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:TIEシリーズの[[爆撃機]]タイプ。アドバンストx1と同じく折れ曲がったソーラーパネルと円筒形の双胴ボディを持つ。双胴ボディのうち右舷はコックピット、左舷は武器弾薬を搭載するベイとなっており、左舷ベイにはプロトン魚雷、震盪ミサイル、プロトン爆弾、軌道機雷など多彩な兵器を搭載することができる。[[スター・ウォーズ惑星一覧|ホス]]から逃れて[[アステロイド]]に隠れたファルコン号を燻り出す[[絨毯爆撃]]に使用される。このTIEボマーは、『[[ジェダイの帰還]]』では、戦闘シーンはないが、[[第2デス・スター]]のドッキング・ベイに降着している様子が描かれている<ref>ルーカスフィルム公認、秦新二編著『ジョージ・ルーカスの大博物館』文藝春秋。81頁にマット・ペインティングが掲載されている。解説によると寸法は191×84cm。</ref>。左舷ベイを乗客用キャビンに変更したTIEシャトルという移送用タイプもある。劇中では『[[帝国の逆襲]]』でニーダ艦長がアベンジャーからエグゼキューターに移乗する際に使用された<ref>扶桑社『スター・ウォーズ完全基礎講座』186頁、「TIEシャトル」の項目による。</ref>。『[[ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー|ローグ・ワン]]』には、[[ダース・ベイダー]]と共にプロファンディティへ乗り込む部下たちを運搬した、TIEシャトルと同様の双胴ボディを持つTIEボーディングクラフトという強襲揚陸タイプも登場している。また、'''TIEボマー'''は、ILMのスタッフに、二つ並んだチリドッグを連想させたことから「'''ダブル・チリ・TIE'''」と呼ばれていた<ref>スティーブン・J・サンスイート著、日本版プロデュース=株式会社イオン、武田英明訳『スター・ウォーズ 偉大なるマーチャンダイジングへの歩み』バンダイ。24頁。</ref><ref>ルーカスフィルム公認、秦新二編著『ジョージ・ルーカスの大博物館』文藝春秋。45頁にストーリー・ボードが掲載されている。「Chili Tie」と記載あり。</ref>。


;TIE/INインターセプター
;TIE/INインターセプター

2024年6月19日 (水) 22:23時点における版

TIEファイターの模型

TIEファイター(タイ・ファイター)は、映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する架空の宇宙戦闘機である。TIEは、ツイン・イオン・エンジンTwin Ion Engine)の頭文字を取ったものである。銀河帝国軍の最も標準的な宇宙戦闘機であり、旧三部作で多数登場する。当時は邦訳として『帝国軍・迎撃宇宙艇』と紹介されていた。機体の設計と開発は、レイス・サイナー(シーナー)CEOが代表を務める帝国の国営企業サイナー・フリート・システムズ社が担当した。

諸元

標準型の諸元について[1]

  • 全長:6.4メートル
  • 速度:4,100G
  • 操縦要員:1名

概要

一般的にTIEファイターと言う場合、通常は標準型の前線用タイプであるTIE/Lnファイター(LnはLine editionの略、量産の意)の事を指す。TIEシリーズ共通の球形コクピットと、それを挟む2枚の六角形の大型ソーラーパネルが特徴である[注 1]

その後のTIEシリーズの原型ともなった本機の特徴は、徹底的な機動性の追求である。常軌を逸した軽量化優先の設計がなされており、気密性は無く、偏向シールドはおろか装甲板脱出装置降着装置、果てはパイロットの生命維持装置すら搭載されていない。その為、真空の宇宙空間を飛行する場合、パイロットは生命維持用に宇宙服兼用の特殊なフライトスーツを着用する必要があるなど、航空機・宇宙船と言うよりも“武装付き飛行フレーム”といった性格の機体である。その上、視界が極めて劣悪という欠陥(後述)もあり、パイロットにはかなりの心理的負荷を強いるが、彼らはTIEファイター・パイロットを養成する教育課程に於いて「自らの犠牲は銀河帝国の支配力に繋がる」という理念を叩き込まれており、自らの死に対する恐怖を殆ど感じなくなる程迄に訓練されている為[注 2][注 3]、通常の任務中において心理的な問題は全く発生しない。反乱同盟軍はこの様な理念を持つ帝国軍パイロットを、そのストームトルーパーと同形のマスクになぞらえて「バケツ頭」と呼んでいる[2][注 4]

