TOI-561
TOI-561 | ||
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仮符号・別名 | TOI 561 | |
星座 | ろくぶんぎ座[1] | |
見かけの等級 (mv) | 9.5[2] | |
分類 | 恒星 | |
軌道要素と性質 | ||
惑星の数 | 5 | |
位置 元期:J2000[3] | ||
赤経 (RA, α) | 09h 52m 44.5490915370s[3] | |
赤緯 (Dec, δ) | +06° 12′ 58.924328104″[3] | |
視線速度 (Rv) | 79.54±0.56 km/s[3] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -107.690 ミリ秒/年[3] 赤緯: -61.719 ミリ秒/年[3] | |
年周視差 (π) | 11.6268 ± 0.0669ミリ秒[3] (誤差0.6%) | |
距離 | 281 ± 2 光年[注 1] (86 ± 0.5 パーセク[注 1]) | |
物理的性質 | ||
半径 | 0.832±0.019 R☉[2] | |
質量 | 0.805±0.03 M☉[2] | |
スペクトル分類 | K[4] | |
表面温度 | 5326±64 K[2] | |
金属量[Fe/H] | -0.4±0.05[2] | |
年齢 | 100±30億年[2] | |
他のカタログでの名称 | ||
TIC 377064495[5] TYC 243-1528-1[6] GSC 00243-01528[3] 2MASS J09524454+0612589[3] Gaia DR1 3850421000995561088[3] Gaia DR2 3850421005290172416[3] |
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TOI-561とは、ろくぶんぎ座の方向に地球から約86.01光年離れた場所に位置するスペクトル分類がK型の恒星である[2][4][1]。5つの太陽系外惑星が周囲を公転していることが知られており、さらにTTV信号が検出されている[4]。今までに発見された惑星の中では古いほうであり、金属量も少ないとされている。TOI-561系は大気の観測に適した惑星系かもしれない[6]。
概要
TOI-561は銀河系の厚い円盤に位置し[7]、年齢は約100億年とされている[1]。厚い円盤に存在する恒星は鉄、マグネシウムなどの量が少ない[6]。なお、TOI-561の「TOI(TESS object of interest)」とは、TESSによる観測でトランジットが検出された天体を識別するための番号である[8]。その他に、TIC 377064495[5]やTYC 243-1528-1[6]といった名称も存在する。
太陽 | TOI-561 |
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惑星系
名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 | 軌道傾斜角 | 半径 |
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b | 0.00500±0.00113 MJ | 0.01055±0.00008 | 0.446578±0.000017 | 0 | 87.0+2.1 −2.8° |
0.1267±0.0062 RJ |
c | 0.017±0.0028 MJ | 0.08809±0.00070 | 10.779±0.004 | 0.0600+0.0670 −0.0420 |
89.53+0.32 −0.39° |
0.2569±0.008 RJ |
f | 0.0094+0.0076 −0.0060 MJ |
0.1174±0.0015 | 16.287±0.005 | 0 | — | 0.207±0.0143 RJ |
d | 0.03760±0.00403 MJ | 0.1569±0.0012 | 25.62±0.04 | 0.0510+0.0640 −0.0360 |
89.54+0.28 −0.21° |
0.2257±0.0116 RJ |
e | 0.0503±0.0072 MJ | 0.3274+0.0028 −0.0027 |
77.23±0.39 | 0.0610+0.0510 −0.0420 |
89.75+0.14 −0.08° |
0.2382±0.0098 RJ |
以前、この恒星にはトランジット系外惑星探索衛星(TESS)による観測で公転周期が約10.78日のTOI-561.01、約0.45日のTOI-561.02、約16.37日のTOI-561.03の3つの惑星候補が存在する可能性が示されていた[5]。
TOI-561の周囲を公転する4つの惑星がTESSによるトランジット法、HARPS-Nによるドップラー分光法を用いた観測により発見・確認された。内側の惑星TOI-561 bはスーパー・アースで、公転周期は約0.45日と短い超短周期惑星(USP)であり、TOI-561 bはUSPの中では低密度である[4]。主星から至近距離にあるため、表面温度は約1700℃にも達すると考えられている[1]。その外側に存在するTOI-561 c、TOI-561 d、TOI-561 eはミニ・ネプチューンとされている。さらに、dとeの間には長期間のTTVが検出されている。また、cとdの間を約16.4日の公転周期で公転しているとされるTOI-561 fが存在する可能性が示された[2]。
その後、dとeの存在が確認できず、太陽系外惑星エンサイクロペディアでの現状は「Controversial」となっていたが、後に再び存在が確認された[2]。なお、NASA Exoplanet Archiveでは5個すべての惑星が「Confirmed」となっているものの、d、e、fについては「Controversial」も併記されている[9]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d “天の川銀河を違った視点から見ていた岩石惑星”. AstroArts. 2021年1月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “The Extrasolar Planet Encyclopaedia Catalog”. 太陽系外惑星エンサイクロペディア. 2020年12月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “TYC 243-1528-1”. Simbad. 2021年1月18日閲覧。
- ^ a b c d e “An unusually low density ultra-short period super-Earth and three mini-Neptunes around the old star TOI-561”. arXiv. 2020年9月9日閲覧。
- ^ a b c “TESS Project Candidates”. NASA Exoplanet Archive. 2021年1月15日閲覧。
- ^ a b c d “Astronomers Discover 10-Billion-Year-Old Multiplanet System”. SCI NEWS. 2021年1月18日閲覧。
- ^ “The TESS-Keck Survey II: Masses of Three Sub-Neptunes Transiting the Galactic Thick-Disk Star TOI-561”. arXiv. 2020年9月9日閲覧。
- ^ “TESS Objects of Interest Table Data Columns”. NASA Exoplanet Archive. 2021年1月18日閲覧。
- ^ a b “TOI-561 Overview”. NASA Exoplanet Archive. 2021年1月13日閲覧。