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[[Image:Aschau.jpg|thumb|150px|飛行の様子]] |
[[Image:Aschau.jpg|thumb|150px|飛行の様子]] |
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'''パラグライダー''' ( |
'''パラグライダー''' (Paraglider) は[[スカイスポーツ (競技)|スカイスポーツ]]の一種。'''パラグライディング'''とも。このスポーツの総称をパラグライディング、飛行するための機体一式をパラグライダーと区分することもある。国際航空連盟(FAI)のカテゴリーでは[[ハンググライダー]]の一種に分類されている。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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パラグライダーの原型は[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の開発した、宇宙船回収用の[[パラフォイル]](柔軟翼)とされている。スポーツとしてのパラグライダーは、1978年頃、フランスのスカイダイバーが[[山]]の斜面からスクエアーパラシュート(四角いパラシュート)で下りたのが始まりと言われる。日本で普及し始めたのは1986年から。当初は滑空性能が低くスキー場のゲレンデを斜面と並行に滑空を楽しむ程度のもので飛行時間にして約3〜5分程度であった。日本のファルフォーク社が楕円翼を採用して飛躍的な性能向上に成功、ハンググライダーの様なソアリング(上昇気流による長時間フライト)が可能になった。その後、各社とも研究が進み性能の向上は続き、現在では一般のフライヤーでも2〜3時間の在空時間や地上2000m程度までの上昇ができるまでになっている。 |
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パラグライダーは、国際航空連盟ではクラス3(FAI Sub-class O-3 剛性の一次構造を持たないもの)のハンググライダーに分類されており、装備重量は20kg程度で、人間一人の力で持ち運べる。 |
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1988年に、[[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]で「パラグライダー講座」が放映され一般に知られるようになった。1992年12月28日に日本人パイロット峰岸正弘が南アフリカ共和国クルマン地区において当時としては驚異的な263.18 kmの直線飛行に成功し世界記録を樹立した。1995年にはパラグライダー世界選手権が九州でおこなわれ、日本チームは地の利を生かし5位に入った。また、日本人の岡良樹がオーガナイザーを勤め、大会運営を賞賛され、競技開催能力においても日本がパラグライダー先進国の仲間入り果たしたとされた。 |
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パイロットは、ハーネスに座り、左右の操縦索を手で操作して滑空する。 |
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まず風に正対して翼を地面に広げ、向い風で翼を真上に上げ、滑空状態にしてから離陸する。機体の[[滑空比]](6:1から10:1程度)が斜面の傾斜より浅いため、数メートル程度の助走で離陸する。[[上昇気流]]を利用しながら飛行し、(多くの場合は)山の麓に用意してある着陸場に着陸する。巡航速度は36km/h程度。20km/hから60 km/h程度([[対気速度]])の速度域で飛ぶことができる。着陸のときは、着陸場近くで高度処理をし、着陸点(ターゲット)へ、向かい風の下、フレアー操作とともに足から着陸する。 |
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飛行には気象条件が大きく影響し、雨のとき、風速6m/s以上の風が吹くとき、離陸場正面からの風が入らないとき、気流が大きく乱れているときなどは離陸しない様指導される。 |
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日本の航空法では[[航空機]]ではないため、[[日本の資格の分野別一覧#航空|国家資格]]は必要としないが、民間航空規約では航空機とされ、単独飛行に際しては、スクールやクラブで、飛行技術と航空理論、法規および気象学の教習を受ける必要がある。実際に管理されたフライトエリアでは、[[内閣府]]所管[[公益社団法人]][[日本ハング・パラグライディング連盟]](以下JHF)が発行する技能証(パイロット証)とフライヤー登録(第三者賠償責任保険)が有効でなければ飛べない。また、海外でのフライトを行うには[[国際航空連盟]](FAI)が発行するIPPI技能証が必要となる。 |
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== 歴史と現況 == |
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原型は[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の開発した、宇宙船回収用の[[パラフォイル]](柔軟翼)である。現在のパラグライダーは、1978年頃、フランスのスカイダイバーが[[山]]の斜面からスクエアーパラシュート(四角いパラシュート)で下りたのが始まりと言われる。日本で普及し始めたのは1986年から。当初は滑空性能が低くスキー場のゲレンデを斜面と並行に滑空を楽しむ程度のもので飛行時間にして約3〜5分程度であった。日本のファルフォーク社が楕円翼を採用して飛躍的な性能向上に成功、ハンググライダーの様なソアリング(上昇気流による長時間フライト)が可能になった。その後、各社とも研究が進み性能の向上は続き、現在では一般のフライヤーでも2〜3時間の在空時間や地上2000m程度までの上昇ができるまでになっている。 |
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1988年に、[[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]で「パラグライダー講座」が放映され一般に知られるようになった。1992年12月28日に日本人パイロット峰岸正弘が南アフリカ共和国クルマン地区において当時としては驚異的な263.18 kmの直線飛行に成功し世界記録を樹立した。 |
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1995年にはパラグライダー世界選手権が九州でおこなわれ、日本チームは地の利を生かし5位に入った。また、日本人の岡良樹がオーガナイザーを勤め、大会運営を賞賛され、競技開催能力においても日本がパラグライダー先進国の仲間入り果たしたとされた。 |
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競技者人口が1万人を超えたあたりからスカイスポーツというジャンルが確立されたとみなされ、国民体育大会の競技種目に加わった。2008年から、[[アジアオリンピック評議会]](OCA)[[日本オリンピック委員会]](JOC)と連携しオリンピックの競技種目にパラグライダーを加えよう働きかけを進めており、その一環として[[アジアオリンピック評議会]](OCA)が主催する2008年 第1回 バリ(インドネシア)[[アジアビーチ競技大会]](Asian Beach Games)では競技種目に加えられた。2010年現在、北海道から沖縄まで約100か所のフライトエリアと1万524人(JHF公表 フライヤー会員登録者数)の愛好家がいる。 |
競技者人口が1万人を超えたあたりからスカイスポーツというジャンルが確立されたとみなされ、国民体育大会の競技種目に加わった。2008年から、[[アジアオリンピック評議会]](OCA)[[日本オリンピック委員会]](JOC)と連携しオリンピックの競技種目にパラグライダーを加えよう働きかけを進めており、その一環として[[アジアオリンピック評議会]](OCA)が主催する2008年 第1回 バリ(インドネシア)[[アジアビーチ競技大会]](Asian Beach Games)では競技種目に加えられた。2010年現在、北海道から沖縄まで約100か所のフライトエリアと1万524人(JHF公表 フライヤー会員登録者数)の愛好家がいる。 |
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パラグライダーの国際的な統括団体としては、スイス・ローザンヌに本部をもつ[[国際航空連盟]](FAI)ハンググライディング委員会(CIVL)がある。国内の統括団体は、[[内閣府]]所管[[公益社団法人]][[日本ハング・パラグライディング連盟]](JHF) である。JHFは、[[内閣府]]所管[[公益財団法人]][[日本航空協会]] (JAA)を通して[[国際航空連盟]](FAI/CIVL)の傘下にあり、パラグライダーが日本に紹介された初期段階(1986年)からそ発展と普及を進め、安全性向上を目的とした指導員の育成、国際統一された適正技能証の発行及び第三者賠償保険制度を目的としたJHFフライヤー登録制度などの環境整備を行った。また、事業が特定の者に対する利益供与にならないことも条件となっている。 |
パラグライダーの国際的な統括団体としては、スイス・ローザンヌに本部をもつ[[国際航空連盟]](FAI)ハンググライディング委員会(CIVL)がある。国内の統括団体は、[[内閣府]]所管[[公益社団法人]][[日本ハング・パラグライディング連盟]](JHF) である。JHFは、[[内閣府]]所管[[公益財団法人]][[日本航空協会]] (JAA)を通して[[国際航空連盟]](FAI/CIVL)の傘下にあり、パラグライダーが日本に紹介された初期段階(1986年)からそ発展と普及を進め、安全性向上を目的とした指導員の育成、国際統一された適正技能証の発行及び第三者賠償保険制度を目的としたJHFフライヤー登録制度などの環境整備を行った。また、事業が特定の者に対する利益供与にならないことも条件となっている。 |
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国内のパラグライダー団体としてはJHFのほかに、2003年に発足した茨城県知事認証の[[特定非営利活動法人]][[日本パラグライダー協会]](JPA)が存在する。名称は公共団体のように写るが、実態はパラグライダー輸入代理店(実質的には1社)がその直系パラグライダースクール(フランチャイズ店)とその会員(客)であるJPAパイロット会員のみで構成されている。会員数は約1,000人程度。JPAは日本だけの団体であり、[[国際航空連盟]](FAI)や[[日本航空協会]] (JAA)及び[[日本ハング・パラグライディング連盟]](JHF) といった国際的公共団体とは関連がない。 |
国内のパラグライダー団体としてはJHFのほかに、2003年に発足した茨城県知事認証の[[特定非営利活動法人]][[日本パラグライダー協会]](JPA)が存在する。名称は公共団体のように写るが、実態はパラグライダー輸入代理店(実質的には1社)がその直系パラグライダースクール(フランチャイズ店)とその会員(客)であるJPAパイロット会員のみで構成されている。会員数は約1,000人程度。JPAは日本だけの団体であり、[[国際航空連盟]](FAI)や[[日本航空協会]] (JAA)及び[[日本ハング・パラグライディング連盟]](JHF) といった国際的公共団体とは関連がない。また、1992年〜1994年の間にも、パラグライダー輸入業者によって設立されたパラグライダースクール協会(PSA)が存在した。 |
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また、1992年〜1994年の間にも、パラグライダー輸入業者によって設立されたパラグライダースクール協会(PSA)が存在した。 |
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==飛行方法== |
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== 構造・装備 == |
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パラグライダーは、国際航空連盟ではクラス3(FAI Sub-class O-3 剛性の一次構造を持たないもの)のハンググライダーに分類されており、装備重量は20kg程度で、人間一人の力で持ち運べる。パイロットは、ハーネスに座り、左右の操縦索を手で操作して滑空する。 |
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パイロットは、[[グライダー]]、ハーネス、ヘルメット、手袋を装備しフライトを行う。この他にも、技能に応じて、無線機器([[トランシーバー]])、携帯型[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]、[[#アルチバリオメーター|アルチバリオメーター]]などを装備する。他のスカイスポーツと違い、すべての機材を1つのリュックサックにまとめ、持ち運びが容易なため、山頂まで歩いて運んだり、海外にも受託手荷物として手軽に持って行くことができる。 |
