山(2,959.2 m) 、継子岳(2,858.9 m) 、継母岳(2,867 m) などの[[カルデラ#外輪山|外輪山]]があり、南北約3.5 [[キロメートル|km]]の山頂部による台形の山容である。北端の継子岳は比較的新しい山体の成層火山で、北側山麓から見ると、他の峰が隠れて見えないためきれいな円錐形をしており、[[郷土富士]]として「日和田富士」とも呼ばれている。なお、長野県側に[[寄生火山]]として三笠山(2,256 m)、小三笠山(2,029 m)がある。最高点の剣ヶ峰は長野県に位置し、王滝口登山道の外輪山との合流部が「王滝頂上」(標高点2,936 m)<ref>{{Cite web |url=http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=137.4825056&latitude=35.88869167 |title=地図閲覧サービス(王滝頂上) |publisher=国土地理院 |accessdate=2011-10-05}}</ref>、小坂口との合流部が「飛騨頂上」(標高2,811 m)である。火山灰の堆積した裾野は広く、長野県側の麓の傾斜地では濃い色の火山灰が耕地を覆っていて、高地の開田高原は[[蕎麦]]の産地として知られている<ref name="sangakushi" />。2007年(平成19年)3月、日本の地質百選選定委員会が「[[日本の地質百選]]」の第1期選定として全国83箇所を選定し、[[5月10日]]に発表され、その1つに御嶽山が選ばれている。 |
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{| class="wikitable" |
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御嶽山には、5つの[[湖#発生による分類|火口湖]]があり、一ノ池から五ノ池の名前がついている。そのうち、水をたたえているのは、二ノ池、三ノ池、五ノ池である。二ノ池は日本で最も高いところ(2,905m) にある湖沼である。四ノ池は[[湿原|高層湿原]]となっていて、小川が流れており、[[高山植物]]の群生地となっている。なお、二ノ池北西の斜面の下、賽の河原との間に小さな窪地があり、多雨期には水がたまる。これを六ノ池と呼ぶことがある。賽の河原の西端、シン谷へ落ち込むところに日本最高所の滝 (2,800m) がある。この谷は兵衛谷となり濁河川と合流し小坂川となって、[[飛騨川]]に注いでいる。よく、四ノ池から落ちる滝が日本最高所の滝と言われているが、四ノ池の標高は2,690mであるため誤りである。 |
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!山容 |
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!山名 |
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![[標高]]<ref name="kokudo" /><ref name="kijyun" /><br>([[メートル|m]]) |
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![[三角点]]等級<br />基準点名<ref name="kijyun" /> |
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!剣ヶ峰からの<br />方角と[[距離]]([[キロメートル|km]]) |
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|- |
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|[[File:Gonoike and Mount Mamako from Mounr Marishiten 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''継子岳''' |
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|2,858.<small>93</small> |
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| 三等「継子岳」 |
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|{{direction|N}}北 2.7 |
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|- |
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|[[File:Morishitensan from Sainokawara 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''摩利支天山''' |
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|2,959.<small>24</small> |
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| 三等「御岳」 |
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|{{direction|NNW}}北北西 1.4 |
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|- style="background-color:#ccc;" |
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|[[File:Ontakesan from OtakiTop 2010-8-27.JPG|80px]] |
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|'''[[剣ヶ峰]]'''<br /><small>(最高点)</small> |
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|3,067 |
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|(一等)「御岳山」<br />(3,063.<small>41</small>m) |
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|{{direction|O}} 0 |
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|- |
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|[[File:Mount Mamahaha and Mount Haku from Okunoin 2010-08-27.jpg|80px]] |
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|'''継母岳''' |
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|2,867 |
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| |
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|{{direction|W}}西 1.4 |
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|- |
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|[[File:Mount Mikasa 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''三笠山''' |
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|2,256.<small>1</small> |
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|三等「三笠山」 |
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|{{direction|SE}}南東 3.2 |
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|} |
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=== 火山活動 === |
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[[File:Mount Ontake from Otaki top 2011-09-18.jpg|thumb|right|200px|王滝頂上方面から望む御嶽山<br />2011年8月の噴煙の状況]] |
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[[File:Ontakesan from Okunoin 1995-6-25.jpg|thumb|right|200px|王滝頂上方面から望む御嶽山<br />1995年6月の噴煙の状況]] |
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御嶽山は各方向に[[溶岩流]]を流れ出しているが、西に流れた摩利支天山第6溶岩流は、最も延長が長く約17kmに及ぶ。末端には[[安山岩]]の大岩壁[[巌立]]がある。一ノ池を中心として、摩利支天山、継母岳、王滝頂上を結ぶ[[外輪山]]の内側が[[カルデラ]]であると推測され、カルデラ形成前の姿は、[[富士山]]に匹敵する高さの成層火山であったと推測される。大爆発によって崩壊した土砂は[[土石流]]となって川を流れ下ったと思われる。岐阜県[[各務原市]]付近の[[各務原台地]]は、御嶽山の土砂が堆積しており、水流によってできた[[火山灰]][[堆積物]]が[[地層]]となっている。この大爆発によって剣ヶ峰、摩利支天山、継母岳の峰々が形成された。[[火山#地形による分類|複成火山]]であり、その山容は[[アフリカ]]の[[キリマンジャロ山]]に似ている<ref name="日本の名山 p.161" />。 |
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長らく[[死火山]]だと思われ定常的な観測は行われていなかったが、明確な前兆現象を伴わず[[1979年]](昭和54年)[[10月28日]]に[[水蒸気爆発]]を起こし約1,000 mの高さまで噴煙を噴出させ<ref name="kazan">{{Cite web |url=http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/312_Ontakesan/312_history.html |title=御嶽山 記録に残る火山活動 |publisher=[[気象庁]] |date=2007-06-21 |accessdate=2011-03-24}}</ref><ref>{{Cite journal |date=1984 |url=http://www.mri-jma.go.jp/Publish/Technical/DATA/VOL_12/12_172.pdf |title=御岳山の1979年噴火による降灰分布と川水のpH分布 |format=PDF |journal=気象研究所研究報告 |issue=第12号 |pages=pp.172-178 |publisher=[[気象研究所]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>、[[活火山]]であることが判明した。この噴火がきっかけとなり、日本国内の死火山、[[休火山]]、活火山という定義そのものを見直すこととなった。現在では活火山以外の言葉は使われない。 |
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2007年(平成19年)3月、日本の地質百選選定委員会が「[[日本の地質百選]]」の第1期選定として全国83箇所を選定し、[[5月10日]]に発表されたが、その1つに御嶽山も選ばれている。 |
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従来、最後のマグマ噴火は約2万年前で以降は水蒸気爆発と考えられていたが、[[2006年]](平成18年)に行われた岐阜県の調査および2008年(平成20年)に行われた国土交通省多治見砂防国道事務所や[[産業技術総合研究所]]の調査によれば、約5200年前の火砕流を伴う噴火を含め、2万年間に4回(約1万年前以降、約1万年前、約9000年前、約5200年前、約5000年前)のマグマ噴火を起こしている<ref>{{Cite news |
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== 火山活動 == |
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|url=http://www.shinmai.co.jp/news/20091006/KT091005SJI090014000022.htm |title=御岳山、マグマ噴火は1万年で計4回 減災対策見直しも|publisher=[[信濃毎日新聞]] |date=2009-10-06 |accessdate=2009-10-07}}</ref>{{リンク切れ|date=2011年3月}}。[[信濃毎日新聞]]の[[2007年]](平成19年)[[4月30日]]の紙面に掲載された記事によると、[[岐阜県]]の調査によって、剣が峰北西6キロの下呂市[[小坂町 (岐阜県)|小坂町]]内において、約5200 - 6000年前の[[火砕流]]が[[堆積]]してできた地層が発見され、五ノ池火口からの噴出物と考えられる火砕流の痕跡が確認された。最近の2万年以降の活動は水蒸気爆発と限定していた岐阜県・長野県それぞれにおいて、火砕流も想定しての、[[ハザードマップ]]など防災に関する見直しが行われる可能性が指摘されている。 |
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[[File:Mount Ontake and Volcanic gas from Okunoin 2010-08-27.jpg|thumb|right|240px|奥の院から望む御嶽山<br /> |
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左の地獄谷と右の斜面から[[噴煙]]が上がる]] |
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御嶽山は各方向に[[溶岩流]]を流れ出しているが、西に流れた摩利支天山第6溶岩流は、最も延長が長く約17kmに及ぶ。末端には[[安山岩]]の大岩壁[[巌立]]がある。一ノ池を中心として、摩利支天山、継母岳、王滝頂上を結ぶ[[外輪山]]の内側が[[カルデラ]]であると推測され、カルデラ形成前の姿は、[[富士山]]に匹敵する高さの成層火山であったと推測される。大爆発によって崩壊した土砂は[[土石流]]となって川を流れ下ったと思われる。岐阜県[[各務原市]]付近の[[各務原台地]]は、御嶽山の土砂が堆積しており、水流によってできた[[火山灰]][[堆積物]]が[[地層]]となっている。この大爆発によって剣ヶ峰、摩利支天山、継母岳の峰々が形成された。 |
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『御嶽山 地質と噴火の記録』千村出版によれば、[[774年]]と[[1892年]]に噴火活動があったとされているが、その研究によりこの2回の噴火は発生していなかったことが明らかとなっている<ref>{{Cite journal |date=2008 |url=http://www.gsj.jp/Pub/Bull_new/vol_59/59_05/59_05_01.pdf |title=御岳火山の歴史噴火記録の再検討と噴気活動の歴史記録 |format=PDF |journal=地質調査報告 |issue=第59巻、第5/6号 |pages=pp.203-210 |publisher=[[気象研究所]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>。1979年以降は断続的(1991年、2007年)に小規模な噴気活動が続いている。山頂周辺には、火山活動の観測のための[[地震計]]、空振計、火山ガズ検知器、監視カメラなどの観測機器が設置されている<ref>{{Cite web |url=http://www.cbr.mlit.go.jp/tajimi/sabo/ontake/data/ontake_kazan05.pdf |format=PDF |title=御嶽山火山防災だより |publisher=[[国土交通省]]中部地方整備局 |date=2011-02 |accessdate=2011-03-24}}</ref><ref name="御岳山霊なる山の素顔 p.58">[[#御岳山霊なる山の素顔|御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.58]]</ref>。王滝頂上から山頂に向かう登山道の周辺では、[[硫黄]]臭がすることがあったり、噴気口から発生する火山ガスの轟音が聴こえることがある。 |
