ポッキー
ポッキー | |
発売開始年 | 1966年(昭和41年) |
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会社名 | 江崎グリコ |
生産状況 | 生産中 |
販売元 | 江崎グリコ |
ウェブサイト | http://pocky.jp/index.html |
ポッキー(和製の欧字綴りおよび英語名:Pocky)は、日本の菓子メーカー・江崎グリコが1966年(昭和41年)から発売しているチョコレート菓子で、同社の登録商標(第3103630号他)である。
日本を始めとする世界各国で販売されており、言語圏によっては異なる商品名となっている。詳しくは「#世界での商品展開」を参照。
開発史
1960年代後期、江崎グリコの商品開発担当者は新製品の開発にあたって既存商品「プリッツ」にチョコレートをコーティングした菓子を思いついた。当初は全体にコーティングすることを考えていたため、手を汚さずに食べるための方法は開発者を大いに悩ませた。銀紙で包むことも考えたが、費用や手間の問題が壁となった[1]。結果、スティック状のクッキーの一部分をチョコレートでコーティングしない部分を作り、そこで持たせるという現在のスタイルを考案した[2]。これは、大阪名物の串カツをヒントにしたといわれる[3]。
「てくてく歩きながら食べるチョコスナック」ということで「チョコテック」と名づけ、大阪府寝屋川市の数十軒の菓子店でテスト販売をしたところ、大好評だった。しかし、「チョコテック」の名は他社によって商標登録されており使用できなかった。そこで、細い棒状の物の折れた時の日本語の擬音語、「ポッキン (pokkin)」をもじり「ポッキー (Pocky)」へと改め、1966年(昭和41年)に商標とした[1]。
なお、芯部分のプリッツは、欧州起源のお菓子「プレッツェル」に由来するものである。また甘みのある味の「バタープリッツ」を参考にしたものが採用されているため棒状のビスケットに近い[4][5]。
世界での商品展開
本商品は日本以外の国・地域でも広く販売されている。アメリカ合衆国やシンガポールなどでは日本と同様「Pocky」の名で販売されている。
「ポッキー」の和製の欧字綴りである「Pocky」は英語では「痘痕(あばた)のある」を意味する語や男性器の隠語と同綴異義語の関係になってしまうため、ヨーロッパではこれを避け、「MIKADO」という名前での販売となっている。「ミカド(en)」というのはヨーロッパの、ランダムに積み重なった棒を1本ずつ取り除いてゆき、器用さを競うゲームであるピックアップスティックゲーム(cf. みかど)で使われる竹ひごに似ているために付いた名前である。なお、このゲーム名の「Mikado」は元来、天皇の異称である「みかど(御門、帝。cf. 天皇#中世)」が語源である。
マレーシアでは「Rocky」の名で販売されていた。これは、「Pocky」が同国の国教であるイスラム教で、食のタブーである豚肉に関連する英単語「pork(意:豚肉)」や「porky(意:豚の、豚のような)」を連想させるためである。しかし、世界販売強化による統一的なPR戦略を図るため、2014年春ごろより、本家の「Pocky」に改名することを江崎グリコ本社が発表し、すでに実行されている[6]。
中華人民共和国では「ポッキー」を元に漢訳された「百奇(拼音:bǎi-qí、ウェード式:pai3-chi1、po2-chi1)」の名で販売され、ビスケットカテゴリーで市場に参入したことが成功し売り上げを伸ばしている[4]。また、同じ中国語圈に属する台湾では日本と同様「Pocky」の名で販売されている。
韓国では2013年6月4日より、江崎グリコとヘテ製菓食品との合弁会社グリコヘテより、「포키 (po-ki)」の名で販売されている。
名前だけでなく製品の内容も、タイは気温が高いため日本より融ける温度が高いチョコレートを使って甘さを抑える、ヨーロッパではカカオ100%のチョコレートにするなど、地域によって変えている。
2020年10月13日、2019年に世界で最も売れた「チョコレートでコーティングされたビスケット」としてギネス世界記録に認定された[7]。
高級品の開発
日本では2000年代以降、「ムースポッキー」や「ポッキーデコレ」といった、贅沢な原材料を使用したり、季節に合った独特の味を出したりした商品を発売しており、高級感を演出している。
2018年7月31日、日本の玄関口である成田国際空港に専門店を出店。ポッキーの最上位クラスと位置付け、「まるで飛行機のファーストクラスのように、日常より少し贅沢なポッキー」をコンセプトに、世界に誇るポッキーブランド最上クラスの濃厚なおいしさを実現した商品・プレミアムライン「ポッキープルミエールクラス」を同空港限定製品として販売する。[8]
