コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「近鉄1400系電車」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
115行目: 115行目:
{{-}}
{{-}}


== 1201系(旧1200系1201F - 1210F) ==
== 1201系 ==
{{鉄道車両
{{鉄道車両
|車両名 =近鉄1201系電車
|車両名 =近鉄1201系電車
161行目: 161行目:
[[ファイル:Kintetsu1200Series01inside.JPG|thumb||right|ワンマン化改造後の室内]]
[[ファイル:Kintetsu1200Series01inside.JPG|thumb||right|ワンマン化改造後の室内]]


1400系の2両編成バージョン。電算記号は'''RC'''(1211,1212Fは「'''FC'''])
1400系の2両編成バージョン。電算記号は'''RC'''。


[[1982年]]登場。名古屋線用の2両編成の界磁チョッパ車。[[近鉄名古屋駅|名古屋]]寄りからク1300形(Tc)-モ1200形(Mc)と編成を組む。1201F - 1210FまではMc-Tcという普通の2両編成で10本登場した。
[[1982年]]登場。名古屋線用の2両編成の界磁チョッパ車。'''1200系'''1201F - 1210Fとして落成。[[近鉄名古屋駅|名古屋]]寄りからク1300形(Tc)-モ1200形(Mc)と編成を組む。1201F - 1210FまではMc-Tcという普通の2両編成で10本登場した。


1C4M制御の三菱電機製界磁チョッパ制御装置を採用、回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキと抑速回生ブレーキを備えている。1205Fから製作当初から側面に方向幕を設置。車体は基本的には1400系に準じているが、パンタグラフはMc車に2基搭載された。1982年製の1202F - 1206FのTc車(ク1300形)には[[廃車 (鉄道)|廃車]]となった[[近鉄2250系電車|2250系]]の台車(KD-78A形)が流用されている。また1207F以降(1983年以降製造分)は車内内装材が新しいデザインになっている。
1C4M制御の三菱電機製界磁チョッパ制御装置を採用、回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキと抑速回生ブレーキを備えている。1205Fから製作当初から側面に方向幕を設置。車体は基本的には1400系に準じているが、パンタグラフはMc車に2基搭載された。1982年製の1202F - 1206FのTc車(ク1300形)には[[廃車 (鉄道)|廃車]]となった[[近鉄2250系電車|2250系]]の台車(KD-78A形)が流用されている。また1207F以降(1983年以降製造分)は車内内装材が新しいデザインになっている。

2010年10月29日 (金) 23:48時点における版

共通事項
基本情報
製造所 近畿車輛
主要諸元
電気方式 直流1500V
減速度(常用) 4.0
車体幅 2,740
駆動方式 WNドライブ
制御装置 界磁チョッパ制御
保安装置 近鉄型ATS
テンプレートを表示

近鉄1400系電車(きんてつ1400けいでんしゃ)とは、1981年に登場した近畿日本鉄道界磁チョッパ制御を採用した通勤形電車の一系列。

本稿では、同じく同社大阪名古屋線用の界磁チョッパ車である1200系電車(2代)及び1201系電車2050系電車、そして1200系(1201系)の狭軌版である6600系電車(2代)もあわせて紹介する。

1400系

近鉄1400系
近鉄1400系1407F
主要諸元
編成 4両編成
軌間 1435
最高運転速度 110
設計最高速度 120
起動加速度 2.5
減速度(常用) 4.0
車体幅 2,740
車体高 4055
台車 KD-88・KD-88A
主電動機 直流複巻電動機MB-3270-A
主電動機出力 160
歯車比 4.72
編成出力 1280kw
テンプレートを表示

1981年登場。電算記号はFC大阪線用の4両編成の界磁チョッパ車両。4編成16両が製造された。大阪上本町寄りからク1500形(奇数・Tc1)-モ1400形(奇数・M1)-モ1400形(偶数・M2)-ク1500形(偶数・Tc2)と編成を組む。