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まず風に正対して翼を地面に広げ、向い風で翼を真上に上げ、滑空状態にしてから離陸する。機体の[[滑空比]](6:1から10:1程度)が斜面の傾斜より浅いため、数メートル程度の助走で離陸する。[[上昇気流]]を利用しながら飛行し、(多くの場合は)山の麓に用意してある着陸場に着陸する。巡航速度は36km/h程度。20km/hから60 km/h程度([[対気速度]])の速度域で飛ぶことができる。着陸のときは、着陸場近くで高度処理をし、着陸点(ターゲット)へ、向かい風の下、フレアー操作とともに足から着陸する。 |
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<gallery> |
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画像:Accélérateur_parapente.gif|[[#アクセル|アクセル]] |
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画像:Carabiner.png|[[#カラビナ|カラビナ]] |
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Image:Sporthelme.jpg|[[#ヘルメット|ヘルメット]] |
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Image:Gleitschirmvario.jpg|[[#アルチバリオメーター|アルチバリオメーター]] |
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</gallery> |
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飛行には気象条件が大きく影響し、雨のとき、風速6m/s以上の風が吹くとき、離陸場正面からの風が入らないとき、気流が大きく乱れているときなどは離陸しない決まりになっている。 |
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=== グライダー === |
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合成繊維で出来たキャノピー(翼)、ライン、そしてライザーから成る。キャノピーは空気圧でふくらみ、テイクオフ直前に滑空状態を得る。対気速度約36kmという極めて低速で飛行可能で、滑空比は10:1前後。主翼からかなり下方向に重心を置くことによる振り子安定によって尾翼を必要としない。柔軟翼や振り子安定といった特徴から他の滑空機と異なる点が多い分、研究開発による性能向上の余地があり、安全面、性能面での向上が現在でも進んでいる。機体は比較的[[失速]]しにくい初級者向け、滑空比や速度を高めた上級者向けやアクロバティックな飛行を行うために旋回性能を高めた機体まであり([[DHV]]参照)、価格は30万円から60万円程度(2009年現在)である。 |
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日本の航空法では[[航空機]]ではないため、[[日本の資格の分野別一覧#航空|国家資格]]は必要としないが、民間航空規約では航空機とされ、単独飛行に際しては、スクールやクラブで、飛行技術と航空理論、法規および気象学の教習を受ける必要がある。実際に管理されたフライトエリアでは、[[内閣府]]所管[[公益社団法人]][[日本ハング・パラグライディング連盟]](以下JHF)が発行する技能証(パイロット証)とフライヤー登録(第三者賠償責任保険)が有効でなければ飛べない。また、海外でのフライトを行うには[[国際航空連盟]](FAI)が発行するIPPI技能証が必要となる。 |
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; グライダーの寿命 |
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グライダーは化学繊維によってできているため、紫外線や物理的ストレスにより経年劣化する。寿命は使い方や機種により大きく異なるが、多くは毎週頻繁に使用するケースで飛行時間200時間から300時間と言われている。 |
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日本国内では[[航空法]]に基づき、空域によっては、飛行させることが禁止される場合、または飛行させる場合に事前に国土交通大臣への届出が必要な場合がある。 |
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; ブレーク |
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{{see also|制限表面}} |
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: 翼後方にラインで繋がれた操縦装置。[[ブレーキ]]から来た名称で、パラグライダーの加速、減速、旋回、安定を行う。 |
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; <span id="アクセル">アクセル</span> |
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: フットバーを足で踏むことにより、翼の[[迎角]]を変え、加速する装置。多く踏むほど迎角が小さくなり、大きい対気速度を得られるが、同時に沈下速度も大きくなる。 |
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; ライザー |
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: 翼から伸びるラインとハーネスを結ぶベルト。進行方向から順番に、Aライザー(フロントライザー)、Bライザー、Cライザーと呼ぶ。フロントライザーはテイクオフ時に翼を立ち上げたり、[[失速]]状態からの回復において用いられ、リアライザー(一番後方のライザー)は、[[グラウンドハンドリング]]や着陸後に翼を潰すことなどに用いられ、操縦装置の一つでもある。 |
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; <span id="カラビナ">カラビナ</span> |
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: 機体とハーネスを繋ぐ金具。専用の物が用いられる。 |
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=== ハーネス === |
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キャノピー(翼)の下にサスペンションラインにより取り付けられ、パラグライダーの操縦席となる。衝撃から腰を守るためにプロテクターが入っている。多くのハーネスには緊急パラシュートが装備される。搭乗者は腰を固定するウエストベルトと、足を左右それぞれ固定するレッグベルトで身体をハーネスと結ぶ。テイクオフ直後はレッグベルトで吊るされる形になるため、万が一閉め忘れるとハーネスから抜けて落下することがある。これが原因とされるテイクオフ直後の落下事故が多発しているため、現在販売されているハーネスでは、ウエストベルトとレッグベルトを一体化したベルトを採用したものや、ウエストベルトさえ閉めていれば抜けて落下することを防ぐ工夫をしたものがほとんどとなった。また、これらの安全装置をつけてないハーネスでは飛行を禁じるエリア・スクールもある。 |
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=== レスキューパラシュート === |
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レスキューパラシュート、または単にレスキュー、あるいはセカンドなどと呼ばれる。グライダーが破損もしくは制御不能に陥った場合に用いられ、ほぼ全てのフライトエリアでその装備が義務付けられている。多くは操舵機能がなく、降下のみを目的とする。パラグライダーで使用されるものは、ラインファースト方式のセンタープルダウン式が主流。レスキューパラシュートを格納するインナーコンテナは風呂敷型、封筒型の2種類があり、半々の割合で存在している。ラインファースト方式であることから、投げた直後に最初のロックが外れてラインが滑り出し、伸びきってから2番目のロックが外れて本体を包むインナーコンテナが剥離する2ロック方式で収納されることが望ましい。風呂敷タイプのインナーコンテナではかつて、ワンロックタイプのものが主流であった。 |
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;リパック |
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リパック(パラシュートの畳み直し)頻度について多くの製造メーカーで、3~5か月を推奨している。 |
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リパックの必要性として、「パラシュートをコンパクトに畳み込んでいるため、その生地が湿気などで張り付いたりする場合があり、生地間への空気の入り込みが遅くなる」との説明が使われているが、格納中のレスキューパラシュートのラインが振動やねじれによって乱れ、開傘の障害とならないよう収納しなおすのが最大の目的である。その際キャノピー本体の生地、ラインの異常の有無も調べる。ラインが絡まないよう注意を払って収納される。 |
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レスキューコンテナの位置はハーネスのサイド、ハーネス下部の膝裏に当たる部分、そしてウエストベルトなどがあるが、緊急時の操作性は、パイロットの判断力・操作習熟度にも依存するため、それぞれ得失がある。使用手順としては、トグルを引いてレスキューコンテナを引き出し、機体に絡まらない方向にコンテナごと放り投げる。これは地上でもハーネスを吊るした状態で確認可能で、リパック時に実際に引き出してみる。 |
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リパックは一般的にパイロット自身が行うことが通例であるが、場所が確保できない場合や業者にリパックを依頼するしかない場合は、JHFレスキューパラシュートリパック認定者などのいる業者に依頼することが出来る。 |
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===JHFレスキューパラシュートリパック認定証=== |
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JHFはレスキュパラシュートの正しい使用方法、ハーネスへのセッティング方法、リパック方法を普及させるためにレスキューパラシュートに関する技能認定証を発行している。技能検定会の受験資格は、JHFパイロット技能証以上(HG・PGを問わない)の取得者で、継続的にレスキューパラシュートのリパックを実施し、過去一年以内に20個以上のリパック実績のある者とされ2010年現在で全国に100人以上の認定合格者がいる。 |
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受験審査としてリパック実績ログの提出、試験内容としては実技検定と学科検定の二つが実施される。検定内容は[[国際航空連盟]](FAI)が定める国際レスキューパラシュートリパック規定を満足することになっている。 |
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なお、検定を受けるに際しての事前講習会の受講義務はない。 |
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=== ヘルメット === |
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パラグライダー用のヘルメットは、軽く、空中接触やツリーラン(木の上に不時着すること)などによる衝撃に耐え、広い視界を確保でき、外の音(風や他のパイロットの声)を消さないものが求められる。最近では、ヘルメットの中にマイクとスピーカーを付け、無線のアクセサリーとしての機能を有するものもある。エリアフライト規則で、ヘルメット未装着でのフライトを禁じているケースがほとんどである。 |
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=== 靴 === |
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グリップ力のある登山靴が適する。靴紐をフックで固定するものは、ラインが引っかかって危険である。雪国では長靴やブーツが使われることもある。雪や草の露で靴が濡れると凍傷の危険もあるので、防水式が望ましい。 |