なお、TIEファイターを製造したサイナー(シーナー)社は、『エピソード1/ファントム・メナス』ではダース・モールが搭乗したシス・インフィルトレイターを開発している[3]

機体解説

基本モジュールとなる1人乗りの球体コクピットに、名前の由来となっている2基のイオン・エンジン並びに、固定武装としてレーザー・キャノンを2門搭載している。また左右に突出したブームの先端には2枚の大型ソーラー・パネルを持ち、ここで生成されたエネルギーをエンジンに供給する事で出力を更に高めている[注 5]。エンジン出力はとりたてて高くはないが、機体の圧倒的な軽量性によって驚異的な加速・旋回性能を誇る。

各部品に突出した性能などは無く、徹底した軽量化と生産性とを最優先にした設計がなされており、帝国の大量生産による量産効果により、機体コストは設計当初よりも更に廉価となっている。加えて機体の構成部品そのものが少なく、整備性にも非常に優れている。2門のレーザー・キャノンも航空兵器としては一般的な性能のものだが、シールドを装備した戦闘機を十分に破壊出来る威力は備えており、敵戦闘機の撃墜も数多く記録している。但し、ミレニアム・ファルコンの様な重武装の中型船クラス相手となるとやや威力不足なのは否めず、劇中でも致命傷を与えることは出来ない[注 6]

オプションでミサイルランチャーを増設することも可能ではあったが、その重量で機体の運動性能を著しく低下させるため、滅多に装備されることはない。機体数を十分に確保出来ない反乱軍がXウィングに代表される「万能機」になっていったのに対し、機体数で圧倒的優位に立つ帝国軍では、ミサイルやプロトン魚雷による雷爆撃をTIEボマーのような専用機に特化させる「分業制」がとられた[注 7]

防御に関しては一切の装備を持たない。軽量化からくる旋回性能によって、敵に後ろを取らせない=撃たれない、ことを主眼に置いて設計されている。これによって得た優れた機動性と、入念に訓練された帝国軍パイロットの技量、そして常に数の優位に立つことにより、ベテラン揃いの反乱軍パイロットにすら容易には後ろを取らせず、反乱軍は大きく苦戦を強いる。ただし、機体とパイロットを保護するものが何もないため、被弾することは即刻撃墜を意味した。左右のソーラー・パネルはコクピットに対する一種の緩衝材となってはいるが装甲として足るものではなく、Xウィングの強力なレーザー・キャノンが命中すれば一瞬で木っ端微塵となる[注 8]

パイロットのフライトスーツ

脱出装置の類も一切搭載されていない。元より生命維持装置が無く、気密性も考慮されておらずコクピット内も与圧すらされていない為、パイロットは常に宇宙服でもあるフルフェイスのフライトスーツを着用しており、脱出時にはそのまま搭乗ハッチから脱出するだけである。このシステム上、パイロットは残燃料とは別に通常の宇宙船より遥かに少ないスーツの残酸素量を考慮する必要があるが、元より長距離進攻を想定しない、迎撃専用の局地戦闘機的な性格の強い機体であり、基本的には基地および味方艦船の周辺で戦闘を行っている為、この点は余り問題にはならない[注 9]。機体が破壊されたとしても、元より宇宙空間に居るのと同じ状態で乗り込んでいる為、フライトスーツさえ無事であれば生命維持は可能である。実際、戦闘中に機外に放出されたものの、味方に救助されて生還したパイロットは非常に多い。ただし、TIEボマーには脱出用の射出座席が装備されており、大気圏内でのパイロット生還率が向上している[4]

降着装置も一切搭載されていない。TIEファイターを搭載する帝国軍の各艦船には、機体の着艦及び格納用のラックが備えられており、帰投した機体は直接ラックに吊り下げられて着艦し、そのまま格納状態となった。着陸脚は無いが、2枚のソーラー・パネルの下部を代わりに接地させて離着陸することは可能で、地上での運用もなされている。

