「ラジコン」の版間の差分
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{{工事中}} |
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{{分割提案|ラジコン模型航空機|ラジコン模型自動車|ラジコン模型船舶|date=2010年1月}} |
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{{複数の問題|date=2009年12月}} |
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==ラジオコントロール機== |
==ラジオコントロール機== |
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{{ラジコン模型航空機}} |
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''(航空機とは人が乗ることができ、航空の用に供することができる、飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船、その他航空の用に供することができる機器 航空法第二条)''より『航空機』という表現はここでは用いない。 |
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ラジオコントロール機(RC機あるいはRC機と呼ばれることが多い:訳注・RCは「アール・シー」と読む。「ラジコン」は日本の元・商標名で、俗語的に使われる)とは、基本的には手持ち式の発信機によって、機内の受信機を遠隔操作される模型機を指す。送信機の操縦桿の位置に基づいた信号によって、受信機はサーボを経由して舵面を動かし、それによって機体の姿勢が操作される。RC機の飛行活動は、安価な無線装置、軽くて強力な電池、効率的な原動機(電動モーターや小型内燃機、ジェットなど)が出現して、様々な種類やスタイルのものが手に入るようになったので、ホビーとして世界的に成長している。RC機を、科学技術・公共事業・軍事などの組織が、科学実験・気象観測・空気力学の模型試験、更にはスパイ偵察機など実用に役立てている。 |
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===RC機の歴史=== |
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電子的に誘導された模型機の始まりは、19世紀末に飛行した水素で浮かぶ模型飛行船である。これは火花発信式の電波で誘導され、ミュージックホールの余興として劇場内を飛行した。1920年代になると、イギリス航空研究所が、リンクス(Lynx)エンジン搭載のラリンクス(Larynx)単葉機を製作・試験して、航続距離160kmに達した。1930年代になると、イギリスはデ・ハビランド・タイガーモス機(訳注:当時の有名な高翼の軽飛行機)を改造した「クイーン・ビー」と呼ばれるRC標的機を作った。 |
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===RC飛行機の形式=== |
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RC機には様々な形式のものがある。初心者・入門者には、公園のような狭くて人の居る場所でも飛ばせる「公園用RC機」(訳注:小型低速の電動RC機で、人にぶつかっても加害・被害が起こりにくいもの。後述の「トイ(玩具)RC機」に重なる。)や、練習機がある。中級者向きには、グローエンジンや電動モーターのついた飛行機や、グライダーがある。熟練者に対しては、ジェット機、パイロンレーサー、ヘリコプター、オートジャイロ、3D飛行機(後述)などの最高水準の競技機が挑戦の目標となる。また、鳥のような外観で、鳥のように羽ばたいて飛ぶ種類もある。歴史的な、あまり知られていない実機のレプリカを飛ばすスケールモデル機は、フリーフライトやコントロールライン種目でも作られているが、RC機が最も本物のように飛行する。 |
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====RCのスケール模型機==== |
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RCのスケール模型機と言う分野は、航空史上に実在した実機の再現に止まらず、未来の航空機設計を試み、作られることが無い空想機までも提案するなど、実在しないものなでを含んだ「実機」を写実する活動である。RC模型機の飛行・操縦は、グライダー-(セイルプレーン)や通常の固定翼の単発・多発飛行機はもちろん、回転翼のヘリコプター、オートジャイロ、更には空気より軽い「軽航空機」である飛行船にまで及ぶ。第一次世界大戦前の草創期から現在の21世紀までの、あらゆる時代の実機がRC模型化されてきた。 |
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スケール機の楽しさは、実機の小型版を作って操縦するところにあるが、似せ方の精粗には様々な流儀がある。細部に囚われず飛行中の外見の相似にとどめるものから、コクピットの中まで精密に似せ、当該実機の機能も厳密に再現する一派まである。例えば、各舵面の操縦索を実物どおりに再現・機能させ、機外の航空灯を点灯し、実物どおりに脚を引き込むなどの動きが模型化されている。 |
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1960年代に、新しいデジタル・プロポーショナル式の小型RC機器が市販されるようになり、以来様々な大きさの模型機が作られるようになった。小は室内で飛ばす電動RC機から、大は巨大なジャイアント・スケールRC機まで及び、小型の実物機の1/5から1/2の大縮尺・巨大模型機まで作られている。 |
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巨大模型機は、実機の飛び方を驚くほどそっくりに再現する。だから個人的に製作や飛行を楽しむファンは絶えず続いており、競技種目にも加えられている。 |
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====グライダー(セイルプレーン)==== |
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グライダーとは、原則として動力を持たない固定翼の航空機である(訳注:RCモーターグライダーも盛んである)。従って、サーマルや斜面上昇風のような自然の上昇気流を利用して飛ばなければならない。ダイナミック・ソアリングも推進力を得る方法のひとつとして、広く利用されている。(訳注:「滑空」項目を参照のこと) |
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====ジェット機==== |
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ジェット推進のRC摸型機は、高価で、高い技能必要とし、規制も厳しい。 |
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RC模型機用ジェットエンジンには、小型のタービン式とダクテッド・ファン式がある。機体は、ファイバーグラスとカーボンファイバーで作ったものが多く、内側を木骨で補強している。ジェット用のA燃料を搭載するために、ケブラー製タンクが使われる。小型ターボ・ジェットを始動するときは、ソレノイドで燃料が送られてくるまでの数秒間、プロパンを燃焼させる。 |
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ジェット機の飛行速度は320km/時に達し、パイロットは信じられないほど敏速な反射能力を必要とする。また、極めて高価な機材を必要とするから、熟練しないと扱えない。 |
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FAA(訳注:Federal Aviation Agency・連邦航空局)はRCジェット機の飛行を厳しく規制している。RCジェット機は、AMA(訳注:Academy of Model Aeronautics・アメリカ摸型航空協会)がその飛行技能の認定を受けた者が、AMAが認定した飛行場内で飛行させなければならない。AMAは、ジェット機の操作と必要な安全対策を熟知していることを前提として、ジェット機の飛行志望者に飛行資格を認定する。ハワイのカネオヘ海兵隊基地、ワシントン州のホイドベイ島海軍基地などの限られた軍飛行場内では、このようなハイテク摸型機の飛行が許されている。 |
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ジェット機の平均的費用は、6000~10000ドルで、フル装備にすると20000ドルにも達する。機体はイエロー・エアクラフト社、スカイマスター社などで販売している。ターボジェットエンジンは、オランダのATM社、メキシコのアルテス社で製造され、価額は出力に応じて2500~5000ドルくらいする。摸型用のジェットエンジンの推力は、小型で12ポンド(約5.5kg、飛行速度320km/時のとき約6.5馬力)、大型では45ポンド(約20.5kg、同上のとき約25馬力)である。 |
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ジェットエンジンをRC飛行させるときには、実物エンジンと同様にFADEC(Full Authority Digital Engine Control)コントローラーを使う。電源はLIPO(Lithium Polymer Pack)の8~12Vが多い。機載されたLIPO電源は、操舵や引っ込み脚などのサーボにも使われる。アメリカ連邦政府は、2006年に、RCジェット機を都市部で飛行することを禁止した。 |
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====パイロンレーサー==== |
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パイロンレーサーは、小型のプロペラ式飛行機で、2本または3本または4本のパイロン(塔)を周回して競走する。速度は240km/時に達し、視認が困難になる場合もある。そのため、もっと遅い機種で競技を行う場合もある。パイロンレースはアメリカが発祥で、各国に拡散し、いくつかの機種・競技級に発展した。アメリカの規格は、Q500級(424級またはAPRA級、並びに428級)とQ40級である。 |
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424級は入門規格である。同級の主翼面積は32平方dm(500平方インチ)で、キットは200ドル以下で買える。搭載エンジンも100ドル以下だから割安であるが、うまく操縦できれば性能は悪くない。APRA級は424級の一種であるが、もっと強固にするために特別ルールが追加されている。 |
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428級は、424級と外観は似ているが、エンジンの性能と機体の構造が異なる。機体は基本的にはファイバーグラス製で、特に荷重がかかる部分は複合素材で補強されている。主翼は、重量を軽減するために中空となっている。機体の最少重量は規定されているから全重量を軽くすることは出来ないが、重量を重心近くに集中させれば運動性が向上して正確に操縦できるから、このような末端・周辺部の重量削減が行われる。428級も、424級と同じ40エンジン(6.5CC)を使うが、より高価なもので、質の高い燃料で高回転・高出力を発揮する。ネルソン社のエンジンが多く、最高速度は290km/時に達する。 |
