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「ラジコン」の版間の差分

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==ラジオ・コントロール模型自動車==
==ラジオ・コントロール模型自動車==
{{Main|ラジコン模型自動車}}
(From en Radio-controlled car on21 Dec.2009 at0048)

定義
ラジオ・コントロール(以下「RC」と略記)模型自動車とは、RC装置によって遠隔操作されている模型自動車である。

===概容===
*RC模型自動車には、トイ(玩具)級とホビー級の、2段階がある。
*動力は、電動と内燃機関に大別される。
*電動車は、小型で強力な、ブラシ型またはブラシレス型モーターで駆動され、電源は充電式のニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム電池である。
*大部分の小型内燃機関搭載車は、ニトロメタン、メタノール、オイル(カストル・オイルおよび合成オイル)の混合燃料を使い、「ニトロ車」と呼ばれる。
*最近、超大型車は、芝刈り機と同じ混合燃料の小型ガソリンエンジンを使う。
*ニトロ車とガソリン車を「燃料車」と総称する。
*電動車は、一般にやさしいと言われるが、最高水準のものは燃料車同様に高度の技術と、高額な費用を必要とする。
*両車種ともに、オンロード車、オフロード車がある。オフロード車は、さまざまな路面状態に対応する専用のサスペンションを装備している。これに対し、オンロード車のサスペンションは、効果が限定され、さらには無しの場合もあり、滑らかな舗装面しか走れない。

===トイ・グレードRC車===
「トイ」または「トイ・グレードのRC車とは、完成車で、量販店や家電店に並んでいるものと言える。だから俗に「ラジオ・シャック(ゆっくり走る)車」と呼ばれる。
若い購買者を狙って、模型店に並べられるトイ・グレードRC車もあるが、一般的には子どものオモチャである。

====トイRC車の利点====
安価であることが最大の利点で、ホビー級の入門車に比べて50~100ドルは安い。
操縦は容易で、安全である。速度は20マイル/時以下で、多くは10~15マイル/時である。
走らせるまでの段取りも、ホビー級のうちで最も簡単なRTR(すぐに走れる:後述)車より容易である。
トイ級の車は、実車のスケールモデルであるが、ホビー級ではほとんどがそうではない。だから、ホビー級の車には付いていない細かい付属装置、たとえばヘッドライト、警笛、窓、ドア、フッド、内装などが実車のように装備され、作動する。中にはラジオやプレイヤーのような音響システムを搭載するものもある。
トイRC車の車種は、限りなく拡大され、普通車やトラックはもちろん、タンク、ブルドーザ、モーターサイクルなど、普通ではない形式・設計の車に及んでいる。

====トイRC車の欠点====
トイRC車の欠点は、設計や構造が粗末で、性能が悪く、安物で、スペア部品が無い点である。
サスペンションは全く付いていないか、付いていてもきわめて初歩的な形式である。
RCシステムに付いても同様で、ステアリング操作はプロポーショナルではく、「右いっぱい、中立、左いっぱい」の3つの舵角しか取れない。スロットルも、「停止」、「全速力」の2つだけである。走行性能も低い。
大部分の車が、非力な小型モーターを安価なアルカリ電池やニッカド電池で駆動しているため、最高速度は10~15マイル/時程度で、短時間で電池交換を必要とした。小型・軽量・強力なリチウム電池が使われるようになると、バッテリーの状態の表示灯も付き、性能は向上した。
通常、トイRC車の走行は、オンロードに限られている。オフロード的な外見であっても、実際には満足に走れない。
トイRC車の寿命は、壊れるまでで、修理は難しく、補修部品はほとんど売っていない。車に付属している取替え部品は、電池と充電器ぐらいで、主要取替え部品を揃えたメーカーは極めて少なく、納期も長い。無産機は、ホビー級のように標準化されていない。