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=== 最近の活動と研究 === |
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長らく[[死火山]]だと思われ定常的な観測は行われていなかったが、明確な前兆現象を伴わず[[1979年]](昭和54年)[[10月28日]]に[[水蒸気爆発]]を起こし約1000mの高さまで噴煙を噴出させ<ref name="kazan">{{Cite web |url=http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/312_Ontakesan/312_history.html |title=御嶽山 記録に残る火山活動 |
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|publisher=[[気象庁]] |date=2007-06-21 |accessdate=2011-03-24}}</ref><ref>{{Cite journal |date=1984 |url=http://www.mri-jma.go.jp/Publish/Technical/DATA/VOL_12/12_172.pdf |title=御岳山の1979年噴火による降灰分布と川水のpH分布 |format=PDF |journal=気象研究所研究報告 |issue=第12号 |pages=pp.172-178 |publisher=[[気象研究所]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>、[[活火山]]であることが判明した。この噴火がきっかけとなり、日本国内の死火山、[[休火山]]、活火山という定義そのものを見直すこととなった。現在では活火山以外の言葉は使われない。 |
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気象庁は2011年8月現在、御嶽山の火山活動に大きな変化はなく、噴火予報([[噴火警戒レベル]]1、平常)の継続を発表している<ref>{{Cite web |url=http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/tokyo/11m08/312_11m08.pdf |format=PDF |title=御嶽山の火山活動解説資料(平成23 年8月) |publisher=気象庁 |date=2011-08 |accessdate=2011-10-05}}</ref>。 |
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従来、最後のマグマ噴火は約2万年前で以降は水蒸気爆発と考えられていたが、[[2006年]](平成18年)に行われた岐阜県の調査および2008年(平成20年)に行われた国土交通省多治見砂防国道事務所や[[産業技術総合研究所]]の調査によれば、約5200年前の火砕流を伴う噴火を含め、2万年間に4回(約1万年前以降、約1万年前、約9000年前、約5200年前、約5000年前)のマグマ噴火を起こしている<ref>{{Cite news |
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|url=http://www.shinmai.co.jp/news/20091006/KT091005SJI090014000022.htm |title=御岳山、マグマ噴火は1万年で計4回 減災対策見直しも|publisher=[[信濃毎日新聞]] |date=2009-10-06 |accessdate=2009-10-07}}</ref>{{リンク切れ|date=2011年3月}}。[[信濃毎日新聞]]の[[2007年]](平成19年)[[4月30日]]の紙面に掲載された記事によると、[[岐阜県]]の調査によって、剣が峰北西6キロの下呂市[[小坂町 (岐阜県)|小坂町]]内において、約5200 - 6000年前の[[火砕流]]が[[堆積]]してできた地層が発見され、五ノ池火口からの噴出物と考えられる火砕流の痕跡が確認された。最近の2万年以降の活動は水蒸気爆発と限定していた[[岐阜県]]・[[長野県]]それぞれにおいて、火砕流も想定しての、[[ハザードマップ]]など防災に関する見直しが行われる可能性が指摘されている。 |
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=== 5つの火口湖 === |
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『御嶽山 地質と噴火の記録』千村出版によれば、[[774年]]と[[1892年]]に噴火活動があったとされているが、その研究によりこの2回の噴火は発生していなかったことが明らかとなっている<ref>{{Cite journal |date=2008 |url=http://www.gsj.jp/Pub/Bull_new/vol_59/59_05/59_05_01.pdf |title=御岳火山の歴史噴火記録の再検討と噴気活動の歴史記録 |format=PDF |journal=地質調査報告 |issue=第59巻、第5/6号 |pages=pp.203-210 |publisher=[[気象研究所]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>。1979年以降は断続的(1991年、2007年)に小規模な噴気活動が続いている。 |
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{{Commonscat|Pond of Ontake|御嶽山の池}} |
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[[File:Rokunoike and Sainokawara Ontake 2011-09-18.jpg|thumb|right|200px|二ノ池北西の斜面の下と賽の河原との間に水がたまった小さな窪地が「六ノ池」と呼ばれることがある。]] |
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御嶽山には、5つの[[湖#発生による分類|火口湖]]があり、一ノ池から五ノ池の名前が付けられている。一ノ池の噴火活動後に、ニノ池と三ノ池が造られ、その後四ノ池が造られた<ref name="日本の名山 p.161">[[#日本の名山|日本の名山(1998)、p.161-165]]</ref>。常に水をたたえているのは、エメラルド色の二ノ池と三ノ池である。二ノ池は日本で最も高いところ(2,905 m) にある[[トレイ|お盆]]形状の水深3.5 mの湖沼で、集水面積は湖面の数倍あり、[[ミクリガ池]]などの飛騨山脈の火口湖と比べて水位の日変化が40 [[センチメートル|cm]]程と大きいのが特徴である<ref name="日本の名山 p.161" />。昼夜の気温差による雪解け量の差がその原因である。北西斜面の[[雪渓]]の雪解け水・天水・伏流水を集め、水位が極端に上昇した場合には、東端にあるニノ池小屋付近から北東に排水される。1979年の噴火活動の際に、ニノ池に大量の硫黄が流れ込み池の水は[[酸性]]度が強くなった。周辺の山小屋ではこの湖水をポンプで送水して宿泊者のためのお風呂の水に利用している<ref name="tv-tokyo">{{Cite web |url=http://www.tv-tokyo.co.jp/sat/backnumber/110903.html |title=天空の宿へ ~にっぽん山小屋物語~ |publisher=[[テレビ東京]]・[[土曜スペシャル]] |date=2011-09-03 |accessdate=2011-10-05}}</ref>。三ノ池は、湖盆の平均斜度14.4度、水深が13.3 m、8月初旬の平均水温が表面で9.7 [[セルシウス度|℃]]低層で9.5 ℃である<ref name="日本の名山 p.161" />。三ノ池の湖水は、信者の御神水とされている<ref name="tisana tabi">{{Cite web |url=http://www.nhk.or.jp/shutoken/tabi/2010/0828.html |title=祈りの峰 いまも ~御嶽山~ |publisher=[[日本放送協会|NHK]][[小さな旅]] |date=2010-08-28 |accessdate=2011-03-24}}</ref>。四ノ池は[[湿原|高層湿原]]となっていて、小川が流れており、[[高山植物]]の群生地となっている。なお、二ノ池北西の斜面の下、賽の河原との間に小さな窪地があり、多雨期には水がたまる。これを六ノ池と呼ぶことがある。賽の河原の西端、シン谷へ落ち込むところに日本最高所の滝 (2,800 m) がある。この谷は兵衛谷となり濁河川と合流し小坂川となって、[[飛騨川]]に注いでいる。よく、四ノ池から落ちる滝が日本最高所の滝と言われているが、四ノ池の標高は2,690 mであるため誤りである。三ノ池のみにオンダケ[[トビケラ]](学名:''Pseudostenophylax'' sp.)の幼虫が生息する<ref name="日本の名山 p.161" />。 |
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!画像 |
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!名称 |
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!標高<br />(m) |
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!水深<ref name="日本の名山 p.161" /><br />(m) |
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!備考 |
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|[[File:Ichinoike Ontake 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''一ノ池''' |
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|2,990 |
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|涸れていることが多い |
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|[[File:Ninoike Ontake 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''二ノ池''' |
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|2,905 |
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|style="text-align:right"|3.5 |
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|日本の最高所の湖沼<br />北東岸にニノ池小屋 |
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|[[File:Sannoike Ontake v2 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''三ノ池''' |
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|2,720 |
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|style="text-align:right"|13.3 |
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|湖岸線の延長が705 m<br />湖盆平均斜度14.4度 |
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|- |
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|[[File:Yonnoike Ontake 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''四ノ池''' |
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|2,690 |
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|高層湿原から東に沢が流れる |
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|[[File:Gonnoike Ontake 2011-09-18.jpg|80px]] |
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|'''五ノ池''' |
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|2,790 |
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|残雪期と降水後に水がある<br />池の北側に[[五の池小屋]] |
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|} |
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[[File:根尾滝.jpg|thumb|right|150px|[[根尾の滝]]<br />(落差 63m・幅 5m)]] |
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=== 滝が非常に多い山 === |
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「御嶽山は滝の山である」と言われるほど、御嶽山を源とする河川には[[滝]]が多い<ref>{{Cite web |url=http://www.kankou-kiso.com/miru/takimeguri.html |title=御嶽山に登ろう・滝めぐりコース |publisher=木曽町観光協会 |accessdate=2011-03-24}}</ref>。地形が急峻で高低差が大きいこと、独立峰で山体が大きいこと、[[降水量]]が多いこと、豊かな[[森林]]を育んでいて水が涸れることがないことなどがその成因となっている。人が近づきにくいところにあるものが多いが、黒沢口から油木尾根の遊歩道沿いにある百間滝(西野川の支流の南俣川)や、御嶽教の行場となっている新滝・清滝、[[濁河温泉]]付近の仙人滝・緋の滝、[[日本の滝百選]]に選ばれた[[根尾の滝]]など、比較的簡単に目にすることができる滝もいくつかある。 |
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=== 御嶽山は飛騨山脈に含むのか === |
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御嶽山は北アルプス([[飛騨山脈]])の延長線上にあり、北アルプスに含めるという説もあるが、北側の[[乗鞍岳]]との間には稜線らしき峰々はほとんどないため、一般的には御嶽山は飛騨山脈は含まれないというのが定説である(ただし、旧乗鞍火山帯には含まれる)。しかし、間を横切る河川は1本もないのも事実であり、明確な結論は出ていない。著名登山家でも意見は分かれている。なお、ガイドブック等で[[日本アルプス]]を3つに分けて紹介する場合、[[木曽山脈|中央アルプス]]の山数が少ないので御嶽山を中央アルプスと合わせて掲載されるケースが多々ある。このため、御嶽山を中央アルプスの山と思いこんでいる人も数多く存在するが、中央アルプスとの間には木曽川が流れており、明らかに中央アルプスには属さない。[[国土地理院]]の日本の主な山岳標高の一覧では、[[鎌ヶ峰]]までが「飛騨山脈南部」、御嶽山は「御嶽山とその周辺」とされている<ref name="kokudo" />。 |
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== 歴史・信仰 == |
== 歴史・信仰 == |
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*[[1177年]]([[治承]]元年)~[[1184年]]([[寿永]]3年) - [[源義仲|木曾義仲]]が打倒平氏を祈願するために登ったと伝えられている<ref name="jiten" />。 |
*[[1177年]]([[治承]]元年)~[[1184年]]([[寿永]]3年) - [[源義仲|木曾義仲]]が打倒平氏を祈願するために登ったと伝えられている<ref name="jiten" />。 |
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*[[室町時代]] - [[修験者]]の登拝が盛んになった。 |
*[[室町時代]] - [[修験者]]の登拝が盛んになった。 |