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Q40級は、最高級のパイロンレースで、実物のレーサー機を縮小した同じ形の機体で行われる。Q500級のように単純な外形ではなく、より空力的に洗練されていて、翼面積も小さい。428級と同じくネルソン社のエンジンを使うが、もっと高速にチューンされていて、プロペラも小径である。Q40級の加速は428級より劣るが、機体の抵抗が小さいので最高速度は320km/時と上回り、旋回中も速度を保つことが出来る。Q40級は翼面積が小さいので、エネルギーを保つためには大きな半径でパイロンをまわらなければならない。従って、速いけれども飛行距離は長くなり、小回りの利く428級とくらべてパイロンを10周する時間に大差はない。 |
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====ヘリコプター==== |
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RCヘリコプターは、RC飛行機と構造・空気力学的性能・飛行訓練法などが大きく異なり、異質なクラスと言える。RC飛行機を体験したモデラーが、更なる刺激と満足を求めて挑戦する対象は、RCヘリコプターとRCジェット機といわれる。RCヘリコプターに写真機やビデオ機を搭載し、撮影や測量を行うものもある。新式の3D・RCヘリコプターは、ピッチを調整するスォッシュ・ヘッドが、ブレードを逆ピッチにして推力を逆転させられるようになったので、背面飛行も出来る。空中での静止が可能で、ペイロードも大きく取れるため産業用に転用される例も多い。 |
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====羽ばたき機(鳥型飛行機、オーニソプター)==== |
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羽ばたき機・オーニソプターは、自然界を発想源とする摸型機である。鳥の形をしたグライダーに止まらず、実際に羽ばたいて飛行する「模型飛行機」も少なくない。鳥型の模型飛行機が実際に飛ぶのを目にするのは驚異であるが、ホンモノの鳥が予知されない訪問者に接近されて驚くところを見るのは、更に見ものである。すぐに飛ばせるキットも販売されているが、上記のような光景を見られるから、本物らしく精緻に造りこむ楽しみもある。 |
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翼を羽ばたいて飛行する摸型機は「オーニソプター(羽ばたき機)」と呼ばれる。これは「可動翼」(訳注:普通の「固定翼」に対置される)の一種で、振動する翼を用いる形式の航空機の技術的な正式名である。「可動翼」の中には、他にヘリコプターのような「回転翼」が含まれる。 |
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====トイ級RC模型機==== |
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2004年以来、巧妙に製作された新種の、簡単なRC模型飛行機、グライダー、オーニソプターなどがおもちゃ屋(トイ・ショップ)の店頭に登場した。これらは、在来の摸型店(ホビー・ショップ)で売られている機種(訳注:「ホビー級」と言い、多くは工作が必要)と区別して「トイ級RC」と呼ばれる。 |
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トイ級の特徴として |
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*プロポ-ショナル制御(訳注:オン・オフ制御ではない)を使用していて、出力を細かく制御できるから、ポーポイジングのようなヒゴイド振動(訳注:イルカが跳ねるような、たて揺れと上下動が一緒になった飛び方)を防ぐことが出来る。また、高度を一定に保つ制御が出来るので、旋回しても高度を低下させない。 |
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*軽量なリチウム電池によって長時間の飛行が可能。 |
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*発泡ポリスチレン構造だから、通常の墜落くらいならば壊れない。 |
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*飛行速度が遅く、通常は推進式プロペラだから、人や物に当たっても安全。 |
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*ラダーで旋回させた場合も一定のバンクを保つ設計になっていて、スパイラルダイブに入ることは無い。 |
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2009年現在、一般のトイRC機にはエレベーターがついていない。そのため、簡単で安上がりになり、あらゆる年齢の初心者が扱える。反面、ヒゴイド振動(前出)を起こしやすいため、振動を吸収させるために、わざと機体の抵抗を大きくしてある。その代償として、多少の性能低下と飛行時間の減少が生じている。更に、エレベーターが無いと旋回中に機首が下がることを修正できないから、速度を増し、高度を失う場合もある。 |
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トイ級RC機は、安価(20~40ドル)な入門機であり、ホビー級(前出)に進む手ほどきとして極めて役に立つ。スロットル操作や、機首がパイロットの方に向いて飛行しているときの操舵(左右のが逆になる)など、トイ級を飛ばせばすぐに身につくから、上級機に進むときに楽である。 |
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====3D飛行機==== |
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3D飛行を行う機体は機体重量に比べて推力が大きく、通常は機体重量の1~1.5倍以上の推力を備えている。機体の翼面荷重(機体重量/翼面積)は低く、大面積で舵角の大きな操舵面を備えている。このような仕様の機体は、ホバリング、ハリヤー、トルクロール、ブレンダー、ローリング・サークルなど、目を見張るような運動を、失速速度以下で行うことが出来る。普通の飛行や曲技は、翼の揚力を基にして行われるが、上記の運動はプロペラの推力を基にして行われる。(訳注:翼の揚力で機体を支えるには、失速速度以上で飛行しなければならない) |
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室内用プロフィル型の3D飛行機(例えば、イカルス社の「ショック・フライヤー」機)は体育館の中のほか、風の無いときには室外でも飛ばせるので、多くのモデラーに対して巨大な市場を開拓した。この種の機体は、リチウム電池を電源とした、小型の直結型または減速型のブラシレス・モーターを装備している。また、大型のモーターや4サイクルエンジンを装備する大型3D飛行機もある。 |
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====エアロバティックス(曲技・スタント)==== |
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エアロバティックスとは、普通には行われないような異常な飛行姿勢を含んだ飛行運動を、行ってみせることである。エアロバティックス飛行は、訓練、レクレーション、娯楽として行われる。 |
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エアロバティックス飛行の多くは、機体の3軸周りの回転運動になる。つまり、前後軸を中心としたロール(横転)、左右(ピッチ)軸を中心としたループ(宙返り)、更にスピン(きりもみ)のような複雑な運動では垂直(上下・ヨー)軸中心の回転も絡む。競技や、見物人を楽しませる目的で行われるエアロバティックス飛行は、一定の演技が一定の順番で実施される。 |
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エアロバティックス飛行は、普通の飛行にくらべて高度な操縦技術が必要で、機体にも高い荷重がかかる。実機の場合は、パイロットは方向感覚を失うおそれがあり、国によってはパラシュートの着用が義務付けられている。 |
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RC摸型機のエアロバティックス飛行は、基本的には実機と同様な飛行運動を、RCによって遠隔操作でやって見せることである。楽しみや競技のために、旋回・ロール・スピン・ストール(失速)などが組み合わされた飛行運動が規定された順序または自由な形で行われている。それぞれの飛行運動のやり方は、アレスチ(Aresti)記号で空中の経路に従って示され、それに従って操縦かんを操作する。動きはフライトシミュレータ画面でも視覚化されている。 |
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=====初級のエアロバティックス飛行種目===== |
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初心者向けの基本エアロバティックス飛行種目としては、ループ(宙返り)、ロール(横転)、ターン(旋回・方向転換)が挙げられる。練習機を含むほとんどのRC模型機は、出力さえ充分にあれば、上記の飛行運動を行うことが出来る。 |
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======インサイド・ループ(正宙返り)====== |
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インサイド・ループは単純であるので、最初に学ぶエアロバティックス飛行になる。このエアロバティックス飛行は機体の上側に居る「パイロット」が内側になる360度の円周飛行であるので、「インサイド~」と名づけられた。この飛行は、単純に出力を増大させて、エレベーター・スティックを手前に引いて上げ舵にすれば、機体は機首を上げ、垂直に上を向き、続いて背面になり、更に背面降下に入り、それから水平飛行に戻るだけのことである。 |
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上手なループは、横から見たときにきれいな円形になり進入高度(はじめ)と脱出高度(おわり)が同じである。このように飛ぶためには、重力の影響によって上向きの経路が短くなり、下向きの経路が長くなる傾向を、出力の調整によって補正しなければならない。だから、インサイド・ループは、以下の手順で行う。 |
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*まず、制御された水平飛行を行う。 |
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*出力を最大まで増し、ループの大きさ(半径)に応じた舵角だけエレベーターを上げ舵にする。 |
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*最後の四半円に入るところで出力を絞り、曲率を一定に保つようにエレベーターを操作する。 |
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*水平に引き起こしたならば、出力を増し、エレベーターを中立に戻す。 |
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======アウトサイド・ループ(逆宙返り)====== |
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アウトサイド・ループは、インサイド・ループと同じ経路を飛行するが、パイロットまたはコクピットは機体が描く円周の外側になる。 |