百貨店への展開
ポッキーの百貨店向け商品としてスイーツショップ「バトンドール」を新規に立ち上げ、髙島屋大阪店(2012年10月24日開店)、阪急うめだ本店(2012年10月25日開店)のデパ地下に出店している。 バトンドール・ミルク/ホワイト/ストロベリー/宇治抹茶/カフェの5品で20本入481円(税込)である。2013年6月12日からはシュガーバター/シナモンシュガー/メープルシュガー/ストロベリーシュガー/抹茶シュガーの5品が36本入481円(税込)も販売されている。
商品構成
日本(現行)
- ポッキー チョコレート :チョコレート味のポッキー。
- クラッシュポッキー :適度に粉砕した食材の香ばしさや歯ざわりを活かした商品群。
- いちごポッキー :イチゴ味。
- はちみつミルクポッキー :蜂蜜と牛乳のミックス風味。
- ぶどうポッキー :ブドウ味。
- ポッキーのケーキ :全国に17店舗展開している「ぐりこ・や」限定販売。
- ジャイアントポッキー :通常のものに比べて格段に大きい商品。日本全国で販売されているもの、土産用に地方限定で販売されているもの、および、期間限定で販売されるものがある。
- 全国販売商品
- ジャイアントポッキー
- ジャイアントポッキー つぶつぶいちご
- 地域限定商品は公式サイト参照
- 全国販売商品
日本(過去)
- アーモンドポッキー:1971年から2003年まで発売。なお2009年、2011年に期間限定で再発売された。なお、2011年の再発売では、1978年(昭和53年)当時の復刻パッケージが用いられた。
- メンズポッキー :1996年から2010年まで発売。大人向けに開発された。
- ポッキー ミルク: 原材料のチョコレートの粉乳の比率をポッキー チョコレートより2.5倍増量した商品。
- ポッキー ソルティ☆ :チョコレートの表面に食塩と砂糖の結晶をトッピングした商品。
- ポッキーG :通常のポッキーよりも更に硬質に焼き上げられたプレッツェルが用いられていた。
- リトルポッキー:通常のポッキーよりも短いプレッツェルが用いられていた。
- ソフトポッキー:ムースポッキーのルーツとも言える商品。パーティーサイズのみの発売。
- ムースポッキー :ムース状の食感を活かした商品群。
- ポッキー黒五・五果
- ポッキー黒五
- ポッキー五果
地域限定商品 ジャイアントポッキー 夕張メロン :北海道限定。
ジャイアントポッキー 信州巨峰 :長野県限定。
ジャイアントポッキー 京都抹茶あずき :関西(近畿地方)限定。
ジャイアントポッキー 神戸ワイン :関西(近畿地方)限定。
ジャイアントポッキー 日向の夏みかん :九州限定。
期間限定商品 ジャイアントポッキー 豪華絢爛 〈金箔入〉
ジャイアントレインボーポッキー
海外
- 上海江崎グリコ
- Pocky百奇<ウーロン茶味> 上海限定
- Pocky百奇<ライチ味> 上海限定
- タイグリコ
- ミルク タイ限定
- チョコバナナ タイ限定
コラボレーション商品
- ポッキーショック - メガハウスから発売。パッケージの箱からポッキーを模した棒を取り出してゆきハズレを引くと中にある残りのポッキーが飛び出すゲーム。
- ジャイアントポッキーショック - メガハウスから発売。
- お菓子なパズル グリコポッキー - ハナヤマから発売。パッケージを模したパズル。
類似商品
日本のメーカーでは1970年代初頭にカバヤ食品が「カバヤ プレッツェル」という名で「ポッキー」と「プリッツ」を模したプレッツェル菓子を発売している。他に明治製菓の「ラッキースティック」や「フラン」、ロッテの「トッポ」がある。
韓国ではパッケージの体裁まで「ポッキー」に酷似しているコピー品「ペペロ(Pepero、빼빼로)」が1983年から韓国ロッテから発売されている。
東南アジアでは「チョッキー(Chocky)」なる類似品が大量に流通している。
CM・キャンペーン
CMでは歴代その時代を象徴するトップアイドルが起用されている[9]。過去には、岡田奈々、山口百恵、倉田まり子、熊谷美由紀、松田聖子、菊池桃子、本田美奈子、南野陽子、吉田栄作らを起用。
また、日本では数字の「1」をポッキーとプリッツに見立て、毎年の11月11日を「ポッキー&プリッツの日」としてキャンペーンを展開している。「1」が6つ並んだ1999年(平成11年)11月11日を「第1回」とし[10]、田中麗奈を起用したCMをしていた。