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*[[1500年]]([[明応]]9年) - [[木曾義昌|木曽義昌]]が従者と共に武運を祈願するために登頂した<ref name="日本の名山 p.246">[[#日本の名山|日本の名山(1998)、p.246]]</ref>。 |
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*[[1785年]]([[天明]]5年) - 覚明行者によって黒沢口が開かれた。御嶽信仰の山として[[江戸時代]]に、一般にも開放されるようになった。 |
*[[1785年]]([[天明]]5年) - 覚明行者によって黒沢口が開かれた。御嶽信仰の山として[[江戸時代]]に、一般にも開放されるようになった。 |
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*[[1791年]]([[寛政]]3年) - 覚明行者が小坂口を開いた。 |
*[[1791年]]([[寛政]]3年) - 覚明行者が小坂口を開いた。 |
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58行目: | 142行目: | ||
*[[1868年]]([[慶応]]4年) - 黒沢口登山道の八合にある山小屋の女人堂が開業した。 |
*[[1868年]]([[慶応]]4年) - 黒沢口登山道の八合にある山小屋の女人堂が開業した。 |
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*[[1872年]]([[明治]]5年) - [[太政官]]通達により神社仏閣地の[[女人禁制]]が解かれた。 |
*[[1872年]]([[明治]]5年) - [[太政官]]通達により神社仏閣地の[[女人禁制]]が解かれた。 |
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*[[1952年]]([[昭和]]27年)[[3月3日]] - 長野県側が御岳県立自然公園に指定される。 |
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*[[1891年]](明治24年) - [[ウォルター・ウェストン]]が登頂<ref name="Weston">{{Cite book|和書 |author=ウォルター・ウェストン |translator=青木枝朗 |year=1997 |month=6 |title=日本アルプスの登山と探検 |publisher=[[ 岩波文庫]] |isbn=4003347412 |
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|pages=p.372}}</ref>。 |
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*[[1894年]](明治27年)8月14日 - ウォルター・ウェストンが再登頂<ref name="Weston" />。 |
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*[[1948年]]([[昭和]]23年) - 麓の[[木曽町立開田中学校]]の生徒による学校登山が始まる<ref name="tisana tabi">{{Cite web |url=http://www.nhk.or.jp/shutoken/tabi/2010/0828.html |title=祈りの峰 いまも ~御嶽山~ |publisher=[[日本放送協会|NHK]][[小さな旅]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>。 |
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*[[1952年]](昭和27年)[[3月3日]] - 長野県側が御岳県立自然公園に指定される。 |
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*[[1961年]](昭和36年)- 南山麓に[[牧尾ダム]]が完成し[[中京圏]]の水がめとして[[上水道]]、[[工業用水]]、[[かんがい用水]]を供給している。 |
*[[1961年]](昭和36年)- 南山麓に[[牧尾ダム]]が完成し[[中京圏]]の水がめとして[[上水道]]、[[工業用水]]、[[かんがい用水]]を供給している。 |
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*[[1979年]](昭和54年)[[10月28日]] - 南西側斜面で水蒸気爆発が発生し、有史以来の噴火となった<ref name="kazan" />。 |
*[[1979年]](昭和54年)[[10月28日]] - 南西側斜面で水蒸気爆発が発生し、有史以来の噴火となった<ref name="kazan" />。 |
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*[[2005年]](平成17年)[[2月1日]] - 麓の[[朝日村 (岐阜県) |朝日村]]、[[高根村 (岐阜県) |高根村]]及び[[高山市]]、[[丹生川村]]、[[清見村]]、[[荘川村]]、[[宮村]]、[[久々野町]]、[[国府町 (岐阜県)|国府町]]、[[上宝村]]の1市2町7村が編入合併し新しい高山市となった。 |
*[[2005年]](平成17年)[[2月1日]] - 麓の[[朝日村 (岐阜県) |朝日村]]、[[高根村 (岐阜県) |高根村]]及び[[高山市]]、[[丹生川村]]、[[清見村]]、[[荘川村]]、[[宮村]]、[[久々野町]]、[[国府町 (岐阜県)|国府町]]、[[上宝村]]の1市2町7村が編入合併し新しい高山市となった。 |
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*2005年(平成17年)[[11月1日]] - 麓の[[開田村]]、[[三岳村]]及び[[木曽福島町]]、[[日義村]]が合併し[[木曽町]]となる。 |
*2005年(平成17年)[[11月1日]] - 麓の[[開田村]]、[[三岳村]]及び[[木曽福島町]]、[[日義村]]が合併し[[木曽町]]となる。 |
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*[[2006年]](平成18年)[[6月25日]] - 王滝村を中心とした御嶽山でOSJおんたけスカイレース([[トレイルランニング]]競技)が開催され、以降毎年同レースが開催されている<ref>{{Cite web |url=http://www.powersports.co.jp/osjtrail/index.htm |title=OSJトレイルランニングレースシリーズ |publisher=POWER SPORTS |accessdate=2011-03-24}}</ref>。 |
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== 観光 == |
== 観光 == |
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=== 主な観光スポット === |
=== 主な観光スポット === |
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[[File:Mount Ontake from Tanohara 1997-06-01.jpg|thumb|right|240px|王滝口にある田の原天然公園から望む残雪を抱いた御嶽山]] |
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* 田の原天然公園 - 御嶽山の登山道の王滝口標高約2,200m付近に広がる天然公園で、湿原、背の低い[[針葉樹林]]帯に[[遊歩道]]や展望台が整備されている<ref name="tanohara">{{Cite web |url=http://www.rinya.maff.go.jp/chubu/policy/business/invitation/rekumori/kisoontake/index.html |title=木曽御岳 |publisher=[[中部森林管理局]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>。 |
* 田の原天然公園 - 御嶽山の登山道の王滝口標高約2,200m付近に広がる天然公園で、湿原、背の低い[[針葉樹林]]帯に[[遊歩道]]や展望台が整備されている<ref name="tanohara">{{Cite web |url=http://www.rinya.maff.go.jp/chubu/policy/business/invitation/rekumori/kisoontake/index.html |title=木曽御岳 |publisher=[[中部森林管理局]] |accessdate=2011-03-24}}</ref>。 |
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* 開田高原 - [[蕎麦]]の産地や[[木曽馬]]の里としても知られ、[[乗馬]]体験ができる施設がある。 |
* 開田高原 - [[蕎麦]]の産地や[[木曽馬]]の里としても知られ、[[乗馬]]体験ができる施設がある。 |
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* 自然湖 - [[長野県西部地震]]によりせき止められた[[木曽川]]の[[支流]]である王滝川上流の湖で、夏季シーズン |
* 自然湖 - [[長野県西部地震]]によりせき止められた[[木曽川]]の[[支流]]である王滝川上流の湖で、立ち枯れの木が湖の中に並んでいて夏季シーズンの[[カヌー]]が人気となっている<ref name="御岳山霊なる山の素顔 p.49">[[#御岳山霊なる山の素顔|御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.49]]</ref>。 |
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* [[御岳湖]] - 王滝川の牧尾ダムによりできた[[湖]]。 |
* [[牧尾ダム|御岳湖]] - 王滝川の牧尾ダムによりできた[[湖]]。 |
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* おんたけ休暇村 - 御岳高原にある[[名古屋市]]の保険休養地 |
* おんたけ休暇村 - 御岳高原にある[[名古屋市]]の保険休養地 |
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* [[濁河温泉]] - 御嶽山の濁河口の登山口にある[[温泉]] |
* [[濁河温泉]] - 御嶽山の濁河口の登山口にある[[温泉]] |
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=== スキー場 === |
=== スキー場 === |
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* [[おんたけ2240]](旧おんたけスキー場) |
* [[おんたけ2240]](旧おんたけスキー場) |
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* [[御岳ロープウェイスキー場]]平成 |
* [[御岳ロープウェイスキー場]] - 平成22年度より冬季営業休止 |
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* [[開田高原マイアスキー場]] |
* [[開田高原マイアスキー場]] |
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* [[チャオ御岳スノーリゾート|チャオ御岳スキー場]] |
* [[チャオ御岳スノーリゾート|チャオ御岳スキー場]] |
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* 長野県側に、[[九蔵峠]]と[[地蔵峠]]などがある。 |
* 長野県側に、[[九蔵峠]]と[[地蔵峠]]などがある。 |
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* 岐阜県側に、[[御嶽パノラマライン]]、日和田高原、御嶽鈴蘭高原などがある。 |
* 岐阜県側に、[[御嶽パノラマライン]]、日和田高原、御嶽鈴蘭高原などがある。 |
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=== 滝が非常に多い山 === |
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「御嶽山は滝の山である」と言われるほど、御嶽山を源とする河川には[[滝]]が多い<ref>{{Cite web |url=http://www.kankou-kiso.com/miru/takimeguri.html |title=御嶽山に登ろう・滝めぐりコース |publisher=木曽町観光協会 |accessdate=2011-03-24}}</ref>。地形が急峻で高低差が大きいこと、独立峰で山体が大きいこと、[[降水量]]が多いこと、豊かな[[森林]]を育んでいて水が涸れることがないことなどがその成因となっている。人が近づきにくいところにあるものが多いが、黒沢口から油木尾根の遊歩道沿いにある百間滝や、御嶽教の行場となっている新滝・清滝、[[濁河温泉]]付近の仙人滝・緋の滝、[[日本の滝百選]]に選ばれた[[根尾の滝]]など、比較的簡単に目にすることができる滝もいくつかある。 |
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== 登山 == |
== 登山 == |
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江戸時代から信仰登山が盛んに行われていて、現在も[[白装束]]の登拝者が見られる山である。御嶽山の登山口は[[木曽地域|木曽]]側から3つ(王滝口、黒沢口、開田口)、[[飛騨国|飛騨]]側から1つ(小坂口)が昔から利用されていたが、その後日和田口が比較的新しく開かれた。1979年10月の噴火後上部の4合目までが入山規制され、1981年に山頂部の火口付近を除き入山規制が解除された<ref name="日本の名山 p.246" />。木の丸太などで整備された階段状の登山道は地元に有志らにより修復整備がなされている<ref name="hinoseiyaku" />。麓の開田中学校や王滝中学校では学校登山が行われている<ref name="御岳山霊なる山の素顔 p.15">[[#御岳山霊なる山の素顔|御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.15]]</ref>。黒沢口などでは御嶽講の先達を背負ったり、信者の荷物や、山小屋の物資を運ぶ[[歩荷|強力]]を担う人がいる<ref name="御岳山霊なる山の素顔 p.24">[[#御岳山霊なる山の素顔|御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.24]]</ref><ref name="tisana tabi" />。 |
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=== 主な登山口=== |
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=== 登山史 === |
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御嶽山への登山口は[[木曽地域|木曽]]側から3つ(王滝口、黒沢口、開田口)、[[飛騨国|飛騨]]側から1つ(小坂口)が昔から利用されていたが、その後日和田口が比較的新しく開かれた。 |
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*[[1873年]](明治6年) - [[ウィリアム・ゴーランド]]とE.デイロンが登頂<ref name="日本の名山 p.246" />。 |
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[[File:Ontakesan from Tanohara 2010-8-27.jpg|thumb|right|240px|王滝口にある田の原遊歩道]] |
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*[[1874年]](明治7年) - [[ヨハネス・ユストゥス・ライン]]が登頂<ref name="日本の名山 p.246" />。 |
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*[[1881年]](明治14年) - [[アーネスト・サトウ]]らが登頂し、『中部及び北方日本旅行案内』を執筆した<ref name="日本の名山 p.246" />。 |