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機体が普通の上向き姿勢の水平飛行からアウトサイド・ループを行う場合は、下げ舵を、ループが終わってもとの姿勢・高度に戻るまで、強めながら加える。この運動は、機体の上に向く力が累加されるために、「パイロット」は操縦席の天井に頭をぶつけることにもなり、「バント(頭突き)」と呼ばれることもある。アウトサイド・ループは、このように通常と逆方向に揚力を発生させなければならないので、インサイド・ループよりも大きな出力と操舵力が必要である。 |
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======インメルマン・ターン(上昇反転)====== |
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「インメルマン」ターンは、第1次世界大戦のドイツ空軍のエースのマックス・インメルマンにちなんで名づけられた。インメルマン・ターンは世界中のエア・ショウ演目の定番になっている。 |
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インメルマン・ターンを行うには、水平飛行から上げ舵を切り、垂直上昇に入れ、ループを半分(180度)行い、背面飛行にする。そこでロールを半分(180度)行えば、正立の水平飛行に戻ることになる。上記と逆に、はじめにロールを半分行って背面にして、下げ舵を切ってアウトサイド・ループを半分行い、正立の水平飛行に戻す方法もある。どちらのやり方にしても、機体は飛行方向を180度変え、飛行速度を高度に代えることが出来る。 |
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======背面飛行====== |
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航空機は、180度のロールを行えば、コクピットや、パイロットの頭、垂直尾翼の先が地面を向き、背面飛行になる。背面飛行自体は必ずしもエアロバティックス飛行とはいえないが、他のエアロバティックス飛行を始める初期状態に使われる。 |
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背面飛行には、次のような操作で入れる。 |
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*まず、正立の水平飛行を行う。 |
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*機種によっては、必要に応じて出力を上げる。 |
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*エルロンを使って半ロールさせるが、機種の方向が変わらないようにラダーやエレベーターを細かく使って補正する。背面飛行になったならばエルロンを中立に戻す。 |
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*エレベーターを僅かに下げ舵(訳注:機首は地面に対して上を向く)にして、背面・水平飛行になるようにする。 |
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背面飛行のときは、機体と地面の関係では、エレベーターとラダーの効きが、正立飛行のときと逆になる。但し、エルロンとスロットルの効き方は、成立飛行のときと変わらない。 |
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=====中級のエアロバティックス飛行===== |
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中級のエアロバティックス飛行種目には失速が含まれることが多く、かなりの訓練を必要とするから初心者には向かない。また、練習機の性能や飛行特性にもなじまない。 |
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======ストール・ターン(失速反転)====== |
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ストール・ターンでは、機体は上昇し、減速し、失速状態で180度ヨーイングし、概ね進入したコースに降りてくる。 |
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ストール・ターンは次のように行う。 |
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*1、水平飛行から上げ舵を切り、失速するまで出力を絞る。失速が起こる迎え角・速度・急激さは、機体ごとに異なる。 |
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*2、失速したならば、右または左にラダーを一杯に切る。この操作によって、機体は内側の翼端方向を中心として、惰性によって急速に180度振られる。 |
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*3、方向転換が行き過ぎないように、180度まわらない前にラダーを戻す。 |
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*4、機首が下を向いたときは、穏やかにエレベータを挙げ家事にして、水平飛行に戻す。 |
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======スロー・ロール====== |
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スロー・ロールは、名前の示すとおりの飛行運動である。エルロンを右または左に切りことで実行されるが、多くの機軸を中心としたロール類と異なり、エルロンの舵角は小さい。従って、緩やかな動きになるから、機体がナイフ・エッジ(真横に倒れた飛行状態)や背面になっている時間が長く、これらの状態でまっすぐに飛ぶためにはラダーやエレベーターを操作する必要が生ずる。 |
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左翼が下がっている状態で水平に飛行を続けるためには、ラダーを右に操舵する必要がある。ゆっくり左にロールしている間はラダーをゆっくりと右に切り、背面に到って両翼が水平になれば中立に戻す。同時に、背面になれば機首が地面に向かないように、エレベーターの下げ舵が必要になる。背面から右翼が下方にロールして真下を向き、それから元の正立水平飛行に戻る過程では、上記と同様な左ラダーの修正が必要になる。 |
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スロー・ロールは、横に張った糸のような想像上の水平直線に乗った飛行経路になるべきであるのだが、このように見せることは相当の先週が必要な難事である。スロー・ロールは「上手なパイロット」になる関門であり、上を目指すものにとって大きな目標である。 |
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======フォー・ポイント・ロール====== |
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フォー・ポイント・ロールは、急速な1/4ロール(90度)の連続である。パイロットは4回に分割された、極めて短時間のエルロン操舵を行う。最初の1/4ロール操作によって、機体はナイフ・エッジ(前出)になり、次の1/4ロールで背面になり、3回目の1/4ロールで逆側のナイフ・エッジになり、最後の1/4ロールで正立に戻る |
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======スナップ・ロール====== |
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スナップ・ロールは、大きく積極的な操作を必要路する。機体は、基本のロール軸運動だけに止まらず、ピッチ軸・ヨー軸を含めた3軸同時の回転運動を行う。 |
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スナップ・ロールには順・逆2通りのやり方がある。いずれも全操舵面に最大舵角の急激な操舵を行うが、順方向の場合はエルロン・ラダー(逆方向)・エレベーター(上)、逆方向の場合は、エルロン・ラダー(逆)・エレベーター(下)である。 |
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======キューバン・エイト(8)====== |
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キューバン・エイトは、正立・背面の両方の飛行を組み合わせた、横に「8の字」(∞)を書く飛行運動である。「8の字」(∞)運動は、水平直線飛行から始まり、エレベーターを上げ舵にしてループを半分(180度)行い、背面に入れ、「8の字」(∞)の中央の交点に達するまでに180度ロールを行って正立飛行に戻し、再び上げ舵を切って正ループを半分行って「8の字」(∞)の残りを描き、再び中央の交点で180度ロールを行って、正立飛行で脱出する飛行運動である。つまり、キューバン・エイトは2つのインメルマン・ターンによって、垂直面に横「8の字」(∞)を描く飛行運動と言える。 |
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=====上級のエアロバティックス飛行===== |
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======ローリング・サークル====== |
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ローリング・サークルは、旋回をしながらロールを継続的に行う飛行運動である。この飛行運動は一定のロール率と、一定の半径の旋回を保ちながら、機首の上下の振れと機軸の方向を修正しなければならないので、最も難しい運動のひとつとされている。 |
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ローリング・サークルでは、1/4旋回(90度)ごとに1回のロールを行うから、360度の旋回の間に4回のスロー・ロールを実施することになる。以下の手順は左旋回をしながら1/4旋回ごとに1回の右ロールを行った場合を示している。 |
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*1、運動の開始は、通常の飛行速度の水平直線飛行から、ある一定のロール率になるような右エルロン操作である。エルロンの舵角は1/4旋回(90度)の内に1回のロールが終わる程度にする。同時に、水平飛行を行いながら、一定の半径の旋回を続けられるように、左ラダーとエレベーターの下げ舵を操作する。 |
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*2、機体が1回のロールを行っている間の、ラダーとエレベータによる修正手順は、スロー・ロールのときと同様である。但し、スロー・ロールの場合と異なり、両舵とも早めの時間差を付けて操作する。この時間差によって先手を打って修正すれば、ロールしている間も姿勢を保ちながら旋回を行うことが出来る。 |
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*3、最初の1/4旋回の間に1回のロールを済ませたならば、2項の手順を3回繰り返せば、ローリング・サークル飛行運動は終了する。それからエレベーターとラダーを、ゆっくりと中立に戻す。 |