このように徹底的に無駄を省いた、究極ともいえる合理的な設計の機体であったが、コクピットからの視界が極端に悪いという、明らかな欠点が存在する。TIEシリーズの共通コクピットは前方に大きな円形の風防を備え、前方に限れば上下左右の視界は広いが、その他の開口部は上部のスリットと後部の小さな窓しかなく、左右方向に関してはそもそも窓が無いため、巨大なソーラー・パネルの存在もあり全く視界が無い。本機の後継となるTIEインターセプターでは、大きく前方に伸びたパネルが視界を妨げぬようにパネル前中央部に切り欠きが入れられたが、やはり横には窓がなく、真横は視界ゼロのままだった。巨大なソーラー・パネルは敵から見たときに良い的になるほどに被弾面積も大きく、横方向から撃墜されやすいという欠点にもつながっている。

この視界の悪さと高い機動性は事故を誘発し、戦闘時、非戦闘時を問わず、数多くの接触事故を起こしている。一説には戦闘で撃墜された機体より、事故で喪失した機体の方が多いとまで言われている。常に敵より多い機数が災いし、味方同士の衝突という悲劇も多かった[注 10]

このように非常にはっきりとした長所と短所を持つTIEファイターであったが、配備当初は紛れも無く高性能な機体であった。初代デス・スターに配備されていた部隊は、選りすぐりのパイロットが多かった点もあり、反乱軍のデス・スター攻撃部隊に配備されていた最新鋭機であるXウィングと互角以上の戦いを行う[注 11]

後の反乱軍戦闘機の高性能化により、TIE/Lnファイターは必ずしも優位ではなくなってきたため、より高性能なTIEインターセプターに置き換えられることになっていたが、帝国政府内の管轄間の縄張り意識によりなかなかはかどらず、本機は長らく一線に留まる[注 12]