===ホビー・グレードRC車===
最近、ホビー・グレードであるが、手間をかけずにすぐに走らせることが出来る「RTR(レディー・ツー・ラン)」RC車が、大きなメーカーから発売になっている。これは、「ARTR(オールモストRTR)」車でも手間を惜しむファンに受けている。
RTR車は、バッテリーを購入して装着する以外の手間が、全く、あるいはほとんどかからない。多くの場合、車体は塗装済みで、トリムも書き込まれている。
たくさんの乗用車やトラックが、RTR車として販売されている。RTR車の購買層の拡大につれて、メーカーはファンをその上級版のキット車に誘導しようとしている。キット車には、RC装置、モーター、スピードコントローラーは付属していない。

====電動車====
電動車のスピードコントローラーは、機械的に、あるいは電子的に、モーターに供給する電力を調整する。供給する電力の量は、発信器のスロットル位置に比例していて、トリガーを強く引くほど車は加速される。
機械式のスピードコントローラーは、たくさんのレジスターとスイッチの集まりで、接点を回転させるとレジスターが変わって電流が増減する。この形式は反応が遅く、レジスターの発熱によって効率が低下する傾向がある。また、汚れやすく、作動が間欠的で、微妙なブレーキ操作がやり難い。但し、電子式よりも安価で、旧型ホビー・グレード車に付いていることが多い。
電子式スピードコントロールは電子回路によって周波数を変え、モーターに供給する電流を調整する。また、多くはモーターを電磁ブレーキ化できるので、機械式よりもうまく車速をコントロールできる。

今までの電動車はブラシ型のモーターを搭載していたが、ブラシレス型モーターのほうが高出力でメインテナンスも簡単なので、大勢は移りつつある。
モーターは回転数あるいは「Kv」で格付けられている。Kv数値は「1ボルトあたりの回転数」を示す。駆動システムの出力性能は、使用バッテリーの性能に依存する。ブラシレス型モーターは強力であるので、超大型トラックや1/8縮尺バギーなどを電動車に改造するときにも利用される。


====燃料車====
ニトロメタン燃料エンジンの車は、スロットルにサーボをつないで加・減速を操作する。
サーボをある方向に回すと、キャブレターの上のスロットルが開き、混合気の吸入量を増やす。サーボを逆に回すと、ブレーキシューが押し付けられて摩擦を起こし、ブレーキがかかる。ブレーキは、駆動軸にかかり、2駆車は2輪に、4駆車は4輪が制動される。

エンジンの大きさは.12~.35立方インチのものが多い。この大きさは、RC車競技規定の制限に基づく。もっと大きな規格外エンジンも生産されているが、用途は公式競技以外であり、規則に関わり無く使用されている。
エンジンの大きさは競技級によって決められる。1/10縮尺の競争車は、オンロード、オフロードともに.12~.18エンジンを使う。1/8縮尺では.21~.32エンジンである。

====ニトロ燃料車====
燃料車は、特に改造しなくてもかなり速く走れる。最大出力は、エンジンの回転数が中速と最高速の間で発揮される。スロットルの反応は、電動車より鈍い。電動車は瞬間的にトルクを発揮するが、燃料車は実車のクラッチ接続時のようにもたつく。
ニトロ車など燃料車は、数秒の給油によって直ちにレースに復帰できるが、電動車はボディーを外してバッテリーの着脱を行なわなければならない。
燃料車は完全な空冷式になっていて、冷却するための中断をせずに連続走行できる。
ニトロ車は、平均的には電動車より大きい。電動車が高性能を発揮する大きさは1/10縮尺以下である。但し、両車種に同縮尺のものもある。

ニトロ車は2サイクル・エンジンであるから、電動モーター車よりもはるかに実車的な挙動をする。エンジン音や伝動装置が実車と似ていることは、ニトロ車の魅力である。
但し、排気中の油が車体にくっつくので電動車よりも汚れやすく、変成アルコールなどの溶剤をコンプレッサーで吹き付けて、たびたび洗車を行なう必要がある。
ニトロ車を調子よく走らせるには、RTR車の様な初歩的なものでも、エンジンを調子よく回し続け、燃費を抑え、エンジンの磨耗や過熱をさせないことを習得しなければならない。