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ロールに先立つ時間差の一例としては、ラダーが60度くらい、エレベーターが90度くらいといわれるが、この時間差は機体のよって差がある。 |
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======ロムセヴァック(Lomseviak)====== |
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ロムセヴァック飛行運動は、まず尾翼がスピン(錐揉み)に入って下降し、それから引き続き全機が失速する飛行運動である。この飛行運動を行う手順はいくつかあるが、一般的には下記による。 |
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*1、出力を前回にして右から左に飛行し、45度の上昇経路まで上げ舵を取る。 |
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*2、左側に90度ロールする。左翼は地面に向く。 |
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*3、右ラダーを最大舵角にする。エルロンも右に一杯切る。エレベーターは下げ舵を一杯に切る。 |
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*4、機体は螺旋降下に入り、ロムセヴァク飛行運動を演じる。 |
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*5機体が地表に達する前に、ラダー・エルロン・エレベーターを中立に戻し、引き起こして水平飛行に戻す。 |
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代替法としては、 |
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*1、機首を垂直上方に向け、出力を最少にする。 |
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*2、左に90度ロールさせると、左翼端が地面に向く。 |
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*3、機体が失速を始めたとき、ラダーを右舵に一杯きり、エルロンも右に一杯切る。エレベーターは下げ舵一杯、出力は全開にする。 |
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*4、機体は、ロムセヴァック運動を行い、螺旋降下に入る。 |
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*5最初の方法と同様にして、水平飛行に戻る。 |
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この運動は、ある種の設計の機体しか出来ない。ロムセヴァック運動は急激な頭下げ運動を含んでいるから、スラスト・ラインが主翼より上にあって、推力増加による頭下げモーメントが大きい低翼機が行いやすい。また、運動性がよいことも条件になる。 |
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===各種のキットと機体の構造=== |
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RG模型機を製作し、組み立てるやり方には様々なものがある。難易度、費用、必要な技術や経験に対応して、多種のキットが店頭にある。材質も、発泡プラスティックやバルサ材までいろいろとある。 |
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木製構造は、縦通材と胴枠で胴体を作り、スパーとリブで翼を組むのが通常であるが、より簡素な、板材から削り出すものもある。発泡ポリスチレン材の翼の表面をオビチ材(硬木)の薄板で被覆した合成構造もあるが、これは通常の構造よりも重くなるので、グライダーよりも動力機に使われる。 |
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風の無い室内で飛ばす機種には、超軽量構造が使われる。バルサ材の骨組みに、ドープ塗料を水面に滴下して作ったフィルムや、回折で虹のように色が変わるほど薄いプラスティックフィルムを張ったものである。また、発泡材や、それを金型に射出成型して作った量産品、更にはそれをカーボンファイバーで補強したものなどが出現したので、室内飛行も容易に出来るようになった。 |
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発泡ポリスチレン製の機体は、弾力性があり、頭から突っ込み事故を起こしても、被害を与えず、壊れることも無い。この種の素材は、「アエロセル」、「エラスポア」など様々な商品名で販売されている。 |
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1980年代末に、アメリカのUSエアコア社が、巧妙に作られた市販のポリスチレン2層材を使った模型機シリーズを発売した。この素材は「コレックス」、「コロプラスト」などの商品名で、板材の形で入手でき、印刷やダイカット加工が可能である。これを使った模型機は塗装済のARTF形式(後述)で、切り込み同士を組み合わせてコンタクト接着剤で固めるだけで簡単に作れる。動力源は、巧妙に設計されたカートリッジ交換式マウントの電動モーターであるが、もっと強力な40級(6.6CC)エンジンも使われている。 |
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エアコア社は2000年頃に姿を消したが、入れ替わりにMUGIが同素材を使った小型の丈夫なデルタ・グライダーを開発し、その性能は急速に向上した。設計図はインターネットを通じて無料で発表され、世界的に普及した。機体の大きさに応じて、様々なグレード・厚さの素材が使われているが、最適とされるものは厚さ2mm、密度350gsmのものである。 |
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更に近年になると、アマチュアのモデラーがコルゲート・プラスティック材「コロプラスト」を素材とした一連の模型機を開発している。このシリーズは「SPAD」と呼ばれるが、これは「簡単な・プラスティックの・飛行機の・設計」の頭文字であり、名は体をあらわしている。SPADシリーズは、バルサ製の模型機より重く、外観も荒っぽいが、安くて簡単に作れるのでファンは長期的に増加している。 |
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飛行する模型機は、実機と同じ原理で設計されているから、構造は展示用の模型と全く異なる。RC模型機の構造は、昔の、金属を使わなかった時代の実機を参考にしている点が多い。 |
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====RTF(レディー・トゥー・フライ:すぐに飛ばせる)模型機==== |
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RTF模型機は、主翼を取り付ける程度の基本的な組立てだけで飛ばせる、組立て済みキットに付けられた名前で、数分間もあれば飛ばすことが出来る。通常は、飛行に必要なものはすべて、キットに組み込まれていが、模型を好みの形にして変化を付けることは出来ない。 |
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伝統的な本格派モデラーは、組立て、仕上げ、更には設計まで模型航空を楽しむ要素であるとして、RTFのようなキットに批判的である。 |
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====ARTF(Aはオールモスト:ほとんどRTF)模型機==== |
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ARTF模型機はRTFに近いキットであるが、より長い組立て時間がかかるもので、中には基本部分の製作が必要なものもある。平均的なARTFキットは、4時間くらいの工作で作れる。在来の模型機キットは、設計や細部構成や仕上げにもよるが、工作時間は20~50時間必要である。 |
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通常、ARTFキットでは胴体とその付属物は組立て済みである。サーボ、動力源(エンジンまたは電動モーター)、スピードコントローラー、時としては操縦ロッドもキットに含まれていないので、個別に購入して組み付ける必要がある。自分で装備品を選びたいモデラーが多いので、機体単体だけのARTFキットが歓迎される。 |
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====バルサ製キット==== |
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バルサ製のキットには、様々な大きさのものがあり、幅広い技術水準に対応している。バルサ材から部品を切り出す方法に、レーザー・カットとダイ・カットがあり、前者は精度が高いが高価である。後者のキットでも、バルサ加工の技術があれば、切断やサンディングなど多少の加工によって、うまく作ることが出来る。 |
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バルサキットは、機体を作るために必要な材料をすべて含んでいる。加えて、難しい部分の既製組立て部品、製作者が失敗したときの予備部材なども入っている。但し、必要な工具類は含んでいないから、これらは個別に買い集めることになる。設計図やキットから模型機を作り上げるには、骨組みを組み、被覆し、仕上げ、舵面を正確に取り付けるなど、長時間をかけるわけだから、かなりのやる気が必要である。製作中に少しでも見落としがあれば、耐空性に欠陥が残り、墜落や破損の原因になる。 |
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小型で、RC用、フリーフライト用、ゴム動力用、電動モーター用に使え、展示用にもなる多目的キットもある。通常は、それぞれに改造するための説明書がついている。この種のキットをRC機にするためには、サーボ、舵のヒンジ、スピードコントローラー、じょうぶな脚と車輪などの追加部品を必要とする。 |
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キットには、被覆用紙が入っていて、それを翼や胴体に張る。その上にドープ塗料を数回塗り、表面をプラスティックのように強化する。最近は、裏側に加熱接着剤を塗った熱収縮性のフィルムで被覆するようになった。この種のフィルムは、手持ち式の小型アイロンで押さえつけて貼り付けるために、「アイロン式被覆」と言う。フィルムは加熱によって骨組みに接着し、収縮して緊張する。フィルムは、紙よりも丈夫で、修理も行いやすい。その他の被覆材としては、繊維で補強したフィルムや、熱収縮性の繊維の織物がある。 |
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スパンが90cm以下の小型機は、重量・空気抵抗・費用などを少なくするために、脚を付けないで飛ばすことが多い。発航は手投げで行い、着陸は柔らかい草の上に降ろす。 |
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====購入設計図から作る場合と、自分の設計で作る場合==== |