1C8M制御の三菱電機製界磁チョッパ制御装置と回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ抑速回生ブレーキを採用。160kWの直流複巻電動機MB-3270-Aを装備する。歯車比は4.72である。

車体は断面形状を変更して片部のRを小さくし、切妻に近い断面となり、軽量化が図られた。また前面を従来車とは大幅に変更して、窓上部の前照灯の周りにはステンレスの飾り板が付けられ、通過標識灯尾灯も新型のものに変更されている。また車内は新化粧板を採用し、座席の形状も変更された。台車はM車はKD-88形、Tc車はKD-88A形を採用。1401Fでは電動発電機圧縮機共にク1500形(奇数)に設置されていたが、1503F以降はク1500形(偶数)に圧縮機が設置されるようになった。1405F以降は製作当初から側面に方向幕を設置。

奈良線では8810系がこれに相当する。8810系とは車体幅と制御装置のメーカー以外はほぼ同一仕様となっている。

改造・転属・運用

全編成、2000年から2003年にかけて車体更新を完了しており、1405Fと1407Fは内装の壁紙をL/Cカーと同様のものに変更した。1401F・1403Fは転落防止幌が、1407Fは車体更新の際に転落防止幌、車椅子スペースが設置されている。現在のところ、新型ATS設置・デッドマン装置更新はされていない。

2004年3月にFC07(1407F)は、高安検車区から明星検車区へ転属した。トイレつきのため、2610系ロングシート車)と共通運用で大阪線青山町駅以東でも運用され、快速急行や急行で山田線宇治山田駅鳥羽線鳥羽駅まで乗り入れている。また、朝・夜の急行名古屋線に入線することもある。ただし、青山町以西の準急や普通列車では2009年に頻発した放火事件の影響で、防犯上の関係からトイレが使用不可になっている。青山町以東及び名古屋線、青山町以西でも急行・快速急行では使用出来る。

他の3編成は1620系や2430系、2800系(いずれも4両編成)と共通運用で主に大阪上本町駅 - 青山町駅間で区間快速急行から普通まで幅広く運用されているが、高安駅以西では準急、名張駅・青山町駅以西では2610系や5200系で運用される快速急行や区間快速の増結編成としても運用される。また、車両故障や事故などで運用が乱れた場合は青山町以東でも運用される。

アートライナー

2005年5月から2007年6月まで1403Fが大阪経済法科大学のアートライナーとしてラッピングされていた(現在は通常塗装に戻されている)。

1201系

近鉄1201系電車
1201系1201F
主要諸元
編成 2両編成
軌間 1435
最高運転速度 110
設計最高速度 120
起動加速度 2.5
減速度(常用) 4.0
車体幅 2,740
車体高 4055
台車 KD-88・KD-88A
主電動機 MB-3270-A
主電動機出力 160
編成出力 640kw
テンプレートを表示
ワンマン化改造後の室内

1400系の2両編成バージョン。電算記号はRC

1982年登場。名古屋線用の2両編成の界磁チョッパ車。1200系1201F - 1210Fとして落成。名古屋寄りからク1300形(Tc)-モ1200形(Mc)と編成を組む。1201F - 1210FまではMc-Tcという普通の2両編成で10本登場した。

1C4M制御の三菱電機製界磁チョッパ制御装置を採用、回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキと抑速回生ブレーキを備えている。1205Fから製作当初から側面に方向幕を設置。車体は基本的には1400系に準じているが、パンタグラフはMc車に2基搭載された。1982年製の1202F - 1206FのTc車(ク1300形)には廃車となった2250系の台車(KD-78A形)が流用されている。また1207F以降(1983年以降製造分)は車内内装材が新しいデザインになっている。

