「富士山麓電気鉄道モ1形電車」の版間の差分
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| 備考 = 車両番号は各車両登場時のもの。 |
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2024年8月29日 (木) 00:16時点における版
富士山麓電気鉄道モ1形電車 富士山麓電気鉄道モハ1形電車 | |
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河口湖駅駅前広場で保存されているモ1形電車 | |
基本情報 | |
運用者 | 富士山麓電気鉄道 (現:富士急行) |
製造所 |
モ1-5,モハ6 : 日本車輌製造本店[1] モハ7,8 : 日立製作所[2] |
種車 | モハ6 : モハニ51[2] |
製造年 |
モ1-5, モハ6 : 1929年[1] モハ7,8 : 1941年[2] |
製造数 | 7両 (モ1形及びモハ1形として) |
改造所 | モハ6 : 国鉄名古屋工場[2] |
改造年 | モハ6 : 1943年[2] |
改造数 | 1両 |
導入年 | モハ6 : 1943年 |
総数 | 8両 |
運用開始 | 1929年6月19日 |
運用終了 | 1952年 |
消滅 | 1952年 (モハ500形への車体更新及び改番による)[2] |
投入先 | 富士山麓電気鉄道線 (現:富士急行線) |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流 1,500 V (架空電車線方式) |
車両定員 |
モ1-5,モハ7,8 : 102名 (座席50名)[1][2] モハ6 : 116名 (座席54名)[2] |
自重 |
モ1-5,モハ7,8 : 34 t[1][2] モハ6 : 34.5 t[2] |
全長 |
モ1-5,モハ7,8 : 15,240 mm[1][2] モハ6 : 16,152 mm[2] |
車体長 |
モ1-5,モハ7,8 : 14,426 mm[1][2] モハ6 : 不明 |
全幅 | 2,725 mm[1][2] |
車体幅 | 2,600 mm[1][2] |
全高 | 4,092 mm[1][2] |
車体 | 半鋼製[1] |
台車 |
モ1-5,モハ6 : 日本車輛製造 D16[1] モハ7,8 : 日立製作所 M1C[2] |
主電動機出力 | 93.25 kW[1][2] |
歯車比 | 3.88[1][2] |
制御装置 | HL[1][2] |
制動装置 |
自動空気ブレーキ (AMM)[1][2] 電気ブレーキ (HL)[1][2] 手ブレーキ[1][2] |
備考 | 車両番号は各車両登場時のもの。 |
富士山麓電気鉄道モ1形電車(ふじさんろくでんきてつどうモ1がたでんしゃ)とは、富士急行の前身である富士山麓電気鉄道が1929年(昭和4年)の路線(現在の大月線)開業に合わせて日本車輌製造本店で新造した電車である。
概要
全長15m、前面非貫通の両運転台の電動車である。新造当初は2個パンタグラフであった。開業時に1 - 5の5両が新造された。開業後、形式記号がモからモハに変更され、1942年(昭和17年)に日立製作所で増備された7, 8はモハ1形となっている。
6は、モ1形と同様に開業時に用意された日本車輌製造本店製の電動貨車モワ1形(1)である。1934年(昭和9年)には、旅客車の必要から小手荷物三等合造車に改造され、モハニ6形(6)となった。同車は1941年(昭和16年)に車体を2m延長のうえ全室三等車に改造され、モハ1形に編入(番号不変)された。
1952年(昭和27年)および1953年(昭和28年)に1 - 6は、従来の車体を廃棄し、日本車輌製造東京支店で17m級の新造車体に載せ替えられ、モハ500形(501 - 506)となった。これは、車体の老朽化というよりも、車体の大型化による輸送力増強を図ったものと考えられる。
1953年11月には、日本車輌製造東京支店で509が新製されている。
1961年(昭和36年)に501 - 504は近代化改造を受け、前面に貫通扉が設置されたほか、車内照明の蛍光灯化、ドアエンジンの取り付けが行われた。座席は観光輸送対応のためクロスシートとされた。また、一部は片運転台化され、両運転台車はモハ3600形、片運転台車はモハ3630形と改称された。形式称号は改造初年が昭和36年であることにちなむ。モハ3630形は、末尾番号の同じクハ3660形(旧クハニ800形)と編成を組んだ。番号の新旧対照は、次のとおりである。
- 501 - 504 → 3631, 3601, 3602, 3632
近代化改造は、1964年(昭和39年)および1966年(昭和41年)にも行われたが、工事内容は簡略化され、座席はロングシートのまま据え置かれた。改造は、日本車輌製造東京支店で施工された。形式称号は、1961年施工車と同じモハ3600形、モハ3630形である。番号の新旧対照は、次のとおりである。なお、3604は旧モハ600形(603)で、本系列とは出自を異にする。
- 505, 506, 509 → 3633, 3634, 3603
1977年(昭和52年)に導入された5200系への走行機器供出や5700形への代替により、1994年(平成6年)に事業用として残されていた3602, 3603を最後に全車が廃車、解体されている。
一方、車体載せ替えの対象から外された7, 8は、車体はそのままで507, 508に改番された。両車は1969年(昭和44年)に側扉と側扉間の窓を全て埋められ、荷物車モニ100形(101, 102)に改造された。荷物輸送や事業用貨車の牽引、また扉間の側板を利用した「広告車」としても使用されていたが、1982年(昭和57年)の荷物輸送廃止に伴い廃車された。
登場の経緯
富士山麓電気鉄道は富士山麓の山梨県県有地(恩賜林)を借り受け、別荘地として開発することを目的の一つとして、当初存在していた馬車鉄道由来である電気軌道の改良のため、新線建設を行った。[1]
この時期は全国で大型かつ出力の大きい専用軌道向けの電車(高速電車)や、半鋼製の車両が定着を始めていた。当時新たに開業した地方鉄道の中には中古の木造電車を用いて運転を始めたものもあったが、観光開発に積極的に取り組んだ鉄道の多くは半鋼製の高速電車を新造した。[1]
富士山麓電気鉄道も例外ではなく、路線開業に合わせて5両の半鋼製高速電車を新造した。これが本型式である。[1]
1の車体について
なお、1は501に改造したときに発生した旧車体が上田丸子電鉄へ譲渡され、クハ251→モハ4257となっている。同車は1983年(昭和58年)に廃車された後、富士急行が引き取り、創業60周年記念企画として製造時の姿に復元した上で河口湖駅前に静態保存されている(但し、パンタグラフは上田時代の1個のままである)。ちなみに、この時の台車は東急デハ3450形3458のものが使用されている。
脚注
出展
参考文献
- 「私鉄車両めぐり 富士急行」 鉄道ピクトリアル 1968年3月 - 5月号(Nos.207 - 209)
- 「甲信越・東海地方の私鉄 現況6 富士急行」 鉄道ピクトリアル 1984年4月増刊号(No.431)
- 富士急行50年史編纂委員会『富士山麓史』富士急行、1977年。
外部リンク
- 1号電車形式図『最新電動客車明細表及型式図集』(国立国会図書館デジタルコレクション)