- 1990年(平成2年)からは牧瀬里穂を起用、1992年(平成4年)秋冬CMでは加藤紀子と共演した。1994年(平成6年)には清水美砂(すなみ役)、牧瀬里穂(ちなみ役)、中江有里(こなみ役)、今村雅美(えなみ役)の4人で1993年(平成5年)放送の『ポッキー四姉妹物語』のCMキャンペーンが行われ、2年後には『四姉妹物語』として映画化もされた。
- 1993年(平成5年)には、関東地区限定でアーモンドチョコレートでシリアルクランチをコーティングした「シリアルポッキー」を発売し、CMに松雪泰子を起用。これが関東地区外で評判を呼び、その3年後に全国発売となったが、やがて製造中止になった。
- 1996年(平成8年)からは吉川ひなのを起用。その後『ポッキー坂恋物語』と題して、椎名桔平と常盤貴子、安藤政信と奥菜恵、鳥羽潤と吉川ひなのがそれぞれカップル役でCM出演。非売品の販売促進プレゼントとして、常盤を除く5人が出演する3話オムニバスドラマのビデオ『かわいいひと』(主題歌:ウルフルズ)が制作された。相米慎二が総監督を務め、同作は1998年(平成10年)に劇場公開もされた。
- 1998年(平成10年)には廊下一面にポッキーを敷き詰めたCMが登場した。吉川(ポッキー担当)、牧瀬(ショコラポッキー担当)、上良早紀(つぶつぶいちごポッキー担当)が起用された。
- 1999年(平成11年) - 「第1回ポッキー&プリッツの日[10]」
- 2000年(平成12年)から、モーニング娘。を起用。「ポッキー&プリッツの日」のPRでプリッツのCMモデルである松浦亜弥と共演したり、CM限定ユニット「ポッキーガールズ」「ビーナスムース」が結成され、両ユニット特別限定CDのプレゼントキャンペーンも実施。
- 2004年(平成16年)下半期から放送された「アナタもワタシもPocky'n!」のバージョンは、同社の顔ともいえるCM女優(松浦亜弥、石原さとみ、仲間由紀恵、柴咲コウ)を現代のポッキー四姉妹に見立てた。4人全員が共演するバージョンとそれぞれ1人ずつ出演のバージョンがある。2004年秋〜2005年夏には、石原が出演するポッキーゲーム・バージョンや、2005年秋からは仲間・松浦に代わって妻夫木が出演するバージョンも放送された。仲間は「ポッキーデコレ」のCMにも出演。
- 2004年(平成16年)10月より、スペースシャワーTV限定で、アーティストとのコラボレーションCMを開始。3か月おきに出演アーティストが交代し、2011年9月現在も継続。
- 2005年(平成17年)には商品に過去のCMの映像を使用したワンシーン・シールが封入されるキャンペーンを実施。
- 2006年(平成18年)には、ポッキー極細のイメージキャラクターとして、新垣結衣を起用。楽曲は同じ沖縄県出身であるORANGE RANGEの「DANCE2 feat.ソイソース」を起用。
- 2006年12月11日に、アニメ『機動戦士ガンダム』とのコラボレーションとして、ガンプラ付き「ポッキー〈ガンダム〉パック」が発売された。
- 2007年(平成19年)は、新垣結衣出演「はじけてチャレンジ! 文化祭篇」(友達役は高瀬友規奈) 、岡田将生出演のメンズポッキー「はじけてチャレンジ! バイト篇」をテレビ放映。CM曲は絢香の「For today」が使われた。
- 近年[いつ?]では、「ポッキー」と「キッポー」(吉報)をかけた受験シーズンの限定販売商品が出されている。
- 2008年(平成20年)には、第50代ポッキープリンセスに選ばれた忽那汐里をリニューアル・キャンペーンCMに起用。楽曲はORANGE RANGEの『おしゃれ番長 feat.ソイソース』を起用。
- 2009年(平成21年)は、忽那の出演する「エビバデポッキー篇」を9月より、益若つばさ出演の「エビバデポッキー つばさ篇」、IMALU出演の「エビバデポッキー IMALU篇」を10月より、大杉漣出演のメンズポッキー「大杉漣篇」を12月よりテレビ放映。新CM曲はいきものがかりの「じょいふる」で、いきものがかりも「ポッキー&プリッツの日」のCMに出演した。
- 2010年(平成22年)は、YMO(坂本龍一・細野晴臣・高橋幸宏)出演「エビバデポッキー宣言篇」を9月よりテレビ放映。CM曲はYMOの「RYDEEN」が使われた。
- 2011年(平成23年)は、二宮和也出演「ALL篇」「DRINK&Po篇」を9月よりテレビ放映。CM曲はM.C.ハマーの「U・キャント・タッチ・ジス」が使われた。
- 2012年(平成24年)は、11月11日はポッキー&プリッツの日にあわせて、全国のファミリーマートでアニメ『パワーパフガールズ』のオリジナルクリアファイルをプレゼントした。