基本性能が高く、長時間の走行を行なうために、ニトロ車の機械的な損耗は電動車よりも大きい。加えて、高速で重量が大きいために衝突のときのダメージは大きい。従って、安全面に強い配慮が払われている。ニトロ車は、大きな出力に起因する応力に対抗するために、丈夫に作られている。

====ガソリン燃料車====
ガソリン燃料車は、「燃料車」、「ガソリン車」などと呼ばれ、ガソリンとオイルの混合燃料を使用する。ニトロ、電動車に比べて、かなり(1000~3000ドル)高価である。
大型であるので、走行場所も広大になる。ニトロ車や電動車と比べて最高速度は特に高くは無く、強力ではあるが燃料はさほど食わない。
また、ニトロ燃料は高価であり、ニトロエンジンの寿命は短いので、その反対のガソリンエンジン車の費用はそれほど高く付かない。最近の10年は、ヨーロッパで大縮尺のスケール車に人気がある。

===付属部品===
RC模型自動車は、一般に追加部品を必要とする。
電動車では、バッテリーと充電器がないと走れない。高性能バッテリーパックの製作、上級の電子装置の組み付け、損失の少ない差込などには、ハンダこて一式が必要である。
ニトロ車では、グロープラグと燃料がないとエンジンが回らない。車載の電子装置の電源として、4AAサイズの電池または6ボルトのバッテリーパックが要る。また、エンジンをクランクして始動するために、プル・スタート装置、スターター・ボックス、バッテリー駆動のロトスタート、電気ドリルなどが要る。
ガソリン車ならば車載受信機用の電源と、始動装置(ほとんどがプル・スタート)だけで済む。
ホビー級のRC車では、発信器の電源として8AA電池が定番であるが、フタバ3PKSのように充電式のバッテリーパックを使う発信機もある。

ホビー級RC車が登場すると、それを追って大きなメーカーが改良版の部品を売り出す。改良の幅は、寿命の延長から全体的な性能向上まである。また、たくさんのモデラー自身が自分の改良版の部品をネット市場などに出す。

RTR車は、調整済みの状態で出荷されるから、そのままで良好なレース性能を発揮する。しかしながら、部品の緩みの検査は必要で、マニュアルにもそのように記されている。
キット車、半完成車の場合、組み立てと調整は所有者が自分で行なう必要があり、RC装置やエンジンも自分で買うことになる。


===作動の原理===
全てのRC車は、共通する操作・作動システム利用している。
まず、操縦者の手に発信器が必要である。操作形式としては、2本の操縦桿を使うものと、ピストル式トリガーで速度を操作し、丸いハンドルを回して方向を操作するものがある。
次に、車載された受信機が必要である。受信機は発信された信号を受けて、適当な電気信号に変換し、それを操作装置に送り出す。

大部分のRC装置は、送・受信機間の伝達に振幅変調方式を利用していた。進歩した装置では、より信頼性のある周派数変調方式やパルスコード変調方式を使っている。
受信機はこれらの送信を受けて、接続されている電子スピードコントロール装置、あるいはサーボ・メカニズム(いわゆる「サーボ」)を動かし、スロットル操作や操舵を行なう。車種によっては前進・後退も切り替えられる。
受信機は電気信号のパルスの幅を変えてスピードコントロールやサーボの操作を行なう。パルスの継続時間によって、スピードコントロールが動力モーターに送る電流を増減し、サーボの角度を操作・決定する。
サーボは、ステアリング機構に接続されていて、サーボが回転するとタイヤの向きを機械的に変更する。サーボと車輪の間は、ターンバックルによって調整できるようになっている。また、この接続にはサーボ・セーバー(安全装置)と呼ばれるフレキシブルな部分があり、車輪などにかかる衝撃を吸収して、サーボの歯車を保護している。