機体のバリエーション

TIEアドバンストx1
  • 諸元[5]
    • 全長:9.2メートル
    • 速度:4,150G
TIEシリーズの最新鋭試作機として開発された機体。ソーラーパネルの上下が内側に折れ曲がっており、よりコンパクトに見えるが、標準タイプには搭載されていないシールドとハイパードライブエンジンが装備されているため、基本モジュールは同一ながら機体自体はかなり大型化している。ヤヴィンの戦いでブラック中隊を自ら指揮すべくダース・ベイダーが搭乗した機体として有名。ヴェイダーの機体は初期試作型を更に改造したものでヴェイダー本人の技量も合わさりロザルの戦いでは単機で同盟軍艦隊に大損害を与えている。TIEファイターに代わる次期主力候補機として設計されたが大量生産にはコストがかかりすぎる為、量産はされなかった。
TIEアドバンストv1
アドバンストx1のプロトタイプとして開発された機体。シールドとハイパードライブを搭載しており内側に丸みを帯びた翼が特徴。翼は可変翼となっており着陸時は内側に畳むことができる。アニメ『反乱者たち』に登場した機体で主にダース・ベイダーの部下である尋問官達が使用している。
TIE/saボマー
  • 諸元[6]
    • 全長:7.8メートル
    • 速度:2,380G
TIEシリーズの爆撃機タイプ。アドバンストx1と同じく折れ曲がったソーラーパネルと円筒形の双胴ボディを持つ。双胴ボディのうち右舷はコックピット、左舷は武器弾薬を搭載するベイとなっており、左舷ベイにはプロトン魚雷、震盪ミサイル、プロトン爆弾、軌道機雷など多彩な兵器を搭載することができる。ホスから逃れてアステロイドに隠れたファルコン号を燻り出す絨毯爆撃に使用される。このTIEボマーは、『ジェダイの帰還』では、戦闘シーンはないが、第2デス・スターのドッキング・ベイに降着している様子が描かれている[7]。左舷ベイを乗客用キャビンに変更したTIEシャトルという移送用タイプもある。劇中では『帝国の逆襲』でニーダ艦長がアベンジャーからエグゼキューターに移乗する際に使用された[8]。『ローグ・ワン』には、ダース・ベイダーと共にプロファンディティへ乗り込む部下たちを運搬した、TIEシャトルと同様の双胴ボディを持つTIEボーディングクラフトという強襲揚陸タイプも登場している。また、TIEボマーは、ILMのスタッフに、二つ並んだチリドッグを連想させたことから「ダブル・チリ・TIE」と呼ばれていた[9][10]
TIE/INインターセプター
  • 諸元[11]
    • 全長:9.6メートル
    • 速度:4,240G
火力とスピードをより強化した新型のTIEシリーズ。ヤヴィンの戦いの敗北により帝国軍は反乱軍の機体が予想以上に高性能であることを知り、より高性能な戦闘機を求めた結果開発された。インターセプターは両翼の先が2つに別れ、4か所の先端部分にそれぞれレーザー砲が搭載されており、通常のTIEファイターの3倍の火力を誇った。反乱軍のAウィングには劣ったがスピードも強化されており迎撃機として活躍した。TIEファイターよりも高性能ではあったが帝国政府内の管轄間の縄張り意識により機体の置き換えはなかなかはかどらず置き換え率はエンドアの戦いの時点で帝国の全スターファイター部隊の20%に留まっていた。
TIE/sk x1試作型制空戦闘機
通称「TIEストライカー」と呼ばれる大気圏内特化型のTIEシリーズ。水平に配置された2枚の翼を特徴としており、巨大な中央ポッドを活かして補給物資や人員を軌道から地上へ運ぶこともできた。大気圏におけるミッションを目的に設計されていたが、他のTIEシリーズと同様、宇宙で戦うこともできた。
TIE/rpリーパー攻撃着陸艇
通称「TIEリーパー」と呼ばれる輸送に特化したTIEシリーズ。TIEストライカーのような水平翼と大型のボディが特徴。『ローグ・ワン』でスカリフに侵入した反乱軍を一掃する為、デストルーパーの一団を移送するのに使われていた。
TIE/rb重スターファイター
別名「ヘビーTIEファイター」と言われた武装強化型のTIEファイター。コックピットモジュールの側面にAIを搭載したレーザーキャノンポッドが取り付けられており通常のTIEに比べて攻撃力が増している。
TIE/Dディフェンダー