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=== アルチバリオメーター === |
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アルチメーター([[高度計]])と[[バリオメーター]](昇降計)の機能をもつ、[[ソアリング]](上昇滑空)用の計器。昇降率を周囲の大気圧の変化で計算し、音と数値でパイロットに知らせる。±0.1m/s単位で昇降率の計測が可能。GPSや対気速度を計る高機能なものもある。 |
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=== 携帯型GPS === |
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GPSにより、飛行記録を三次元的に秒単位で記録することが可能となる。日常の飛行記録のほか、大会の[[パイロン]]競技で用いられる。大会で利用する上では、シリンダー機能(指定した半径の円筒内に入ったかどうかを知らせる機能)が付いているものが望ましい。 |
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==JHFレスキューパラシュートリパック認定証== |
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=== 無線機器 === |
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JHFはレスキュパラシュートの正しい使用方法、ハーネスへのセッティング方法、リパック方法を普及させるためにレスキューパラシュートに関する技能認定証を発行している。技能検定会の受験資格は、JHFパイロット技能証以上(HG・PGを問わない)の取得者で、継続的にレスキューパラシュートのリパックを実施し、過去一年以内に20個以上のリパック実績のある者とされ2010年現在で全国に100人以上の認定合格者がいる。受験審査としてリパック実績ログの提出、試験内容としては実技検定と学科検定の二つが実施される。検定内容は[[国際航空連盟]](FAI)が定める国際レスキューパラシュートリパック規定を満足することになっている。なお、検定を受けるに際しての事前講習会の受講義務はない。 |
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飛行中のパイロット同士やパイロットと地上との間での通信のために、[[無線]]機器が利用されており、[[無線通信]]の種類としては、[[スカイスポーツで使われている無線|スカイレジャー無線]]、[[特定小電力無線]]が現在使用されている。使用に当たっては[[電波法]]により、様々な制限がある。2008年[[社団法人]][[日本ハング・パラグライディング連盟]](JHF)からの要請を受け、総務省は351MHz帯デジタル簡易無線内に5ch(1W )のスカイレジャー無線の枠を新に創設した。これにより用途に応じてスカイレジャー無線、特定小電力そして新設されたデジタル簡易無線と3つの選択肢ができた。 |
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{{main|スカイスポーツで使われている無線}} |
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== メーカー == |
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==== 主なメーカー ==== |
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<!--メーカーの外部リンク集にしない[[WP:EL]]--> |
<!--メーカーの外部リンク集にしない[[WP:EL]]--> |
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* ADVANCE(スイス) |
* ADVANCE(スイス) |
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* Windtech(スペイン) |
* Windtech(スペイン) |
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* Wings of Cange |
* Wings of Cange |
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(アルファベット順) |
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==== 国内のメーカー ==== |
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<!--メーカーの外部リンク集にしない[[WP:EL]]--> |
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2008年現在、国内のメーカーでパラグライダーを発売しているのは、FALHAWKのみである。第一興商が、かつてUPとパラグライダーの販売をしていたこともある。 |
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* FALHAWK Co Ltd |
* FALHAWK Co Ltd |
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* [[藤倉航装|FUJIKURA(藤倉航装)]] |
* [[藤倉航装|FUJIKURA(藤倉航装)]] |
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* [[第一興商]](関連事業部 スカイレジャー課、閉鎖) |
* [[第一興商]](関連事業部 スカイレジャー課、閉鎖) |
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(アルファベット順) |
(アルファベット順) |
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※2008年現在、日本のメーカーでパラグライダーを発売しているのは、FALHAWKのみである。第一興商が、かつてUPとパラグライダーの販売をしていたこともある。 |
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== 飛行条件 == |
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[[画像:Paragliding.jpg|thumb|150px|パラグライダー飛行の様子]] |
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* 向かい風 0~6 m/s |
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* 有視界飛行が可能であること |
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=== 飛行できない主な場合 === |
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* テイクオフ方向を向いたとき、追い風である場合 |
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* 風速 6m/s 以上のとき |
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* 雪もしくは雨が降っているとき |
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* 有視界飛行できないとき(夜間、雲中) |
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* 天候の急変が予想されるとき |
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* 強力な乱気流が発生しているとき |
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* 積乱雲の発生が予見されるとき |
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* 航空機がテイクオフ周辺を通過する場合 |
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(例:災害対策訓練でのヘリコプターの飛来。 |
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航空自衛隊や在日米空軍の飛来など。事前に通告があるのが |
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一般的) |
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== 飛行技術 == |
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=== テイクオフ === |
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主に山頂及び山腹の斜面や崖を利用して、正面からの向かい風(6m/s以下)で離陸する。パイロットは、風に正対してグライダーを綺麗に広げる。そして、良い風を見計らい、自分の真上に翼を上げ(ライズアップ)、滑空状態にして離陸する。 |
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テイクオフの方法には、ライズアップの動作よって、大きく分けて2種類がある。 |
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一つは、最も基本的なフロント・ライズアップで、もう一つはリバース・ライズアップである。 |
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リバース・ライズアップは、方法によっては両手をクロスさせるようになるため、クロスハンド・ライズアップとも言われている。 |
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{| class="wikitable" |
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|+'''テイクオフのようす''' |
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|- |
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|[[Image:Paragliding start1.jpg|200px|テイクオフのようす 1]] |
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|→ |
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|[[Image:Paragliding start2.jpg|200px|テイクオフのようす 2]] |
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|→ |
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|[[Image:Paragliding start3.jpg|200px|テイクオフのようす 3]] |
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|} |
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=== ランディング === |
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[[画像:Jyosyu_riron.gif|thumb|'''場周アプローチ''']] |
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ランディングは、着陸場付近でファイナルアプローチに入るための高度処理を行い、風に正対して、ターゲットといわれる着陸点に向けて進入する。このとき、風に背を向けて進入すると、対地速度が付きすぎ危険。 |
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; 8の字旋回による高度処理 |
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: ターゲットの風下で行う8の字状の高度処理。強風下で有効。 |
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; 場周アプローチ |