===RC模型車の歴史===

====模型自動車競走の始まり====
小型のニトロメタン燃料のエンジン(グロー・エンジン)が市販されるようになったのは、1940年代である。模型自動車を操縦する能力が芽生えたのも同様と言える。

====初期の商品====
淘汰されずに生き残り、後世の成長の元になった初期のRC車は、1960年代中ごろに出現した、イタリアのRoggio EmiliaのEl-Gi(Electronica-Giocattoli)社のものである。最初は1/12縮尺のフェラーリ250LM車で、イギリスでは1966年12月にロンドンで、「Motor Books and Accessories」
輸入のものが、1967年はじめにはスワンシーのAtkin’s 模型店経由のものが購入できた。
El-Gi社は、1967年初頭のミラノ・トイ・フェアに、1/10縮尺のフェラーリP4車を出品している。

1968年後半には、イギリス・ライセスターのMardave社が、RC社の商業生産に成功している。グロー・エンジン車で、1970年には一部地域で販売された。

1970年代には、アメリカの小企業がRC車に参入した。これらは、元はスロット・レーシング車のメーカーで、それが衰退したのでRC車の分野に鞍替えしたものである。
このグループには、Associated Electrics,Thorp,Dynamic,Taurus,Delta,Scorpionの各社がある。
このグループの初期のキットは、1/8縮尺のニトロ燃料車(当時は「ガス」と呼ばれた)で、アルミ・パン構造であった。エンジンは.21以下で、K&B、Veco、McCoyが多かった。
ボディーはポリカーボネート製で、Lexan社の製品が多かった。この種のRC車の競走を初めて組織・裁定した団体は、Remotely Operated Auto Racers(ROAR)である。
1973~4年にかけて、ワシントン州のJerobee社がCox049エンジンを使った1/12縮尺のニトロ燃料車を製造した。この車のために、後発メーカーがLexanの透明ボディー、ヒートシンク、大容量の燃料タンクなどの付属部品を製造・供給した。
1976~77年になると、Associated Electrics社がRC12E級を作って1/12縮尺車の電動レースを始めた。Jerobee社もJomac社になり、独自の電動車キットを製造した。

1970年代末になると、1/12縮尺の電動車レースの人気が、1/8縮尺燃料車同様に高くなった。当時は競技級が1つだけであったので、冬の競技シーズンを通して異質な両車が混走せざるを得なかった。そのために「ウインター・ナショナル・シリーズ」が開発され、成長し、自作車が多数登場した。

1976年になると日本のタミヤ社が、細かいところまで手の込んだプラスチック模型車のキットで参入した。発売されたシリーズは、エレガントで高度に細かくスケール化されていたが、機構的には単純なオンロード車であったが、「RCに適している」として販売された。
高価ではあったが、キットとそのRCシステムは急速に売れた。
タミヤ社は、すぐにもっと機能的なRC模型車を作り始め、最初に本物のサスペンションの付いたオフロード車を投入した。RC車の新分野であるオフロードへの進出の始まりで、RC車は舗装路面でなくても走れるようになり、ファンの人口を急増させることになった。タミヤ社の最初のオフロード車は1979年発売の、Sand ScorcherとRough Riderで、dune buggyの形を正確に再現している。タミヤ社は、実際に機能するサスペンション、強力なモーター、トレッド模様の付いたオフロードタイヤなどを装備した、dune buggy系の各種のオフロード車を増産した。さらに、実物どおりの3速ギヤ、リーフ・スプリング・サスペンションを装備した、トヨタ・ハイラックス・ピックアップ・トラックも生産した。これらの車は、実物感、耐久性、簡単な組み立て、改造や修理が容易などの特徴があり、1980年代前半に広く普及してブームをつくり、現在のRC車市場の基礎となった。
たくさん売れたタミヤ車の中には、デューン・バギー系のグラスホッパーやホーネット、巨大トラックのブラックフッやクラウドバスターがある。タミヤの初期のオフロード車は、古典RC車の収集家に狙われていて、ミント(組み立て前)状態だと3000ドルの値が付く。
このような人気が続いているので、タミヤ社は2005~2007年の間に多少の変更点のある復刻版を出している。