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*[[1891年]](明治24年) - [[ウォルター・ウェストン]]が黒沢口から登頂し王滝口に下山、その後『日本アルプスの登山と探検』などの著書で御嶽山を含む日本の山々を世界に紹介した<ref name="Weston">{{Cite book|和書 |author=ウォルター・ウェストン |translator=青木枝朗 |year=1997 |month=6 |title=日本アルプスの登山と探検 |publisher=[[ 岩波文庫]] |isbn=4003347412 |
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|pages=p.372}}</ref>。 |
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*[[1893年]](明治26年) - [[木暮理太郎]]が登頂<ref name="日本の名山 p.246" />。 |
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*[[1894年]](明治27年)8月14日 - ウォルター・ウェストンが再登頂<ref name="Weston" />。 |
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*[[1948年]](昭和23年) - 麓の[[木曽町立開田中学校]]の生徒による学校登山が始まる<ref name="tisana tabi" />。 |
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*[[2006年]](平成18年)[[6月25日]] - 王滝村を中心とした御嶽山でOSJおんたけスカイレース([[トレイルランニング]]競技)が開催され、以降毎年同レースが開催されている<ref>{{Cite web |url=http://www.powersports.co.jp/osjtrail/index.htm |title=OSJトレイルランニングレースシリーズ |publisher=POWER SPORTS |accessdate=2011-03-24}}</ref>。 |
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=== 主な登山口=== |
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[[File:Mount Ontake from Tanohara 2005-03-27.jpg|thumb|right|200px|残雪期の春先に王滝口の田の原から山頂に向かう登山者、独立峰であり稜線では強風で雪煙が舞っている]] |
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; 王滝口<ref>{{Cite web |url=http://www.vill.otaki.nagano.jp/ontake_tozan/tozan04.html |title=木曽御嶽山(王滝口)登山道の紹介 |publisher=王滝村 |accessdate=2011-03-24}}</ref> |
; 王滝口<ref>{{Cite web |url=http://www.vill.otaki.nagano.jp/ontake_tozan/tozan04.html |title=木曽御嶽山(王滝口)登山道の紹介 |publisher=王滝村 |accessdate=2011-03-24}}</ref> |
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: 田の原 - 7合目大江権現 - 金剛童子(8合目下) - 9合目石室 - 王滝頂上 - 剣ヶ峰 |
: 田の原 - 7合目大江権現 - 金剛童子(8合目下) - 9合目石室 - 王滝頂上 - 剣ヶ峰 |
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: 御嶽山への車道としては、最も高い標高地点(2160メートル)まで登ることが出来、また剣ヶ峰へのアプローチは最も短い。途中での眺望が優れており、登山口から王滝頂上までのコースが常に上から下まで見渡せる。登山口の田の原から王滝頂上までの間には8合目と9合目に無人の[[山小屋]]しかない。[[山開き]]に相当する開山祭は7月1日に行われる。 |
: 御嶽山への車道としては、最も高い標高地点(2160メートル)まで登ることが出来、また剣ヶ峰へのアプローチは最も短い。途中での眺望が優れており、登山口から王滝頂上までのコースが常に上から下まで見渡せる。登山口の田の原から王滝頂上までの間には8合目と9合目に無人の[[山小屋]]しかない。[[山開き]]に相当する開山祭は7月1日に行われる。積雪期には登山口の田の原への道路が閉鎖されるが、春先におんたけ2240のスキー場のゴンドラを利用して、雪山登山を行う例がある。 |
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; 黒沢口<ref>{{Cite web |url=http://www.kankou-kiso.com/miru/index_3.html |title=御嶽山に登ろう・登山コース |publisher=木曽町観光協会 |accessdate=2011-03-24}}</ref> |
; 黒沢口<ref>{{Cite web |url=http://www.kankou-kiso.com/miru/index_3.html |title=御嶽山に登ろう・登山コース |publisher=木曽町観光協会 |accessdate=2011-03-24}}</ref> |
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: 中の湯(6合目)またはロープウェイ飯森駅 - 行場山荘(7合目) - 女人堂(8合目) - 石室山荘(9合目) - 覚明堂 - 剣ヶ峰 |
: 中の湯(6合目)またはロープウェイ飯森駅 - 行場山荘(7合目) - 女人堂(8合目) - 石室山荘(9合目) - 覚明堂 - 剣ヶ峰 |
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121行目: | 208行目: | ||
: 継子岳頂上を目指して登るコースで宗教登山に由来しないコースのひとつ。[[1998年]]の[[チャオ御岳スノーリゾート|チャオ御岳スキー場]]の開発に伴い、通年運行される[[索道|ゴンドラリフト]]の「フライングチャオ」を利用することが多くなり、旧来の登山口からの登山は減った。ゴンドラリフトを使用した場合は王滝口とほほ同じ標高(2190メートル)まで登ることができるが、継子岳から最高峰剣ヶ峰までの距離が長い。また、ルートは他のコースに比べてあまり手入れがされていない。2010年現在、フライングチャオはスキーシーズン(12月初旬 - 5月初旬)のみの運行となっており、春 - 秋の登山には利用できなくなっている。 |
: 継子岳頂上を目指して登るコースで宗教登山に由来しないコースのひとつ。[[1998年]]の[[チャオ御岳スノーリゾート|チャオ御岳スキー場]]の開発に伴い、通年運行される[[索道|ゴンドラリフト]]の「フライングチャオ」を利用することが多くなり、旧来の登山口からの登山は減った。ゴンドラリフトを使用した場合は王滝口とほほ同じ標高(2190メートル)まで登ることができるが、継子岳から最高峰剣ヶ峰までの距離が長い。また、ルートは他のコースに比べてあまり手入れがされていない。2010年現在、フライングチャオはスキーシーズン(12月初旬 - 5月初旬)のみの運行となっており、春 - 秋の登山には利用できなくなっている。 |
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小坂口、日和田口利用者の中には、剣ヶ峰まで登らずに、飛騨頂上・継子岳あるいは、摩利支天山までの登山を目的とする登山者も多い。 |
小坂口、日和田口利用者の中には、剣ヶ峰まで登らずに、飛騨頂上・継子岳あるいは、摩利支天山までの登山を目的とする登山者も多い。一ノ池を取り囲むの西側の稜線に登山道があり、剣ヶ峰からニノ池小屋へのルートの一つとなっている。 |
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以前は、[[王滝川]]の支流の濁川に沿って濁川温泉(現存せず)を経て、剣ヶ峰と継母岳の鞍部に登る松原新道があったが、[[1984年]]の長野県西部地震により発生した伝上崩れにより崩壊し、廃道となった。 |
以前は、[[王滝川]]の支流の濁川に沿って濁川温泉(現存せず)を経て、剣ヶ峰と継母岳の鞍部に登る松原新道があったが、[[1984年]]の長野県西部地震により発生した伝上崩れにより崩壊し、廃道となった。 |
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=== 山小屋 === |
=== 山小屋 === |
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[[File:Mount Ontake Gonoike 2011-09-18.jpg|thumb|right|240px|小坂口九合目の飛騨頂上直下南にある山小屋([[五の池小屋]])、小屋のすぐ前には五ノ池がある]] |
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御嶽山は宗教登山が盛んであるため、[[山小屋]]も宗教施設としての側面がある山小屋が多い。それらの山小屋は大広間や客室内に御嶽神社の掛け軸などが祀られている。また、王滝口・黒沢口の開山祭の7月1日以降の営業開始となる小屋が多く、営業終了は山小屋によって差があるものの、8月末から9月末までの間が多い。御嶽神社・御嶽教・木曽御嶽本教は山開きを7月10日から9月10日までとしているため、その間は特に白装束の宗教登山者の宿泊利用や立ち寄り利用が多い。なお、五の池小屋は例外的に例年6月1日から10月15日までの営業と、長期間の営業を行っている。8合目と7合目の山小屋は紅葉シーズンも営業する。宗教施設としての側面が多い山小屋群の中で、五の池小屋は御嶽山では唯一アルプススタイルの[[山小屋]]である。 |
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御嶽山は宗教登山が盛んであるため、[[山小屋]]も宗教施設としての側面がある山小屋が多い。それらの山小屋は大広間や客室内に御嶽神社の掛け軸などが祀られている。また、王滝口・黒沢口の開山祭の7月1日以降の営業開始となる小屋が多く、営業終了は山小屋によって差があるものの、8月末から9月末までの間が多い。御嶽神社・御嶽教・木曽御嶽本教は山開きを7月10日から9月10日までとしているため、その間は特に白装束の宗教登山者の宿泊利用や立ち寄り利用が多い。なお、五の池小屋は例外的に例年6月1日から10月15日までの営業と、長期間の営業を行っている。8合目と7合目の山小屋は紅葉シーズンも営業する。宗教施設としての側面が多い山小屋群の中で、五の池小屋は御嶽山では唯一アルプススタイルの山小屋である。 |
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山頂地域に多くの有人山小屋があるが、黒沢口には途中にも合目ごとに有人山小屋が営業している。二ノ池の水を飲料水などの水源としている山小屋が多く、二ノ池から遠い「五の池小屋」や7合目以下の山小屋以外の山小屋は「二の池水組合」を設立し、共同で水道施設の設置・維持・撤去を行っている。また、日頃の水源ポンプ施設の操作は「二ノ池本館」のスタッフが行っている。豊富な水を使って「二ノ池本館」「二ノ池新館」「石室山荘」「覚明堂」では、宿泊者向けの風呂を毎日用意するほか、宿泊者が少ない時のみ宿泊者にスタッフ用の風呂を提供する山小屋もある。 |
山頂地域に多くの有人山小屋があるが、黒沢口には途中にも合目ごとに有人山小屋が営業している。二ノ池の水を飲料水などの水源としている山小屋が多く、二ノ池から遠い「五の池小屋」や7合目以下の山小屋以外の山小屋は「二の池水組合」を設立し、共同で水道施設の設置・維持・撤去を行っている。また、日頃の水源ポンプ施設の操作は「二ノ池本館」のスタッフが行っている。豊富な水を使って「二ノ池本館」「二ノ池新館」「石室山荘」「覚明堂」では、宿泊者向けの風呂を毎日用意するほか、宿泊者が少ない時のみ宿泊者にスタッフ用の風呂を提供する山小屋もある。 |
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=== 御嶽山の動物 === |
=== 御嶽山の動物 === |
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山頂付近の登山道の高山帯に生息する[[ホシガラス]]、[[ライチョウ]]、[[クジャクチョウ]]などが見られる。ライチョウは日本で[[特別天然記念物]]に指定され、環境省及び長野県の[[危急種]]に指定され絶滅が危惧されている<ref>{{Cite web|url=http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=02080010124 |title=日本のレッドデータ検索システム(ライチョウ) |publisher=エンビジョン環境保全事務局 |accessdate=2011-10-05}}</ref>。1981年の調査で50箇所あったライチョウの縄張りが、2008年の調査で28箇所に減少している<ref name="御岳山霊なる山の素顔 p.119">[[#御岳山霊なる山の素顔|御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.119]]</ref>。 |
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山頂付近の登山道の高山帯に生息する[[ホシガラス]]、[[ライチョウ]]、[[クジャクチョウ]]などが見られる。 |
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{| class="wikitable" |
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|- |
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|[[File:Wiki-hosigarasu.jpg|x100px]] |
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! [[ホシガラス]] |
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|[[File:Rock Ptarmigan in Mount Ontake 1996-08-10.jpg|x100px]] |
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! [[ライチョウ]] |
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|[[File:Inachis io and Solidago virgaurea in Ontakesan 2010-08-27.JPG|x100px]] |
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! [[クジャクチョウ]] |
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|- |
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! <small>[[ホシガラス]]</small> |
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|[[File:Wiki-hosigarasu.jpg|150px]] |
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! <small>[[ライチョウ]]</small> |
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|[[File:Ptarmigan Raicyou Male in kamikouchidake 2003 11 23.jpg|125px]] |
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! <small>[[クジャクチョウ]]</small> |
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|[[File:Inachis io and Solidago virgaurea in Ontakesan 2010-08-27.JPG|155px]] |
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|} |
|} |
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=== 御嶽山の植物 === |
=== 御嶽山の植物 === |