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: は場周ランディング、Uターンアプローチともいい、あらかじめ決められた着陸経路をとることにより、混雑時の危険を減らす着陸方式である。主に以下の利点がある。 |
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:* 直線を多く使うことで潰れの危険を減らす。 |
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:* 滑空角を把握することで、高度感覚を比較的容易に養える。 |
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:* 全員が同じ降り方をすることにより、低高度での空中接触を減らす。 |
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[[DHV]]は、場周アプローチをパラグライダーの標準的な着陸方式として推奨しているが、日本では地形やスペースの関係上、周回空域をとれない場合あり、共通ルールとしては採用しにくい事情がある。 |
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個々のフライヤーが各々の判断で着陸するのは危険が多いため、フライトエリアルールで指定された着陸経路を厳守しランディングする。 |
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=== 旋回 === |
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ブレークと体重移動により行う。ブレークを引き、片方の翼の抗力を増加させ、左右の翼の速度差を作り旋回する。ブレークを引いた翼は、抗力と共に揚力も発生し、旋回方向と逆にロールがかかろうとするため、体重移動で打ち消す。 |
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=== 航空法 === |
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; ソアリング |
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: 上昇風を利用した飛行を指す。これにより動力を持たない航空機も上昇が可能。 |
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:; リッジソアリング |
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:: 風が山や崖に当たって作り出す斜面上昇風を利用したソアリング。風速や斜面の角度によっては、山や崖の高さの2倍まで上昇することが出来る。 |
|||
:; サーマルソアリング |
|||
:: 太陽が地表を暖めて発生する上昇風を利用したソアリング。地表の暖まりやすい場所から発生する。断続的に上昇するバブル状のものや、継続的に上昇する円柱状のコラムサーマルがある。 |
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:: [[#アルチバリオメーター|アルチバリオメーター]]やエレベーターのような突き上げる感覚を利用し見つけることが出来る。 |
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=== マヌーバ === |
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パラグライダーでは、主にグライダーの安定操作や回復操作の訓練を指す。意図的に翼を潰したり、揺らしたりしてグライダーを自在にコントロールすることを目的に行う。充分な高度が必要。 |
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; ピッチング |
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: 縦方向の揺れ(ブランコ)。自在に操る練習を行う。 |
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; ローリング |
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: 横方向の揺れ。自在に操る練習を行う。 |
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; 片翼端つぶし(サイドコラップス) |
|||
: 左右の翼のどちらかを潰し、回復させる練習。翼の75%以下のつぶれと75%以上の潰れで対処が異なる。75%以下のつぶれでは、まっすぐ滑空する練習をする。 |
|||
; 前翼つぶし(フロントコラップス) |
|||
; フルストール |
|||
: ほかの降下手段が使えない場合、緊急の状況下で用いる降下手段の練習。危険が伴うため湖の上で練習が行われる。ブレークコードを完全に引き込むため、翼としての特性を完全になくす。沈下率は-15m/s以上となる。高度が取れる場合、スピンからの回復に用いられることもある。 |
|||
; スピン |
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: 翼を失速させ、後ろにドロップを感じた瞬間に、ブレークの片方を引き抜き片方をリリースする。リカバリーは、フルグライドをする。戻らないときは、フルストールに入れてリカバリーすることもある。この場合、安全な高度が必要である。スピンは、湖の上空での練習が望ましい。 |
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=== 降下技術 === |
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パラグライダーは柔軟翼なので、翼の形を変えることにより沈下速度のコントロールが可能である。雲による吸い上げから逃れたり、ランディングの同時進入を避けるためなどに用いられる。周囲の状況や技能により有効な降下手段を選択する。 |
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; 翼端折り |
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: Aライザーのラインの外側1-2本を引き込むことで左右の翼端を潰す。このとき、左右の翼を折るタイミングを少しずらさないと、タッキング(前翼つぶれ)が起こる可能性がある。 |
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: 迎角が上がるために、荒れたコンディションのときに有効な飛行技術でもある。翼面積を減らすことで揚力が減るため、降下手段としても利用される。降下速度は-3m/s程度。機体の操作は体重移動で行うことが可能。失速を防ぐため、アクセルと併用する。 |
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; Aストール |
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: Aライザー(もしくはライン)引き込むことにより、翼型を変化させる。エアインテークに流入する空気が減少し、揚力の減少や失速が起こる。降下手段としては奨励されていない。 |
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; Bストール |
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: Bライザーを引き込むことにより、翼型を変化させる。上面および下面の空気の流れに乱れを発生させ、意図的に失速状態を作り出すもの。一時期、危険な降下手段として日本では禁止されていたが、最近では雲の吸い上げなどから逃げるのに効果的と見直されている。 但し、地上100m以上で通常滑空に戻しておく必要がある。沈下速度は-3~-5m/s。 |
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; スパイラル |
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: ブレークコードを引いて、体重をしっかり旋回方向にかけ、急な360度旋回を連続して行う。沈下速度は、一般的に-15m/s程度まで。沈下速度のコントロールが可能である。これ以上の沈下速度になると、揚力と遠心力がつりあう形となり、ブレークコードを戻してもスパイラルを維持したままとなる。この状態をスパイラルダイブと言う。スパイラルは遠心力が大きくかかるため、体の自由が利かなくなったり、下手をすると気絶したりもするため、長時間の使用はできない。 |
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=== グラウンドハンドリング === |
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地上においてパラグライダーの練習を行うこと。通称・グラハン。主な練習は、ライズアップ(翼を上げる練習。フロントライズアップ、リバースライズアップ)、スラローム、翼端つぶしなど。機体の特性を知り、自在なコントロールを学ぶ。 |
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; スラローム |
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: 指定されたパイロンの外側を旋回する。パイロンが旋回の中心になるようにスラローム走行をする。ライザーやブレークにかかる微妙なテンションを感じ取り、体全体による細かな修正を行う。 |
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; コラップス |
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: 地上でもコラップスの練習が可能である。フロントもしくはリバースの状態で、Aラインの外側1本ないし2本を引き込み翼を潰す。サイドコラップス、両翼端折りなどが可能。 |
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== 飛行形態 == |
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; ぶっ飛び |
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: 上昇成分を利用した長時間のソアリングを行わず、テイクオフ後まっすぐランディングに向かう飛行を俗にぶっ飛びと言う。大抵は初心者や上昇成分のないときに行われる飛行だが、ぶっ飛び主婦連合(ぶ主連)に代表されるように、愛好家も多い。 |
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; 滑翔飛行 |
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: この場合ソアリングを指す。斜面上昇風やサーマル(熱上昇風)を上手く乗り継ぎ、長時間あるいは長距離飛行を行う飛行形態。パラグライダーの一般的な楽しみ方である。 |
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; クロスカントリー飛行 |
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: 可能な限り遠くまで飛ぶ。JHFは、水平距離5キロを管理されたエリアとし、それ以上の飛行をクロスカントリー飛行と定義した。XC飛行は、上昇気流を乗り継ぎ、ときには数時間に及ぶ飛行をこなさなければならないため、豊富な知識と経験による判断力はもちろんのこと、着陸予定地の下見、回収手段の確保等の飛行計画立案、体力、グライダーの操作能力も要求される。 |
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; アクロバット飛行 |
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: 曲芸飛行のこと。SATは代表的なアクロバット飛行の一つ。 |
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== 競技 == |
== 競技 == |
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=== 大会 === |
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競技会としては[[国民体育大会]]の競技種目としてや[[日本オリンピック委員会]][[アジアオリンピック評議会]](OCA)が主催する国際総合競技大会<noinclude></noinclude> / [[アジアビーチ競技大会]]の競技種目として行われるもの、JHFが主催し[[財団法人]][[日本航空協会]]公認記録として記録されるジャパンリーグ (JL)、スポーツグライダーシリーズ (SPS) など公式大会。[[国際航空連盟]](FAI)主催による世界選手権やアジア選手権など国際大会がある。これら公式大会の大会運営には日本の統括団体であるJHFが当たっている。 |