英社Schumacher Racingは1980年に初めて、あらゆる路面状況に対応できるような調整式のボール式差動装置を開発した。当時は、大部分のオンロード車の駆動軸は差動装置が付かない固定式であり、オフロード車は歯車式の差動装置を使っていた。
Team Associatedは、1984年にRC10級レーシングバギーに追随し採用した。(後記)

====-最近のRC競走の進歩====
1984年に、カリフォルニア、コスタリカのAssociated Electrics社はRC10級オフロード電動バギー車を導入・採用した。この車種は、同社の従来のニトロ燃料のオンロード車とは別系統になる。高級なRC車であるので、当該車のシャシーは航空機級の電解アルミで作られている。ショックアブソーバーの同じアルミから機械加工された油圧式で、調整が出来る。サスペンション・コントロール・アームと3分割式の車輪は、耐高衝撃型ナイロンで作られている。

RC10級の車輪と伝導系には、オプション部品としてメタル・シールド式のボールベアリングが使われる。同級の伝導系の改良型作動装置は、硬化した鋼鉄リングが押し込まれたボールベアリングが付いていて、あらゆる路面状況に対して調整できる。
このようにして、RC10級は電動オフロード競走種目の主流になった。

1986年に、Schumacher Racing社がCAT(Competition All Terrain:全路面競技)車を発売した。当時の最良の4駆オフロードバギーレーサーといえる。
CAT車は、1987年のオフロード競技の世界選手権を取った。当該車は、電動オフロード競走を4駆に指向させるきっかけとなった。

カリフォルニアのパモナで結成されたTeam Losiは、バギー車JRX-2を開発し、当時も存続していたTeam  Associatedと対抗していた。それから実験を重ねて、最初の全天然ゴム製のタイヤ、最初のアメリカ製4駆バギー、新規格の1/18縮尺Mini-T型オフロード電動車などを開発した。

AssociatedとLosiはアメリカの市場に大きなシェアを持つに至ったが、2駆のオフロード競走車の分野では、テキサス系の米社(T-MAXX規格、REVO3.3規格)ならびに日本のキョーショー社も強かった。他方、ヨーロッパでは依然としてSchumacherのオフロード車に人気があった。

電動・内燃エンジンの両動力は、長く並立してきた。
電動モーターはブラシつきのモーターをニッカド電池で回す時代から、ブラシレス・モーターをリチウム電停で駆動するように進んだ。他方、内燃エンジンは大型化が進み、.32エンジンを巨大なトラックに装備するようになった。





== 構成 ==
== 構成 ==

2010年1月15日 (金) 06:26時点における版

ラジコンの一例
実機のようにも見えるラジコングライダー

ラジコンとは、ラジオ コントロール(Radio Control)の略称であり、無線により遠隔操作する装置および方式。RCと記述される場合もある。

模型自動車飛行機など、趣味用のラジコンが有名であるが、工業軍事など様々な分野で活用されている。

なお、『ラジコン』という名称は増田屋コーポレーションが保有する商標であり、これを避けるため、タミヤは『RCモデル』、京商は『R/Cモデル』、NHKは『無線操縦』・『ラジオ コントロール』などを用いている。

概要

遠隔操作されるもの一般を、リモート・コントロール(リモコン)と呼ぶが、有線のケーブルを用いて伝達するものに対して、かつて無線で伝達する通信手段としては電波がほぼ唯一の手段であった事により、無線操縦の玩具等は「ラジコン」という呼称が定着した。

のちに、電波に依らない無線方式(赤外線レーザーなどのを使うもの、超音波などの音を使うもの)も出現しているが、その特性からごく近い距離に用いられる事が多く、遠隔操縦の方式としては、ラジオコントロールが主流である。