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山の上部は[[森林限界]]の[[ハイマツ]]帯で、[[イワギキョウ]]、[[クロユリ]]、[[コマクサ]]、[[トウヤクリンドウ]]、[[ミヤマダイコンソウ]]などの多くの[[高山植物]]が自生している<ref>{{Cite web |url=http://www.vill.otaki.nagano.jp/ontake_tozan/kisoontakesan_no_plant/tozan03_plant_top.html |title=木曽御嶽山(王滝口)登山道の植物 |publisher=王滝村 |accessdate=2011-03-24}}</ref>。王滝口登山道にある田の原天然公園を中心に約830[[ヘクタール|ha]]が、木曽御岳自然休養林に指定されている<ref name="tanohara" />。[[田中澄江]]は、『花の百名山』著書で代表する花に一つとして[[リンネソウ]]を紹介した<ref name="hana" />。標高1,500m以下の山麓では、[[ヒノキ]]、[[アスナロ]]などの[[木曽五木]]が見られる<ref name="sangakushi" |
1887年(明治20年)7月に[[植物学|植物学者]]の[[白井光太郎]]が登頂して高山植物を採集し、1889年(明治22年)には[[三好学]]らも採集し、1933年(昭和8年)に植物学者の中野治房が御嶽山の植物生態を調査した<ref name="日本の名山 p.246" />。山の上部は[[森林限界]]の[[ハイマツ]]帯で、[[イワギキョウ]]、[[クロユリ]]、[[コマクサ]]、[[トウヤクリンドウ]]、[[ミヤマアキノキリンソウ]]、[[ミヤマダイコンソウ]]などの多くの[[高山植物]]が自生している<ref>{{Cite book|和書 |author=小谷宗司、岩本義行、木曽御岳観光連盟 |year=2000 |month=06 |title=花かおる御嶽山 |series=ビジター・ガイドブック |publisher=ほおずき書籍 |isbn=443400221X |pages=}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.vill.otaki.nagano.jp/ontake_tozan/kisoontakesan_no_plant/tozan03_plant_top.html |title=木曽御嶽山(王滝口)登山道の植物 |publisher=王滝村 |accessdate=2011-03-24}}</ref>。1979年の噴火による荒廃で黒沢口登山道九合目の石室山荘周辺のハイマツが枯れたが、2002-2003年頃から若芽が確認されている<ref name="御岳山霊なる山の素顔 p.58">[[#御岳山霊なる山の素顔|御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.58]]</ref>。御嶽山のコマクサの[[コマクサ#御嶽山のコマクサの昔話|昔話]]がある<ref name="日本の名山 p.192-193">[[#日本の名山|日本の名山(1998)、p.192-193]]</ref>。王滝口登山道にある田の原天然公園を中心に約830 [[ヘクタール|ha]]が、木曽御岳自然休養林に指定されている<ref name="tanohara" />。[[田中澄江]]は、『花の百名山』著書で代表する花に一つとして[[リンネソウ]]を紹介した<ref name="hana" />。標高1,500m以下の山麓では、[[ヒノキ]]、[[アスナロ]]などの[[木曽五木]]が見られる<ref name="sangakushi" />。南山麓では[[長野県製薬]]が、[[キハダ (植物)|キハダ]]を主成分とした「御岳[[百草丸]]」([[胃腸薬]])を製造している。 |
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{| class="wikitable" |
{| class="wikitable" |
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|- |
|- |
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|[[File:Campanula lasiocarpa in Mount Ontake 2011-09-18.JPG|x100px]] |
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! [[ハイマツ]] !! [[イワギキョウ]] !! [[クロユリ]]!! [[コマクサ]]!! [[トウヤクリンドウ]] |
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|[[File:Fritillaria camschatcensis in Mount Haku 2011-07-17.jpg|x100px]] |
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|[[File:Dicentra peregrina in Mount Ontake 2010-08-27.jpg|x100px]] |
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|[[File:Gentiana algida in Mount Ontake 2010-08-27.jpg|x100px]] |
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|- |
|- |
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! <small>[[イワギキョウ]]</small> |
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|[[File:Pinus pumila1.JPG|120px|center]] |
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! <small>[[クロユリ]]</small> |
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|[[File:Campanula lasiocarpa.jpg|120px|center]] |
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! <small>[[コマクサ]]</small> |
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|[[File:Fritillaria camschatcensis Kuroyuri in hakusan 2002-7-25.jpg|120px|center]] |
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! <small>[[トウヤクリンドウ]]</small> |
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|[[File:Dicentra peregrina Komakusa in Enzanso 2002-7-27.jpg|120px|center]] |
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|[[File:Gentiana algida Touyakurindou in shiomidake 2002-8-20.jpg|130px|center]] |
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|} |
|} |
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169行目: | 259行目: | ||
=== 周辺の山 === |
=== 周辺の山 === |
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[[File:20101130木曽山脈.jpg|thumb|right|300px|手前・[[木曽山脈]]と左奥に御嶽山と右奥・[[飛騨山脈]]。間に稜線はない。]] |
[[File:20101130木曽山脈.jpg|thumb|right|300px|手前・[[木曽山脈]]と左奥に御嶽山と右奥・[[飛騨山脈]]。間に稜線はない。]] |
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[[File: |
[[File:Mt.Ontake and Mt.Norikuradake from Mt.Yatsugatake 01.jpg|thumb|right|300px|[[八ヶ岳]]から望む御嶽山(左)と[[乗鞍岳]](右)]] |
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独立峰であるため、周囲の多くの山からその山容を望むことができる。山頂部は広く、複数のピークから成る。 |
独立峰であるため、周囲の多くの山からその山容を望むことができる。山頂部は広く、複数のピークから成る<ref name="山と高原地図(2011)">[[#山と高原地図|山と高原地図(2011)の付属図]]</ref>。[[濃尾平野]]からも北東にその大きな山容が望める。岐阜県側には前衛の山として、ぎふ百山の一つである御前山(1,646 m)と続ぎふ百山の一つである下呂御前山(1,412 m)がある。 |
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{| class="wikitable" |
{| class="wikitable" |
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!山容 |
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!名称 |
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!山名 |
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![[標高]]<br>([[メートル|m]]) |
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! |
!標高<ref name="kokudo" /><ref name="kijyun" /><br>(m) |
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!三角点等級<br />基準点名<ref name="kijyun" /> |
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!御嶽山からの<br />方角と[[距離]]([[キロメートル|km]]) |
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!御嶽山からの<br />方角と距離(km) |
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!備考 |
!備考 |
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|- |
|- |
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|[[File:Mount Haku from Okusanpo 2011-04-10.jpg|80px]] |
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|[[白山]] |
|[[白山]] |
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|2,702.<small>17</small> |
|2,702.<small>17</small> |
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| 一等「白山」 |
| 一等「白山」 |
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| |
|{{direction|WNW}}西北西 70.2 |
||
|<small>日本百名山</small> |
|<small>日本百名山</small> |
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|- |
|- |
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|[[File:Mount Hachimori from Nomugitoge ski resort 2008-04-25.jpg|80px]] |
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|[[鉢盛山]] |
|[[鉢盛山]] |
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|2,446.<small>43</small> |
|2,446.<small>43</small> |
||
| 一等「鉢盛山」 |
| 一等「鉢盛山」 |
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| |
|{{direction|NE}}北東 32.7 |
||
|<small>[[日本三百名山]]</small> |
|<small>[[日本三百名山]]</small> |
||
|- |
|- |
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|[[File:Norikuradake from Kisokomagatake 7th 2007-4-29.JPG|80px]] |
|||
|[[乗鞍岳]] |
|[[乗鞍岳]] |
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|3,025.<small>64</small> |
|3,025.<small>64</small> |
||
| 一等「乗鞍岳」 |
| 一等「乗鞍岳」 |
||
| |
|{{direction|NNE}}北北東 24.6 |
||
|<small>日本百名山</small> |
|<small>日本百名山</small> |
||
|- |
|- |
||
|[[File:Mount Kama from Nomugitoge ski resort 2009-04-19.jpg|80px]] |
|||
|[[鎌ヶ峰]] |
|[[鎌ヶ峰]] |
||
|2,120.<small>10</small> |
|2,120.<small>10</small> |
||
| 二等「鎌ケ岳」 |
| 二等「鎌ケ岳」 |
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| |
|{{direction|NE}}北東 18.3</Div> |
||
| |
| |
||
|- style="background-color:# |
|- style="background-color:#ccc;" |
||
|[[File:Ontakesan from Hachimoriyama 2008-4-25.JPG|80px]] |
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|'''継子岳''' |
|||
|'''御嶽山''' |
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|2,858.<small>93</small> |
|||
| 三等「継子岳」 |
|||
|<Div Align="center"> 北 2.8</Div> |
|||
| rowspan="4" |'''御嶽山'''<br /><small>[[日本百名山]]</small> |
|||
|- style="background-color:#dff;" |
|||
|'''摩利支天山''' |
|||
|2,959.<small>24</small> |
|||
| 三等「御岳」 |
|||
|<Div Align="center"> 北 1.4</Div> |
|||
|- style="background-color:#dff;" |
|||
|'''剣ヶ峰'''<br /><small>(最高点)</small> |
|||
|3,067 |
|3,067 |
||
|(一等)「御岳山」<br />(3,063.<small>41</small>m) |
|(一等)「御岳山」<br />(3,063.<small>41</small>m) |
||
| |
|{{direction|O}} 0 |
||
|<small>[[日本百名山]]</small> |
|||
|- style="background-color:#dff;" |
|||
|'''継母岳''' |
|||
|2,867 |
|||
| |
|||
|<Div Align="center"> 西 1.4</Div> |
|||
|- |
|- |
||
|[[File:Kohideyama from south 2010-7-1.jpg|80px]] |
|||
|[[小秀山]] |
|[[小秀山]] |
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|1,981.<small>68</small> |
|1,981.<small>68</small> |
||
| 二等「小秀山」 |
| 二等「小秀山」 |
||
| |
|{{direction|SSW}}南南西 14.1 |
||
|<small>[[日本二百名山]]</small> |
|<small>[[日本二百名山]]</small> |