キャンペーンとしては、ポッキークリエイターズキャンペーンとして、映像部門・音楽部門・ダンス部門・ボイス部門・イラスト部門・コトバ部門・写真部門の7部門、各部門で最優秀賞・優秀賞2名を設定、pixiv・ニコルソンなどで募集作品を一般公募した。 賞品・賞金は最優秀賞がポッキー111個と11万円、優秀賞がポッキー11個と1万1千円だった。 なお作品は2016年11月11日現在ポッキークリエイターズ受賞作品GALLERYで見る事が出来る。
- また、Twitterで「ポッキー」の単語を含むツイートを1日に111万ツイートしギネス記録に挑戦する企画を実施(最多記録はiPhone5発売時の108万ツイート)、184万3733回のツイートがあり、15日に「24時間にもっともツイートされたブランド」としてギネス世界記録に認定された[11]。
- 2013年(平成25年)より、二宮が悪魔に扮装した「デビルニノ」を主人公にしたシリーズCMが放送開始。
- 2014年(平成26年)は、二宮の出演CMにあわせ二宮扮するデビルニノを助けるか助けないかの特設HPが開設され「結末篇」が流された。
- 2015年(平成27年)9月1日の商品リニューアルに伴い、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの小林直己、岩田剛典、登坂広臣がイメージキャラクターに選ばれ[12]、THE Sharehappi が結成された。
- 2016年(平成28年)2016年からグラビアアイドルの武田玲奈を起用。三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEのメンバーと共演。
- 2017年(平成29年)9月より、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEのメンバー7人全員出演。
- 2018年(平成30年)9月より、宮沢りえ・大倉孝二・南沙良を起用した新CM「何本分話そうかな・デビュー篇」が放送開始。CM曲はB'zの「マジェスティック」が使われた。
- 2019年(令和元年)11月より、ポッキー&プリッツの日 Let's おソロ PARTY! with キズナアイ
脚注
- ^ a b 「ポッキー」-プレッツェル全体にチョコをかけなくてもいいのでは?|飲食品でヒット商品をつくる J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
- ^ “POCKY'S HISTORY” (英語). EZAKI GLICO. 2020年10月17日閲覧。
- ^ ポッキーのチョコなし部分 アイデアの源泉は大阪の串カツNewsポストセブン 2015年11月08日、2020年10月17日閲覧
- ^ a b 「 世界で愛されているロングセラー商品 」 ~ 「 ポッキー 」 のグローバル展開 ~江崎グリコ(インターネットアーカイブ)
- ^ “【ビジネス解読】韓国チョコ菓子「ペペロ」は「ポッキー」のパクリ! グリコが米韓で相次ぎ提訴 11月11日の記念日まで争点に…”. 産経新聞 2020年10月17日閲覧。
- ^ “「ロッキー」を「ポッキー」に改名 イスラム圏も本家に” (日本語). 朝日新聞. (2014年3月18日) 2014年3月18日閲覧。
- ^ “「ポッキー」世界で最も売れたチョコのビスケットに…ギネス認定” (日本語). 読売新聞. (2020年10月13日) 2020年10月14日閲覧。
- ^ グリコ/成田空港に初のポッキー専門店、プレミアムライン販売 | 流通ニュース
- ^ 牧瀬里穂からデビル・ニノまで豪華な顔ぶれ…ポッキーCMといえば誰?excite.ニュース
- ^ a b “ポッキー&プリッツの日”. 一般社団法人 日本記念日協会. 2020年5月26日閲覧。
- ^ “ポッキー、「24時間に最もツイートされたブランド」でギネス世界記録達成”. オリコン CS Report. (2012年11月16日) 2015年12月5日閲覧。
- ^ “三代目JSB・小林直己「打倒ランニングマン」 CMで振り付け考案”. ORICON (2015年8月25日). 2015年8月25日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ポッキー - 江崎グリコ(公式ウェブサイト)
- ポッキー タイグリコ(公式ウェブサイト)
- グリコヘテ ポッキー(韓国語)
- バトンドール(Baton D'or)
- 朝日新聞掲載「キーワード」;デジタル大辞泉プラス『ポッキー』 - コトバンク