奈良線では9000系がこれに相当する。9000系とは車体幅と制御装置のメーカー以外はほぼ同一仕様となっている。

改造・転属・正式系列名の変更

1200系の2連車(1201F - 1210F)は現在はすべてワンマン改造のため1201系に正式系列名を変更している。

また同時に2000年から2003年にかけて車体更新を行い、内装の壁紙を5800系と同様のラベンダーブルーに変更した編成もある。改造の際に運賃箱と運賃表示器を設置した。なお初期に改造した車両と後期に改造した車両とでは車外スピーカーの設置位置や転落防止幌の形状が違っている。全編成転落防止幌は設置されているが、初期にワンマン改造された車両に設置された転落防止幌はVVVFインバータ車やシリーズ21と同様のものであるが、後期にワンマン改造された車両に設置された転落防止幌は抵抗制御車や他の界磁チョッパ制御車に設置されたものと同様である。また、1209Fと1210Fには車体更新時に連結側に車椅子スペースが設置されている。

ワンマン改造・車体更新の際、2250系から流用した台車は廃車となった2600系のKD-66形と交換された。1203F - 1205Fは方向幕に「ワンマン普通○○」で運行している。1201F・1202F・1206F - 1210Fも装備していたが現在は電光式ワンマン表示器に変更されている。

ワンマン改造後暫くは名古屋線白塚駅 - 志摩線賢島駅間(2004年3月までは山田線宮町駅 - 志摩線賢島駅間)の運用が多かった。しかし、2007年以降は1253系や後に奈良線から転属してきた9000系などのワンマン対応車が増えたため、現在では名古屋線の普通列車(ツーマン運転)や準急、急行の増結車運用も多くなっている。大阪線東青山以西の運用は滅多にない。

現在のところ、新型ATS設置・デッドマン装置更新はされていない。

1200系(1211F・1212F)

近鉄1200系電車
1200系1211F
主要諸元
編成 4両編成
軌間 1435
最高運転速度 110
設計最高速度 120
起動加速度 2.5
減速度(常用) 4.0
減速度(非常) 4.5
車体幅 2,740
車体高 4055
台車 KD-88・KD-88A
主電動機 MB-3270-A
主電動機出力 160kw・155kw(モ2460形)
編成出力 1260KW
テンプレートを表示

1200系のうち、1984年に製造された1211F・1212Fは先頭車と中間車という変則的なユニットモ1200形(Mc)-サ1380形(T)で登場し、サ1380形にトイレを設けている。在来型の2430系の冷房化と同時に同系と組成されたため、編成中で車体断面が大きく異なり、前後の正面形状が異なる編成を組んでいる。そのため、1211F・1212Fを1211系と呼んで既存の1201F - 1210F(現1201系)と区別することもある。登場時は大阪線に配属され、乙特急より停車駅が少ない臨時列車高速・伊勢志摩号」に使用されることもあった。

現在はこの4両のみが正式形式を1200系と称する。電算記号はFC92・FC93である。

改造・転属・転属後の運用

1211F・1212Fは2002年に2600系の置き換え目的で大阪線から名古屋線に転属し、全車名古屋線所属となっている。名古屋線転属後、内装の壁紙をL/Cカーと同様のものに変更、転落防止幌、車椅子スペースの設置等の車体更新を受けている。なお、ク2592・93形とモ2461・62形は名古屋線転属前にB更新(乗降扉付近の水切り、雨樋設置など)を施工し、1211F・1212Fの車体更新時に転落防止幌を設置している。1211F・1212F共に(ク2590・モ2460形も含む)方向幕が「伊勢中川」などの旧国名表示に交換されている。

名古屋線転属後は2610系・2800系改造のL/Cカーや2800系2817F、5800系と共通運用で、1810系や1201系、9000系を連結した6両編成で、主に近鉄名古屋 - 宇治山田鳥羽間の急行、近鉄名古屋 - 富吉間の準急を中心に運行している。L/Cカーと共通運用である故に多くはないが、早朝・夜間の快速急行・急行で大阪線を運行することもある。また、朝上りの名古屋線近鉄四日市発近鉄名古屋行き準急や山田線宇治山田発名古屋線白塚行きの普通列車に充当されることもある。