競技会としては[[国民体育大会]]の競技種目としてや[[日本オリンピック委員会]][[アジアオリンピック評議会]](OCA)が主催する国際総合競技大会<noinclude></noinclude> / [[アジアビーチ競技大会]]の競技種目として行われるもの、JHFが主催し[[財団法人]][[日本航空協会]]公認記録として記録されるジャパンリーグ (JL)、スポーツグライダーシリーズ (SPS) など公式大会。[[国際航空連盟]](FAI)主催による世界選手権やアジア選手権など国際大会がある。これら公式大会の大会運営には日本の統括団体であるJHFが当たっている。 |
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=== 競技の種類 === |
=== 競技の種類 === |
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; ターゲット |
; ターゲット |
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: ランディングの精度を競う競技。地上に書かれた同心円状のターゲットの中心を狙う。初心者も参加することが |
: ランディングの精度を競う競技。地上に書かれた同心円状のターゲットの中心を狙う。初心者も参加することができる。 |
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; パイロン競技 |
; パイロン競技 |
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: ある決められた地上の目標を、決められた順番に巡回し、その時間や達成度を競う競技。判定には携帯型GPSやカメラが用いられる。最近ではGPSが主流となってきた。競技をするには高い技能と深い知識が必要なため、主に上級者が行う。 |
: ある決められた地上の目標を、決められた順番に巡回し、その時間や達成度を競う競技。判定には携帯型GPSやカメラが用いられる。最近ではGPSが主流となってきた。競技をするには高い技能と深い知識が必要なため、主に上級者が行う。 |
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==== 男子 ==== |
==== 男子 ==== |
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; [[扇澤郁]] |
; [[扇澤郁]] |
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* パラグライディング ジャパンリーグ 総合優勝(1991年、1992年、1998年、1999年、2000年) |
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* パラグライディング日本選手権 優勝(1994年、2003年) |
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* パラグライディング世界選手権に日本代表として連続出場(1993年、1995年、1997年、1999年、2001年、2003年) |
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* パラグライディングワールドカップ 4位入賞(2007年茨城大会、1995年フランス大会) |
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* 2007年 X alps 2007 5位入賞 |
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; |
; 川地正孝 |
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* 2003年 第8回世界選手権(ポルトガル)第3位 |
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* 2004年 第1回アジア選手権(韓国)優勝 |
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; |
; 辻強 |
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* 2000年 ワールドカップスペイン 優勝 |
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* 2003年 フランス選手権 3位 |
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==== 女子 ==== |
==== 女子 ==== |
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; |
; 田中美由喜 |
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* 1988年 ヨーロッパ選手権(フランス)女子3位 |
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* 1991年 世界選手権(フランス)女子2位 |
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* 1993年 世界選手権(スイス)女子3位 |
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* 1995年 世界選手権(日本)女子2位 |
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* 1996年 ワールドカップスペイン・女子1位 |
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* 2001年 世界選手権(スペイン)女子3位 |
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; 神山和子 |
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* 2000年 ワールドカップブラジル・女子優勝 |
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; 平木啓子 |
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* 2004年 第一回アジア選手権・女子3位 |
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* 2009年 ワールドカップスーパーファイナル・女子優勝 |
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; 福岡聖子 |
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* 2008年 アクロバティック ワールドカップファイナルランキング・男女総合8位、女子1位 |
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== 安全性 == |
== 安全性 == |
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{| class="wikitable" style="float:right; margin-left:1em;" |
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|+<span style="font-size:small;">'''一般災害における事故(負傷)率'''<br/>(平成13年度警察白書2000年度統計)</span> |
|+<span style="font-size:small;">'''一般災害における事故(負傷)率'''<br/>(平成13年度警察白書2000年度統計)</span> |
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未経験者にとって、パラグライダーはハイリスクなスポーツであるというイメージが根強いが、ほとんどの保険は、割増をしなくてもパラグライダーに関する事故の補償ができるようである。ただし、自然を相手にするスポーツなので、他のアウトドアスポーツと同程度のリスクはある。JHFによると、1994年から5年間の死亡事故は年1〜6件。事故の起きるタイミングは、多い順に、ランディング、墜落、テイクオフである。負傷部位は、下肢、腰椎がほとんどである。腰椎を傷める事故が多いのが、このスポーツの特徴である。 |
未経験者にとって、パラグライダーはハイリスクなスポーツであるというイメージが根強いが、ほとんどの保険は、割増をしなくてもパラグライダーに関する事故の補償ができるようである。ただし、自然を相手にするスポーツなので、他のアウトドアスポーツと同程度のリスクはある。JHFによると、1994年から5年間の死亡事故は年1〜6件。事故の起きるタイミングは、多い順に、ランディング、墜落、テイクオフである。負傷部位は、下肢、腰椎がほとんどである。腰椎を傷める事故が多いのが、このスポーツの特徴である。 |
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一般災害における事故(負傷)率をまとめた表からは、事故率は他のスポーツと比較して高くないことが分かる。しかし、事故が起きた場合は、激しい衝撃を受けるため、脊髄損傷などの生涯にわたる重度の後遺症を伴う[[外傷| |
一般災害における事故(負傷)率をまとめた表からは、事故率は他のスポーツと比較して高くないことが分かる。しかし、事故が起きた場合は、激しい衝撃を受けるため、脊髄損傷などの生涯にわたる重度の後遺症を伴う[[外傷|ケガ]]になる危険性がある。 |
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== 講習制度 == |
== 講習制度 == |
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== フライヤー登録 == |
== フライヤー登録 == |
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フライヤー登録は、JHF発足時、[[財団法人]][[日本航空協会]]の一分科会であった頃から続く自主規制の一環であり、社会秩序を守る自主規制を行うことにより、行政からの必要以上の規制や制限を受けることなく、現在有る自由なフライト環境を維持継続することを目的としている。 |
フライヤー登録は、JHF発足時、[[財団法人]][[日本航空協会]]の一分科会であった頃から続く自主規制の一環であり、社会秩序を守る自主規制を行うことにより、行政からの必要以上の規制や制限を受けることなく、現在有る自由なフライト環境を維持継続することを目的としている。フライヤー登録には保険会社との保険契約が含まれており、すべてのフライヤー会員が保障の対象となるように、第三者賠償責任保険を契約している。 この保険はフライヤーが、フライト中に第三者に与えた物的・人的被害について、法的範囲内で補償することを目的としている。管理されたフライトエリアでフライトするにあたってフライヤー登録は必須条件である。また、JHFフライヤーは、フライヤー登録、技能証、機材の安全性について管理運営する義務を自らに課す。 |
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フライヤー登録には保険会社との保険契約が含まれており、すべてのフライヤー会員が保障の対象となるように、第三者賠償責任保険を契約している。 この保険はフライヤーが、フライト中に第三者に与えた物的・人的被害について、法的範囲内で補償することを目的としている。 |
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管理されたフライトエリアでフライトするにあたってフライヤー登録は必須条件である。 |
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また、JHFフライヤーは、フライヤー登録、技能証、機材の安全性について管理運営する義務を自らに課すと共に、以下の“フライヤー宣言”を厳守しなければならないと定めている。 |
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'''フライヤー宣言''' |
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* 自分の意志と責任でフライトします。 |
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* 自己の健康管理を行い、健全なフライトをします。 |
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* 社会のルールを守り、第三者に迷惑をかけません。 |