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|- |
|- |
||
|[[File:Mount Okusangai from Mount Nagiso 2011-02-13.jpg|80px]] |
|||
|[[奥三界岳]] |
|[[奥三界岳]] |
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|1,810.<small>48</small> |
|1,810.<small>48</small> |
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| 三等「奥三階」 |
| 三等「奥三階」 |
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| |
|{{direction|S}}南 23.6 |
||
|<small>日本三百名山</small> |
|<small>日本三百名山</small> |
||
|- |
|- |
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|[[File:Mount Kisokoma from Mount Hachimori 2008-04-15.jpg|80px]] |
|||
|[[木曽駒ヶ岳]] |
|[[木曽駒ヶ岳]] |
||
|2,955.<small>86</small> |
|2,955.<small>86</small> |
||
| 一等「信駒ケ岳」 |
| 一等「信駒ケ岳」 |
||
| |
|{{direction|ESE}}東南東 31.4 |
||
|<small>日本百名山</small> |
|<small>日本百名山</small> |
||
|- |
|- |
||
|[[File:Nagisodake 2001-10-31.jpg|80px]] |
|||
|[[南木曽岳]] |
|[[南木曽岳]] |
||
|1,679 |
|1,679 |
||
|(二等)「南木曾」<br />(1,676.<small>93</small>m) |
|(二等)「南木曾」<br />(1,676.<small>93</small>m) |
||
| |
|{{direction|SSE}}南南東 36.5 |
||
|<small>日本三百名山</small> |
|<small>日本三百名山</small> |
||
|- |
|- |
||
|[[File:Enasan from north 2010-9-17.JPG|80px]] |
|||
|[[恵那山]] |
|[[恵那山]] |
||
|2,191 |
|2,191 |
||
|(一等)「恵那山」<br />(2,189.<small>81</small>m) |
|(一等)「恵那山」<br />(2,189.<small>81</small>m) |
||
| |
|{{direction|SSE}}南南東 51.0 |
||
|<small>日本百名山</small> |
|<small>日本百名山</small> |
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|} |
|} |
||
=== 源流の河川 === |
=== 源流の河川 === |
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源流となる以下の[[河川]]は[[木曽川]]水系で[[伊勢湾]]へ流れ |
源流となる以下の[[河川]]は[[木曽川]]水系で[[伊勢湾]]へ流れる。王滝川の[[牧尾ダム]]の'''御岳湖'''に貯水された水は[[愛知県]]などの[[上水道|飲料水]]、[[工業用水]]及び[[農業用水]]に利用されていて、その上流部には[[関西電力]]の水力発電用の[[三浦ダム]]がある。王滝川の[[支流]]の濁川上流部の赤川では浸食と崩落が激しく「地獄谷」と呼ばれている<ref name="山と高原地図(2011)" /><ref>{{Cite web |url=http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=137.4740333&latitude=35.88713611 |title=地図閲覧サービス・地獄谷 (長野県木曽郡王滝村) |publisher=国土地理院 |accessdate=2011-10-05}}</ref>。 |
||
* 西野川、白川、王滝川 ( |
* 西野川、白川、王滝川 (木曽川の支流) |
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* [[飛騨川]] |
* [[飛騨川]] |
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* 秋神川、小坂川 (飛騨川の支流) |
* 秋神川、小坂川 (飛騨川の支流) |
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=== |
=== 主な峠 === |
||
* [[野麦峠]] - 乗鞍岳との間に映画『[[あゝ野麦峠]]』などで有名となった[[峠]]がある。標高1,672 mで[[長野県道・岐阜県道39号奈川野麦高根線]]が通る。 |
|||
* 長峰峠([[国道361号]])が、飛騨川の支流である暮岩川と木曽川の支流である西野川との[[分水嶺]]となっている。 |
|||
* |
* 長峰峠 - [[国道361号]]にある岐阜県と長野県との県境で、暮岩川(飛騨川の支流)と西野川(木曽川の支流)との[[分水界|分水嶺]]となっている。 |
||
* 九蔵峠 - 国道361号の[[開田村|開田高原]]にある峠で、九蔵峠展望台からは西南西に御嶽山を望むことができる。 |
|||
* 濁河峠 - 秋神川と濁河川(小坂川の支流)との分水嶺となっている。 |
|||
* 白巣峠 - 白川(王滝川の支流)と[[付知川]]との分水嶺となっていて、林道が通る。 |
|||
* 鞍掛峠 - 水無川(王滝川の支流)と竹原川(飛騨川の支流)との分水嶺となっていて、林道が通る。 |
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== |
== 御嶽山の風景 == |
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独立峰である御嶽山の大きな山容を各方面から望むことができる。 |
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{| class="wikitable" |
{| class="wikitable" |
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|- |
|- |
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|[[File:14 Ontakesan from kazakoshiyama 2002-5-6.jpg| |
|[[File:14 Ontakesan from kazakoshiyama 2002-5-6.jpg|x110px]] |
||
|[[File:Ontakesan from kohideyama 2002 10 30.jpg| |
|[[File:Ontakesan from kohideyama 2002 10 30.jpg|x110px]] |
||
|[[File:Ontakesan from Kuraiyama 2005-3-21.JPG| |
|[[File:Ontakesan from Kuraiyama 2005-3-21.JPG|x110px]] |
||
|[[File:Kiso_Ontake.jpg| |
|[[File:Kiso_Ontake.jpg|x110px]] |
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|- |
|- |
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| <small>東の[[風越山 (木曽)|風越山]]より<small> |
| <small>東の[[風越山 (木曽)|風越山]]より<small> |
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286行目: | 378行目: | ||
* 『絶景!夏の御嶽山 ~御嶽山~ 』 総合テレビ([[NHK名古屋放送局]])、[[ウィークエンド中部]]、2010年8月21日放送<ref>{{Cite web |url=http://www.nhk.or.jp/nagoya-we-blog/2010/08/ |title=生中継・絶景!夏の御嶽山 ~御嶽山~ |publisher=NHK |accessdate=2011-03-24}}</ref> |
* 『絶景!夏の御嶽山 ~御嶽山~ 』 総合テレビ([[NHK名古屋放送局]])、[[ウィークエンド中部]]、2010年8月21日放送<ref>{{Cite web |url=http://www.nhk.or.jp/nagoya-we-blog/2010/08/ |title=生中継・絶景!夏の御嶽山 ~御嶽山~ |publisher=NHK |accessdate=2011-03-24}}</ref> |
||
* 『小さな旅 山の歌 祈りの峰 いまも~御嶽山~』 NHK総合テレビ、[[小さな旅]]、2010年8月28日放送<ref name="tisana tabi" /> |
* 『小さな旅 山の歌 祈りの峰 いまも~御嶽山~』 NHK総合テレビ、[[小さな旅]]、2010年8月28日放送<ref name="tisana tabi" /> |
||
* 『天空の宿へ ~にっぽん山小屋物語~』 [[テレビ東京]]、[[土曜スペシャル]]、2011年9月3日放送<ref name="tv-tokyo" /> |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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292行目: | 385行目: | ||
== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
* {{Cite book|和書 |author= |year=1998 |month=11 |title=日本の名山11 御岳山 |series=日本の名山 |publisher=博品社 |pages= |isbn=4938706571 }} |
* {{Cite book|和書 |author= |year=1998 |month=11 |title=日本の名山11 御岳山 |series=日本の名山 |publisher=博品社 |pages= |isbn=4938706571 |ref=日本の名山}} |
||
* {{Cite book|和書 |author=近藤紀巳 |year=2002 |month=4 |title=ぐるり御岳 とっておきの自然 |publisher=[[中日新聞社]] |pages= |isbn=4806204447}} |
* {{Cite book|和書 |author=近藤紀巳 |year=2002 |month=4 |title=ぐるり御岳 とっておきの自然 |publisher=[[中日新聞社]] |pages= |isbn=4806204447}} |
||
* {{Cite book|和書 |author=菅原寿清 |year=2002 |month=7 |title=木曽御嶽信仰―宗教人類学的研究 |publisher=岩田書院 |pages= |isbn=487294254X}} |
* {{Cite book|和書 |author=菅原寿清 |year=2002 |month=7 |title=木曽御嶽信仰―宗教人類学的研究 |publisher=岩田書院 |pages= |isbn=487294254X}} |
||
298行目: | 391行目: | ||
* {{Cite book|和書 |author= |year=2009 |month=12 |title=改訂版 岐阜県の山 |series=新・分県登山ガイド・改訂版 |publisher=山と溪谷社 |pages=pp.79-81 |isbn=9784635023702}} |
* {{Cite book|和書 |author= |year=2009 |month=12 |title=改訂版 岐阜県の山 |series=新・分県登山ガイド・改訂版 |publisher=山と溪谷社 |pages=pp.79-81 |isbn=9784635023702}} |
||
* {{Cite book|和書 |author=木股文昭 |year=2010 |month=6 |title=御嶽山―静かなる活火山 |publisher=[[信濃毎日新聞社]] |pages= |isbn=9784784071395}} |
* {{Cite book|和書 |author=木股文昭 |year=2010 |month=6 |title=御嶽山―静かなる活火山 |publisher=[[信濃毎日新聞社]] |pages= |isbn=9784784071395}} |
||
* {{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=10 |title=御岳山―霊なる山の素顔 新版 |publisher=信濃毎日新聞社 |pages= |isbn=9784784071470}} |
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== 関連項目 == |
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* [[長野県西部地震]] |
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* [[山岳信仰]] |
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* [[修験道]] |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* {{Cite web |url=http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=355334&l=1372849 |title=地図閲覧システム 2万5千分1地形図名:御嶽山(北東) |publisher=国土地理院 |accessdate=2011-03-24}} |
* {{Cite web |url=http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=355334&l=1372849 |title=地図閲覧システム 2万5千分1地形図名:御嶽山(北東) |publisher=国土地理院 |accessdate=2011-03-24}} |
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* {{Cite web |url=http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/312_Ontakesan/312_index.html |title=御嶽山・火山 |publisher=気象庁 |accessdate=2011-03-24}} |
* {{Cite web |url=http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/312_Ontakesan/312_index.html |title=御嶽山・火山 |publisher=気象庁 |accessdate=2011-03-24}} |
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* {{Cite web |url=http://tenki.jp/mountain/famous100/point-167.html |title=登山天気・御嶽 |publisher=[[日本気象協会]] |accessdate=2011-10-05}} |
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<!-- * [http://riodb02.ibase.aist.go.jp/strata/VOL_JP/vol/70.htm 産業技術総合研究所 御嶽山] リンク切れ--> |
<!-- * [http://riodb02.ibase.aist.go.jp/strata/VOL_JP/vol/70.htm 産業技術総合研究所 御嶽山] リンク切れ--> |
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2011年10月6日 (木) 16:22時点における版
御嶽山 | |
---|---|
木曽町上空から望む御嶽山 | |
標高 | 最高峰 剣ヶ峰 3,067[1] m |
所在地 |
長野県木曽郡木曽町・王滝村 岐阜県下呂市・高山市 |
位置 | 北緯35度53分34秒 東経137度28分49秒 / 北緯35.89278度 東経137.48028度[1] |
山系 | 独立峰 |
種類 | 成層火山 活火山ランクB |
御嶽山の位置 | |
プロジェクト 山 |
御嶽山(おんたけさん)は、長野県と岐阜県にまたがり、乗鞍火山帯の最南部位置する標高3,067 mの複合成層火山である。大きな裾野を広げる独立峰である。
概要
