熊谷圭知
熊谷 圭知(くまがい けいち、1954年 - )は、社会文化地理学、パプアニューギニアを中心としたオセアニア地域研究、ジェンダー/男性性研究などを専門とする日本の地理学者[1]、お茶の水女子大学名誉教授[2]。
経歴
[編集]東京都目黒区緑が丘に生まれる[1]。父親は岩手県陸前高田、母親は盛岡市出身であった[1]。小学4年まで東京工業大学の官舎で育ち、小学5年から高校卒業まで名古屋市で過ごす[1]。
一橋大学社会学部に学び、大学院に進み、社会地理学教室で[1]、竹内啓一に師事して、入江敏夫や栗原尚子にも教えを受ける[3]。当時の社会地理学のゼミには、水岡不二雄、礒部啓三、山本健兒らも参加していた[4]。大学院在籍中にパプアニューギニア大学への留学を経験し、以降、頻繁にパプアニューギニアへ渡航するようになった[1]。パプアニューギニアにおいては、地域研究と開発実践の領域にまたがる活動を重ねた[5]。
1982年に[1]博士課程を1年で中退して九州大学文学部助手となり[4]、1985年に阪南大学に転じ、1992年にお茶の水女子大学の教員となった[1]。お茶の水女子大学では、その後の組織改編に際して、大学院開発・ジェンダー論コースや[6]、グローバル文化学環の設立にも積極的に関わった[7]。
2011年の東日本大震災以降は、大学関係者とともに、継続的に陸前高田に赴いた[1][5]。
2017年、「移動・開発・場所とフィールドワーク パプアニューギニアの動態地誌」により、九州大学より博士(文学)を取得した[8]。
2019年に刊行した『パプアニューギニアの「場所」の物語』は、2020年度の人文地理学会賞(学術図書部門)と日本地理学会賞(優秀著作部門)を受賞した[2]。
2020年3月にお茶の水女子大学を定年退職したが、折からのコロナ禍のために最終講義などは中止され、2022年5月のホームカミングデイに、それに代わる講演会が実施された[9]。
おもな著書
[編集]単著
[編集]共編書
[編集]- (塩田光喜との共編書)マタンギ・パシフィカ 太平洋島嶼国の政治・社会変動、日本貿易振興機構アジア経済研究所(研究双書)、1994年
- (西川大二郎との共編書)第三世界を描く地誌 ローカルからグローバルへ、古今書院、2000年
- (塩田光喜との共編書)都市の誕生 太平洋島嶼諸国の都市化と社会変容、日本貿易振興機構アジア経済研究所(研究双書)、2001年
- (片山一道との共編書)朝倉世界地理講座 15: 大地と人間の物語 オセアニア、朝倉書店、2010年
- (小林誠、三浦徹との共編書)グローバル文化学 文化を越えた協働、法律文化社、2011年
共訳書
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i 熊谷圭知「熊谷圭知 プロフィール」お茶の水女子大学。2024年9月20日閲覧。
- ^ a b 「熊谷圭知名誉教授の著書が各学会賞受賞」お茶の水女子大学、2021年4月12日。2024年9月20日閲覧。
- ^ 熊谷ほか,2020,p.58
- ^ a b 熊谷ほか,2020,p.60
- ^ a b 「教員紹介 熊谷圭知」お茶の水女子大学。2024年9月20日閲覧。
- ^ 熊谷ほか,2020,p.61
- ^ 熊谷ほか,2020,p.64
- ^ 「移動・開発・場所とフィールドワーク : パプアニューギニアの動態地誌」国立国会図書館。2024年9月20日閲覧。
- ^ 「グロ文ホームカミングデイ2022開催(5/28)グロ文学会総会&熊谷圭知名誉教授講演会(延期となっていた最終講義)を開催します」お茶の水女子大学、2022年5月9日。2024年9月20日閲覧。
参考文献
[編集]- 熊谷圭知、水野勲、倉光ミナ子,久島桃代「【特別インタビュー】熊谷圭知教授とお茶大地理学教室」『お茶の水地理』第59巻、2020年、56-66頁、CRID 1050003824959206016。
外部リンク
[編集]- 研究者情報(KAKEN、researchmap、J-GLOBAL)
- 文献情報(CiNii Research、IRDB)
- 熊谷 圭知 (keichi.kumagai) - Facebook