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* 自然を大切にします。 |
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== 資格 == |
== 資格 == |
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パラグライダーは、日本の国内法では法律上航空機とはならず法規制の対象外となり国家資格は存在しない。 |
パラグライダーは、日本の国内法では法律上航空機とはならず法規制の対象外となり国家資格は存在しない。しかし、安全を管理しフリーフライトの権利を維持継続するため、JHFによって国際的基準に基づいたライセンス制度を採用している。 |
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しかし、安全を管理しフリーフライトの権利を維持継続するため、JHFによって国際的基準に基づいたライセンス制度を採用している。 |
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黎明期には多数のライセンスが乱立しその指導内容も統一性を欠く物であった、当時の運輸省 |
黎明期には多数のライセンスが乱立しその指導内容も統一性を欠く物であった、当時の運輸省(現在の国土交通省)要請を受け[[財団法人]][[日本航空協会]]の指導のもと1986年に[[国際航空連盟]] (FAI)に準拠した[[日本ハング・パラグライディング連盟]]技能証に一旦集約された。しかし、法的拘束力のないものであったため、営利目的にライセンス発行事業を行う新規参入事業者のがその後も現れている。 |
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しかし、法的拘束力のないものであったため、営利目的にライセンス発行事業を行う新規参入事業者のがその後も現れている。 |
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1986年以降の新規参入ライセンス発行事業者: |
1986年以降の新規参入ライセンス発行事業者: |
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:5.JPA-パラシュート・リガー(緊急用パラシュートを正確に畳み、正しく収納することが出来る能力を有する) |
:5.JPA-パラシュート・リガー(緊急用パラシュートを正確に畳み、正しく収納することが出来る能力を有する) |
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:6.JPA-パラシュート・リガーマスター(パラシュート・リガーを指導する能力を有する) |
:6.JPA-パラシュート・リガーマスター(パラシュート・リガーを指導する能力を有する) |
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==航空法== |
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日本国内では[[航空法]]に基づき、空域によっては、飛行させる事が禁止される場合、または飛行させる場合に事前に国土交通大臣への届出が必要な場合がある。 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[ハンググライダー]]: パイプに丈夫な生地を張った構造の機体に吊り下がって飛行する。ハンググライディングともいう。 |
* [[ハンググライダー]]: パイプに丈夫な生地を張った構造の機体に吊り下がって飛行する。ハンググライディングともいう。 |
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* [[ウイングスーツ]]: ムササビのように腕と体や両足の間に幕があるスカイダイビングスーツ |
* [[ウイングスーツ]]: ムササビのように腕と体や両足の間に幕があるスカイダイビングスーツ |
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* [[スカイスポーツで使われている無線]] |
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==ギャラリー== |
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<gallery> |
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画像:GliderWinchTowing060806atNagano.jpg|[[グライダー]] |
画像:GliderWinchTowing060806atNagano.jpg|[[グライダー]] |
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画像:Paraglider_Motor.jpg|[[パラモーター]] |
画像:Paraglider_Motor.jpg|[[パラモーター]] |
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画像:Kitesurf-saintaubinsurmer-france-20050817-2.jpg|[[カイトサーフィン|カイトボード]] |
画像:Kitesurf-saintaubinsurmer-france-20050817-2.jpg|[[カイトサーフィン|カイトボード]] |
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画像:Hangglider.austria.750pix.jpg|[[ハンググライダー]] |
画像:Hangglider.austria.750pix.jpg|[[ハンググライダー]] |
2011年7月17日 (日) 04:58時点における版
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パラグライダー (Paraglider) はスカイスポーツの一種。パラグライディングとも。このスポーツの総称をパラグライディング、飛行するための機体一式をパラグライダーと区分することもある。国際航空連盟(FAI)のカテゴリーではハンググライダーの一種に分類されている。
概要
パラグライダーの原型はNASAの開発した、宇宙船回収用のパラフォイル(柔軟翼)とされている。スポーツとしてのパラグライダーは、1978年頃、フランスのスカイダイバーが山の斜面からスクエアーパラシュート(四角いパラシュート)で下りたのが始まりと言われる。日本で普及し始めたのは1986年から。当初は滑空性能が低くスキー場のゲレンデを斜面と並行に滑空を楽しむ程度のもので飛行時間にして約3〜5分程度であった。日本のファルフォーク社が楕円翼を採用して飛躍的な性能向上に成功、ハンググライダーの様なソアリング(上昇気流による長時間フライト)が可能になった。その後、各社とも研究が進み性能の向上は続き、現在では一般のフライヤーでも2〜3時間の在空時間や地上2000m程度までの上昇ができるまでになっている。
1988年に、NHK教育テレビで「パラグライダー講座」が放映され一般に知られるようになった。1992年12月28日に日本人パイロット峰岸正弘が南アフリカ共和国クルマン地区において当時としては驚異的な263.18 kmの直線飛行に成功し世界記録を樹立した。1995年にはパラグライダー世界選手権が九州でおこなわれ、日本チームは地の利を生かし5位に入った。また、日本人の岡良樹がオーガナイザーを勤め、大会運営を賞賛され、競技開催能力においても日本がパラグライダー先進国の仲間入り果たしたとされた。
競技者人口が1万人を超えたあたりからスカイスポーツというジャンルが確立されたとみなされ、国民体育大会の競技種目に加わった。2008年から、アジアオリンピック評議会(OCA)日本オリンピック委員会(JOC)と連携しオリンピックの競技種目にパラグライダーを加えよう働きかけを進めており、その一環としてアジアオリンピック評議会(OCA)が主催する2008年 第1回 バリ(インドネシア)アジアビーチ競技大会(Asian Beach Games)では競技種目に加えられた。2010年現在、北海道から沖縄まで約100か所のフライトエリアと1万524人(JHF公表 フライヤー会員登録者数)の愛好家がいる。
パラグライダーの国際的な統括団体としては、スイス・ローザンヌに本部をもつ国際航空連盟(FAI)ハンググライディング委員会(CIVL)がある。国内の統括団体は、内閣府所管公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(JHF) である。JHFは、内閣府所管公益財団法人日本航空協会 (JAA)を通して国際航空連盟(FAI/CIVL)の傘下にあり、パラグライダーが日本に紹介された初期段階(1986年)からそ発展と普及を進め、安全性向上を目的とした指導員の育成、国際統一された適正技能証の発行及び第三者賠償保険制度を目的としたJHFフライヤー登録制度などの環境整備を行った。また、事業が特定の者に対する利益供与にならないことも条件となっている。
国内のパラグライダー団体としてはJHFのほかに、2003年に発足した茨城県知事認証の特定非営利活動法人日本パラグライダー協会(JPA)が存在する。名称は公共団体のように写るが、実態はパラグライダー輸入代理店(実質的には1社)がその直系パラグライダースクール(フランチャイズ店)とその会員(客)であるJPAパイロット会員のみで構成されている。会員数は約1,000人程度。JPAは日本だけの団体であり、国際航空連盟(FAI)や日本航空協会 (JAA)及び日本ハング・パラグライディング連盟(JHF) といった国際的公共団体とは関連がない。また、1992年〜1994年の間にも、パラグライダー輸入業者によって設立されたパラグライダースクール協会(PSA)が存在した。
飛行方法
パラグライダーは、国際航空連盟ではクラス3(FAI Sub-class O-3 剛性の一次構造を持たないもの)のハンググライダーに分類されており、装備重量は20kg程度で、人間一人の力で持ち運べる。パイロットは、ハーネスに座り、左右の操縦索を手で操作して滑空する。
まず風に正対して翼を地面に広げ、向い風で翼を真上に上げ、滑空状態にしてから離陸する。機体の滑空比(6:1から10:1程度)が斜面の傾斜より浅いため、数メートル程度の助走で離陸する。上昇気流を利用しながら飛行し、(多くの場合は)山の麓に用意してある着陸場に着陸する。巡航速度は36km/h程度。20km/hから60 km/h程度(対気速度)の速度域で飛ぶことができる。着陸のときは、着陸場近くで高度処理をし、着陸点(ターゲット)へ、向かい風の下、フレアー操作とともに足から着陸する。
飛行には気象条件が大きく影響し、雨のとき、風速6m/s以上の風が吹くとき、離陸場正面からの風が入らないとき、気流が大きく乱れているときなどは離陸しない決まりになっている。
日本の航空法では航空機ではないため、国家資格は必要としないが、民間航空規約では航空機とされ、単独飛行に際しては、スクールやクラブで、飛行技術と航空理論、法規および気象学の教習を受ける必要がある。実際に管理されたフライトエリアでは、内閣府所管公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(以下JHF)が発行する技能証(パイロット証)とフライヤー登録(第三者賠償責任保険)が有効でなければ飛べない。また、海外でのフライトを行うには国際航空連盟(FAI)が発行するIPPI技能証が必要となる。
日本国内では航空法に基づき、空域によっては、飛行させることが禁止される場合、または飛行させる場合に事前に国土交通大臣への届出が必要な場合がある。
JHFレスキューパラシュートリパック認定証
JHFはレスキュパラシュートの正しい使用方法、ハーネスへのセッティング方法、リパック方法を普及させるためにレスキューパラシュートに関する技能認定証を発行している。技能検定会の受験資格は、JHFパイロット技能証以上(HG・PGを問わない)の取得者で、継続的にレスキューパラシュートのリパックを実施し、過去一年以内に20個以上のリパック実績のある者とされ2010年現在で全国に100人以上の認定合格者がいる。受験審査としてリパック実績ログの提出、試験内容としては実技検定と学科検定の二つが実施される。検定内容は国際航空連盟(FAI)が定める国際レスキューパラシュートリパック規定を満足することになっている。なお、検定を受けるに際しての事前講習会の受講義務はない。
メーカー
- ADVANCE(スイス)
- Aerodyne(フランス)
- APCO(イスラエル)
- Airwave
- AXIS(チェコ)
- Flight Design(ドイツ)
- FreeX(ドイツ)
- GRADIENT S.R.O.(チェコ)
- GIN(韓国)
- ICARO
- INDEPENDENCE
- NOVA(オーストリア)
- OZONE(フランス)
- Sky Paragliders
- Skywalk
- SOL(ブラジル)
- Sungliders(韓国)
- SWING
- TEAM 5
- UP(ドイツ)
- U-Turn(ドイツ)
- Windtech(スペイン)
- Wings of Cange
- FALHAWK Co Ltd
- FUJIKURA(藤倉航装)
- ケンベック
- KGS
- OXY WING(現OVAL THREE LTD.)