その他の遠隔操作方式として、かつては模型飛行機の操縦に2本のワイヤーを用いたUコン(Uコントロール)という方式があったが、今はほとんど見かけない。

広義のラジコンは

  • 1) ある「ヒト」が、ある目的で、発信器にある独特の操作を行なうと
  • 2) 独特の電波が発信され
  • 3) 離れたところにある「モノ」に搭載されている受信機に受信され
  • 4) 受信機はそれを別の独特な電気信号に変換して、操作機器に有線で発信し
  • 5) 操作機器は、「モノ」の特性に応じてさまざまな部分に物理的な動きを起こし
  • 6) それによって「モノ」全体が、当初の目的を指向した動きを行なう。

と言う一連の活動をまとめた概念で、さらにハード面とソフト面に分解される。

本項では狭義の、1)~3)または4)を説明する。応用の結果である5)~6)のほうが一般の目に触れることが多く、いわゆる「ラジコン」とイメージされる。

一般的には、主に趣味の模型分野に利用され、航空機自動車戦車船舶などの模型(動力は、ガソリンエンジングローエンジンロータリーエンジン、電動モーター)を、操縦者が搭乗している如くに、離れた位置からコントロールするために用いられるものがよく知られているが、模型操縦以外にも、軍事用や地学調査用などの分野や、農薬散布用ヘリコプタークレーンなどの産業用機械などにも用いられている。

歴史

元々、軍用の標的機、誘導弾として開発が進められてきた経緯がある。古くはニコラ・テスラが無線操縦の船を試作したり、日本でも1930年日比谷公園で無線操縦戦車の実験が公開されたり、標的艦攝津」が運用された記録がある。近年、無人機が活躍しているニュースを聞くが、何も今になって始まった事ではなく、冬戦争や第2次大戦初期にソ連の赤軍テレタンクと呼ばれる無線制御の無人戦車を投入し、ドイツ軍も大戦中に無線誘導弾フリッツXフンクレンクパンツァー無線誘導戦車を実戦に投入し、フリッツXはイタリアの戦艦「ローマ」を撃沈する等の戦果を上げた。

戦後、それらの技術が波及し、現在に至る。ホビー用のラジコンとしては「ラジコン」の商標を持つ増田屋斎藤貿易(現在の増田屋コーポレーション)が1955年にラジコンバスを発売した。当時、高価だったトランジスタ真空管を使用せず、火花送信機コヒーラ検波器を使用していた。当時の所得水準から判断すると高価で主に輸出され、外貨獲得に貢献した。当時、日本国内での電波法の認可は順調に取れたが、米国での認可には時間がかかり、翌年の夏に発売された。ソニーの創業者達も分解してその構造に驚いたと言う。また、増田屋は他に、専用の笛から出る音で操縦するソニコンも製造した。ラジコン、ソニコンはそれぞれ当時、同社の主力製品であったブリキ製のバスや自動車、ロボット、戦車等に搭載された。国内では火花送信機とコヒーラ検波器を使用した無線操縦装置を趣味の世界に持ち込んだのは増田屋という認識が一般的にはあるが、ラジコンバスの販売をさかのぼる事、18年、1937年朝日屋から出版されていた「科学と模型」誌に同種の科学模型の製作記事が掲載されていた事は特筆に価する。正に、科学雑誌を標榜する同誌の面目躍如と言った所だろう。同誌の執筆陣の意気込みが現代に伝わってくる。