スローン大提督の主導するプロジェクトによって生み出された最新鋭の実験型戦闘機。球状のコクピットモジュールは変わらないが、機体後部から120度ずつ3方向に伸びるアームに3枚のソーラー・パネルを備えており、アドバンスドX1より強力な偏向シールドとハイパードライブを装備。武装もレーザー砲6門とプロトン魚雷を備えるなど、従来機を大幅に上回る強化が施されていた。発展型のエリートでは、速度の向上と素人でも容易に扱える操縦しやすさを両立させるなど、帝国が本気で戦闘機開発を行えばX-ウィングを凌駕する戦闘機が作れる事を見せ付けており、反乱軍のヘラ・シンドゥーラは「大量生産されたら、反乱軍のパイロットは太刀打ち出来なくなる」と戦慄した。元々はレジェンズで登場した機体だったがアニメ『反乱者たち』に登場し正史の機体として扱われるようになった。
アウトランドTIEファイター
モフ・ギデオン率いる帝国の残党勢力が使用しているTIEファイター。見た目、性能は通常のTIEファイターと変わらないがソーラーパネルが外側に曲がるようになっておりコックピッドポッド底部に着陸用ギアを備えている。これにより荒地などの不整地などでも着陸しやすくなり全高が低くなった為パイロットが乗降しやすいようになっている。
TIEハンター
ゲーム『ローグスコードロンIII』に登場したTIEシリーズの実験機。反乱軍のXウイングを参考に設計されておりXウイング同様のX型ウイングを持つ。性能面においても武装はレーザー砲の他、イオン砲、ミサイルランチャーを加えシールドとハイパードライブも搭載しているなどTIEファイターより大幅に強化されている。帝国の極秘施設で試験運用されていたが潜入した反乱軍のウェッジにほぼ全機破壊され、盗んだ3機のTIEハンターはフォンドアで建造中のスーパースターデストロイヤーの破壊作戦に使用された。帝国軍にとっては皮肉にも攻撃を受けることにより性能の高さを証明する結果となった。
TIE/fo制宙戦闘機
帝国残党組織ファースト・オーダーによって開発された次世代型TIEファイター。見た目は黒くなったTIEファイターといった感じで帝国時代と外観に大きな差はないが旧型機には無かった偏向シールドを搭載しており、専用のパイロットスーツが無くても乗れるよう気密性が確保されている。更に機体各所を最新技術で改良している為、旧型機と比べ性能が大幅に向上している。
TIE/sf制宙戦闘機
赤いマーキングが施されたファーストオーダー特殊部隊専用のTIEファイター。形状はTIE/foと大きく変わらないがこちらはハイパードライブが搭載され、パイロットに加えて底部重レーザー砲塔の操作を担当する砲手を搭乗させることのできる2人乗り仕様となっている。底部レーザー砲は砲手が操作することで360度全方位に攻撃が可能。燃料電池を追加で搭載しておりエンジン、武器、シールドの出力がTIE/foに比べ高い。
TIE/vn制宙戦闘機
最後のジェダイ』でカイロ・レン専用機として登場した新型のTIEシリーズ。別名「TIEサイレンサー」。TIEアドバンストx1と似たコックピットにTIEインターセプターのような翼を持つ。コックピット部分は角ばった形状をしておりTIEシリーズで唯一、丸型のビューポートを持たない機体である。
TIEウィスパー・スターファイター
スカイウォーカーの夜明け』で登場した最新型のTIEシリーズ。赤い装甲が追加されたポッドが特徴。さらなる近代化改修を施されており強化されたステルスシステム、ハイパードライブに加え、ハイパースペースに突入した敵を追跡可能なハイパースペーストラッキングを搭載している。劇中ではハイパースペースを繰り返して逃走するミレニアムファルコンを執拗に追跡した。より強化されたインターセプター型のモデルもありカイロ・レンが専用機として使用している。
TIE/dgスターファイター
通称「TIEダガー」または「シスTIEファイター」とも呼ばれる復活したパルパティーンによって率いられたファイナル・オーダーで運用された最新世代のTIEシリーズ。従来の球状コックピットにダガーの名前の由来でもあるデルタ型のソーラーパネルウイングを持つ。ウイングは大型と小型の二重構造になっており、間にコックピットポッドに設置された物より強力な重レーザー砲を搭載していた。
TIE/D自動型戦闘機
ゲーム『スター・ウォーズ 出撃! ローグ中隊』に登場する無人戦闘機。いわばドロイドスターファイターのTIEバージョン。レジェンズの戦いであるモン・カラマリの戦いで登場。非常に高速で小回りの利く機体のためブラスターで撃ち落とすのは困難を極める。