- RIPPLE
- WIND VALLEY Ltd
- 株式会社カシヤマ
- 小林重力研究所
- ザクト (ZACT)
- ジール
- ストームワークス
- たかとり
- 第一興商(関連事業部 スカイレジャー課、閉鎖)
(アルファベット順) ※2008年現在、日本のメーカーでパラグライダーを発売しているのは、FALHAWKのみである。第一興商が、かつてUPとパラグライダーの販売をしていたこともある。
競技
競技会としては国民体育大会の競技種目としてや日本オリンピック委員会アジアオリンピック評議会(OCA)が主催する国際総合競技大会 / アジアビーチ競技大会の競技種目として行われるもの、JHFが主催し財団法人日本航空協会公認記録として記録されるジャパンリーグ (JL)、スポーツグライダーシリーズ (SPS) など公式大会。国際航空連盟(FAI)主催による世界選手権やアジア選手権など国際大会がある。これら公式大会の大会運営には日本の統括団体であるJHFが当たっている。
その他にフライトエリア主催や、JPA 主催による草大会がなどがある。JPAでは、JPA会員のみで行う、ナショナルリーグ、N2リーグ、チャレンジリーグという競技者の技量毎にクラス分けをした独自の競技会を行っている。
競技の種類
- ターゲット
- ランディングの精度を競う競技。地上に書かれた同心円状のターゲットの中心を狙う。初心者も参加することができる。
- パイロン競技
- ある決められた地上の目標を、決められた順番に巡回し、その時間や達成度を競う競技。判定には携帯型GPSやカメラが用いられる。最近ではGPSが主流となってきた。競技をするには高い技能と深い知識が必要なため、主に上級者が行う。
- キャッツクレイドル
- あらかじめ決められたパイロンを繋いで、最も長い距離を飛ぶことを競う。上級者向けの競技。
- ゴールタスク
- 遠方に設置されたゴールへの到達を競う。上級者向けの競技。
- セットタイム
- あらかじめ決めた飛行時間通り正確に飛行することを競う。初心者も参加可能。
- デュレーション
- 滞空時間を競う競技。山肌を上昇する風や地表で暖められ発生した上昇気流を利用して、できるだけ長く飛ぶ。中級者も参加可能。
- 爆弾落とし
- 地上に設定されたターゲットに「爆弾」と称する(多くの場合)カラーボールを落とし、その精度を競う競技。ターゲット上空の風を読むことが重要である。
- アクロバティック
- さまざまなトリックを行い、その技と精度を競う競技。日本ではまだ正式な競技として行われてはいないが、世界的にはアクロバット飛行を目指すパイロットは近年急激な増加傾向がみられる。日本人では世界的に活躍する、福岡聖子選手が有名である。また、加藤豪選手も海外のアクロバット競技に参加した経歴を持つ。
記録
世界記録 (2005年3月現在FAI公認記録)
|
日本記録 (2005年3月現在(財)日本航空協会公認記録)
| |
直線距離 | 423.4 km | 263.18 km |
---|---|---|
アウトアンドリターン | 213.8 km | 182.48 km |
獲得高度 | 4,526 m | 4,548 m |
日本人選手の成績
男子
- パラグライディング ジャパンリーグ 総合優勝(1991年、1992年、1998年、1999年、2000年)
- パラグライディング日本選手権 優勝(1994年、2003年)
- パラグライディング世界選手権に日本代表として連続出場(1993年、1995年、1997年、1999年、2001年、2003年)
- パラグライディングワールドカップ 4位入賞(2007年茨城大会、1995年フランス大会)
- 2007年 X alps 2007 5位入賞
- 川地正孝
- 2003年 第8回世界選手権(ポルトガル)第3位
- 2004年 第1回アジア選手権(韓国)優勝
- 辻強
- 2000年 ワールドカップスペイン 優勝
- 2003年 フランス選手権 3位
女子
- 田中美由喜
- 1988年 ヨーロッパ選手権(フランス)女子3位
- 1991年 世界選手権(フランス)女子2位
- 1993年 世界選手権(スイス)女子3位
- 1995年 世界選手権(日本)女子2位
- 1996年 ワールドカップスペイン・女子1位
- 2001年 世界選手権(スペイン)女子3位
- 神山和子
- 2000年 ワールドカップブラジル・女子優勝
- 平木啓子
- 2004年 第一回アジア選手権・女子3位
- 2009年 ワールドカップスーパーファイナル・女子優勝
- 福岡聖子
- 2008年 アクロバティック ワールドカップファイナルランキング・男女総合8位、女子1位
安全性
道路交通事故 | 9.1×10-3 |
山登り | 5.0×10-6 |
船舶事故 | 1.4×10-6 |
モーターボート | 3.5×10-7 |
パラグライダー | 2.0×10-7 |
航空機事故 | 1.8×10-7 |
スクーバーダイビング | 7.8×10-8 |
ハンググライダー | 4.7×10-8 |
未経験者にとって、パラグライダーはハイリスクなスポーツであるというイメージが根強いが、ほとんどの保険は、割増をしなくてもパラグライダーに関する事故の補償ができるようである。ただし、自然を相手にするスポーツなので、他のアウトドアスポーツと同程度のリスクはある。JHFによると、1994年から5年間の死亡事故は年1〜6件。事故の起きるタイミングは、多い順に、ランディング、墜落、テイクオフである。負傷部位は、下肢、腰椎がほとんどである。腰椎を傷める事故が多いのが、このスポーツの特徴である。
一般災害における事故(負傷)率をまとめた表からは、事故率は他のスポーツと比較して高くないことが分かる。しかし、事故が起きた場合は、激しい衝撃を受けるため、脊髄損傷などの生涯にわたる重度の後遺症を伴うケガになる危険性がある。
講習制度
パラグライダーは、判断力とある程度の技能が必要とされる。日本の講習制度は、国際航空連盟傘下のJHFによるものと茨城県のJPAによるスクール体制の2つがある。
- 内閣府所管公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)公認スクール
- 内閣府が所管する公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟 (JHF) が発行する「JHF教員技能証」を保持しているインストラクターが国際航空連盟 ハンググライディング委員会(FAI/CIVL)技能証規程に基づいて民間運営するスクールである。
- 公益社団法人の規定により、事業が特定の者に対する利益供与ならないことが条件とされており、連盟直営スクールは存在しない。
- NPO法人日本パラグライダー協会(JPA)公認スクール
- 茨城県知事認証の特定非営利活動法人「日本パラグライダー協会」(JPA) が独自に提唱する講習制度で運営されるスクールである。
フライヤー登録
フライヤー登録は、JHF発足時、財団法人日本航空協会の一分科会であった頃から続く自主規制の一環であり、社会秩序を守る自主規制を行うことにより、行政からの必要以上の規制や制限を受けることなく、現在有る自由なフライト環境を維持継続することを目的としている。フライヤー登録には保険会社との保険契約が含まれており、すべてのフライヤー会員が保障の対象となるように、第三者賠償責任保険を契約している。 この保険はフライヤーが、フライト中に第三者に与えた物的・人的被害について、法的範囲内で補償することを目的としている。管理されたフライトエリアでフライトするにあたってフライヤー登録は必須条件である。また、JHFフライヤーは、フライヤー登録、技能証、機材の安全性について管理運営する義務を自らに課す。
資格
パラグライダーは、日本の国内法では法律上航空機とはならず法規制の対象外となり国家資格は存在しない。しかし、安全を管理しフリーフライトの権利を維持継続するため、JHFによって国際的基準に基づいたライセンス制度を採用している。