種類

制御方式による分類

  • シングル式 - ON-OFFの信号でモータ、エスケープメントを作動させる
  • マルチ式 - リードセレクタでトーン信号を分離することにより複数のチャンネルを作動することができる。リードセレクタを使用せずにダイオードマトリックス論理回路でマルチチャンネルを実現した形式もある。
  • ギャロッピングゴースト - 左右に均等に舵を当てるが、曲がる時はどちらかに偏る事によって、比例制御に近づけた方式。今でもマイクロRCプレーンで使われる。
  • アナログプロポーショナル式 - 低周波信号を搬送波に載せて比例制御を実現した。停止位置付近のトルクが弱く、調整が難しく普及しなかった。
  • デジタルプロポーショナル式 - 通常プロポと呼ばれる方式で現在主流。スティックの角度に応じてサーボを比例制御することが出来る為、他の方式に比べ優れている。各チャンネル毎に送信機のスティックに連動したポテンショメーターによってパルス発信回路の時定数が変化する事で舵角に応じた幅の矩形波が創出され、マルチプレクサで各チャンネルの信号が時系列的に一定間隔で送出される、調歩式同期により一定時間信号の無い時間が存在する。その時に受信側で一定時間信号が無い場合はリセットされまた1チャンネルから信号を割り当てる。受信機では時系列的に入ってきた信号をチャンネル毎に振り分けサーボに送る。矩形波の幅とサーボ内のサーボの舵角に応じた矩形波の幅を比較して矩形派の幅が等しくなるようにサーボを動かす。
    • PPM - パルス幅の長短により角度情報を送る方式。20mS程度の周期内にチャンネル数分のパルスを送り、各パルスの幅によって各チャンネルの位置情報を伝達する。
    • PCM - 従来のプロポーショナル式はパルスの長短でサーボの角度情報を送っていたが、スティックの角度情報を一度アナログ/ディジタル変換器で数値に変換してから送信し、受信機でまたパルスに復号する方式、近年はサーボもデジタル化されつつあり、精度が高くなりつつある。しかし、応答が従来式に比べてやや鈍いという意見もある。

電波の変調形式による分類

動力源による分類

  • EP (Electric Powered) - 電動
  • GP (Gas Powered) - エンジン

使用目的による分類

トイ用
比較的安価で玩具店で購入でき、分解整備や消耗品交換の必要のないもの。対象は基本的に子供である。
ホビー用
分解整備や、組立作業が必要で基本的に大人の趣味を目的としたもの。模型飛行機、模型自動車、模型船、模型ヘリコプターなどがある。それぞれ競技会やクラブがあり、世界選手権があるものもある。
産業用ラジコン
農薬散布など業務に使用するもの。
宇宙開発、宇宙利用
人工衛星宇宙探査機宇宙望遠鏡などを地球上から遠隔操作するために利用される。
軍事用
無人偵察機(RQ-1 プレデター)など、情報収集やピンポイント攻撃の任務に使用する。

産業用・軍事用は輸出が厳しく規制されている(産業用は兵器に転用出来るため)。

ラジオコントロール機

ラジオ・コントロール模型ボート

ラジオ・コントロール模型自動車

構成

  • 送信機 - ホビー用の送信機は通常プロポーショナル方式を使用しているため日本国内では「プロポ」という略称が定着している。
  • 受信機
  • サーボ

日本国内で使用可能な電波周波数

電波の周波数をバンドといい、電波法によりラジコンに割り当てられたバンドは、27MHz,40MHz,72MHz,73MHz,2.4GHzである。(制御可能な可動部所の数を「チャンネル」と言うので、区別の為に単一周波数でも「バンド」と称していると思われる。キャリアと言うのが正しい。)異なるバンドを用いることで、多人数で同時に操縦することを可能にしている。「バンド」は日本ラジコン電波安全協会にて定められている。

  • 27MHz帯 - 12バンド(地上・水上用)
  • 40MHz帯 - 8バンド(地上・水上用)/5バンド(空中用)
  • 72MHz帯 - 10バンド(空中用)
  • 73MHz帯 - 産業用:3バンド(地上・水上用)/7バンド(空中用)
  • 2.4GHzISM帯 - 70バンド以上(地上・水上用・空中用)

主要供給メーカー

日本

日本のプロポメーカー

日本のエンジンメーカー

過去にラジコン関連製品を販売していた日本のメーカー

アメリカ合衆国

ドイツ

イタリア

オーストリア

スロバキア

  • XRAY…エックスレイ

関連項目

脚注

外部リンク