スピンオフ小説やアニメ、ゲームにも、バリエーションが登場している。そのひとつが、ティモシイ・ザーン作の『スローン大提督三部作』に登場した、シミター戦略爆撃機(アサルト・ボマー)である。機体は円筒形の単胴で、折れ曲がった翼を持ち、前方にコクピット、後方に爆弾槽を備えている。本機の特徴としては、コクピットが翼より前に出ており、視界が確保されていることと、コクピット自体が脱出カプセルになっていることである[12]

撮影に使用されたプロップにはコクピットのスクリーンが張られていない。まさに「シールドなしの剥き出し」だった[注 13]

脚注

注釈

  1. ^ 勘違いされやすい点だが、特徴的な2枚の大型パネルはイオンエンジンにエネルギーを供給する「ソーラーパネル」であり、TIEの名称の由来となった2基のイオンエンジンは球形のコクピット後部に2基搭載されている。
  2. ^ ゲーム『Star Wars: TIE Fighter 』内の設定では、帝国の医療技術は大変優れており、撃墜された瀕死のパイロットすらも回復させるほどである。ただしあくまでもこのゲームのみでの設定であり、公式の世界設定においてそこまでの技術があるのか(そしてパイロット一人一人をそこまで大切にするのか)は不明である。
  3. ^ しかし、『エピソード4/新たなる希望』劇中のラストシーンにおいて、後方からミレニアム・ファルコン号の奇襲攻撃を受け、パニックに陥ったベイダーの僚機が操縦を誤り、護衛対象のベイダー機に接触して弾き飛ばしてしまい、自らはデス・スターの外壁に墜落するというシーンがある。
  4. ^ ちなみに反乱同盟軍のパイロットにも帝国アカデミー出身の者が多かったため、彼らも「元・バケツ頭」であった。
  5. ^ イオン・エンジンは燃料としてプラズマ性のガスを用いる、スター・ウォーズ世界では一般的な内燃機関であるため、ソーラー翼とはいえ光の無い所で飛べなくなるわけではない。
  6. ^ TIEが搭載しているレーザー・キャノンは、本来ならYT-1300クラスの中型艇を撃破する威力は十分にあるのだが、ファルコン号はハン・ソロによって軍用規格の強力な(そして違法な)装甲板とシールドで武装していた為に有効打を与えることは出来なかった。
  7. ^ 敵の濃密な防御砲火を受ける(つまり、多少の被弾を受ける)ことが前提となる対地・対艦攻撃においては、TIEファイターのようにシールドや装甲を持たない軽戦闘機では明らかに不適であるためで、TIEファイターは軽量高機動の本質を殺すことなく制空権の確保にのみ集中し、雷爆撃では強力なシールドを備えたTIEボマーが威力を発揮する。
  8. ^ 前述したとおり、TIEファイターにはシールドが搭載されていないが、ゲーム『スター・ウォーズ 出撃! ローグ中隊』では「非常に弱い、エネルギーの再充填ができないシールドがある。」という設定になっている。
  9. ^ 帝国軍の軍事作戦は基本的に艦隊(スター・デストロイヤー)による「殴り込み」であり、敵機が迎撃に出てきた時にのみ、味方艦の護衛の為に戦闘機を発進させるものである。
  10. ^ 前後方向から見た時に「H」状をなす巨大なソーラーパネルは障害物との衝突のしやすさにもつながった。視界の悪さもあいまって、主力戦闘機としては他に類を見ない小さな機体の割に密集編隊は組みづらい機体であったとされ、後継機の翼端のパネルが折り曲げられたのは、少しでもぶつかりにくくするため、とまで言われたほどである。
  11. ^ 反乱軍側は地上攻撃用の部隊であり、空中戦に集中できなかったという事情もあった。ただし、帝国軍上層部の初期判断ミスにより反乱軍と同程度がそれ以下の機数しか出撃させなかった上に、迎撃出動の判断も大きく遅れる。そのため戦闘機隊の善戦にもかかわらず、30機前後の反乱軍にデス・スターを破壊されるという大敗を喫する。
  12. ^ ダース・ベイダー率いる機動艦隊の「死の小艦隊」でさえ、エンドアの戦い時点においてもTIE/LnファイターとTIEインターセプターを混用していた。
  13. ^ ただしこの「窓ガラスなし」は『スター・ウォーズ』旧3部作のほぼ全てのプロップに共通する仕様である。ブルーバック撮影において、窓の部分を反射させずにきちんと「抜く」ために窓ガラスにあたる部品を全て抜いていた。

出典

  1. ^ 講談社『スター・ウォーズののりもの100』72頁。
  2. ^ ゲーム『スターウォーズ レベルアサルトII』(英語版)より。
  3. ^ 扶桑社『スター・ウォーズ完全基礎講座 エピソード1篇』92頁。なお、同書には「シス・インフィルトレイターの後ろ姿を見れば、それがTIEシリーズの前身であることは明らか」という記述がある。
  4. ^ 扶桑社『スター・ウォーズ完全基礎講座』186頁、「TIEボマー」の項目による。
  5. ^ 講談社『スター・ウォーズののりもの100』73頁。
  6. ^ 講談社『スター・ウォーズののりもの100』74頁。
  7. ^ ルーカスフィルム公認、秦新二編著『ジョージ・ルーカスの大博物館』文藝春秋。81頁にマット・ペインティングが掲載されている。解説によると寸法は191×84cm。
  8. ^ 扶桑社『スター・ウォーズ完全基礎講座』186頁、「TIEシャトル」の項目による。
  9. ^ スティーブン・J・サンスイート著、日本版プロデュース=株式会社イオン、武田英明訳『スター・ウォーズ 偉大なるマーチャンダイジングへの歩み』バンダイ。24頁。
  10. ^ ルーカスフィルム公認、秦新二編著『ジョージ・ルーカスの大博物館』文藝春秋。45頁にストーリー・ボードが掲載されている。「Chili Tie」と記載あり。
  11. ^ 講談社『スター・ウォーズののりもの100』84頁。
  12. ^ デアゴスティーニ『スター・ウォーズファクト・ファイル』の「シミター戦略爆撃機(アサルト・ボマー)」のページ[要文献特定詳細情報]による。

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