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設計・製作図面は市販されていて、それを元に機体を作ることも出来る。多くは原寸図で、作り方の解説も付いている。通常は、部品図や付属の型に合わせて、板材から部品を切り出す。部品を仕上げた後は、キットと同じように全体図の上で組み立てる。 |
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雑誌掲載の縮小図などから自分で原寸の製作図面を作れば、創造の幅が広がり、より高度な満足感を得ることが出来る。縮尺は、コンピュータやコピー機で自由に変更できるが、模型機の大きさによって空力性能が大きく変わることは無い。購入設計図などから機体を製作する場合は、キットよりも材料の選択幅が広く、軽く丈夫な機体を上手に作れる場合が多い。 |
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キットなどで製作や飛行の経験を積んだモデラーは、自分で設計して、自分だけの特別な機体の創造に挑戦することが出来る。例えば、実機の設計図を見つけてきてそれを縮小して模型化することが出来る。あるいは、白紙から独自の機体の形を設計する場合もある。これらの場合、充分な航空力学の知識と、操縦の経験・知識が必要である。 |
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設計図は、紙に描くか、CADソフトを使う。飛行機設計を目的とする多くのCADソフトがあり、完全な翼断面(翼型)図を描くことも出来る。 |
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===飛行機の形式別の特徴=== |
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====主翼の配置==== |
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=====高翼式===== |
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「高翼」とは、主翼が胴体の上についている形式で、最も飛ばしやすい。通常は、主翼に1段または2段の上反角がついている。練習機や、公園用の機体はこの形式が多い。「パイパー・カブ」機、「セスナ170B」機など、昔の軽飛行機に多い形である。 |
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高翼機は、主翼の下側に重心があり、これがグライダーの定常滑空時のように機体を安定させるので飛ばしやすい。操縦不能に陥った場合も、操縦を中立に戻せば、この安定性が機体を定常滑空姿勢に戻し、自然に操縦が可能となる状態になる。 |
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=====低翼式===== |
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「低翼」は、主翼が胴体の下についている形式で、重心が主翼の上にあり、トップ・ヘビーのバランスだから飛行が難しくなり、上級の操縦技術が必要である。翼には安定性を加えるために上反角がついている。低翼式は、第2次大戦中の戦闘機「、最近の旅客機、商用ジェット機に多い形式である。 |
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低翼式はロール軸の慣性モーメントの中心が主翼に近く、高翼式よりもロール(横転)を行うときに必要な回転力が少ない。従って安定性と運動性のバランスがよいとされる。 |
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=====中翼式===== |
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「中翼」は、主翼が胴体の上下方向の中央近くについている形式である。主翼と重心男位置が接近しているので、旋回に対しても横転に対してもモーメントアームが極小で運動性がよく、曲技機・スポーツ機・ジェット機などの模型機には大きな利点になる。他方、高翼式のように自然に定常姿勢に戻る性質が無いので、飛ばすことは難しく、初心者向きではない。 |
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中翼機は空力特性を上下対称にするために上反角をつけない。そのため、トルクで右翼が上がるクセが、背面などの市政でも安定している。 |
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====チャンネルの数==== |
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RC模型機のチャンネル数は、搭載しているサーボの数で決まる。小型機では、サーボの数は操作する舵面の数(エルロンは左右合わせて1つ)ごとに1つずつ付く。 |
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必要なサーボは下記の通りである。 |
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*エルロン:ロール(左右の傾き)を操作 |
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*エレベーター:ピッチ(機首の上下)を操作 |
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*ラダー:ヨー(機首の左右)を操作 |
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*引き込み:脚の引き込みを操作 |
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*フラップ:フラップ(下げ翼)を操作。着陸進入を急角度にして着陸速度を低くする。また、離陸を速やかに行う。 |
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*補助:灯火・カメラ・その他 |
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初心者用の機体では、装備するサーボは、スロットル、ラダー、エレベーター操作のための3個だけになる。本番の飛行の前に、シミュレーション飛行を行うことが奨励されている。充分にシミュレーションを体験すれば、初飛行で機体を壊して挫折する危険が減り、4チャンネル(スロットル、エレベーター、ラダー、エルロン)から始められるかもしれない。 |
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複雑な機体、大型スケール機などは1つの舵面に対して複数のサーボが付く。また、追加チャンネルを使って、引き込み脚、爆弾倉扉の開閉、爆弾投下、搭載カメラの操作、灯火の点灯など様々な機能の操作を行う。 |
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左右のエルロンは、通常はひとつのサーボで上下逆方向に操舵される。送信機によってエルロンにそれ以外の操作を行えるように、2基のサーボを搭載する場合がある。例えば、両方のエルロンを同時に下げれば、エルロン兼フラップ(「フラッペロン」と呼ぶ)に、両方を同時に上げればエルロン兼スポイラー(「スポイレロン」と呼ぶ)の働きをする。 |
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コンコルド機のようなデルタ翼機の場合、エレベーターは付いていない。エレベーターの機能はエルロンと組みあわされていて、その舵面は「エレボン」と呼ぶ。このように一対の舵面をあるときは左右逆に、あるいは左右同方向に動かす操舵法は、RC模型機では通常のやり方であり、発信機の中で電子的に使い分けている方法が多い。ビーチ・ボンンザ機(実物の軽飛行機)などで使われているV尾翼の舵面の、エレベーターとラダーの使い分け操作も、同様のやり方でRC化される。 |
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室内・外で飛ばす、小型のRTF(前出)トイRC機の場合、ラダーとそのサーボの代わりに、2基のモーターとスピードコントローラーを搭載している。方向を操作する場合、2つのモーターを差動させるやり方のほうが、軽くて安いためである。また、両方のモーターの出力を同時に増減すれば、推力と高度を操作できる。 |
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=====旋回===== |
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旋回飛行の操作は、エルロンで機体を右または左にロールさせて、同時に機首が下がらないようにエレベーターで適量な上げ舵を加える。 |
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3チャンネルのRC機は、内2チャンネルをエレベーターとスロットルに充て、残りの1つをラダーかエルロンのいずれかに使う。エルロンに充てた場合は、直接、機体を左右に傾ける操作が出来る。ラダーに充てた場合は、上反角効果が強めに発揮するように機体が設計されていて、ラダー操作が起こした横滑りが、同じ方向へのロールをひき起こす。上反角が大きいほど、横滑りでおきるロールは大きい。練習機・パーク用RC機・グライダーは、以上のような仕組みで旋回する。 |
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もっと複雑な4チャンネル機は、ラダーとエレベーターと両方使えるから、実機と同じように旋回することが出来る。つまり、エルロンがはじめに機体を旋回方向に傾け、ラダーはそれに「合わせる」。つまり、ロール中に横滑りがゼロになるようにラダーを操作する。ラダーを使わないときは、アドバース・ヨーが生ずる。発信機の中に、エルロンによるロールに合わせて自動的に適当なラダー操作をさせるプログラムが、組み込まれている場合もある。 |
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中程度以下のバンク(傾き)で旋回飛行しているときは、高度が下がらないように僅かに上げ舵を切る。水平直線飛行中は、揚力のベクトルが真上を向いていて、機体の重量を支えているが、旋回に入ると機体を傾けて内側に向く揚力の分力を発生しなければならないので、真上を向く力が目減りをする。水平旋回を続けるには目減りの揚力を補わなければならないから、上げ舵を必要とする。 |
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トイ級RC機のように舵面なしで飛ぶ飛行機もある。舵を使って操縦するよりも、モーターの速度を操作して姿勢を変えるほうが安価で軽い。この場合、ラダーを使って方向を操作する代わりに、翼に並んで付いている2つのモーターの推力に差を付けると、弱いほうに曲がる。両方のモーターの出力を同時に同じだけ増減すれば、合計出力が変わるから、上昇・下降が操作できる。このような、モーター出力の増減でエレベーターに代える操作方法は若干の欠点があり、ヒゴイド振動が減衰しないときはポーポイジングを起こす。(「トイ級RC」の項を参照) |
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=====V尾翼のシステム===== |
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V尾翼とは通常は縦横十字型に位置している垂直尾翼・ラダーと水平尾翼・エレベーターを、V字型に配置した尾翼の形式である。V尾翼の「ラダベーター」(ラダーとエレベーターを兼ねる舵面)は2つのチャンネルで操作され、機械的あるいは電子的に両方の動きを組み合わせて操舵する。V尾翼が主翼に対して左右に傾いていると、ラダーの働きとエレベーターの働きの配分が狂うので、正確にまっすぐ取り付けなければならない。 |