木曽御嶽山や御嶽とも称する。また、嶽の字体を新字体で表記した御岳山や御岳などと表記されることも多い。標高3,000mを超える山としては日本国内で最も西に位置する。日本には同名の山(御嶽山・御岳山)が多数あり、その最高峰である。[2]山頂には一等三角点(3,063.41 m、点名「御岳山」)[3]と御嶽神社がある。
古くから信仰の山として信者の畏敬を集めてきた巨峰で、いくつもの峰を連ねてそびえる活火山である。著名な民謡である木曽節にもこの山の名(木曽のおんたけさん)が歌われており、神聖な信仰の山であるとともに、木曽を代表する山として親しまれている。日本百名山[4]、新日本百名山[5]、花の百名山[6]、ぎふ百山[7]に選定されている。
国立公園に指定されている飛騨山脈や赤石山脈と異なり、木曽山脈とともに国定公園にさえも指定されていない。長野県の御岳県立自然公園および岐阜県の御嶽山県立自然公園には指定されているものの、国立・国定公園に指定されなかったのは、木曽ヒノキを主とする林業の盛んな地域であるという事情がある。山腹は深い森で覆われ多くの滝があり、木曽川水系の源流部の山であり、その下流部である中京圏の水がめとなっている。
山名の由来
古くは修験者がこの山に対する尊称として「王の御嶽」(おうのみたけ)と称して、「王嶽」(おうたけ)となった[8]。その後「御嶽」に変わったとされている[9]。
火山・地勢
剣ヶ峰を主峰にして、摩利支天山(2,959.2 m) 、継子岳(2,858.9 m) 、継母岳(2,867 m) などの外輪山があり、南北約3.5 kmの山頂部による台形の山容である。北端の継子岳は比較的新しい山体の成層火山で、北側山麓から見ると、他の峰が隠れて見えないためきれいな円錐形をしており、郷土富士として「日和田富士」とも呼ばれている。なお、長野県側に寄生火山として三笠山(2,256 m)、小三笠山(2,029 m)がある。最高点の剣ヶ峰は長野県に位置し、王滝口登山道の外輪山との合流部が「王滝頂上」(標高点2,936 m)[10]、小坂口との合流部が「飛騨頂上」(標高2,811 m)である。火山灰の堆積した裾野は広く、長野県側の麓の傾斜地では濃い色の火山灰が耕地を覆っていて、高地の開田高原は蕎麦の産地として知られている[8]。2007年(平成19年)3月、日本の地質百選選定委員会が「日本の地質百選」の第1期選定として全国83箇所を選定し、5月10日に発表され、その1つに御嶽山が選ばれている。
山容 | 山名 | 標高[1][3] (m) |
三角点等級 基準点名[3] |
剣ヶ峰からの 方角と距離(km) |
---|---|---|---|---|
継子岳 | 2,858.93 | 三等「継子岳」 | 北 2.7 | |
摩利支天山 | 2,959.24 | 三等「御岳」 | 北北西 1.4 | |
剣ヶ峰 (最高点) |
3,067 | (一等)「御岳山」 (3,063.41m) |
0 | |
継母岳 | 2,867 | 西 1.4 | ||
三笠山 | 2,256.1 | 三等「三笠山」 | 南東 3.2 |
火山活動
御嶽山は各方向に溶岩流を流れ出しているが、西に流れた摩利支天山第6溶岩流は、最も延長が長く約17kmに及ぶ。末端には安山岩の大岩壁巌立がある。一ノ池を中心として、摩利支天山、継母岳、王滝頂上を結ぶ外輪山の内側がカルデラであると推測され、カルデラ形成前の姿は、富士山に匹敵する高さの成層火山であったと推測される。大爆発によって崩壊した土砂は土石流となって川を流れ下ったと思われる。岐阜県各務原市付近の各務原台地は、御嶽山の土砂が堆積しており、水流によってできた火山灰堆積物が地層となっている。この大爆発によって剣ヶ峰、摩利支天山、継母岳の峰々が形成された。複成火山であり、その山容はアフリカのキリマンジャロ山に似ている[11]。
長らく死火山だと思われ定常的な観測は行われていなかったが、明確な前兆現象を伴わず1979年(昭和54年)10月28日に水蒸気爆発を起こし約1,000 mの高さまで噴煙を噴出させ[12][13]、活火山であることが判明した。この噴火がきっかけとなり、日本国内の死火山、休火山、活火山という定義そのものを見直すこととなった。現在では活火山以外の言葉は使われない。
従来、最後のマグマ噴火は約2万年前で以降は水蒸気爆発と考えられていたが、2006年(平成18年)に行われた岐阜県の調査および2008年(平成20年)に行われた国土交通省多治見砂防国道事務所や産業技術総合研究所の調査によれば、約5200年前の火砕流を伴う噴火を含め、2万年間に4回(約1万年前以降、約1万年前、約9000年前、約5200年前、約5000年前)のマグマ噴火を起こしている[14][リンク切れ]。信濃毎日新聞の2007年(平成19年)4月30日の紙面に掲載された記事によると、岐阜県の調査によって、剣が峰北西6キロの下呂市小坂町内において、約5200 - 6000年前の火砕流が堆積してできた地層が発見され、五ノ池火口からの噴出物と考えられる火砕流の痕跡が確認された。最近の2万年以降の活動は水蒸気爆発と限定していた岐阜県・長野県それぞれにおいて、火砕流も想定しての、ハザードマップなど防災に関する見直しが行われる可能性が指摘されている。
『御嶽山 地質と噴火の記録』千村出版によれば、774年と1892年に噴火活動があったとされているが、その研究によりこの2回の噴火は発生していなかったことが明らかとなっている[15]。1979年以降は断続的(1991年、2007年)に小規模な噴気活動が続いている。山頂周辺には、火山活動の観測のための地震計、空振計、火山ガズ検知器、監視カメラなどの観測機器が設置されている[16][17]。王滝頂上から山頂に向かう登山道の周辺では、硫黄臭がすることがあったり、噴気口から発生する火山ガスの轟音が聴こえることがある。
気象庁は2011年8月現在、御嶽山の火山活動に大きな変化はなく、噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)の継続を発表している[18]。
5つの火口湖
御嶽山には、5つの火口湖があり、一ノ池から五ノ池の名前が付けられている。一ノ池の噴火活動後に、ニノ池と三ノ池が造られ、その後四ノ池が造られた[11]。常に水をたたえているのは、エメラルド色の二ノ池と三ノ池である。二ノ池は日本で最も高いところ(2,905 m) にあるお盆形状の水深3.5 mの湖沼で、集水面積は湖面の数倍あり、ミクリガ池などの飛騨山脈の火口湖と比べて水位の日変化が40 cm程と大きいのが特徴である[11]。昼夜の気温差による雪解け量の差がその原因である。北西斜面の雪渓の雪解け水・天水・伏流水を集め、水位が極端に上昇した場合には、東端にあるニノ池小屋付近から北東に排水される。1979年の噴火活動の際に、ニノ池に大量の硫黄が流れ込み池の水は酸性度が強くなった。周辺の山小屋ではこの湖水をポンプで送水して宿泊者のためのお風呂の水に利用している[19]。三ノ池は、湖盆の平均斜度14.4度、水深が13.3 m、8月初旬の平均水温が表面で9.7 ℃低層で9.5 ℃である[11]。三ノ池の湖水は、信者の御神水とされている[20]。四ノ池は高層湿原となっていて、小川が流れており、高山植物の群生地となっている。なお、二ノ池北西の斜面の下、賽の河原との間に小さな窪地があり、多雨期には水がたまる。これを六ノ池と呼ぶことがある。賽の河原の西端、シン谷へ落ち込むところに日本最高所の滝 (2,800 m) がある。この谷は兵衛谷となり濁河川と合流し小坂川となって、飛騨川に注いでいる。よく、四ノ池から落ちる滝が日本最高所の滝と言われているが、四ノ池の標高は2,690 mであるため誤りである。三ノ池のみにオンダケトビケラ(学名:Pseudostenophylax sp.)の幼虫が生息する[11]。
画像 | 名称 | 標高 (m) |
水深[11] (m) |
備考 |
---|---|---|---|---|
一ノ池 | 2,990 | 涸れていることが多い | ||
二ノ池 | 2,905 | 3.5 | 日本の最高所の湖沼 北東岸にニノ池小屋 | |
三ノ池 | 2,720 | 13.3 | 湖岸線の延長が705 m 湖盆平均斜度14.4度 | |
四ノ池 | 2,690 | 高層湿原から東に沢が流れる | ||
五ノ池 | 2,790 | 残雪期と降水後に水がある 池の北側に五の池小屋 |
滝が非常に多い山
「御嶽山は滝の山である」と言われるほど、御嶽山を源とする河川には滝が多い[21]。地形が急峻で高低差が大きいこと、独立峰で山体が大きいこと、降水量が多いこと、豊かな森林を育んでいて水が涸れることがないことなどがその成因となっている。人が近づきにくいところにあるものが多いが、黒沢口から油木尾根の遊歩道沿いにある百間滝(西野川の支流の南俣川)や、御嶽教の行場となっている新滝・清滝、濁河温泉付近の仙人滝・緋の滝、日本の滝百選に選ばれた根尾の滝など、比較的簡単に目にすることができる滝もいくつかある。
御嶽山は飛騨山脈に含むのか
御嶽山は北アルプス(飛騨山脈)の延長線上にあり、北アルプスに含めるという説もあるが、北側の乗鞍岳との間には稜線らしき峰々はほとんどないため、一般的には御嶽山は飛騨山脈は含まれないというのが定説である(ただし、旧乗鞍火山帯には含まれる)。しかし、間を横切る河川は1本もないのも事実であり、明確な結論は出ていない。著名登山家でも意見は分かれている。なお、ガイドブック等で日本アルプスを3つに分けて紹介する場合、中央アルプスの山数が少ないので御嶽山を中央アルプスと合わせて掲載されるケースが多々ある。このため、御嶽山を中央アルプスの山と思いこんでいる人も数多く存在するが、中央アルプスとの間には木曽川が流れており、明らかに中央アルプスには属さない。国土地理院の日本の主な山岳標高の一覧では、鎌ヶ峰までが「飛騨山脈南部」、御嶽山は「御嶽山とその周辺」とされている[1]。
歴史・信仰
御嶽山は山岳信仰の山である。通常は富士山、白山、立山で日本三霊山と言われているが、このうちの白山又は立山を御嶽山と入れ替えて三霊山とする説もある。江戸時代に、王滝口、黒沢口および小坂口の3つの道が開かれた。最高点の剣ヶ峰には御嶽神社奥社がある。教派神道の一つ御嶽教の信仰の対象とされている。
- 702年(大宝2年) - 役小角により開山したとされる[22]。
- 925年(延長3年) - 白河少将重頼が登拝し、御嶽神社奥社の神殿を建造。
- 961年(応和元年)- 後白河上皇の勅使が登山参拝されたと伝えられている。
- 1177年(治承元年)~1184年(寿永3年) - 木曾義仲が打倒平氏を祈願するために登ったと伝えられている[22]。
- 室町時代 - 修験者の登拝が盛んになった。
- 1500年(明応9年) - 木曽義昌が従者と共に武運を祈願するために登頂した[23]。
- 1785年(天明5年) - 覚明行者によって黒沢口が開かれた。御嶽信仰の山として江戸時代に、一般にも開放されるようになった。
- 1791年(寛政3年) - 覚明行者が小坂口を開いた。
- 1792年(寛政4年) - 普寛行者が王滝口を開いた。
- 1868年(慶応4年) - 黒沢口登山道の八合にある山小屋の女人堂が開業した。
- 1872年(明治5年) - 太政官通達により神社仏閣地の女人禁制が解かれた。
- 1952年(昭和27年)3月3日 - 長野県側が御岳県立自然公園に指定される。
- 1961年(昭和36年)- 南山麓に牧尾ダムが完成し中京圏の水がめとして上水道、工業用水、かんがい用水を供給している。
- 1979年(昭和54年)10月28日 - 南西側斜面で水蒸気爆発が発生し、有史以来の噴火となった[12]。
- 1984年(昭和59年)9月14日午前8時48分49秒 - 御嶽山直下を震源としたM6.8の長野県西部地震が発生し[24]、剣ヶ峰南南東の伝上川上流で山体崩壊が発生し、岩屑なだれが流れ下った王滝川沿いの山麓に多大な被害をもたらした[25]。この際、濁川温泉(現存せず)が流失し、経営者一家が行方不明になった。
- 1985年(昭和60年)- 東南東山腹におんたけスキー場(現在のおんたけ2240)が開業。
- 1989年(平成元年) - 御岳ロープウェイが開業し、通年運行され、冬はスキー場、その他のシーズンは、観光客や登山者に利用されている。
- 1996年(平成8年) - 東山腹に開田高原マイアスキー場が開業。
- 1998年(平成10年)- 北岳山腹にチャオ御岳スノーリゾートが開業。
- 1999年(平成11年)4月1日 - 岐阜県側が御嶽山県立自然公園に指定される。
- 2004年(平成16年)3月1日 - 麓の小坂町及び萩原町、下呂町、金山町、馬瀬村が合併して下呂市が誕生した。
- 2005年(平成17年)2月1日 - 麓の朝日村、高根村及び高山市、丹生川村、清見村、荘川村、宮村、久々野町、国府町、上宝村の1市2町7村が編入合併し新しい高山市となった。
- 2005年(平成17年)11月1日 - 麓の開田村、三岳村及び木曽福島町、日義村が合併し木曽町となる。
観光
主な観光スポット
- 田の原天然公園 - 御嶽山の登山道の王滝口標高約2,200m付近に広がる天然公園で、湿原、背の低い針葉樹林帯に遊歩道や展望台が整備されている[26]。
- 開田高原 - 蕎麦の産地や木曽馬の里としても知られ、乗馬体験ができる施設がある。
- 自然湖 - 長野県西部地震によりせき止められた木曽川の支流である王滝川上流の湖で、立ち枯れの木が湖の中に並んでいて夏季シーズンのカヌーが人気となっている[27]。
- 御岳湖 - 王滝川の牧尾ダムによりできた湖。
- おんたけ休暇村 - 御岳高原にある名古屋市の保険休養地
- 濁河温泉 - 御嶽山の濁河口の登山口にある温泉
スキー場
- おんたけ2240(旧おんたけスキー場)
- 御岳ロープウェイスキー場 - 平成22年度より冬季営業休止
- 開田高原マイアスキー場
- チャオ御岳スキー場
眺望スポット
3,000mを越える高山であるが、奥深い山中にあるため、山体全体を眺められる場所は意外と少ない。
登山
江戸時代から信仰登山が盛んに行われていて、現在も白装束の登拝者が見られる山である。御嶽山の登山口は木曽側から3つ(王滝口、黒沢口、開田口)、飛騨側から1つ(小坂口)が昔から利用されていたが、その後日和田口が比較的新しく開かれた。1979年10月の噴火後上部の4合目までが入山規制され、1981年に山頂部の火口付近を除き入山規制が解除された[23]。木の丸太などで整備された階段状の登山道は地元に有志らにより修復整備がなされている[9]。麓の開田中学校や王滝中学校では学校登山が行われている[28]。黒沢口などでは御嶽講の先達を背負ったり、信者の荷物や、山小屋の物資を運ぶ強力を担う人がいる[29][20]。
登山史
- 1873年(明治6年) - ウィリアム・ゴーランドとE.デイロンが登頂[23]。
- 1874年(明治7年) - ヨハネス・ユストゥス・ラインが登頂[23]。
- 1881年(明治14年) - アーネスト・サトウらが登頂し、『中部及び北方日本旅行案内』を執筆した[23]。
- 1891年(明治24年) - ウォルター・ウェストンが黒沢口から登頂し王滝口に下山、その後『日本アルプスの登山と探検』などの著書で御嶽山を含む日本の山々を世界に紹介した[30]。
- 1893年(明治26年) - 木暮理太郎が登頂[23]。
- 1894年(明治27年)8月14日 - ウォルター・ウェストンが再登頂[30]。
- 1948年(昭和23年) - 麓の木曽町立開田中学校の生徒による学校登山が始まる[20]。
- 2006年(平成18年)6月25日 - 王滝村を中心とした御嶽山でOSJおんたけスカイレース(トレイルランニング競技)が開催され、以降毎年同レースが開催されている[31]。
主な登山口
- 王滝口[32]
- 田の原 - 7合目大江権現 - 金剛童子(8合目下) - 9合目石室 - 王滝頂上 - 剣ヶ峰
- 御嶽山への車道としては、最も高い標高地点(2160メートル)まで登ることが出来、また剣ヶ峰へのアプローチは最も短い。途中での眺望が優れており、登山口から王滝頂上までのコースが常に上から下まで見渡せる。登山口の田の原から王滝頂上までの間には8合目と9合目に無人の山小屋しかない。山開きに相当する開山祭は7月1日に行われる。積雪期には登山口の田の原への道路が閉鎖されるが、春先におんたけ2240のスキー場のゴンドラを利用して、雪山登山を行う例がある。
- 黒沢口[33]
- 中の湯(6合目)またはロープウェイ飯森駅 - 行場山荘(7合目) - 女人堂(8合目) - 石室山荘(9合目) - 覚明堂 - 剣ヶ峰
- 覚明行者によって開かれた最も古い登山道。御嶽教、木曽御嶽本教に最も関わりの深い登山道でもある。夏には六根清浄を唱える白衣の登拝者が見られる[34]。有人山小屋が合目ごとにある。現在は7合目付近にロープウェーの飯森駅(標高2150メートル)ができ、王滝口登山口の田の原とほぼ同じ標高まで歩かずに登ることができるようになったため、大半の登山者がロープウェイを利用するようになったが、6合目から歩く登山者は現在でも少なくない。山開きに相当する開山祭は王滝口と同じ7月1日に行われる。
- 開田口
- 開田口4合目 - 7合目避難小屋跡 - 三ノ池避難小屋 - 賽の河原 - 二ノ池 - 剣ヶ峰
- 木曽側の3つの登山口のうち、唯一、信仰のためでなく作られた登山道。営林署(現・森林管理署)の作業道として開かれた。距離は長いが、大自然を満喫することが出来る。水場は4合目付近に湧き水があり、それ以外は三の池まで無し。登山口の標高が低く(1500メートル)標高差が大きいため、健脚向き。
- 小坂口
- 濁河温泉 - 湯の花峠 - のぞき岩避難小屋 - 飛騨頂上(五の池小屋) - 賽の河原 - 二ノ池 - 剣ヶ峰
- 剣ヶ峰へのアプローチが長いためか、現在は信仰登山者はほとんど見かけず、一般登山客が多い。このルートの山開きは、6月15日。下山時に温泉を楽しめるのが魅力のコース。なお、登山口を胡桃沢とし、のぞき岩避難小屋下で濁河温泉からの道と合流するコースもあるが、このコースを特に胡桃沢コースと称することもある。飛騨頂上の五の池小屋は、2010年に新館が増築され収容人数が100人に倍増した[35]。
- 日和田口
- 日和田口またはゴンドラリフト山頂駅 - 継子岳 - 飛騨頂上(五の池小屋) - 賽の河原 - 二ノ池 - 剣ヶ峰