現在のところ、新型ATS設置・デッドマン装置更新はされていない。

2050系

近鉄2050系電車
近鉄2050系2051Fアートライナー
主要諸元
編成 3両編成
軌間 1435
最高運転速度 110
設計最高速度 120
起動加速度 3.2
減速度(常用) 4.0
車体幅 2,740
車体高 4055
台車 KD-88・KD-88A
主電動機 MB-3270-A
主電動機出力 160
編成出力 1280
テンプレートを表示

1400系の3両編成バージョンで、1983年登場した。電算記号はRC。大阪・名古屋線用の3両編成の界磁チョッパ車。名古屋寄りからク2150形(Tc)-モ2050形(奇数・M)-モ2050形(偶数・Mc2)と編成を組む。2編成6両が製造された。

8M制御の三菱電機製界磁チョッパ制御装置と回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキを採用。台車はKD-88形・KD-88A形が採用された。車体は1200系1207F以降に準じた新しい車内内装材デザインを採用している。全編成製作当初から側面に方向幕を設置している。

奈良線では9200系がこれに相当する。9200系とは車体幅と制御装置のメーカー以外はほぼ同一仕様となっている。

改造・転属・運用

登場時は大阪線に配備され、2430系等3両編成系列の冷房化、車体更新工事の関係で上本町 - 青山町間の急行や準急などに運用されていたが、大阪線での最小編成両数が4両編成となり、大阪線での3両編成の需要が減ったため1990年1991年に名古屋線に転属した。

現在は主に近鉄名古屋 - 富吉近鉄四日市間の準急や近鉄名古屋 - 伊勢中川間の普通列車を中心に運用されている。湯の山線鈴鹿線用ワンマン改造工事はされていないが、平日の近鉄四日市始発平田町行き急行で鈴鹿線を運行することもある。

2編成とも2002年に車体更新を完了している(内装の壁紙を5800系と同様のラベンダーブルーに変更、雨樋、転落防止幌、車椅子スペースの設置等)。 現在のところ、新型ATS設置・デッドマン装置更新はされていない。

アートライナー

2005年7月からRC52が、2005年9月からはRC51もボディラッピング電車(名泗コンサルタント)のアートライナーになり、2編成とも同じ企業のアートライナーになっていた。2008年10月から約1カ月間はRC51編成がラッピングを解除されていたが、その後再び同会社のアートライナーとなった。一方、RC52は2009年2月にラッピングを解除された。

6600系

近鉄6600系電車
近鉄6600系6602F(布忍駅付近にて)
主要諸元
編成 2両編成
軌間 1067
最高運転速度 100
減速度(常用) 4.0
車体幅 2,740
車体高 4055
台車 KD-90・KD-90A
主電動機 MB-3287形
主電動機出力 150
歯車比 6.20
編成出力 600kw
テンプレートを表示

1200系(1201系・1201F - 1210F)の南大阪線吉野線(狭軌)版といえる2両編成の界磁チョッパ制御車で、1983年登場した。電算記号はFT。南大阪線の界磁チョッパ制御車は本系列のみである。南大阪線、最後の釣掛車6411形および経年を迎えた6800系の置き換え目的で製作された。阿部野橋寄りからク6700形(Tc)-モ6600形(Mc)と組む。

車体は1200系(1201系)の1207F以降に準じている。台車はMc車にKD-90形、Tc車にKD-90A形を採用。主電動機は150kWの角形複巻電動機MB-3287形を装備したため、M台車の車輪径を大きくしている。歯車比は6.20となっている。MG、CPはTc車に集中設置。パンタグラフはPT-48形をMc車に2基設置。

さらなる増備はVVVFインバータ制御6400系に移行したため、4編成のみの製造にとどまっている。

改造

2001年から2003年にかけて全編成に車体更新工事が施工され、内装をシリーズ21と同様のものに変更されている。また、6602F以降は車椅子スペースと転落防止幌が設置されているが2010年には6601Fにも転落防止幌が設置されている。2008年に6601Fが界磁チョッパ制御車では初めて新型ATS設置・デッドマン装置更新工事を受けている。

関連項目

外部リンク