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ラダー操作とエレベーター操作の配分は、以下のように行われる。ラダー操作の信号を受けたときは2つのサーボが同時に動き、V尾翼の左右の舵角を右または左に動かし、機尾を横に振りヨーイングを起こす。エレベーター操作の信号を受けたときは、2つのサーボが互いに逆に動く。つまり一方の舵面が右、他方が左を向き、上げ舵または下げ舵になる。 |
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V尾翼はヨーロッパのグライダーに多く見られる。これに対してアメリカのグライダーは「T尾翼」(垂直尾翼の上端に水平尾翼がつく配置)が多い。両方とも離着陸のときに水平尾翼が地面の凹凸に触れて壊れることを防止する配置であるが、V尾翼のほうが軽く、空気抵抗が少ないとされる。 |
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==ラジオ・コントロール模型ボート== |
==ラジオ・コントロール模型ボート== |
2010年1月15日 (金) 05:51時点における版
この記事はただいま大幅な改稿を行っています。 申し訳ございませんが編集の競合を避けるため、しばらくの間編集を控えてくださるとありがたく存じます。ご迷惑をおかけしますが、ご協力お願いいたします。 設定期限もしくは貼付後72時間経っても工事が完了していない場合は、このテンプレートを除去しても構いません。 |
ラジコンとは、ラジオ コントロール(Radio Control)の略称であり、無線により遠隔操作する装置および方式。RCと記述される場合もある。
模型の自動車・飛行機など、趣味用のラジコンが有名であるが、工業・軍事など様々な分野で活用されている。
なお、『ラジコン』という名称は増田屋コーポレーションが保有する商標であり、これを避けるため、タミヤは『RCモデル』、京商は『R/Cモデル』、NHKは『無線操縦』・『ラジオ コントロール』などを用いている。
概要
遠隔操作されるもの一般を、リモート・コントロール(リモコン)と呼ぶが、有線のケーブルを用いて伝達するものに対して、かつて無線で伝達する通信手段としては電波がほぼ唯一の手段であった事により、無線操縦の玩具等は「ラジコン」という呼称が定着した。
のちに、電波に依らない無線方式(赤外線やレーザーなどの光を使うもの、超音波などの音を使うもの)も出現しているが、その特性からごく近い距離に用いられる事が多く、遠隔操縦の方式としては、ラジオコントロールが主流である。
その他の遠隔操作方式として、かつては模型飛行機の操縦に2本のワイヤーを用いたUコン(Uコントロール)という方式があったが、今はほとんど見かけない。
広義のラジコンは
- 1) ある「ヒト」が、ある目的で、発信器にある独特の操作を行なうと
- 2) 独特の電波が発信され
- 3) 離れたところにある「モノ」に搭載されている受信機に受信され
- 4) 受信機はそれを別の独特な電気信号に変換して、操作機器に有線で発信し
- 5) 操作機器は、「モノ」の特性に応じてさまざまな部分に物理的な動きを起こし
- 6) それによって「モノ」全体が、当初の目的を指向した動きを行なう。
と言う一連の活動をまとめた概念で、さらにハード面とソフト面に分解される。
本項では狭義の、1)~3)または4)を説明する。応用の結果である5)~6)のほうが一般の目に触れることが多く、いわゆる「ラジコン」とイメージされる。
一般的には、主に趣味の模型分野に利用され、航空機・自動車・戦車・船舶などの模型(動力は、ガソリンエンジン、グローエンジン、ロータリーエンジン、電動モーター)を、操縦者が搭乗している如くに、離れた位置からコントロールするために用いられるものがよく知られているが、模型操縦以外にも、軍事用や地学調査用などの分野や、農薬散布用ヘリコプター、クレーンなどの産業用機械などにも用いられている。
歴史
元々、軍用の標的機、誘導弾として開発が進められてきた経緯がある。古くはニコラ・テスラが無線操縦の船を試作したり、日本でも1930年に日比谷公園で無線操縦戦車の実験が公開されたり、標的艦「攝津」が運用された記録がある。近年、無人機が活躍しているニュースを聞くが、何も今になって始まった事ではなく、冬戦争や第2次大戦初期にソ連の赤軍はテレタンクと呼ばれる無線制御の無人戦車を投入し、ドイツ軍も大戦中に無線誘導弾フリッツXやフンクレンクパンツァー無線誘導戦車を実戦に投入し、フリッツXはイタリアの戦艦「ローマ」を撃沈する等の戦果を上げた。
戦後、それらの技術が波及し、現在に至る。ホビー用のラジコンとしては「ラジコン」の商標を持つ増田屋斎藤貿易(現在の増田屋コーポレーション)が1955年にラジコンバスを発売した。当時、高価だったトランジスタや真空管を使用せず、火花送信機とコヒーラ検波器を使用していた。当時の所得水準から判断すると高価で主に輸出され、外貨獲得に貢献した。当時、日本国内での電波法の認可は順調に取れたが、米国での認可には時間がかかり、翌年の夏に発売された。ソニーの創業者達も分解してその構造に驚いたと言う。また、増田屋は他に、専用の笛から出る音で操縦するソニコンも製造した。ラジコン、ソニコンはそれぞれ当時、同社の主力製品であったブリキ製のバスや自動車、ロボット、戦車等に搭載された。国内では火花送信機とコヒーラ検波器を使用した無線操縦装置を趣味の世界に持ち込んだのは増田屋という認識が一般的にはあるが、ラジコンバスの販売をさかのぼる事、18年、1937年、朝日屋から出版されていた「科学と模型」誌に同種の科学模型の製作記事が掲載されていた事は特筆に価する。正に、科学雑誌を標榜する同誌の面目躍如と言った所だろう。同誌の執筆陣の意気込みが現代に伝わってくる。
種類
制御方式による分類
- シングル式 - ON-OFFの信号でモータ、エスケープメントを作動させる
- マルチ式 - リードセレクタでトーン信号を分離することにより複数のチャンネルを作動することができる。リードセレクタを使用せずにダイオードマトリックス等論理回路でマルチチャンネルを実現した形式もある。
- ギャロッピングゴースト - 左右に均等に舵を当てるが、曲がる時はどちらかに偏る事によって、比例制御に近づけた方式。今でもマイクロRCプレーンで使われる。
- アナログプロポーショナル式 - 低周波信号を搬送波に載せて比例制御を実現した。停止位置付近のトルクが弱く、調整が難しく普及しなかった。
- デジタルプロポーショナル式 - 通常プロポと呼ばれる方式で現在主流。スティックの角度に応じてサーボを比例制御することが出来る為、他の方式に比べ優れている。各チャンネル毎に送信機のスティックに連動したポテンショメーターによってパルス発信回路の時定数が変化する事で舵角に応じた幅の矩形波が創出され、マルチプレクサで各チャンネルの信号が時系列的に一定間隔で送出される、調歩式同期により一定時間信号の無い時間が存在する。その時に受信側で一定時間信号が無い場合はリセットされまた1チャンネルから信号を割り当てる。受信機では時系列的に入ってきた信号をチャンネル毎に振り分けサーボに送る。矩形波の幅とサーボ内のサーボの舵角に応じた矩形波の幅を比較して矩形派の幅が等しくなるようにサーボを動かす。
電波の変調形式による分類
動力源による分類
- EP (Electric Powered) - 電動
- GP (Gas Powered) - エンジン
使用目的による分類
- トイ用
- 比較的安価で玩具店で購入でき、分解整備や消耗品交換の必要のないもの。対象は基本的に子供である。
- ホビー用
- 分解整備や、組立作業が必要で基本的に大人の趣味を目的としたもの。模型飛行機、模型自動車、模型船、模型ヘリコプターなどがある。それぞれ競技会やクラブがあり、世界選手権があるものもある。
- 産業用ラジコン
- 農薬散布など業務に使用するもの。
- 宇宙開発、宇宙利用
- 人工衛星、宇宙探査機、宇宙望遠鏡などを地球上から遠隔操作するために利用される。
- 軍事用
- 無人偵察機(RQ-1 プレデター)など、情報収集やピンポイント攻撃の任務に使用する。
産業用・軍事用は輸出が厳しく規制されている(産業用は兵器に転用出来るため)。
ラジオコントロール機
ラジオ・コントロール模型ボート
ラジオ・コントロール(以下「RC」と略記する)模型ボートとはRC装置によって遠隔操作されている模型ボート・船舶である。
単純な楽しみのためのRC模型ボート
普通のホビー活動には電動のスポーツボートが多い。航行速度は、宣伝文にある「15マイル(24㎞)//時」よりはかなり低く、1回の充電による航続時間は10分以下である。この種のボートは、模型店・小売量販店などで玩具として販売されていて、使用者は性能向上の目的で改造することが多い。エンジン付ボートに比べると静粛で低速なので、一般の湖や池でも受け入れられる。ファンは、この種のボートで入門し、後述の高速電動ボートに進む。
スケールモデル
スケールモデルのボートとは、実物の船舶の縮小模型である。 手に乗るくらいの小さなものから、100kg以上の巨大模型まで、さまざまな大きさがある。原型の図面や写真に基づき正確に製作されるが、作者のイメージや空想によって改造されることも多い。潜水艦のスケールモデルもある。
ヨット(帆船)
帆船とは、帆に作用する風の力で推進される船舶である。 模型ヨットは、操縦者の手持ちのマルチ・チャンネル発信機と、船に乗せた受信機によって操縦される。発信機の2つの操縦桿を動かすと、それぞれの信号がある周波数の電波に乗った別のチャンネルで送信される。周波数は、操縦者/ボートごとに割り当てられ、複数の船が同時に操縦できる。 船側では、受信機が上記の信号を受けて解読し、接続されている2つの電池式モーターあるいはサーボを動かす。サーボのひとつは]主帆・ジブ(前帆)の角度を同時に変更して、帆の向きを操作する。他のサーボは、舵の角度を変えて、船体の向きを操作する。
競技用ヨット
模型ヨットの競技帆走には、実艇と同様にISAF(International Sailing Federation)競技規定によって管理される。同規定のアペンディックスEに、RCスポーツのための特別規定がある。
ISAF規定では4種のRC模型ヨットの競技を定めている。以下、大きさ順(小~大)に説明する。
- インターナショナル・ワンメーター級(IOM級)
単艇身、全長1000㎜以下、喫水420㎜以下、重量4000g以上、帆装は3種に限定。 競技力のあるヨットを自作できる仕様制限とされる。 制作費が高価にならないように、船体は木またはグラスファイバー、マスト・ブームはアルミまたは木に限定される。
- インターナショナル・マーブルヘッド級(M級)
全長1290㎜以下、喫水700㎜以下。6種の帆装が許されるが、高さは2200㎜以下。
- インターナショナル・テンレーター級(10R級)
- インターナショナル・A級(A級)
最大の国際RC模型競技ヨット。
以上の競技級に対置される、環境にやさしい入門種目として「ボトル・ボート」がある。これは清涼飲料の空きボトルの船体に、ごみ袋の帆をつけた廃棄物利用のものである。
競技用動力艇
原動機や船体の形式によって、何十種にも細分されている。 国内・国際競技とも、直線と周回の競技コースが使われる。 原動機には、電動・グローエンジン・蒸気機関・ガソリンエンジンなどがある。 船体の形(船型)には、モノ・ハイドロプレーン・カタマラン・アウトリガー・エコなどがある。 競技級は以上の区分に加えて、動力用電池の形式や本数、エンジンの大きさ(行程容積など)、細かい船型区分、プロペラの位置(水没・水面)などによって、さらに細分される。 上記の動力で駆動される推進装置は、水中のプロペラ、空中の飛行機用プロペラ、水中ジェットなどである。
通常は、次の2種類のチャンネルでRC操作する。 ひとつは、舵・船外機・船尾推進装置の向きを変えて、船の針路をコントロールする。 他は、スロットルの操作によって船の進行速度をコントロールする。 スケールモデルの場合は、実物らしさを演出するために、上記に加えて霧笛を鳴らし、レーダーアンテナを回転させるなどの追加操作を行なう。また、高度に発達した競技ボートでは、競技走行中に空気と燃料の混合比を調整し、プロペラの高さ変えて推進する角度や水没の程度を調整している。