黎明期には多数のライセンスが乱立しその指導内容も統一性を欠く物であった、当時の運輸省(現在の国土交通省)要請を受け財団法人日本航空協会の指導のもと1986年に国際航空連盟 (FAI)に準拠した日本ハング・パラグライディング連盟技能証に一旦集約された。しかし、法的拘束力のないものであったため、営利目的にライセンス発行事業を行う新規参入事業者のがその後も現れている。
1986年以降の新規参入ライセンス発行事業者:
- 1992年〜1994年 パラグライダースクール協会(PSA) 現在活動停止
- 2003年〜 日本パラグライダー協会(JPA)
IPPI技能証
国際航空連盟(FAI)が発行するパラグライダーの資格は「国際パイロット技能証」である。各国毎で航空法は異なり、パラグライダーも航空機の一種類と定め国家資格としている国もあれば、日本の様に統括団体を設けて自主ライセンスという形式をとるこにより間接的な指導監督を行っている国もある。海外でフライトを希望する場合、国際航空連盟(FAI)/国際ハング・パラグライディング委員会(CIVL)が発行する 国際パイロット技能証(IPPI)を取得することができる。これを取得すると国際航空連盟(FAI)に加盟する世界100以上の国々でフライトすることが可能となる。なお、日本国でIPPI技能証を発行する権限を移譲されているのは統括団体である文部科学省認可社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)のみである。JHF技能証は国際航空連盟(FAI)/国際ハング・パラグライディング委員会(CIVL) が定める技能証規程に基づいて発行される為、JHFへの書類申請のみで国際パイロット技能証 (IPPI)を取得することができる。JHF技能証で申請できるIPPI ParaPro/SafePro Stageライセンスを下記に示す。
- JHF技能証 → IPPI ParaPro/SafePro Stage
- A級パイロット → 1 (Ground Skimming)
- B級パイロット → 2 (Altitude Gliding)
- ノービスパイロット → 3 (Basic Soaring)
- パイロット → 4 (Advanced Soaring)
- クロスカントリーパイロット → 5 (Cross Country)
JHF技能証
内閣府所管公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)が発行するパラグライダーの資格。JHFは、このスポーツにおいて唯一国際的に有効な技能証発行機関である。 JHFの技能証は国際航空連盟 ハンググライディング委員会(FAI/CIVL)が定める技能証規程に基づいて検定が行われており、IPPIカードに書き替えることができる。 また、FAIがカテゴリー1(世界選手権、ワールドエアゲームズなど)、カテゴリー2として認定する国際大会に日本代表として参加するためのスポーティングライセンス(公益財団法人日本航空協会が発行する)を得るには、JHF技能証が必須条件となる。 実際の教習内容は、国際的に統一されたカリキュラムに沿って指導されており、週1〜2日のペースでパイロット証の習得までにおおむねね3年程度かかるのが一般的である。
- JHF-練習生A級
- 単独にてパラグライダーの機材を扱え、指定された方向に直線飛行が出来る。機材や専門用語などについて簡単な学科検定が課される。
- JHF-練習生B級
- 単独にて左右180度旋回ができ、着陸することができる。ソアリングの練習を始められる。パラグライダーについての基礎的な理解を問う学科検定が課される。
- JHF-ノービスパイロット証
- NP証。単独にて左右360度旋回ができ、指定地(半径20m以内)に着陸することができる。ピッチング、ローリングをコントロールすることができる。パラグライダーについての理解や気象についての学科試験が課される。
- JHF-パイロット証
- P証。ソアリングできる飛行技能および、指定されたエリアルールや気象条件に適合する飛行をすることができる。パラグライダーに関連する航空法規、気象、構造を問う学科試験が課される。P証でスクールを卒業。国際技能証(IPPIカード)に書き換えることで、世界中のエリアを飛ぶことが出来る。一部を除くジャパンリーグに出場可能。
- JHF-タンデム証
- 2人乗りのパラグライダーを安全に操縦することができる。
- JHF-クロスカントリー証
- XC証航空法規に合わせ、クロスカントリー飛行をする能力を有する。クロスカントリー飛行に必要な気象、法規、航空交通などの学科試験が課される。ジャパンリーグに出場可能。
- JHF-助教員
- JHF-教員
PSA技能証
かつて、大手輸入代理店が中心になって立ち上げた“パラグライダースクール協会(PSA)” が独自に発行していたパラグライダーの資格。現在PSAは活動を停止しておりこのライセンスでフライト可能なエリアは非常に少なくなっている。
JPA技能証
茨城県知事認証の特定非営利活動法人日本パラグライダー協会(JPA) が独自に発行するパラグライダーの資格。
- JPA-パラメイト
パラグライダーの一日体験を行った人に対して発行される。学科試験はなく、指示された方向に直線飛行できる技能を有する。
- JPA-ベーシックパイロット (BP)
単独にて高度処理を行い、指定されたランディング場に安全に着陸する技能を有するパイロット。パラグライダーに関する基礎的な知識、航空力学、気象などの学科試験が課される。
- JPA-プライマリーパイロット (PP)
単独にて左右360度以上の旋回と滑空比以上の飛行ができる14歳以上のパイロット。スクールエリア内で飛行に適した判断の下飛行をすることが出来る。パラグライダーに関する知識、航空力学、気象などの学科試験が課される。
- JPA-パイロット (P)
エリアルールの範囲内で、自己の判断と責任で飛行できる16歳以上のパイロット。パラグライダーに関連する知識、航空法規、航空スポーツ気象、航空力学を問う学科試験が課される。アシスタントインストラクターなどに依頼されれば、PP、BPの飛行を監督することが出来る。P以上でアキュラシーとチャレンジリーグにエントリーできる。
- JPA-エキスパートパイロット (EX)
競技飛行に関する技能と知識を有し、単独でのクロスカントリー飛行を含め、すべての判断を自分自身で行い安全確実に飛行できる能力をもつ18歳以上のパイロット。パラグライダーに関する深い知識を有する。学科試験有り。アシスタントインストラクターなどに依頼されれば、PP、BPの飛行を監督することが出来る。ナショナルリーグにエントリーできる。
- JPA-タンデムパイロット (TP)
2人乗りのパラグライダーを安全かつ確実に操縦することができる能力を有する20歳以上のパイロット。実技・学科試験有り。JPAが主催する救急法セミナーを受講しなければならない。
- JPAのインストラクターの技能証
- 1.JPA-アシスタントインストラクター(フライヤーの育成・指導業務を行うことができる)
- 2.JPA-インストラクター(フライヤーの技能試験を検定する技能と判断力を持つ)
- 3.JPA-パフォーマンスインストラクタ(マヌーバ等の指導ができる)
- 4.JPA-スーパーバイザー(検定試験の監督や、各種研修会での指導ができる)
- 5.JPA-パラシュート・リガー(緊急用パラシュートを正確に畳み、正しく収納することが出来る能力を有する)
- 6.JPA-パラシュート・リガーマスター(パラシュート・リガーを指導する能力を有する)
関連項目
- グライダー: 固定翼を持った機体に搭乗して飛行する。
- パラモーター: パラグライダーの装備に加え背中にエンジンとファンを着けて飛行する。モーターパラグライダー(MPG)、パワードパラグライダー(PPG)ともいう。
- パラセーリング: 水上でモーターボートに牽引されて飛行する。北海道では雪上・氷上をスノーモビルに牽引されて飛行できる場所もある。
- カイトボード: パラカイトを用いて水上を滑る。
- ハンググライダー: パイプに丈夫な生地を張った構造の機体に吊り下がって飛行する。ハンググライディングともいう。
- ウイングスーツ: ムササビのように腕と体や両足の間に幕があるスカイダイビングスーツ
- スカイスポーツで使われている無線