- 継子岳頂上を目指して登るコースで宗教登山に由来しないコースのひとつ。1998年のチャオ御岳スキー場の開発に伴い、通年運行されるゴンドラリフトの「フライングチャオ」を利用することが多くなり、旧来の登山口からの登山は減った。ゴンドラリフトを使用した場合は王滝口とほほ同じ標高(2190メートル)まで登ることができるが、継子岳から最高峰剣ヶ峰までの距離が長い。また、ルートは他のコースに比べてあまり手入れがされていない。2010年現在、フライングチャオはスキーシーズン(12月初旬 - 5月初旬)のみの運行となっており、春 - 秋の登山には利用できなくなっている。
小坂口、日和田口利用者の中には、剣ヶ峰まで登らずに、飛騨頂上・継子岳あるいは、摩利支天山までの登山を目的とする登山者も多い。一ノ池を取り囲むの西側の稜線に登山道があり、剣ヶ峰からニノ池小屋へのルートの一つとなっている。
以前は、王滝川の支流の濁川に沿って濁川温泉(現存せず)を経て、剣ヶ峰と継母岳の鞍部に登る松原新道があったが、1984年の長野県西部地震により発生した伝上崩れにより崩壊し、廃道となった。
山小屋
御嶽山は宗教登山が盛んであるため、山小屋も宗教施設としての側面がある山小屋が多い。それらの山小屋は大広間や客室内に御嶽神社の掛け軸などが祀られている。また、王滝口・黒沢口の開山祭の7月1日以降の営業開始となる小屋が多く、営業終了は山小屋によって差があるものの、8月末から9月末までの間が多い。御嶽神社・御嶽教・木曽御嶽本教は山開きを7月10日から9月10日までとしているため、その間は特に白装束の宗教登山者の宿泊利用や立ち寄り利用が多い。なお、五の池小屋は例外的に例年6月1日から10月15日までの営業と、長期間の営業を行っている。8合目と7合目の山小屋は紅葉シーズンも営業する。宗教施設としての側面が多い山小屋群の中で、五の池小屋は御嶽山では唯一アルプススタイルの山小屋である。
山頂地域に多くの有人山小屋があるが、黒沢口には途中にも合目ごとに有人山小屋が営業している。二ノ池の水を飲料水などの水源としている山小屋が多く、二ノ池から遠い「五の池小屋」や7合目以下の山小屋以外の山小屋は「二の池水組合」を設立し、共同で水道施設の設置・維持・撤去を行っている。また、日頃の水源ポンプ施設の操作は「二ノ池本館」のスタッフが行っている。豊富な水を使って「二ノ池本館」「二ノ池新館」「石室山荘」「覚明堂」では、宿泊者向けの風呂を毎日用意するほか、宿泊者が少ない時のみ宿泊者にスタッフ用の風呂を提供する山小屋もある。
有人山小屋
- 王滝口…田の原登山口2軒(田の原山荘および御嶽観光センター・ただし山小屋とされないことが多い)・王滝頂上(王滝頂上山荘)・剣ヶ峰山頂(御嶽剣ケ峰山荘・旧称「剣ヶ峰旭館」)
- 黒沢口…6合目(中の湯・近年はロープウェイ完成による利用者の減少により、平日は営業しない日もある)・7合目(行場山荘・旧称「一ノ又行者小屋」または「覚明行場小屋」)・8合目(女人堂・別称「金剛堂」)・9合目(石室山荘)・9合目半(覚明堂・「覚明堂休泊所」とも)・剣ヶ峰山頂(御嶽頂上山荘・王滝口の御嶽剣ケ峰山荘の隣)
- 小坂口…飛騨頂上(五の池小屋)
- 二ノ池周辺…池畔(二ノ池本館)・飛騨側(二ノ池新館)(なお、二ノ池本館と二ノ池新館は全くの別経営である)
焼印
多くの有人山小屋や山頂神社社務所では、宗教登山に使われる金剛杖に焼印を押印するサービスを有料で行っている。富士山で特にポピュラーなサービスであるが、御嶽山でも実施する山小屋を少し減らしながらも現存しており、貴重な存在である。ただ、富士山ほど押印希望者は多くなく、希望者が現われてから焼印を加熱するところが多いため、焼印に時間がかかることが多い。また、押印の料金も富士山よりも割高になっている。
御嶽山の動物
山頂付近の登山道の高山帯に生息するホシガラス、ライチョウ、クジャクチョウなどが見られる。ライチョウは日本で特別天然記念物に指定され、環境省及び長野県の危急種に指定され絶滅が危惧されている[36]。1981年の調査で50箇所あったライチョウの縄張りが、2008年の調査で28箇所に減少している[37]。
ホシガラス | ライチョウ | クジャクチョウ |
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御嶽山の植物
1887年(明治20年)7月に植物学者の白井光太郎が登頂して高山植物を採集し、1889年(明治22年)には三好学らも採集し、1933年(昭和8年)に植物学者の中野治房が御嶽山の植物生態を調査した[23]。山の上部は森林限界のハイマツ帯で、イワギキョウ、クロユリ、コマクサ、トウヤクリンドウ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマダイコンソウなどの多くの高山植物が自生している[38][39]。1979年の噴火による荒廃で黒沢口登山道九合目の石室山荘周辺のハイマツが枯れたが、2002-2003年頃から若芽が確認されている[17]。御嶽山のコマクサの昔話がある[40]。王滝口登山道にある田の原天然公園を中心に約830 haが、木曽御岳自然休養林に指定されている[26]。田中澄江は、『花の百名山』著書で代表する花に一つとしてリンネソウを紹介した[6]。標高1,500m以下の山麓では、ヒノキ、アスナロなどの木曽五木が見られる[8]。南山麓では長野県製薬が、キハダを主成分とした「御岳百草丸」(胃腸薬)を製造している。
イワギキョウ | クロユリ | コマクサ | トウヤクリンドウ |
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地理
周辺の山
独立峰であるため、周囲の多くの山からその山容を望むことができる。山頂部は広く、複数のピークから成る[41]。濃尾平野からも北東にその大きな山容が望める。岐阜県側には前衛の山として、ぎふ百山の一つである御前山(1,646 m)と続ぎふ百山の一つである下呂御前山(1,412 m)がある。
山容 | 山名 | 標高[1][3] (m) |
三角点等級 基準点名[3] |
御嶽山からの 方角と距離(km) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
白山 | 2,702.17 | 一等「白山」 | 西北西 70.2 | 日本百名山 | |
鉢盛山 | 2,446.43 | 一等「鉢盛山」 | 北東 32.7 | 日本三百名山 | |
乗鞍岳 | 3,025.64 | 一等「乗鞍岳」 | 北北東 24.6 | 日本百名山 | |
鎌ヶ峰 | 2,120.10 | 二等「鎌ケ岳」 | 北東 18.3 | ||
御嶽山 | 3,067 | (一等)「御岳山」 (3,063.41m) |
0 | 日本百名山 | |
小秀山 | 1,981.68 | 二等「小秀山」 | 南南西 14.1 | 日本二百名山 | |
奥三界岳 | 1,810.48 | 三等「奥三階」 | 南 23.6 | 日本三百名山 | |
木曽駒ヶ岳 | 2,955.86 | 一等「信駒ケ岳」 | 東南東 31.4 | 日本百名山 | |
南木曽岳 | 1,679 | (二等)「南木曾」 (1,676.93m) |
南南東 36.5 | 日本三百名山 | |
恵那山 | 2,191 | (一等)「恵那山」 (2,189.81m) |
南南東 51.0 | 日本百名山 |
源流の河川
源流となる以下の河川は木曽川水系で伊勢湾へ流れる。王滝川の牧尾ダムの御岳湖に貯水された水は愛知県などの飲料水、工業用水及び農業用水に利用されていて、その上流部には関西電力の水力発電用の三浦ダムがある。王滝川の支流の濁川上流部の赤川では浸食と崩落が激しく「地獄谷」と呼ばれている[41][42]。
- 西野川、白川、王滝川 (木曽川の支流)
- 飛騨川
- 秋神川、小坂川 (飛騨川の支流)
主な峠
- 野麦峠 - 乗鞍岳との間に映画『あゝ野麦峠』などで有名となった峠がある。標高1,672 mで長野県道・岐阜県道39号奈川野麦高根線が通る。
- 長峰峠 - 国道361号にある岐阜県と長野県との県境で、暮岩川(飛騨川の支流)と西野川(木曽川の支流)との分水嶺となっている。
- 九蔵峠 - 国道361号の開田高原にある峠で、九蔵峠展望台からは西南西に御嶽山を望むことができる。
- 濁河峠 - 秋神川と濁河川(小坂川の支流)との分水嶺となっている。
- 白巣峠 - 白川(王滝川の支流)と付知川との分水嶺となっていて、林道が通る。
- 鞍掛峠 - 水無川(王滝川の支流)と竹原川(飛騨川の支流)との分水嶺となっていて、林道が通る。
御嶽山の風景
独立峰である御嶽山の大きな山容を各方面から望むことができる。
東の風越山より | 南の小秀山より | 西の位山より | 北の国道361号より |
テレビ番組
- 『こころの時代 宗教・人生 山の信仰 霊山御嶽』 NHK教育テレビジョン、1985年9月8日放送[43]
- 『日本百名山 御嶽』 NHK衛星第2テレビジョン、1994年11月3日放送[44]
- 『いのち輝く山 ~四季・御嶽~』 NHK総合テレビジョン、2005年1月1日放送[45]
- 『週刊 日本の名峰 御嶽山』 NHKデジタル衛星ハイビジョン、2007年6月11日放送[46]
- 『絶景!夏の御嶽山 ~御嶽山~ 』 総合テレビ(NHK名古屋放送局)、ウィークエンド中部、2010年8月21日放送[47]
- 『小さな旅 山の歌 祈りの峰 いまも~御嶽山~』 NHK総合テレビ、小さな旅、2010年8月28日放送[20]
- 『天空の宿へ ~にっぽん山小屋物語~』 テレビ東京、土曜スペシャル、2011年9月3日放送[19]
脚注
- ^ a b c d e “日本の主な山岳標高(長野県の山)”. 国土地理院. 2011年3月24日閲覧。
- ^ 厳密には御嶽山の最高点である剣ヶ峰の西北に位置する外輪山に、3,053.4mの小ピークがある。(1:5,000国土基本図(火山基本図)御岳山-国土地理院発行)
- ^ a b c d e “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年3月24日閲覧。
- ^ 深田久弥『日本百名山』朝日新聞社、1982年7月、pp.227-230頁。ISBN 4-02-260871-4。
- ^ 岩崎元郎『新日本百名山登山ガイド〈下〉』山と溪谷社、2006年3月、pp.49-51頁。ISBN 4635530477。
- ^ a b 田中澄江『花の百名山』文春文庫、1997年6月、pp.274-277頁。ISBN 4-16-352790-7。
- ^ 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474。
- ^ a b c 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、pp.972-973頁。ISBN 4-779-50000-1。
- ^ a b “御嶽山整備事業”. 日野製薬. 2011年10月5日閲覧。
- ^ “地図閲覧サービス(王滝頂上)”. 国土地理院. 2011年10月5日閲覧。
- ^ a b c d e f 日本の名山(1998)、p.161-165
- ^ a b “御嶽山 記録に残る火山活動”. 気象庁 (2007年6月21日). 2011年3月24日閲覧。
- ^ “御岳山の1979年噴火による降灰分布と川水のpH分布” (PDF). 気象研究所研究報告 (気象研究所) (第12号): pp.172-178. (1984) 2011年3月24日閲覧。.
- ^ “御岳山、マグマ噴火は1万年で計4回 減災対策見直しも”. 信濃毎日新聞. (2009年10月6日) 2009年10月7日閲覧。
- ^ “御岳火山の歴史噴火記録の再検討と噴気活動の歴史記録” (PDF). 地質調査報告 (気象研究所) (第59巻、第5/6号): pp.203-210. (2008) 2011年3月24日閲覧。.
- ^ “御嶽山火山防災だより” (PDF). 国土交通省中部地方整備局 (2011年2月). 2011年3月24日閲覧。
- ^ a b 御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.58
- ^ “御嶽山の火山活動解説資料(平成23 年8月)” (PDF). 気象庁 (2011年8月). 2011年10月5日閲覧。
- ^ a b “天空の宿へ ~にっぽん山小屋物語~”. テレビ東京・土曜スペシャル (2011年9月3日). 2011年10月5日閲覧。
- ^ a b c d “祈りの峰 いまも ~御嶽山~”. NHK小さな旅 (2010年8月28日). 2011年3月24日閲覧。
- ^ “御嶽山に登ろう・滝めぐりコース”. 木曽町観光協会. 2011年3月24日閲覧。
- ^ a b 『コンサイス日本山名辞典』三省堂、1992年10月、p.116頁。ISBN 4-385-15403-1。
- ^ a b c d e f g 日本の名山(1998)、p.246
- ^ “火山・御嶽山”. 気象庁. 2011年3月24日閲覧。
- ^ “クローズアップ・巨大山津波が襲った~長野県西部地震~(NHK総合テレビ・1984年9月18日放送)”. NHK. 2011年3月24日閲覧。
- ^ a b “木曽御岳”. 中部森林管理局. 2011年3月24日閲覧。
- ^ 御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.49
- ^ 御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.15
- ^ 御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.24
- ^ a b ウォルター・ウェストン 著、青木枝朗 訳『日本アルプスの登山と探検』岩波文庫、1997年6月、p.372頁。ISBN 4003347412。
- ^ “OSJトレイルランニングレースシリーズ”. POWER SPORTS. 2011年3月24日閲覧。
- ^ “木曽御嶽山(王滝口)登山道の紹介”. 王滝村. 2011年3月24日閲覧。
- ^ “御嶽山に登ろう・登山コース”. 木曽町観光協会. 2011年3月24日閲覧。
- ^ 『日本の山1000』山と溪谷社、1992年8月、pp.350-351頁。ISBN 4635090256。
- ^ “飛騨頂上 御嶽 五の池小屋”. 五の池小屋. 2011年3月24日閲覧。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(ライチョウ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2011年10月5日閲覧。
- ^ 御岳山霊なる山の素顔(2010)、p.119
- ^ 小谷宗司、岩本義行、木曽御岳観光連盟『花かおる御嶽山』ほおずき書籍〈ビジター・ガイドブック〉、2000年6月。ISBN 443400221X。
- ^ “木曽御嶽山(王滝口)登山道の植物”. 王滝村. 2011年3月24日閲覧。
- ^ 日本の名山(1998)、p.192-193
- ^ a b 山と高原地図(2011)の付属図
- ^ “地図閲覧サービス・地獄谷 (長野県木曽郡王滝村)”. 国土地理院. 2011年10月5日閲覧。
- ^ “NHKアーカイブス保存番組詳細 こころの時代(1985年9月8日放送)”. NHK. 2011年3月24日閲覧。
- ^ “NHKアーカイブス保存番組詳細 日本百名山 御嶽(1994年11月3日放送)”. NHK. 2011年3月24日閲覧。
- ^ 菅原文太が出演。“NHKアーカイブス保存番組詳細 いのち輝く山 ~四季・御嶽~(2005年1月1日放送)”. NHK. 2011年3月24日閲覧。
- ^ “お勧めの山・御嶽山”. NHK. 2011年3月24日閲覧。
- ^ “生中継・絶景!夏の御嶽山 ~御嶽山~”. NHK. 2011年3月24日閲覧。
参考文献
- 『日本の名山11 御岳山』博品社〈日本の名山〉、1998年11月。ISBN 4938706571。
- 近藤紀巳『ぐるり御岳 とっておきの自然』中日新聞社、2002年4月。ISBN 4806204447。
- 菅原寿清『木曽御嶽信仰―宗教人類学的研究』岩田書院、2002年7月。ISBN 487294254X。
- 『アルペンガイド11 中央アルプス 御嶽山・白山』山と溪谷社〈ヤマケイ・アルペンガイド〉、2009年6月。ISBN 9784635013598。
- 『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド・改訂版〉、2009年12月、pp.79-81頁。ISBN 9784635023702。
- 木股文昭『御嶽山―静かなる活火山』信濃毎日新聞社、2010年6月。ISBN 9784784071395。
- 『御岳山―霊なる山の素顔 新版』信濃毎日新聞社、2010年10月。ISBN 9784784071470。
- 飛騨山岳会『飛騨の山 研究と案内』ナカニシヤ出版、2010年11月、pp.161-161頁。ISBN 9784779505041。
- 『御嶽山 小秀山・奥三界岳』昭文社〈山と高原地図2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757791。
関連項目
- 日本百名山、新日本百名山、花の百名山、ぎふ百山
- 日本の山一覧 (高さ順)・第14位、日本の山一覧 (3000m峰)
- 活火山、火口湖
- 高山植物、コマクサ、ライチョウ
- 御岳湖、木曽川
- 日本二十五勝
- 日本の地質百選
- 濁河温泉
- 長野県道256号御岳王滝黒沢線
- おんたけ2240、御岳ロープウェイ、開田高原マイアスキー場、チャオ御岳スノーリゾート
- 長野県西部地震
- 山岳信仰- 修験道
- 同名の山(御嶽山・御岳山)
外部リンク
- “地図閲覧システム 2万5千分1地形図名:御嶽山(北東)”. 国土地理院. 2011年3月24日閲覧。
- “御嶽山・火山”. 気象庁. 2011年3月24日閲覧。
- “登山天気・御嶽”. 日本気象協会. 2011年10月5日閲覧。