工作の難易によって次の3種類に区分される。
- RTR(レディー・ツー・ラン:すぐに走行できる)型。
- ARTA(オールモスト・RTR:少しの手間で走行できる)型。
- キット品。高性能な競技艇はキットから製作し、製作者は自分で受信機と各種装置をそれに組み込む。
RC競走艇は、高い最大速度と操縦性を目標にしている。水面に任意にブイを設置して周回コースを作るから、さまざまな走り方に高速で対応できなければならない。一般的な周回コースは、長さ330フィート(100.6m)の直線を半径35フィート(10.7m)の円弧でつないだ楕円で、1周が1/6マイル(268m)になる。
直線の速度記録を競うために、直線コースもある。ボートは出発ラインとゴールラインで光電式に計時され、その時間差と両ラインの間隔で速度が計算される。
国際模型ボート協会(IMPBA)、北米模型ボート協会(NAMBA)は、夫々コース、競技規定、やり方などを定めている。
操縦者がモーターボートに乗って模型ボートを追走しながら、海上を何キロも走行させるレースもある。さまざまなクラスの模型ボートが同時に走行し、計時によって各クラスの順位を決める。このような外洋レース艇のエンジンは内燃機関が使われる。 短距離・高速型のレース、電動艇のレースは、静かな湖水などで行なう。電動艇の速度は80km/時、航続時間は10分に達し、直線100ヤード(91m)のスプリント・レースでは内燃エンジンと一緒に競技している。
RCが普及する前には、Uコンのように索をつけた周回走行や、自由走行が行なわれていた。索つき周回速度の記録は、260km/時に達しているが、走行条件が違うのでRCボートの記録はそれに及ばない。
海戦競技
軍艦のRCの楽しみ方のひとつに、実際に弾丸を発射して海戦を行なう「コンバット競技」がある。弾丸は、BB、3/16、7/32、1/4サイズのボールベアリングで、ガスによって相手艦に向かって発射される。 この競技のスケール軍艦は、危険の無い程度の弾丸でも穴が開くように、バルサ張りで作られ、修理しやすい簡単な構造である。競技によって常に沈没するわけで、浸水をくみ出すビルジポンプも備えている。
タグ・ボート(曳き船)
スケールモデルのタグ・ボートの推進・操舵システムは、実物どおりに再現されることが多い。たとえば、通常のプロペラと舵ならば、軸数・枚数は実物どおりであり、ベッカー方の舵、コルト型ノズル、ショッテル、Z-ドライブ、シュナイダー・プロペラなども原型にあわせて模型化される。 タグ・ボートの競技は、操船による運動の実物らしさを採点する。運動は、タグ・ボート単独の場合と、艀(はしけ)を曳いた場合と両方が採点される。 模型タグ・ボートは、正確な運動性を利用して、撮影カメラを搭載することもある。
潜水艦
国内外のメーカーから発売されている。国内ではトイラジとして赤外線や電波で操縦するものが複数ある。海外のメーカーでは本格的な実物同様の構造を持つものもある。国産でも一部のメーカー製品にはトイラジでもトリムタンクを備える本格的な物もある。愛好家が作ったものの中には水中映像撮影用のビデオカメラを搭載できるものや魚雷や水ロケット等による弾道ミサイル発射等のギミックを備えるものもある。潜航舵を使用して前進時に潜る物や垂直上下用のスクリューを使用する物やトリムタンクを使用するものがある。近年は各地で競技会も開催される。[1]
ラジオ・コントロール模型自動車
(From en Radio-controlled car on21 Dec.2009 at0048)
定義 ラジオ・コントロール(以下「RC」と略記)模型自動車とは、RC装置によって遠隔操作されている模型自動車である。
概容
- RC模型自動車には、トイ(玩具)級とホビー級の、2段階がある。
- 動力は、電動と内燃機関に大別される。
- 電動車は、小型で強力な、ブラシ型またはブラシレス型モーターで駆動され、電源は充電式のニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム電池である。
- 大部分の小型内燃機関搭載車は、ニトロメタン、メタノール、オイル(カストル・オイルおよび合成オイル)の混合燃料を使い、「ニトロ車」と呼ばれる。
- 最近、超大型車は、芝刈り機と同じ混合燃料の小型ガソリンエンジンを使う。
- ニトロ車とガソリン車を「燃料車」と総称する。
- 電動車は、一般にやさしいと言われるが、最高水準のものは燃料車同様に高度の技術と、高額な費用を必要とする。
- 両車種ともに、オンロード車、オフロード車がある。オフロード車は、さまざまな路面状態に対応する専用のサスペンションを装備している。これに対し、オンロード車のサスペンションは、効果が限定され、さらには無しの場合もあり、滑らかな舗装面しか走れない。
トイ・グレードRC車
「トイ」または「トイ・グレードのRC車とは、完成車で、量販店や家電店に並んでいるものと言える。だから俗に「ラジオ・シャック(ゆっくり走る)車」と呼ばれる。 若い購買者を狙って、模型店に並べられるトイ・グレードRC車もあるが、一般的には子どものオモチャである。
トイRC車の利点
安価であることが最大の利点で、ホビー級の入門車に比べて50~100ドルは安い。 操縦は容易で、安全である。速度は20マイル/時以下で、多くは10~15マイル/時である。 走らせるまでの段取りも、ホビー級のうちで最も簡単なRTR(すぐに走れる:後述)車より容易である。 トイ級の車は、実車のスケールモデルであるが、ホビー級ではほとんどがそうではない。だから、ホビー級の車には付いていない細かい付属装置、たとえばヘッドライト、警笛、窓、ドア、フッド、内装などが実車のように装備され、作動する。中にはラジオやプレイヤーのような音響システムを搭載するものもある。 トイRC車の車種は、限りなく拡大され、普通車やトラックはもちろん、タンク、ブルドーザ、モーターサイクルなど、普通ではない形式・設計の車に及んでいる。
トイRC車の欠点
トイRC車の欠点は、設計や構造が粗末で、性能が悪く、安物で、スペア部品が無い点である。 サスペンションは全く付いていないか、付いていてもきわめて初歩的な形式である。 RCシステムに付いても同様で、ステアリング操作はプロポーショナルではく、「右いっぱい、中立、左いっぱい」の3つの舵角しか取れない。スロットルも、「停止」、「全速力」の2つだけである。走行性能も低い。 大部分の車が、非力な小型モーターを安価なアルカリ電池やニッカド電池で駆動しているため、最高速度は10~15マイル/時程度で、短時間で電池交換を必要とした。小型・軽量・強力なリチウム電池が使われるようになると、バッテリーの状態の表示灯も付き、性能は向上した。 通常、トイRC車の走行は、オンロードに限られている。オフロード的な外見であっても、実際には満足に走れない。 トイRC車の寿命は、壊れるまでで、修理は難しく、補修部品はほとんど売っていない。車に付属している取替え部品は、電池と充電器ぐらいで、主要取替え部品を揃えたメーカーは極めて少なく、納期も長い。無産機は、ホビー級のように標準化されていない。
ホビー・グレードRC車
最近、ホビー・グレードであるが、手間をかけずにすぐに走らせることが出来る「RTR(レディー・ツー・ラン)」RC車が、大きなメーカーから発売になっている。これは、「ARTR(オールモストRTR)」車でも手間を惜しむファンに受けている。 RTR車は、バッテリーを購入して装着する以外の手間が、全く、あるいはほとんどかからない。多くの場合、車体は塗装済みで、トリムも書き込まれている。 たくさんの乗用車やトラックが、RTR車として販売されている。RTR車の購買層の拡大につれて、メーカーはファンをその上級版のキット車に誘導しようとしている。キット車には、RC装置、モーター、スピードコントローラーは付属していない。
電動車
電動車のスピードコントローラーは、機械的に、あるいは電子的に、モーターに供給する電力を調整する。供給する電力の量は、発信器のスロットル位置に比例していて、トリガーを強く引くほど車は加速される。 機械式のスピードコントローラーは、たくさんのレジスターとスイッチの集まりで、接点を回転させるとレジスターが変わって電流が増減する。この形式は反応が遅く、レジスターの発熱によって効率が低下する傾向がある。また、汚れやすく、作動が間欠的で、微妙なブレーキ操作がやり難い。但し、電子式よりも安価で、旧型ホビー・グレード車に付いていることが多い。 電子式スピードコントロールは電子回路によって周波数を変え、モーターに供給する電流を調整する。また、多くはモーターを電磁ブレーキ化できるので、機械式よりもうまく車速をコントロールできる。
今までの電動車はブラシ型のモーターを搭載していたが、ブラシレス型モーターのほうが高出力でメインテナンスも簡単なので、大勢は移りつつある。 モーターは回転数あるいは「Kv」で格付けられている。Kv数値は「1ボルトあたりの回転数」を示す。駆動システムの出力性能は、使用バッテリーの性能に依存する。ブラシレス型モーターは強力であるので、超大型トラックや1/8縮尺バギーなどを電動車に改造するときにも利用される。
燃料車
ニトロメタン燃料エンジンの車は、スロットルにサーボをつないで加・減速を操作する。 サーボをある方向に回すと、キャブレターの上のスロットルが開き、混合気の吸入量を増やす。サーボを逆に回すと、ブレーキシューが押し付けられて摩擦を起こし、ブレーキがかかる。ブレーキは、駆動軸にかかり、2駆車は2輪に、4駆車は4輪が制動される。
エンジンの大きさは.12~.35立方インチのものが多い。この大きさは、RC車競技規定の制限に基づく。もっと大きな規格外エンジンも生産されているが、用途は公式競技以外であり、規則に関わり無く使用されている。 エンジンの大きさは競技級によって決められる。1/10縮尺の競争車は、オンロード、オフロードともに.12~.18エンジンを使う。1/8縮尺では.21~.32エンジンである。
ニトロ燃料車
燃料車は、特に改造しなくてもかなり速く走れる。最大出力は、エンジンの回転数が中速と最高速の間で発揮される。スロットルの反応は、電動車より鈍い。電動車は瞬間的にトルクを発揮するが、燃料車は実車のクラッチ接続時のようにもたつく。 ニトロ車など燃料車は、数秒の給油によって直ちにレースに復帰できるが、電動車はボディーを外してバッテリーの着脱を行なわなければならない。 燃料車は完全な空冷式になっていて、冷却するための中断をせずに連続走行できる。 ニトロ車は、平均的には電動車より大きい。電動車が高性能を発揮する大きさは1/10縮尺以下である。但し、両車種に同縮尺のものもある。
ニトロ車は2サイクル・エンジンであるから、電動モーター車よりもはるかに実車的な挙動をする。エンジン音や伝動装置が実車と似ていることは、ニトロ車の魅力である。 但し、排気中の油が車体にくっつくので電動車よりも汚れやすく、変成アルコールなどの溶剤をコンプレッサーで吹き付けて、たびたび洗車を行なう必要がある。 ニトロ車を調子よく走らせるには、RTR車の様な初歩的なものでも、エンジンを調子よく回し続け、燃費を抑え、エンジンの磨耗や過熱をさせないことを習得しなければならない。
基本性能が高く、長時間の走行を行なうために、ニトロ車の機械的な損耗は電動車よりも大きい。加えて、高速で重量が大きいために衝突のときのダメージは大きい。従って、安全面に強い配慮が払われている。ニトロ車は、大きな出力に起因する応力に対抗するために、丈夫に作られている。
ガソリン燃料車
ガソリン燃料車は、「燃料車」、「ガソリン車」などと呼ばれ、ガソリンとオイルの混合燃料を使用する。ニトロ、電動車に比べて、かなり(1000~3000ドル)高価である。 大型であるので、走行場所も広大になる。ニトロ車や電動車と比べて最高速度は特に高くは無く、強力ではあるが燃料はさほど食わない。 また、ニトロ燃料は高価であり、ニトロエンジンの寿命は短いので、その反対のガソリンエンジン車の費用はそれほど高く付かない。最近の10年は、ヨーロッパで大縮尺のスケール車に人気がある。
付属部品
