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版画 (ドビュッシー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

版画』(はんが、フランス語: Estampes)は、1903年に完成されたクロード・ドビュッシーのピアノ曲集である。『映像』とともに印象主義音楽ピアノ曲の書法を確立した作品である。以下の独立した3曲からなる。

各曲

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音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Debussy:Estampes - アラン・プラネス(P)による演奏。France Musique公式YouTube。
『版画』自筆譜表紙(1903)

版画は、3つの異なる土地を連想させる。

塔(パゴダ)

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原題:Pagodes

ガムラン音楽の影響も見られるものの、ペンタトニックを用いてインドシナ民族音楽を模倣しており、アジアを暗示している[1]。演奏時間はおおむね約4分半。

グラナダの夕べ

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原題:Soirée dans Grenade

ギターの掻き鳴らしの模倣とロマの音階(ハンガリー音階)の利用によって、スペイン情緒を掻き立てている。作曲当時のドビュッシーのスペイン体験といえば、サンセの街で数時間を過ごしたことだけであった[1]。しかし、スペインの作曲家マヌエル・デ・ファリャは、「1小節たりともスペイン民謡からは借用されていないにもかかわらず、作品全体が、ほとんどの細部において、スペインを見事に描き切っている[2]」と評した。さらに、ドビュッシーの死後に追悼として作曲した『ドビュッシーの墓のために』(1920年)において本曲を引用している。演奏時間はおおむね約5分半。

雨の庭

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原題:Jardins sous la pluie

忘れられた映像』第3曲の改作であり、フランスの童謡『もう森になんか行かない』 (Nous n'irons plus au bois ) や『眠れ坊や眠れ』 (Dodo, l'enfant do)[1]が引用され、ドビュッシーの母国フランスの庭園に篠突く雨が描写されている。この曲では、半音階全音音階長調短調が混在している。演奏時間はおおむね約3分[1]

初演は1904年1月9日に、リカルド・ビニェスによって行われた。

脚注

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  1. ^ a b c d Hinson, Maurice. Preface to Estampes by Claude Debussy. Van Nuys, CA: Alfred Publishing Co., Inc., 1993.
  2. ^ Schmitz, Robert E. The Piano Works of Claude Debussy. New York: Duyell, Sloan and Pearce Publishers, 1950. pp 85-86.

外部リンク

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