RC模型自動車は、一般に追加部品を必要とする。 電動車では、バッテリーと充電器がないと走れない。高性能バッテリーパックの製作、上級の電子装置の組み付け、損失の少ない差込などには、ハンダこて一式が必要である。 ニトロ車では、グロープラグと燃料がないとエンジンが回らない。車載の電子装置の電源として、4AAサイズの電池または6ボルトのバッテリーパックが要る。また、エンジンをクランクして始動するために、プル・スタート装置、スターター・ボックス、バッテリー駆動のロトスタート、電気ドリルなどが要る。 ガソリン車ならば車載受信機用の電源と、始動装置(ほとんどがプル・スタート)だけで済む。 ホビー級のRC車では、発信器の電源として8AA電池が定番であるが、フタバ3PKSのように充電式のバッテリーパックを使う発信機もある。
ホビー級RC車が登場すると、それを追って大きなメーカーが改良版の部品を売り出す。改良の幅は、寿命の延長から全体的な性能向上まである。また、たくさんのモデラー自身が自分の改良版の部品をネット市場などに出す。
RTR車は、調整済みの状態で出荷されるから、そのままで良好なレース性能を発揮する。しかしながら、部品の緩みの検査は必要で、マニュアルにもそのように記されている。 キット車、半完成車の場合、組み立てと調整は所有者が自分で行なう必要があり、RC装置やエンジンも自分で買うことになる。
作動の原理
全てのRC車は、共通する操作・作動システム利用している。 まず、操縦者の手に発信器が必要である。操作形式としては、2本の操縦桿を使うものと、ピストル式トリガーで速度を操作し、丸いハンドルを回して方向を操作するものがある。 次に、車載された受信機が必要である。受信機は発信された信号を受けて、適当な電気信号に変換し、それを操作装置に送り出す。
大部分のRC装置は、送・受信機間の伝達に振幅変調方式を利用していた。進歩した装置では、より信頼性のある周派数変調方式やパルスコード変調方式を使っている。 受信機はこれらの送信を受けて、接続されている電子スピードコントロール装置、あるいはサーボ・メカニズム(いわゆる「サーボ」)を動かし、スロットル操作や操舵を行なう。車種によっては前進・後退も切り替えられる。 受信機は電気信号のパルスの幅を変えてスピードコントロールやサーボの操作を行なう。パルスの継続時間によって、スピードコントロールが動力モーターに送る電流を増減し、サーボの角度を操作・決定する。 サーボは、ステアリング機構に接続されていて、サーボが回転するとタイヤの向きを機械的に変更する。サーボと車輪の間は、ターンバックルによって調整できるようになっている。また、この接続にはサーボ・セーバー(安全装置)と呼ばれるフレキシブルな部分があり、車輪などにかかる衝撃を吸収して、サーボの歯車を保護している。
RC模型車の歴史
模型自動車競走の始まり
小型のニトロメタン燃料のエンジン(グロー・エンジン)が市販されるようになったのは、1940年代である。模型自動車を操縦する能力が芽生えたのも同様と言える。
初期の商品
淘汰されずに生き残り、後世の成長の元になった初期のRC車は、1960年代中ごろに出現した、イタリアのRoggio EmiliaのEl-Gi(Electronica-Giocattoli)社のものである。最初は1/12縮尺のフェラーリ250LM車で、イギリスでは1966年12月にロンドンで、「Motor Books and Accessories」 輸入のものが、1967年はじめにはスワンシーのAtkin’s 模型店経由のものが購入できた。 El-Gi社は、1967年初頭のミラノ・トイ・フェアに、1/10縮尺のフェラーリP4車を出品している。
1968年後半には、イギリス・ライセスターのMardave社が、RC社の商業生産に成功している。グロー・エンジン車で、1970年には一部地域で販売された。
1970年代には、アメリカの小企業がRC車に参入した。これらは、元はスロット・レーシング車のメーカーで、それが衰退したのでRC車の分野に鞍替えしたものである。 このグループには、Associated Electrics,Thorp,Dynamic,Taurus,Delta,Scorpionの各社がある。 このグループの初期のキットは、1/8縮尺のニトロ燃料車(当時は「ガス」と呼ばれた)で、アルミ・パン構造であった。エンジンは.21以下で、K&B、Veco、McCoyが多かった。 ボディーはポリカーボネート製で、Lexan社の製品が多かった。この種のRC車の競走を初めて組織・裁定した団体は、Remotely Operated Auto Racers(ROAR)である。 1973~4年にかけて、ワシントン州のJerobee社がCox049エンジンを使った1/12縮尺のニトロ燃料車を製造した。この車のために、後発メーカーがLexanの透明ボディー、ヒートシンク、大容量の燃料タンクなどの付属部品を製造・供給した。 1976~77年になると、Associated Electrics社がRC12E級を作って1/12縮尺車の電動レースを始めた。Jerobee社もJomac社になり、独自の電動車キットを製造した。
1970年代末になると、1/12縮尺の電動車レースの人気が、1/8縮尺燃料車同様に高くなった。当時は競技級が1つだけであったので、冬の競技シーズンを通して異質な両車が混走せざるを得なかった。そのために「ウインター・ナショナル・シリーズ」が開発され、成長し、自作車が多数登場した。
1976年になると日本のタミヤ社が、細かいところまで手の込んだプラスチック模型車のキットで参入した。発売されたシリーズは、エレガントで高度に細かくスケール化されていたが、機構的には単純なオンロード車であったが、「RCに適している」として販売された。 高価ではあったが、キットとそのRCシステムは急速に売れた。 タミヤ社は、すぐにもっと機能的なRC模型車を作り始め、最初に本物のサスペンションの付いたオフロード車を投入した。RC車の新分野であるオフロードへの進出の始まりで、RC車は舗装路面でなくても走れるようになり、ファンの人口を急増させることになった。タミヤ社の最初のオフロード車は1979年発売の、Sand ScorcherとRough Riderで、dune buggyの形を正確に再現している。タミヤ社は、実際に機能するサスペンション、強力なモーター、トレッド模様の付いたオフロードタイヤなどを装備した、dune buggy系の各種のオフロード車を増産した。さらに、実物どおりの3速ギヤ、リーフ・スプリング・サスペンションを装備した、トヨタ・ハイラックス・ピックアップ・トラックも生産した。これらの車は、実物感、耐久性、簡単な組み立て、改造や修理が容易などの特徴があり、1980年代前半に広く普及してブームをつくり、現在のRC車市場の基礎となった。 たくさん売れたタミヤ車の中には、デューン・バギー系のグラスホッパーやホーネット、巨大トラックのブラックフッやクラウドバスターがある。タミヤの初期のオフロード車は、古典RC車の収集家に狙われていて、ミント(組み立て前)状態だと3000ドルの値が付く。 このような人気が続いているので、タミヤ社は2005~2007年の間に多少の変更点のある復刻版を出している。
英社Schumacher Racingは1980年に初めて、あらゆる路面状況に対応できるような調整式のボール式差動装置を開発した。当時は、大部分のオンロード車の駆動軸は差動装置が付かない固定式であり、オフロード車は歯車式の差動装置を使っていた。 Team Associatedは、1984年にRC10級レーシングバギーに追随し採用した。(後記)
-最近のRC競走の進歩
1984年に、カリフォルニア、コスタリカのAssociated Electrics社はRC10級オフロード電動バギー車を導入・採用した。この車種は、同社の従来のニトロ燃料のオンロード車とは別系統になる。高級なRC車であるので、当該車のシャシーは航空機級の電解アルミで作られている。ショックアブソーバーの同じアルミから機械加工された油圧式で、調整が出来る。サスペンション・コントロール・アームと3分割式の車輪は、耐高衝撃型ナイロンで作られている。
RC10級の車輪と伝導系には、オプション部品としてメタル・シールド式のボールベアリングが使われる。同級の伝導系の改良型作動装置は、硬化した鋼鉄リングが押し込まれたボールベアリングが付いていて、あらゆる路面状況に対して調整できる。 このようにして、RC10級は電動オフロード競走種目の主流になった。
1986年に、Schumacher Racing社がCAT(Competition All Terrain:全路面競技)車を発売した。当時の最良の4駆オフロードバギーレーサーといえる。 CAT車は、1987年のオフロード競技の世界選手権を取った。当該車は、電動オフロード競走を4駆に指向させるきっかけとなった。
カリフォルニアのパモナで結成されたTeam Losiは、バギー車JRX-2を開発し、当時も存続していたTeam Associatedと対抗していた。それから実験を重ねて、最初の全天然ゴム製のタイヤ、最初のアメリカ製4駆バギー、新規格の1/18縮尺Mini-T型オフロード電動車などを開発した。
AssociatedとLosiはアメリカの市場に大きなシェアを持つに至ったが、2駆のオフロード競走車の分野では、テキサス系の米社(T-MAXX規格、REVO3.3規格)ならびに日本のキョーショー社も強かった。他方、ヨーロッパでは依然としてSchumacherのオフロード車に人気があった。
電動・内燃エンジンの両動力は、長く並立してきた。 電動モーターはブラシつきのモーターをニッカド電池で回す時代から、ブラシレス・モーターをリチウム電停で駆動するように進んだ。他方、内燃エンジンは大型化が進み、.32エンジンを巨大なトラックに装備するようになった。
構成
- 送信機 - ホビー用の送信機は通常プロポーショナル方式を使用しているため日本国内では「プロポ」という略称が定着している。
- 受信機
- サーボ
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送信機の一例
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受信機、バッテリー、サーボの接続例
日本国内で使用可能な電波周波数
電波の周波数をバンドといい、電波法によりラジコンに割り当てられたバンドは、27MHz,40MHz,72MHz,73MHz,2.4GHzである。(制御可能な可動部所の数を「チャンネル」と言うので、区別の為に単一周波数でも「バンド」と称していると思われる。キャリアと言うのが正しい。)異なるバンドを用いることで、多人数で同時に操縦することを可能にしている。「バンド」は日本ラジコン電波安全協会にて定められている。
- 27MHz帯 - 12バンド(地上・水上用)
- 40MHz帯 - 8バンド(地上・水上用)/5バンド(空中用)
- 72MHz帯 - 10バンド(空中用)
- 73MHz帯 - 産業用:3バンド(地上・水上用)/7バンド(空中用)
- 2.4GHzISM帯 - 70バンド以上(地上・水上用・空中用)
主要供給メーカー
日本
- タミヤ - 旧・田宮模型
- 京商
- ヨコモ - 旧・横堀模型
- HPI
- 無限精機
- ヒロボー
- ABCホビー
- 川田
- TECH 技研モデル
- ALEX アレックスレーシングデザイン
- ミワホビー - TEAM ATLAS
- CROSS (ファイヤーフォースシリーズ)
- TRG Technical Racing Gear
- 山田産業 (YS)
- 三共
- アイエム
- ユニオンモデル
- ムサシノ模型飛行機研究所
- OK模型
- タイガー
- アクティブホビー
- くらふとるうむ
- フジ・インバック
- 増田屋コーポレーション
- ニッコー
- シー・シー・ピー - 旧・朝日通商、ACOMS
- 大陽工業
- タカラトミー (エアロアールシー・エアロソアラ)
- 東京マルイ
日本のプロポメーカー
日本のエンジンメーカー
過去にラジコン関連製品を販売していた日本のメーカー
アメリカ合衆国
- Team Losi …チーム・ロッシ
- Team Associated …チーム・アソシエイテッド
- HPI …エイチピーアイ
ドイツ
イタリア
- NOVAROSSI…ノバロッシ
オーストリア
- Robbe …ロッベ
スロバキア
- XRAY…エックスレイ